TPPと道州制の危険性
みなさんは「B層」という言葉をご存知でしょうか。
「B層」とは、郵政民営化の広報企画にあたって小泉政権の主な支持基盤として想定された、「具体的なことはよくわからないが小泉純一郎のキャラクターを支持する層」のことです。
2005年、小泉内閣の進める郵政民営化に関する宣伝企画の立案を内閣府から受注した広告会社「スリード」は、国民を下の四つの区分に分類しました。
後に外部に流出したこの宣伝企画書によって明らかになったのは、小泉政権が自分たちの支持者のことを「馬鹿だ」と考えていたという事実です。また、彼らが「馬鹿だ」と見下す「B層」の人々をいかにコントロールするか、つねに情報戦略の立案を怠らなかったという事実です。
安倍政権は、小泉政権の焼き直しであり、今熱心に安倍政権を支持している人々も、この「B層」の人たちが中心を占めています。「A層」のたくみな情報操作により、「B層」の人々は、安倍政権を純粋な愛国・保守政権と信じ、熱心に応援しています。しかし、「B層」が信じるイメージとは裏腹に、安倍政権が掲げる実際の諸政策は、国を守るどころか、日本という国家や国柄、国民の暮らしを根底から破壊する方向を明確に指し示しています。
皮肉なことに、安倍政権のもくろむ構造改革により最も傷つくのは、安倍政権を信奉している「B層」の人たちであり、「B層」はやがて確実に「D層」に転落していきます。にも関わらず「B層」は構造改革の問題に一番鈍感な人々です。
あなたは、いまどの「層」に属していますか?
ご自分や家族が貧困や格差によって傷つく前に、新自由主義やグローバリズム、TPPや道州制などの構造改革についての知識や、自分の頭で考える習慣を身につけ、家族を守るため、ふるさとを守るため、国を守るため、TPPをはじめとする安倍政権のもくろむ様々な構造改革に断固反対する「C層」の群れに加わっていただきたいと思います。
同じやり方で二度も三度もだまされ続ける贅沢は、私たちにはもう許されていません。
(「B層」が国を滅ぼす(2)という記事もお読みください。)
今日本に大変な危機が訪れています。
TPPと道州制という二つの画期的制度改変を通して、日本の国家の障壁や枠組みが解体され、我が国はグローバル秩序に直接組み込まれようとしています。
これは戦後のGHQによる占領統治下、日本独立後のアメリカによる内政干渉や間接支配、冷戦終結後にさらに拍車がかかった構造改革の押しつけを通して漸次遂行されてきた、日本のアメリカ化及びグローバル化プロセスの最後の画竜点睛として理解するべきものです。
日本の「強み」(文化的な長所)や「富」(マネーや技術や産業)が外に流れ出す一方で、移民が自由化され、安い労働力が海外から国内に流れ込んできます。
格差と貧困が広がり、産業は空洞化し、農業は壊滅し、日本の経済的疲弊と弱体化は避けられません。
さらには、国家の権限を限定し地域に主権を移譲する道州制により、日本はばらばらに切り刻まれていきます。日本全体は、一つの国家としての性格を失い、TPP域内の一政体のような位置づけへと変わっていきます。
日本は、アメリカ、カナダ、オーストラリアのような本格的な移民国家へ移行し、長期的には様々な異民族によって構成されるようになり、アメリカ先住民族やハワイ民族と同じく、我々日本民族はあたかも日本列島の先住民族のような位置づけに立たされるようになります。
このように安倍政権は、「日本を取り戻す」どころか、日本の徹底した国家解体とグローバル化を推し進めようとする過激な新自由主義の政権なのですが、なぜか、この本質が隠蔽され、愛国的なイメージばかりが前面に押し出されてきました。
その結果、アベノミクスの効果もあいまって、多くの国民は、安倍政権の新自由主義的本質に警戒心を抱くことなく、それとは正反対に、国家の堅牢化を目指す単純に保守的な政権であると誤認するようになりました。
実際には、安倍晋三は、新自由主義的政策を実現するために、人々の愛国心や愛国的シンボルを利用する、小泉純一郎や橋下徹と同じ新自由主義と新保守主義が結合したタイプの政治家なのですが、
彼の新自由主義者としての本質を極力カモフラージュする情報操作が組織的かつ長期的に展開されてきたと考えられます。
WJFプロジェクトは、2013年年頭より、安倍政権の危険性と欺瞞性を、つよく皆様に警告してきました。
どうぞ、日本国民各位、しっかりと目を覚ましていただき、現在私たちの国に何が起きようとしているかを知り、日本を守り抜く私たちの戦列に加わっていただきたいと思います。
※現在、私たちが直面する問題をより深く理解していただくため、右の「おすすめ記事」のいくつかをお読みください。
サルでも分かるTPPがヤバい9つの理由 (2013年版)
TPP: 日本を呑み込むもう一つの大津波 (2013年版)
TPP&道州制: 安倍政権下で私たちは何を失おうとしているのか
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