【批判的に聞く】シリーズ

2013年7月27日 (土)

ジェームス・アワーと双頭の鷲作戦

ジェームス・アワーというアメリカ人が、産經新聞に寄せた記事が話題になっています。このアメリカ人は、慰安婦問題や靖国問題など、日本を苦しめている「歴史問題」について、日本の肩を持つ意見を述べてくれています。

ジェームス・E・アワー 日韓の間の「真実の話」をしよう

□ヴァンダービルト大学 日米研究協力センター所長

先月、朴槿惠大統領の強力な支持者である韓国政界の長老の招きで3日間、ソウルを訪れた。韓国の政治家、政府当局者、経済人たちと、頼んで面会し、北西沿岸にある韓国海軍基地の訪問にも招待された。残念なことに、会った韓国人のほとんどが日本について否定的な見方をしていた。

 ≪慰安婦は韓国だけにあらず≫

 1998年に日本の小渕恵三首相と韓国の金大中大統領(いずれも当時)が、過去の問題に終止符を打って前に進むという合意をして共同声明を発表したときとは、彼らの意見が明らかに様変わりしたのはなぜかと問うた。

 会った韓国人たちの大半が、自分たちの姿勢は98年から変わってはいないと主張し、そうではなくて、現在の自分たちの態度は、慰安婦問題や安倍政権の高官たちによる靖国神社参拝、そして竹島に対する日本の立場といった、歴史問題に対する日本人の無神経さのせいなのだ、と答えた。

 私は、今の日本、韓国または米国の指導者は誰も45年の戦争終結まで中国で行われた売春の慣行を許していないと述べた。

 正確な数字は手に入らないものの、貧農の親の意思によって身売りされたり、他の手段で募集されたりして、日本兵たちに性サービスを提供していた韓国の女性の数が、日本や中国、他の国々からのそうした女性の数よりも多かったということはあり得る。

だが、それは韓国人を対象に絞った計画ではなかったし、戦時中のこの事業で犠牲となったすべての国籍の女性が被った真の苦痛について、日本が心から悔いていることは疑う余地がない。

 この時代の日本では売春は合法であり、占領期の日本でも性サービスは米軍に提供されていた。起きたことは正しかったとする事実ではなく、当時の規範が現在のものとは遥(はる)かに異なっていたということを示す事実である。

 日本政府高官たちが靖国神社に参拝することに関しては、日本の指導者たちは、一部が神社にその名を列せられているA級戦犯をたたえるために行くのではなく、ましてや、日本として他の国々に謝罪した行為をたたえるために行くのではない、と私は言った。それよりも、中国政府がするような外国からの些細(ささい)な国内批判さえ忌み嫌う国が、国家に尽くして死んだ日本の兵士たちに敬意を表す神社に日本の政治家が参拝するのを批判することは大いなる矛盾のように思う、と私は話した。

 ≪靖国とアーリントンは同じ≫

 米バージニア州にあるアーリントン国立墓地は、米大統領や、日本や韓国を含む多くの外国の指導者たちが訪れる。埋葬されている兵士の中には南北戦争中、奴隷制を支持する南部のために戦った者がいるにもかかわらず、である。今日、先進的な世界の大方で奴隷制は容認されていないが、それを信奉した南軍の兵士たちは墓地から排除しなければならない、と要求する者は誰もいない。

韓国人と話し合って最も厄介な問題は竹島だった。私は、日本に有利な法的根拠ゆえ竹島に関する日本の見解は変わりそうにないとしつつ、日本が竹島から韓国兵を駆逐すべく自衛隊を派遣することは決してないと思えるのになぜ、韓国はこの問題について心配するのをやめないのかと聞いた。返ってきた唯一の答えが、竹島が間違いなく韓国に帰属することに日本人は同意すべきだと韓国人は考える、というものだった。

 日本への不満を何ら耳にすることがなかったグループが1つだけあった。韓国海軍基地を訪ねた折である。北朝鮮魚雷で撃沈されたコルベット艦(哨戒艦)「天安」を見た。そこで会った韓国海軍将校たちは、政治は話題にしなかったものの、危険で予測不能な北朝鮮の振る舞いに対して、日本の海上自衛隊そして米海軍と協力する必要を現実的に語った。

 ≪日清、日露の韓国への貢献≫

 韓国の姿勢を改善するために何ができるだろう。生まれたソウルに住んでいて、ヴァンダービルト大を卒業して以来20年以上、ソウルで働いている私の教え子の1人が、日本人は韓国人が劣等感を克服するまで忍耐しなければならないだろうと話した。残念ながら、それは当たっているのかもしれないが、朴大統領は安倍晋三首相と折り合いをつけることができるだろう、と私は期待する。

 これは日本人が決して口にしないことだが、日本が清国と戦って1895年に同国を打ち負かし、ロシアと戦争して1905年に同国を破ったのは同じ理由からだったということは、韓国人にとって一考に値するだろう、と私は思うのだ。日本は反韓国ではなかったが、韓国が清国に支配されることを、あるいはロシアに支配されることを恐れたのである。

 もし清国が最初の戦争に勝っていたら、韓国は現在、中国の植民地になっているかもしれないし、もしロシアが次の戦争に勝っていたら、韓国はロシアの植民地になっているかもしれない。日本の勝利はとどのつまり、韓国を自由市場経済の民主主義国という今日の地位へ導いたのである。(産經新聞2013年7月26日)

どうして、この時期に、このような記事をマスコミがあげてくるのか。「批判的に聞く」姿勢を持たないと、私たちは簡単に操られてしまいます。ジェームス・アワーという人物の背景について、わだつみさんがコメント欄で有益な情報をくださっています。

産経のジェームズ・アワーの記事について、あちこちで「まとめ記事」が乱立していますね。いつものB層を一喜一憂させて思考停止させておくやり方です。

アワーは記事にあるように、現在はヴァンダービルト大学教授ですが、以前はアメリカ国防総省国家安全保障局の日本担当でした。所謂ジャパン・ハンドラーです。この人の「マブダチ」が駆逐艦の名前にもなっているアーレイ・バークと阿川尚之(小物ですが)です。中田安彦氏著書「ジャパン・ハンドラーズ」から少し引用してみましょう。

(引用ここから)
阿川尚之という人は、アメリカ留学時代に「ソフト・パワー」でコロリとやられてしまったポチ保守言論人の典型である。彼の『アメリカが嫌いですか』(新潮社)によると、海軍士官だった父親の阿川弘之(作家)もロックフェラー財団の招きで渡米したら、すっかり親米派になってしまったという親子二代にわたるカウンターパーツだ。
(引用ここまで)

中田安彦氏のブログとツイッターは、彼の個人的意見は置いておいても、「人脈ネットワーク」の事実関係の情報のためにチェックしておいてもいいかもしれません。
http://blog.livedoor.jp/bilderberg54/
https://twitter.com/bilderberg54

これは典型的な「双頭の鷲作戦」と見るべきではないでしょうか。

「双頭の鷲作戦」とは下のようなものです。

これは、日本で言う「マッチポンプ」というものである。仲間を善者と悪者に分ける。悪者は徹底的に社会で悪さを働く。それに対して善者は悪者をやっつける振りをする。そうやって、社会に善者のいうことを信じさせる。しかし、善者も悪者も本当は仲間なのである。

この方法は、西洋社会では俗に「双頭の鷲」作戦と呼ばれる。倒したい相手に対して、善い方と悪い方の双方からアプローチし混乱させて相手を滅ぼすという、かなり古典的な方法であるようだ。欧米の白人が文化的に持っている悪徳な方法である。当然、人に対しても同じような演出をして、その人を自分たちの都合いいようにもてあそぶ。この方法によって欧米の白人男性などにもてあそばれる日本人女性は数知れない。

(井口和基の公式ブログ: http://quasimoto.exblog.jp/10770831/)

日本を「歴史問題」で苦しめているのは、中国や韓国のような「特亜」の国々だと誤解している人々が多いのですが、「歴史問題」の根源は東京裁判を司ったアメリカです。戦勝国アメリカが作り上げた都合のよい歴史観の上で騒いでいるのが中国や韓国のような国々であるというにすぎません。

ジェームス・アワー氏は、今回、日本の立場に理解を寄せる記事を書いてくれているわけですが、「野蛮なる極悪非道の日本を、正義の民主主義国家アメリカが打ち倒し、まともな国になるよう教育し改造してやったのだ」という、戦勝国アメリカが作り上げた歴史観が改訂されているわけではありません。

「歴史問題」で、中国・韓国に日本をさんざん叩かせておき、正義の味方のふりをして日本人の前にさっそうと現れて、アメリカへの傾斜を促し、さらに「構造改革」を押し進める。

「自虐史観と構造改革」「対日包囲網と冷戦脳」という記事でも述べましたが、GHQによる占領統治下でも、アメリカは「日本は前近代的な悪の国家だった」という洗脳を日本人に対して行った上で、日本の国家改造を行いました。

「歴史問題」と「構造改革」が、このように連動していることを、私たちは片時も忘れてはなりません。

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2013年5月11日 (土)

批判的に聞く(11): 【直言極言】本当に在日特権を打破するためには[桜H25/5/10]

最近は、皆さんの分析をお聞きするだけのシリーズになっていますが、引き続き「批判的に聞く」にご参加ください。

水島総氏の話を批判的に注意深く聞き、お気づきのことがありましたら、コメント欄に意見をお寄せください。

(「批判」という言葉を「悪口」や「あらさがし」という意味と誤解される方もいらっしゃるかもしれませんが、ここでは、「物事の可否に検討を加え,評価・判定すること。(大辞林)」という意味で使っています。)

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2013年5月 6日 (月)

批判的に聞く(10): 【ニコニコ動画】進撃の自民

「批判的に聞く」シリーズ。今回も毛色の変わった動画を取り上げてみたいと思います。

今、ニコニコで上位にあがっている動画です。

この動画の発するメッセージを読み取り、何か気づいたことがあったら、自由にコメント欄にお寄せください。

(「批判」という言葉を「悪口」や「あらさがし」という意味と誤解される方もいらっしゃるかもしれませんが、ここでは、「物事の可否に検討を加え,評価・判定すること。(大辞林)」という意味で使っています。)

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2013年5月 2日 (木)

批判的に聞く(9): 週刊西田一問一答「TPP、いくら反対しても結局は参加するのでは?」

ふだんはチャンネル桜の水島総の「直言極言」を素材に、人の話を「批判的に聞く」訓練を、皆様とともに実践していますが、今回は趣向を変えて、自民党参議院議員の西田昌司氏の「週刊西田」から、お題を出してみたいと思います。

下の動画をみて、西田氏の話を注意深く聞き、何か気づいたことがありましたら、コメント欄にご意見をお寄せください。

(「批判」という言葉を「悪口」や「あらさがし」という意味と誤解される方もいらっしゃるかもしれませんが、ここでは、「物事の可否に検討を加え,評価・判定すること。(大辞林)」という意味で使っています。)


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2013年4月14日 (日)

批判的に聞く(8): 【直言極言】オバマ・ショック?北朝鮮のミサイルが生み出すもの[桜H25/4/12]

「批判的に聞く」のシリーズです。

水島総氏の話を批判的に注意深く聞き、お気づきのことがありましたら、コメント欄に意見をお寄せください。

引き続き、冷静に客観的に彼の言葉を分析していきたいと思います。

(「批判」という言葉を「悪口」や「あらさがし」という意味と誤解される方もいらっしゃるかもしれませんが、ここでは、「物事の可否に検討を加え,評価・判定すること。(大辞林)」という意味で使っています。)

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2013年4月 7日 (日)

批判的に聞く(7): 【直言極言】戦後レジームの脱却は厳しい現実認識から[桜H25/4/5]

「批判的に聞く」のシリーズです。

水島総氏の話を批判的に注意深く聞き、お気づきのことがありましたら、コメント欄に意見をお寄せください。

引き続き、冷静に客観的に彼の言葉を分析していきたいと思います。

(「批判」という言葉を「悪口」や「あらさがし」という意味と誤解される方もいらっしゃるかもしれませんが、ここでは、「物事の可否に検討を加え,評価・判定すること。(大辞林)」という意味で使っています。)

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2013年3月30日 (土)

批判的に聞く(6): 【直言極言】今ある現実の危機[桜H25/3/29]

「批判的に聞く」のシリーズです。

水島総氏の話を批判的に注意深く聞き、お気づきのことがありましたら、コメント欄に意見をお寄せください。

いろいろありますが、冷静に客観的に彼の言葉を分析していきたいと思います。

(「批判」という言葉を「悪口」や「あらさがし」という意味と誤解される方もいらっしゃるかもしれませんが、ここでは、「物事の可否に検討を加え,評価・判定すること。(大辞林)」という意味で使っています。)

みなさん、こんばんは。直言極言の時間です。

今日はですね、今ある現実の危機、こういうことについてお話を申し上げたいと思います。今ある現実の危機というのは、まさに、参議院選挙までの、4月、5月、6月、7月半ばまで、選挙は20日前後と言われていますけれども、そういう間に起こる危機、この問題についてお話をしたいと思います。

当然今、中国と日本の間に尖閣諸島の問題、中国の侵略が進められていたことは、皆さん当然ご存知であります。そういう中で、今、中国が謀略工作として、行っているのは、いわゆる安倍内閣はやっぱりだめだという、そういう形のキャンペーン。参議院選挙で、安倍内閣に過半数をとらせない。またねじれ現象を続けさせる。政権基盤を非常に脆弱にする。そして、個別の親中派の自民党の長老または指導者たちを個別に撃破していく。いう形で安倍内閣、安倍政権の、政権基盤、つまり例えば、今支えている公明党、あるいは親中派の議員たち、こういうことによって、まともに政権運営、制作遂行ができなくしていく、ということが考えられるわけであります。それが目指しているわけであります。

もし自民党、安倍自民党内閣が、過半数をとるような形になる、そして、先日行われて維新の会の綱領案ですね、こういうものを見ますと非常に、安倍さんの政策に近いものが打ち出されている。まああの、明日30日に維新の会の党大会みたいなことが行われるようでございます。そういう中で、綱領案が採決されるかどうか、平沼色の非常に強い綱領案、こういうものによって、公明党に変わる自民党のバートナーもできつつある。できるかもわからない。こういうことであります。そして維新としては、安倍自民党と違ったより保守色の強い、そしてそれを獲得するような形の政策が出てくる。これによって選挙に勝とうという形が出てくるわけであります。今、石原さんはもちろん、ご病気であると、そして橋下さんの影響力は次第に低下しつつある。そういう中で、維新がこういう方向を進めたことは国にとっても大変いいことだと、いうことであります。

そういう中で、中国政府にとっては、まず安倍内閣に過半数を取らせない。安倍個人、あるいは政権に対する不信感、こういうものをキャンペーンとしてやっていくわけであります。そういう中で当然、中国共産党の手先とも言えるような、マスメディアがごろごろいる、いうことであります。そういう中で安倍政権は対処していかなきゃいけない。それからもう一つ言うと、いわゆる衆議院では勝ちましたけれども、参議院ではまだねじれ現象が続いている。簡単に自衛隊法、その他、法整備が簡単にはできない状態である。参議院に勝って過半数をとってこそ、公明党をのぞいて過半数を取ってこそ、ある意味で法整備が簡単にできるようになる。このことができるまでは、じっと我慢の形で耐え抜いていかなきゃいけない。しかしそのことは中国は熟知しているわけであります。当然、様々な謀略機関、情報機関を使って、チャンネル桜にもそういうことが起きていますけれども謀略工作が行われるということであります。

と同時に、私が以前にも述べましたように、明日の討論でも言いますけれども、3ヶ月の間に何を目指すかという。中国共産党がですね、どういう謀略工作をめざす可能性があるかということ。これは非常に大きな問題であります。討論でも、私も言いましたし、出演者のみなさんもおっしゃいました。一つは、朝鮮半島の問題であります。朝鮮半島で、これは福島香織さんがおっしゃっていたことだとおもいますけれども、朝鮮半島のいわゆるトラブル。朝鮮戦争まで行くかどうかは別として、この混乱を中国は抑えるという形。そういう中で米国に譲歩を尖閣で迫る。手を出すなという、こういうこともあり得るということであります。朝鮮半島の朝鮮動乱というものを、これをネタに、そういう形を、譲歩を迫るかもわからない。米国はそれに対して対抗できないだろうということであります。と同時に、もう一つ私が言うのは、国内的なもので、これは繰り返し、もうお話申し上げておりますけれども、在日中国人に対する、いわゆる暴行殺人事件、自分たちで当然、中国の謀略機関が起すわけですけども、日本の反動派がいたいけな中国人留学生を殺したとか、こういう形の反日キャンペーンの事件を起こす。それによって、支那本土13万人の日本人が生命なそういうものの危機に陥る。出国もできなくなる。人質になる。そういう中で、尖閣諸島の侵略行為が公然と行われる。これは海警という形で今言われておりますけれども、いわゆる、漁政とか、海監といった海上警察、これを一手にまとめてアジア最大の組織にした。この中国政府が、この連中を使って、公務員として、そして大量の漁船と共に、尖閣諸島、とりわけ魚釣島に上陸する。これは初めて公務員が魚釣島に上陸する、中国公務員が上陸することになる。これは大きな一歩であります。

そして我々の国の海上保安庁や、沖縄警察は、警察活動として、もちろん逮捕はできるんですけれども、そこまでできるかどうかは、はなはだ疑問である。なぜなら無効も武装警察である。向こうが撃ってくる以外は、撃てないというそういった法律と言うか、決まりの中で、なかなか逮捕はしたくても、できない状況が生まれる可能性がある。こういうことであります。これはどういうことかといいますと、何が起こるかと言うと、にらみ合いや、まあ長期間、いわゆる中国の公務員が尖閣諸島に上陸して、そのまま居座ることになる。そして武力行使もできないまま、にらみ合いが続くと、アメリカがこの中で出てきて、いわゆる仲介、双方とも引きなさい、中国は帰りなさい、これで戦争になったら大変でしょうという形で、仲介の労をとると。仲介ではまったくなく、これは中国政府にとっては、アメリカに領土問題の存在をまず認識させる、認めさせたこと。そして公務員が上陸したこと。そして、より、実効支配を強めた。ワンステップ、ツーステップ、アップさせた状態が続くわけです。こういうようなことが、起こりうるわけです。そして、安倍内閣のいわゆる毅然とした態度が打ち砕かれていく。こういう中で、参議院選挙に、安倍内閣が勝つ事ができくなっていく。こういうものを総合的に様々な分野においてこの謀略工作、対日工作を進めるわけであります。

善意の人たちもTPP問題で、安倍政権に対する不信の念を持った人もたくさんいるかもわかりません。しかし、今、私が言いたいのは、もうこういう戦時、いせゆる平時ではなく、戦争状態に我々は突入している。もはや今、あれがいい、これがいいと選ぶのではなくて、国民が選んだ政府をどのように一体となって、この国を、我が国を、守っていくか。このことを意識しなければなりません。そういう点において、我々はこれをもう戦争状態に入った。三ヶ月、中国の侵略の手を許してはいけない。このことを含めて、我々は今、行動を起こさなければならないということであります。そういう行動をしなけれぱならない。いわゆる評論家として、尖閣の問題、中国の問題、これをああだこうだと評論するのではなく、だったら今、私たちは何をすべきか、言う事であります。法整備をするためには、自衛隊法を改正しろ、自主憲法を作れ。こういうことをするためには、参議院でかたなければならない。こういう現実的な選択を、私たちは今、緊急に行っていかなければならない。こういう事態になっているということであります。そういう意味でこの三ヶ月、日本の行方を占う戦時体制に我々は入っている。非常事態の中に我々がいる。

そういう意味で私たちは4月21日から尖閣諸島に再び船団を組んでいくわけであります。行動で私たちは、我々自身が日本であることを示していきたい、言う事であります。そして明日、みなさんこれをご覧いただきたいと思います。3月30日、「日本を守れ、国民大集会&デモ」ぜひみなさんに、おいでいただきたいと思います。拉致問題を始めとして、絶対に中国のアジア侵略、尖閣侵略を許さない、竹島、北方領土を取り戻す。こういった国民の決意を示す大会にしたいと考えております。懇親会にもぜひ、楽しいと思いますので、お集りいたたければと思います。

今日は以上です。

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2013年3月26日 (火)

批判的に聞く(5) 分析編:「現場に立つ者」とは誰か

批判的に聞く(5): 【直言極言】改めて、安倍絶対支持とTPP絶対反対[桜H25/3/22]の分析・批判編です

コメント欄のみなさんの的確な分析でほぼ言い尽くされている観もありますが、あらためて水島氏の発言の問題点を指摘してみたいと思います。

まずは彼の発言の全文を改めて読み返し、要約をしてみましょう。

全文
みなさん、こんばんは、直言極言の時間です。

今日はですね、先週の土曜日行いましたTPP問題、あらためまして、がんばれ日本は、安倍絶対支持、そしてTPP絶対阻止ということのお話をさせていただきたいと思います。今日はですね、まず討論についてお話したいと思います。討論の三時間目の時、東谷さんと私が、安倍さんの対応を巡って議論になりました。基本的に、TPPについての認識というのは、100%近いものであります。同じものであります。しかし、それを推進したというか、交渉に参加するということを表明した安倍首相をどう見るかということで、もう変えた方がいいというか、すぐにとは言わないが、あいまいなんですけども、この点について意見が違ったわけであります。あとから、関岡さんから社長と同じ考えですという電話連絡をいただきました。

つまり、現実の問題をどうするかということを考えなければ政治と言うものはやっていけない。学問としてはTPPの問題は非常に危険で、日本の国柄そのものを変えてしまう危険性をもった亡国最終兵器といっても間違いないことだと私も考えております。これは言志にお書きになっている中野剛志さんも同じ考えだと思います。東谷さん、中野さん、みんな同じです。私も同じです。ただ、私たちは、今自分が実際に生きている。そして暮らしている。そして日々、これは実存主義的な意味ではありませんけれども、日々決断をしながら、未来へ自分を投企していかなきゃいけない。日本も同じであります。そして安倍晋三という首相も、そういうことであります。

今まで縷々例を挙げながら、話してきました。たとえば、一つ、これも前に言ったと思いますけれども、ちょっと汚い言葉ですけれども、力のないか弱い女性が、とんでもない暴力大男にレイプされていると。俺の言うことを聞かなければ殺してしまうぞ。首も絞められた。そうしているとき、私たちはどうしたらいいか。普通は、横にいる人は、やめさせるように一緒になって女性の味方をして、やめさせるようにする。そんな犯罪やらせてはいけないわけです。ところが女性が、もう殺されるのはしょうがないから、こんな力のある男にレイプされてしまう、こういうのは仕方がない。命あっての物種だという形で、仕方なく首を絞められたあげくに、力を抜く。叫び声をあげるのをやめる。殺されるよりはということで。としたとき、横に立っていた、それを見ていた男が、「なんだお前は、本当はレイプが好きなんじゃないか。結局お前は売女なんだ。売女。しっかりしろ。操を守れ。」こういう言い方をして、怒りまくっていると、言うような例を前にもあげたわけであります。これが日本政府、安倍政権と、アメリカの政権という言い方にあまりに当てはめるのは乱暴かも分かりませんが、原理と現実、このことを私たちははっきり分けなければいけないということを言ってきたわけであります。

と同時に、もう一つですね、なぜオバマと安倍会談の中で熾烈な議論があったといわれていると言えば、アメリカの一つの選択が、今、世界戦略が再編されておりますけれども、一番今、アメリカが選択しようとしていること、中東からの撤退や、あるいはアジア、東アジアからの撤退、これは財政的な問題で、自分一人ではもうやりきれなくなってきている。そういう中で安倍さんに提示したのは、木曜日にもお話しましたが、お前がTPPに参加しなければ、私たちは、米国としては米中TPPというかですね、米国と中国でアジア支配、アジアあるいは世界の支配を考える。そういった枠組みを作ると。それでもいいのかと。米中でやってお前のところはとにかく無視して、徹底的にやっつけると。米中で、このアジアを支配していくような構造を作っていく。今、実際には、具体的には起こっているわけです。グァムの周辺の島を中国が買い取ったり、様々な形で、経済的な形、財務長官が習近平をすぐに訪れたり、そういう形のがっちりしたものが始まっているわけです。そういう中で、日本がどういう立場をとるか選択を求められたとき、安倍さんは、今言った、レイプされるだけではないという。今言った、だったらやれるならやってみなさいと。我々は核武装もする。自主防衛もする。もっと言えば、中国と一緒になってアメリカをアジアからたたき出すと、言ったようなことまで、私は議論として、まあたたき出すというのは大げさですけれども、あなたたちがアジアにいられなくなるようになりますよと。私たちにも選択があると。日米安保条約というものを本当にきちんと復活させる意思がなくて自分たちのためだけにやるなら我々は核武装もしなきゃいけない。自主防衛もしなきゃいけない。そして中国とも共に手を携えなきゃいけない。アメリカはアジアにいられなくなりますよ。それでもいいですか。いうような形でぶつかりあったはずです。

これは当然国際政治の中で、これはあまり言ってなかったんですけれども、あまりに短絡的にTPPの原理が悪い、良いというだけで言う方が多いんです。あえて今日言わせてもらっていますけれども、そういう熾烈な戦いがあった。そういう中で、安倍首相がこの中で言った、まあ決意表明の中で言った印象深い言葉がありました。国家百年の計。そしてもう一つはラストチャンス。まさに私も、アメリカと中国、こういうところから自立する日本がいわゆる独立不覊の国になっていく、戦後レジームを脱却する最後のチャンスだったと思います。もしこれを、今考えるとですね、これをまあ、参加する、交渉参加に表明をしなければ、今言った米中共同支配体制、そういった中で日本は財布として収奪され、そういういわゆる日本が、再び、ライジングサンになることはあり得なかった。そういう綱渡り的な状況だったと考えるわけであります。そういう中で、TPP交渉に参加するという形で、その後安倍さんが、絶えずどんな記者会見でも言っていたのが、TPPは六項目と聖域なき関税、関税自主権を守ると言いながら、もう一つはアジアとの枠組みを考えていく。安倍さんが今理想としている首相像というのは、おそらくおじいさんの岸信介だと思います。そういう意味では満州国の建設に関わった岸信介。そしてもう一つは大東亜共栄圏。そういうイメージ。アジアをもう一度共栄する大東亜共栄圏、いわゆる家族のようなそういったアジア民族の団結。それは中国とは対立しなければいけない。そういう中で、TPPのあえて交渉参加をえらんだのではないかと私は思います。

その苦渋の決断。そしてもう一つ。安倍さんは、自由主義的な面ももっております。私は農業とかそういうものに対して認識はちょっと自分とは違います。たとえばこういうことがあります。競争と言うもの、そして自立というものをまず求めて、そして競争する。怠け者は許さない。こういう一種の新自由主義のベースになるような、こういうものをもっていることも確かでありますが、私たちはそれを新自由主義者と既定してはいけないと思います。むしろ日本を主語とした保守政治家である。彼が何よりも基準にしているのは、日本を主語にしたという問題であります。つまり日本が主語になっている。イデオロギーが、いわゆるケインズ主義とか新自由主義とかさまざまな経済理論もあります。政治思想もあります。そういう中で彼がベースにしているのは日本を主語にした保守思想である。そういう政治家であるということを、忘れてはならないということであります。そういう中で、だからこそ、日本がもう一度、ライジングサンたる世界に冠たる強く美しい日本になるための大きな危機をチャンスに変えようとしていると私は考えるべきだと思います。

まあそれが信じられないとか、これは安倍信者だとか言っている連中は、もう勝手にしてなさいということしかありません。これはもう見解の相違でしかない。だったらどうなんだ、どうするんだと言えば、その人たちはほとんど答えられない。現実的に、今、今日、明日、決断していかなきゃいけない、そういう政治。このことに対してまったく答えられない、そのような政治思想はムダであります。単なる理論でしかない。我々は理論を言えば、核武装して、自主防衛して、自主憲法を制定してと、こういうことはいくらでも言えるわけです。じゃあどうやったらやれるのか。そこまで含んだ現実的な思想、あるいは方策戦略を提出しなければならないわけであります。そういう意味で、例えば、もう一つ例をあげれば、開国というのをやたらと言った人たちがいました、維新の人たちの中に。開国というものは苦渋の選択で選ばれた日本の明治維新。それによって大変な不平等条約を関税自主権を奪われるような不平等条約をやった。それでも開国をせざるをえなかった。この状況の中で、どうやって私たちは国の自主権を作り上げていくか。富国強兵という言葉の中に、我々は作っていったわけであります。それをやる汗と努力を忘れて、ただ、腕を組んでだめだ、だめだ、根性がない、売国奴だ。こんなことを言っている連中はまったくだめであります。残念ながら、ちょっと月曜日、これは私の大先輩で先生ですけれど、井尻先生が、安倍支持、またTPP反対だけれども、何か元気がございませんでした。体調の問題もあったかもわからないけれども、そういう問題ではなくて、私はやっぱり保守がしっかりと、なぜTPPに反対し、そしてなぜ安倍政権を支持するのか、このことをはっきりと打ち出さなければならないと思います。それが言えないなら、政治について言うことは、それこそ懐手でああだこうだ言っている連中と同じことになってしまう、ということであります。

私たちは日本を主語とした保守国民運動を展開していく、そういう中で、先日も紹介しましたが、典型的な安倍さんの決意を示す言葉があります。これは防衛大学の卒業生に向けた贈る言葉、この中の言葉であります。終わりの方に彼は言っております。黄色い部分であります。「今日、この場所から、それぞれの現場に踏み出す諸君に、最後にこの言葉を贈りたいと思います。批評するだけの人間に価値はありません。真に誠に賞賛しなければならないのは泥と汗と血で顔を汚し、実際に現場に立つ者です。勇敢に努力する者であり、努力の結果としての過ちやいたらなさを持ち合わせた者です。批評するだけの人間に価値はありません。」安倍さんの周りには、たくさんの文化人がおります、ブレーンもおるでしょう。しかし、彼が非常に冷徹にあれこれはやしたてる文化人たちを見ているのは、批評するだけの人間に価値はありませんということです。実際にこの混迷する世界の中で、戦国時代とも言えるこういう中で、政治を行い、日本を守り、日本を発展させていく、そういった責務をおった首相から、これは自分の言葉だと考えていいと思います。これはセオドア・ルーズベルト、言うことでありまして、この言葉を米西戦争に義勇軍として参加したルーズベルト大統領、セオドア・ルーズベルト大統領の言葉であります。大変な親日家であったとも聞いています。こういう言葉。「批評する人間、批評するだけの人間に価値はない。真に賞賛しなければならないのは、泥と、汗と、血で顔を汚し、実際に現場に立つ者です。勇敢に努力する者であり、努力の結果としての過ちやいたらなさを持ち合わせた者です。」自分のことでしょう、これはね。第一次安倍内閣の時、こういう形でほんとうにどん底に落ちた人間が、そのことを自分から言うわけにはいかない。こういうことに託して、青年たちに、青年将校たちに託して、諸君とともに私はあると言っておりました。これがTPPの本質であると私はあらためまして安倍政権支持、TPP絶対反対、こういうことこそ、日本を本当に戦後レジームの道を歩んでいく大道であると自信を持ってみなさんにお話を申し上げたいと思います。今日は長くなりましたが以上であります。

要約
政治は現実を考えなくてはならない。仕方なくレイプされる女性のように、安倍首相はアメリカに強要されて仕方なくTPP交渉に参加したのだ。自分の意に反してレイプされている女性を「売女」と呼んで非難するのが誤りなように、安倍首相を売国奴と非難すべきではない。日米首脳会談でオバマ大統領は、日本がTPPに参加しなければ、TPPに中国を参加させるぞと脅した。そして米中でアジアを支配し、日本を財布にするぞと脅したのだ。そのとき安倍首相は、やれるならやってみろ、そんなことをしたら、核武装をし、自主防衛をし、中国と組んでアメリカをたたき出すぞと言った。安倍首相は苦渋の決断としてTPPに参加したのだ。そしておじいさんの岸信介のように大東亜共栄圏をつくるためにTPPに参加したのだ。そして中国と対立するのだ。安倍首相は自由主義的な面も持っているが、日本を主語とした真の保守である。信じられないやつは勝手にしろ。腕を組んで批判だけしているような連中はだめだ。防衛大学の卒業式で安倍首相は、「批評するだけの人間に価値はありません。真に誠に賞賛しなければならないのは泥と汗と血で顔を汚し、実際に現場に立つ者です。勇敢に努力する者であり、努力の結果としての過ちやいたらなさを持ち合わせた者です。批評するだけの人間に価値はありません。」と言った。安倍首相こそが、現場に立つ者であり、国民は安倍首相を批判すべきではない。
分析と批判

水島氏の言葉はあまりに支離滅裂です。

特にひどいのは日米首脳会談のくだり。

●TPP交渉参加表明では、安倍晋三は、TPPは「国家百年の計」と言い切り、TPP参加に前向きであり、張り切っているようにしか見えないが、本当にアメリカに脅迫されて、苦渋の決断として、自分の意に反してTPP交渉参加を決めたのか。
●日米首脳会談で、オバマは、日本がTPPに参加しないなら中国を参加させるぞと本当に言ったのか。
●もしそうなら、TPPは「亡国最終兵器」なのだから、中国にTPPに参加させて亡国へとおいやってしまえばいいのではないか。
●毒まんじゅうを差し出されて「おまえが食べなきゃ、中国に食べさせるぞ」と言っているのだから「どうぞ、どうぞ、彼らに食べさせてやってください」と言えばよいではないか。「中国に食べさせるぞ」と言われて「私が食べます」と毒まんじゅうに手をだすのは愚かではないのか。
●日米首脳会談で、オバマに「中国と組むぞ」と言われて、安倍は「やれるもんならやってみろ。そんなことをしたら日本は中国と仲良くしてアメリカを追い出すぞ」と言ったのは、本当なのか。
●中国という一人の女性をうばいあう、二人の恋敵同士のようなやりとりが、本当に日米首脳会談の場で安倍とオバマの間で展開されたのか。
●そのような丁々発止のやり取りを行いながら、結局は、レイプされた女性のように、安倍は抵抗もできず、オバマにねじふせられたというのか。

この日米首脳会談の部分は、どう考えても話がおかしい。水島氏が作話をし、自分の妄想を語っていることは明白だと思います。

また、下に挙げるように、他にもおかしな点はあります。

●TPPがどうして大東亜共栄圏につながるのか。
●安倍の新自由主義者としての面を認めながら、なおかつ彼を真の保守と呼ぶ根拠は何なのか。
●「日本を主語とした」というが、日本語に西洋語の文法を当てはめて「主語」なるものがあると主張したのは、学校文法を作った言語学者の橋本進吉であり、言語学者三上章の説によれば、日本語には「主語」というものは元来存在しない。

しかし、それはそれとして、今回一番問題としたいのは、彼の話の最後の部分。安倍晋三が防衛大学の卒業式で引用したセオドア・ルーズベルトの言葉を巡ってです。安倍が引用した次のセオドア・ルーズベルトの言葉、

「批評するだけの人間に価値はありません。真に誠に賞賛しなければならないのは泥と汗と血で顔を汚し、実際に現場に立つ者です。勇敢に努力する者であり、努力の結果としての過ちやいたらなさを持ち合わせた者です。批評するだけの人間に価値はありません。」

をもとに、安倍晋三こそは、「泥と汗と血で顔を汚し、TPP交渉の現場に立つ者」なのだから、我々国民は傍観者として彼を批判すべきではないと水島総が、述べている部分です。

さて、TPPの問題をめぐって「泥と汗と血で顔を汚し、実際に現場に立つ者」とは実際には誰なのでしょうか。私は、TPPの問題をめぐって、「泥と汗と血で顔を汚し、実際に現場に立つ者」とは次のような人々であると思います。

●家族を養うために日々働く普通の国民。
●毎日田畑に立って、汗水垂らして作物を作る農家の人々。
●リストラや会社の行く末におびえながら働く会社員。
●正社員にバカにされ小突かれながら働く派遣社員。
●学校を卒業してもなかなか就職できない若者たち。
●国民皆保険が崩れて医療費が高騰し、治療を受けられなくなる病気の人々。
●TPP参加によって倒産に追い込まれるであろう中小企業経営者。
●家のローンや家賃が払えなくなって家を手放し路頭に迷うことになる人々。
●経済的に行き詰まって、自殺を余儀なくされる人々。
●父親が自殺して残される遺族。

つまり、TPPの問題をめぐって「泥と汗と血で顔を汚し、実際に現場に立つ者」とは、TPPによって苦しむことになる1億3千万の普通の国民のことです。

そして「懐手でああだこうだ言っている連中」と水島総氏が言うのは、実際には、TPP参加交渉の問題で安倍晋三を批判している私たち国民のことではなく、むしろ、TPP問題で痛みを被るどころか、そこからたっぷりとした甘い汁を吸うことのできる、産業競争力会議のメンバーのような、1%の人々のことではないのでしょうか。

では、安倍晋三は、「泥と汗と血で顔を汚し、実際に現場に立つ者」と、「懐手でああだこうだ言っている連中」のどちらの側についているのか。

下は、TPP交渉参加の約2週間前に、安倍晋三がひょうひょうとゴルフに討ち興じている姿です。

彼のどこにTPPに関する苦渋の跡がみられますか?

安倍晋三はあきらかに、「泥と汗と血で顔を汚し、実際に現場に立つ者」である1億3千万の国民の痛みは理解すらしていない。彼は、TPPが国民にもたらす苦しみの前に、「懐手でああだこうだ言っている連中」の一人にすぎないのではありませんか?

水島総氏は、さんざん「現実を考えろ」といいますが、TPP問題についての「現実」とは、日米首脳会談で、安倍とオバマが繰り広げたと言う水島の語る妄想のような作り話ではなく、TPPが私たち国民に実際にもたらす苦しみであり、痛みです。

私たちはその「現実」に基づいて、安倍晋三や自民党のとった今回の行動に対し、怒り、そして批判しているのです。

私たち国民こそが、「泥と汗と血で顔を汚し、実際に現場に立つ者」なのであり、国民の痛みに想像すら馳せようとしない「懐手でああだこうだ言っている連中」の一人にすぎない安倍晋三を批判しているのです。

水島氏は、下の動画の12分15秒で「人の世の悲しみのわからない人間に保守運動はできない」と述べています。

(19分20秒以降の出演者のやりとりにはどなたも失笑してしまうのではないでしょうか。ご覧になってみてください。)

「人の世の悲しみのわからない人間に保守運動はできない」

この言葉はむしろ、国を支えるために「泥と汗と血で顔を汚し、実際に現場に立つ」1億三千万の国民の痛みが分からず、TPP交渉参加表明の2週間前にひょうひょうとゴルフに討ち興じ、「国家百年の計」と言いながら嬉々としてTPP交渉参加を表明した、安倍晋三と、安倍晋三のTPP交渉参加をあっさりと容認した自民党の政治家たちにこそ向けられるべき言葉であると思います。

そしてTPPにおいては、誰が「泥と汗と血で顔を汚し、実際に現場に立つ者」と呼ばれるべきなのかも知らず、何を守るべきか分からずにいる、水島総氏自身に向けられるべき言葉であると思います。

それにしても、水島総氏は、いつまでこれを続けるのでしょうか。

●安倍がTPPに参加しても「TPP絶対反対、安倍絶対支持。」
●安倍が日中韓FTAを締結しても「日中韓FTA絶対反対、安倍絶対支持。」
●安倍がRCEPに参加しても「RCEP絶対反対、安倍絶対支持。」
●安倍がEUとEPAを結んでも「EUとのEPA絶対反対、安倍絶対支持。」
●安倍が30万人の留学生の受け入れと支援を行っても「30万人留学生支援絶対反対、安倍絶対支持。」
●安倍が中国に無償の環境援助を行っても「対中無償援助絶対反対、安倍絶対支持。」
●安倍が消費税増税しても「消費税増税絶対反対、安倍絶対支持。」
●安倍が道州制を導入しても「道州制絶対反対、安倍絶対支持。」
●安倍が首切りを自由化しても「首切り自由化絶対反対、安倍絶対支持。」
●安倍が英語を公用語にしても「英語公用語化絶対反対、安倍絶対支持。」

と言い続けるのでしょうか。

つまり今後、安倍政権がなにをやろうと、(実際に上のようなことを安倍政権は行っていきます)、上の論法で安倍支持を訴え続けるのでしょうか。

これを批判する者には「保守分断だ」の「懐手でああだこうだ言っている連中」とレッテルをはって批判を封じるのでしょうか。

そしてこう言い続けるのでしょうか。

「安倍を下ろして、他に誰がいるんだ。」

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2013年3月23日 (土)

批判的に聞く(5): 【直言極言】改めて、安倍絶対支持とTPP絶対反対[桜H25/3/22]

「批判的に聞く」のシリーズです。

水島総氏の話を批判的に注意深く聞き、お気づきのことがありましたら、コメント欄に意見をお寄せください。

(「批判」という言葉を「悪口」や「あらさがし」という意味と誤解される方もいらっしゃるかもしれませんが、ここでは、「物事の可否に検討を加え,評価・判定すること。(大辞林)」という意味で使っています。)

全文
みなさん、こんばんは、直言極言の時間です。

今日はですね、先週の土曜日行いましたTPP問題、あらためまして、がんばれ日本は、安倍絶対支持、そしてTPP絶対阻止ということのお話をさせていただきたいと思います。今日はですね、まず討論についてお話したいと思います。討論の三時間目の時、東谷さんと私が、安倍さんの対応を巡って議論になりました。基本的に、TPPについての認識というのは、100%近いものであります。同じものであります。しかし、それを推進したというか、交渉に参加するということを表明した安倍首相をどう見るかということで、もう変えた方がいいというか、すぐにとは言わないが、あいまいなんですけども、この点について意見が違ったわけであります。あとから、関岡さんから社長と同じ考えですという電話連絡をいただきました。

つまり、現実の問題をどうするかということを考えなければ政治と言うものはやっていけない。学問としてはTPPの問題は非常に危険で、日本の国柄そのものを変えてしまう危険性をもった亡国最終兵器といっても間違いないことだと私も考えております。これは言志にお書きになっている中野剛志さんも同じ考えだと思います。東谷さん、中野さん、みんな同じです。私も同じです。ただ、私たちは、今自分が実際に生きている。そして暮らしている。そして日々、これは実存主義的な意味ではありませんけれども、日々決断をしながら、未来へ自分を投企していかなきゃいけない。日本も同じであります。そして安倍晋三という首相も、そういうことであります。

今まで縷々例を挙げながら、話してきました。たとえば、一つ、これも前に言ったと思いますけれども、ちょっと汚い言葉ですけれども、力のないか弱い女性が、とんでもない暴力大男にレイプされていると。俺の言うことを聞かなければ殺してしまうぞ。首も絞められた。そうしているとき、私たちはどうしたらいいか。普通は、横にいる人は、やめさせるように一緒になって女性の味方をして、やめさせるようにする。そんな犯罪やらせてはいけないわけです。ところが女性が、もう殺されるのはしょうがないから、こんな力のある男にレイプされてしまう、こういうのは仕方がない。命あっての物種だという形で、仕方なく首を絞められたあげくに、力を抜く。叫び声をあげるのをやめる。殺されるよりはということで。としたとき、横に立っていた、それを見ていた男が、「なんだお前は、本当はレイプが好きなんじゃないか。結局お前は売女なんだ。売女。しっかりしろ。操を守れ。」こういう言い方をして、怒りまくっていると、言うような例を前にもあげたわけであります。これが日本政府、安倍政権と、アメリカの政権という言い方にあまりに当てはめるのは乱暴かも分かりませんが、原理と現実、このことを私たちははっきり分けなければいけないということを言ってきたわけであります。

と同時に、もう一つですね、なぜオバマと安倍会談の中で熾烈な議論があったといわれていると言えば、アメリカの一つの選択が、今、世界戦略が再編されておりますけれども、一番今、アメリカが選択しようとしていること、中東からの撤退や、あるいはアジア、東アジアからの撤退、これは財政的な問題で、自分一人ではもうやりきれなくなってきている。そういう中で安倍さんに提示したのは、木曜日にもお話しましたが、お前がTPPに参加しなければ、私たちは、米国としては米中TPPというかですね、米国と中国でアジア支配、アジアあるいは世界の支配を考える。そういった枠組みを作ると。それでもいいのかと。米中でやってお前のところはとにかく無視して、徹底的にやっつけると。米中で、このアジアを支配していくような構造を作っていく。今、実際には、具体的には起こっているわけです。グァムの周辺の島を中国が買い取ったり、様々な形で、経済的な形、財務長官が習近平をすぐに訪れたり、そういう形のがっちりしたものが始まっているわけです。そういう中で、日本がどういう立場をとるか選択を求められたとき、安倍さんは、今言った、レイプされるだけではないという。今言った、だったらやれるならやってみなさいと。我々は核武装もする。自主防衛もする。もっと言えば、中国と一緒になってアメリカをアジアからたたき出すと、言ったようなことまで、私は議論として、まあたたき出すというのは大げさですけれども、あなたたちがアジアにいられなくなるようになりますよと。私たちにも選択があると。日米安保条約というものを本当にきちんと復活させる意思がなくて自分たちのためだけにやるなら我々は核武装もしなきゃいけない。自主防衛もしなきゃいけない。そして中国とも共に手を携えなきゃいけない。アメリカはアジアにいられなくなりますよ。それでもいいですか。いうような形でぶつかりあったはずです。

これは当然国際政治の中で、これはあまり言ってなかったんですけれども、あまりに短絡的にTPPの原理が悪い、良いというだけで言う方が多いんです。あえて今日言わせてもらっていますけれども、そういう熾烈な戦いがあった。そういう中で、安倍首相がこの中で言った、まあ決意表明の中で言った印象深い言葉がありました。国家百年の計。そしてもう一つはラストチャンス。まさに私も、アメリカと中国、こういうところから自立する日本がいわゆる独立不覊の国になっていく、戦後レジームを脱却する最後のチャンスだったと思います。もしこれを、今考えるとですね、これをまあ、参加する、交渉参加に表明をしなければ、今言った米中共同支配体制、そういった中で日本は財布として収奪され、そういういわゆる日本が、再び、ライジングサンになることはあり得なかった。そういう綱渡り的な状況だったと考えるわけであります。そういう中で、TPP交渉に参加するという形で、その後安倍さんが、絶えずどんな記者会見でも言っていたのが、TPPは六項目と聖域なき関税、関税自主権を守ると言いながら、もう一つはアジアとの枠組みを考えていく。安倍さんが今理想としている首相像というのは、おそらくおじいさんの岸信介だと思います。そういう意味では満州国の建設に関わった岸信介。そしてもう一つは大東亜共栄圏。そういうイメージ。アジアをもう一度共栄する大東亜共栄圏、いわゆる家族のようなそういったアジア民族の団結。それは中国とは対立しなければいけない。そういう中で、TPPのあえて交渉参加をえらんだのではないかと私は思います。

その苦渋の決断。そしてもう一つ。安倍さんは、自由主義的な面ももっております。私は農業とかそういうものに対して認識はちょっと自分とは違います。たとえばこういうことがあります。競争と言うもの、そして自立というものをまず求めて、そして競争する。怠け者は許さない。こういう一種の新自由主義のベースになるような、こういうものをもっていることも確かでありますが、私たちはそれを新自由主義者と既定してはいけないと思います。むしろ日本を主語とした保守政治家である。彼が何よりも基準にしているのは、日本を主語にしたという問題であります。つまり日本が主語になっている。イデオロギーが、いわゆるケインズ主義とか新自由主義とかさまざまな経済理論もあります。政治思想もあります。そういう中で彼がベースにしているのは日本を主語にした保守思想である。そういう政治家であるということを、忘れてはならないということであります。そういう中で、だからこそ、日本がもう一度、ライジングサンたる世界に冠たる強く美しい日本になるための大きな危機をチャンスに変えようとしていると私は考えるべきだと思います。

まあそれが信じられないとか、これは安倍信者だとか言っている連中は、もう勝手にしてなさいということしかありません。これはもう見解の相違でしかない。だったらどうなんだ、どうするんだと言えば、その人たちはほとんど答えられない。現実的に、今、今日、明日、決断していかなきゃいけない、そういう政治。このことに対してまったく答えられない、そのような政治思想はムダであります。単なる理論でしかない。我々は理論を言えば、核武装して、自主防衛して、自主憲法を制定してと、こういうことはいくらでも言えるわけです。じゃあどうやったらやれるのか。そこまで含んだ現実的な思想、あるいは方策戦略を提出しなければならないわけであります。そういう意味で、例えば、もう一つ例をあげれば、開国というのをやたらと言った人たちがいました、維新の人たちの中に。開国というものは苦渋の選択で選ばれた日本の明治維新。それによって大変な不平等条約を関税自主権を奪われるような不平等条約をやった。それでも開国をせざるをえなかった。この状況の中で、どうやって私たちは国の自主権を作り上げていくか。富国強兵という言葉の中に、我々は作っていったわけであります。それをやる汗と努力を忘れて、ただ、腕を組んでだめだ、だめだ、根性がない、売国奴だ。こんなことを言っている連中はまったくだめであります。残念ながら、ちょっと月曜日、これは私の大先輩で先生ですけれど、井尻先生が、安倍支持、またTPP反対だけれども、何か元気がございませんでした。体調の問題もあったかもわからないけれども、そういう問題ではなくて、私はやっぱり保守がしっかりと、なぜTPPに反対し、そしてなぜ安倍政権を支持するのか、このことをはっきりと打ち出さなければならないと思います。それが言えないなら、政治について言うことは、それこそ懐手でああだこうだ言っている連中と同じことになってしまう、ということであります。

私たちは日本を主語とした保守国民運動を展開していく、そういう中で、先日も紹介しましたが、典型的な安倍さんの決意を示す言葉があります。これは防衛大学の卒業生に向けた贈る言葉、この中の言葉であります。終わりの方に彼は言っております。黄色い部分であります。「今日、この場所から、それぞれの現場に踏み出す諸君に、最後にこの言葉を贈りたいと思います。批評するだけの人間に価値はありません。真に誠に賞賛しなければならないのは泥と汗と血で顔を汚し、実際に現場に立つ者です。勇敢に努力する者であり、努力の結果としての過ちやいたらなさを持ち合わせた者です。批評するだけの人間に価値はありません。」安倍さんの周りには、たくさんの文化人がおります、ブレーンもおるでしょう。しかし、彼が非常に冷徹にあれこれはやしたてる文化人たちを見ているのは、批評するだけの人間に価値はありませんということです。実際にこの混迷する世界の中で、戦国時代とも言えるこういう中で、政治を行い、日本を守り、日本を発展させていく、そういった責務をおった首相から、これは自分の言葉だと考えていいと思います。これはセオドア・ルーズベルト、言うことでありまして、この言葉を米西戦争に義勇軍として参加したルーズベルト大統領、セオドア・ルーズベルト大統領の言葉であります。大変な親日家であったとも聞いています。こういう言葉。「批評する人間、批評するだけの人間に価値はない。真に賞賛しなければならないのは、泥と、汗と、血で顔を汚し、実際に現場に立つ者です。勇敢に努力する者であり、努力の結果としての過ちやいたらなさを持ち合わせた者です。」自分のことでしょう、これはね。第一次安倍内閣の時、こういう形でほんとうにどん底に落ちた人間が、そのことを自分から言うわけにはいかない。こういうことに託して、青年たちに、青年将校たちに託して、諸君とともに私はあると言っておりました。これがTPPの本質であると私はあらためまして安倍政権支持、TPP絶対反対、こういうことこそ、日本を本当に戦後レジームの道を歩んでいく大道であると自信を持ってみなさんにお話を申し上げたいと思います。今日は長くなりましたが以上であります。

分析・批判編は下の記事になります。

「現場に立つ者」とは誰か

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2013年3月17日 (日)

批判的に聞く(4): 【直言極言】我々は何をなすべきか?TPP交渉参加を踏まえて[桜H25/3/15]

亡国の使徒、チャンネル桜・水島総の妄言を暴く(3)の続きです。

以前の強烈なタイトルを、ニュートラルなものに変えました。

参院選に向けての、言論批判として、このシリーズは地道に継続していくつもりです。

「批判」という言葉を「悪口」や「あらさがし」という意味と誤解される方もいらっしゃるかもしれませんが、ここでは、「物事の可否に検討を加え,評価・判定すること。(大辞林)」という意味で使っています。

チャンネル桜水島総氏の発言を注意深く聞き、気づいた点がありましたら、コメント欄にお寄せください。

後ほど、私の視点から気づいたことを述べさせていただきます。

皆さんこんばんは。直言極限の時間です。今日はですね、TPP交渉参加表明、これをふまえて、我々は何をなすべきかということをお話申し上げたいと思います。今日、収録は木曜日でございまして、金曜日の午後に安倍総理はTPP交渉参加というものを表明したはずでござます。そういう中で、では私たち国民は、あるいは国民運動は、何をなすべきか、ということを考えてみたいと思います。

一つ、これは戦いであります。TPPというのはまさに亡国最終兵器。アメリカの仕掛けた日米構造協議からずっとですね、それから郵政民営化、それの集大成、こういう形で仕掛けられた非常に危険な、日本を日本でなくする交渉となるわけであります。つまり国柄をなくす。グローバリズムという名の下にですね、あるいは国際自由貿易、こういう名の下に、国柄と言うものを失くしていく。もっと言えば、実はこれは討論、今週の討論、土曜日行ったことですけれども、アメリカナイズ化ということですね。こういうものをめざしてものである。まさに経済植民地、経済保護国、こういった形でこのTPPがあるという、その本質ですね。これを我々は踏まえなければいけない。

これをはねのけるにはどうしたらいいか。まず戦いと言うのは、自分たちの意志があります。意思とそして戦力。武力といってもい、こういう兵器の力が必要です。まず意思の力というのは、この問題、TPP問題の交渉というものは、これは国柄を問う問題である。こっちで儲けた、あっちで損したとかそういった損得勘定の問題ではないという基本的なところであります。討論でもでましたが、たとえば国民皆保険。この問題は混合診療、だんだんだんだん保健医療のファーストクラスを選んで、だめな人たちにはあまりいい医療を受けられないようにする。ところが我が国のいわゆる国民界保険の医療の中では、万人等しく貧乏人も金持ちも同じような形の医療を受けられる制度になっているということがあります。これは私から言えば、討論でも述べましたが、いわゆる家族のような国家、アメリカと違って、お金を払って自由に診療できるからいいんじゃないか、そういうことではなくて、お金がなくても国民みんなの力で、お互いの命や生活を支えていく、そういった家族のような国、こういった国柄を示すすばらしい制度であるわけであります。これまでそれが当たり前のようにやってきた我々はそれに気づきません。こういう国柄を守る戦いであるということがあります。

そして、では、アメリカという国、大きな国が、命がけで死にものぐるいで、我々の国にこのTPP、自分たちに有利なものを要求してくる。そして日本を財布にしようとしている。経済植民地にしようとしている。こういう本質の中で、我が国の現在の状況を見たいと思います。これは例えば、自民党は今回交渉には参加することになりました。二百数十人の人たちが、留保をつけながら一応賛成する。脱退も辞さないと言うのが最後にちょろっと書かれております。そういう中で、もし、他のこともさまざまな可能性を考えなきゃいけないですけど、自民党はそういう状態で、交渉に参加することをいやいやながらの人たちを含めて、表明しました。ところが、じゃあ他の野党はどうか。維新、TPP大推進であります。そして平沼さんのグループは、沈黙を守っています。これも一つのやり方だと思いますけども、維新という政党は選挙のときからTPP大推進です。橋下代表は、あんな安倍さんのやり方では生温い、もっと進めろというような形。もちろんみなさん知っているようにみんなの党も、もっと言うと、改革、そういった政党や民主党ですね。民主党は野田内閣以来、アメリカの言う通りべったりで進めて来た。こういう状況があるわけです。ということは自民党が唯一、TPPに疑問を呈していたけれども、他の野党は全部、共産党、社民党を除けば、TPP推進派になっている。反対派の受け皿はどこにもないわけであります。そういう選択肢である。そしてマスメディアは産經新聞から朝日新聞迄すべての新聞がTPP推進。経団連も大推進。というような状況の中でオールジャパンが、まるで特に戦後体制の味得者ですね、それから権力をもっている人たち、これが全員そろいもそろってTPP推進を、賛成をしている。政党もメディアも、そして経団連も、そして我々が一番注目するのは、戦後保守と言われた人たちが、真っ先に先頭を切って、TPP推進を唱えているということであります。

こういう状況の中、私たちはどうすべきか。ここで、前こないだも言いましたけれど、安倍さんがTPP反対したらどうなるか分かっていると思います。安倍内閣は参議院に基盤をもっておりません。ねじれ現象がまだあります。参議院選挙前にはそうなっています。総ぐるみでメディアが叩き始める。アメリカもこんな安倍はだめだと叩き始める。叩き始めるというより、抹殺というよりも、やめさせようとするでしょう。戦後保守も日本の国益を損なった男ということで叩きます。こういう状況を選んでいいのかということですね。

そしてもう一つ言えば、もし参議院に勝った場合は、いつも言うことですけれども、少なくともあと数年感、三年間でも二年間でも、選挙をしなくて長期政権の道が開く。そのとき初めて武器をもってアメリカやその他と交渉できるようになるんではないか。国内でも自分の力がつかなければ、うんと極端な話をします。電車の中で例えば、痴漢にあっている女性に、すごいおそろしい男がやっているとしたら、その時彼女に武器を持たせなきゃ行けない。もしその人が合気道五段だったり、女子ボクシングのチャンピョンだったら、こらといってボンとやる。もっと言えば、レスリングのあの金メダリストのアルソックの宣伝やっている方みたいな方ならぎゅっとやることができる。しかし、何もできない女性が、そういう形になった時、そこでお前しっかりしろと、戦えと、四五人のとんでもない男たちに取り囲まれてお前戦えと、言うことができるかどうか。まず、武器を持たせてやらなきゃいけない。それで、その人たちとどう対処するかができるということを考えなきゃいけないと思います。

参議院選挙はそうだと思います。その後、基本的には交渉をずるずると重ねながら、時間切れ、引き分けという風にもっていくか。あるいは思い切って、政権基盤の強さを元に、私はTPPに参加しないと表明するか。あるいはTPPという名の下、できるできないということは別ですけれども、徹底的な交渉をして、自分たちに有利に国益に有利な形で持ち込めるか。これはほとんど不可能だと思いますね。私はその前の二つだと思いますけれども、そういう中で、三分の二近い勝利を得て、参議院の、自主憲法の道やあるいは自衛隊法の改正その他教育の問題、こういうものを踏まえた道を、戦後レジーム脱却の道を作れるか。これがTPPの結果、交渉の結果を占う、あるいはそれを左右するものだと思うわけであります。

そういう中で、安倍首相をですね、一部、討論でも出ましたけれども、なんで水島さんは安倍さんをそんなにするんだと、もっと悪い言い方をする人はですね、安倍を擁護して国家が滅びてもいいのかとそういう言い方をする人は本末転倒であります。国を守るために、このTPPという亡国兵器と我々は言いますけれども、これを守るために今選択肢は安倍しかないじゃないですかと、じゃあ誰がいますかといつも聞くんですけど、そういうとだいたい答えられない。自分の国を本当に具体的にどうするかっていうのが我々問われている。当事者意識で自分たちがどうするかを問われている。そのことが今、私たちに問われているわけであります。

今私たちがやるべきことは、参議院選挙に勝つ、そして安倍政権に本当にアメリカやその他と力で戦える、そういった政権基盤、自由と民主主義でありますから、そういった強固な政権基盤ができれば交渉に対しても、少なくとも力をもって交渉することができる。そして時間と言う要素を大いに利用して、ずるずると引き延ばしながら、やめることはやめる。もっと言えば、安倍首相が決断して、やっぱりこの条件では飲めませんと、うちはこれは辞退しますと、こういう風にもっていくいうことであります。

そしてもっと極端なことを言えば、もしこれがTPPで脅されて、圧力という説もありますから、押し切られたら安倍さんはどうするかということであります。それでもですね、じゃあどうするのと我々は問われるわけです。安倍さんは辞任する、やめさせる、ところが受け皿がまったくないんですよね。そういう状態が実は現出する。これがやっぱり今現実の戦後の日本の現状ということであります。行くも地獄、戻るも地獄。68年間、我々はこんな日本にしてきたということ。これは繰り返し私は言います。自分たちの痛みであります。安倍さんにすべてを任せるというわけにはいきません。この責任を我々が自分たちで作ってきた。特に私は六十代ですから、本当にその時代が日本のとても恥ずべき時代。これを作ってきた人間。それが今身を呈してTPPという亡国最終兵器、アメリカの放った、こういったものに対して抵抗するには安倍という個人ではできません。あるいは自民党もできません。あるいは野党はとんでもなくできません。むしろ推進してます。そういう中で国民が草莽崛起という中でTPPは絶対認めない。日本国として認めない。先祖も認めない。子孫も認めない。こういう姿勢そして、国民運動を盛り上げることが、日本の戦後レジームの脱却の第一歩となると考えるわけであります。今日は以上です。

分析編は下の記事をご覧下さい。

あたりまえの話

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