アメリカ

2012年6月14日 (木)

同じパターンが繰り返されている(アメリカ・ヴァージョン)

唐突ですが、日本人は、アメリカによって原爆を落とされたことの意味を、今こそ、世界史的な文脈の中で、正しくとらえ直さなければならないと思います。

「日本人が悪いことをした。だから原爆を落とされた。」

そうではありません。歴史の事実は、上のような見方とは全く正反対です。

「過去のことをほじくりかえしても仕方がない」

そうではない。なぜならば、アメリカ原住民の虐殺と支配に始まり、世界のさまざまな民族の自存を奪う、虐殺と恫喝と支配のプロセスは、アメリカによって現在に至るまで世界の各地で繰り返されているからです。

1. 根も葉もない言いがかりをつける。
2. 正義の側に立っているふりをする。
3. アメリカ国民を恐怖心や正義感で、煽動する。
4. 戦争をしかけて原住民を虐殺する。
5. 支配し、恫喝し、同化していく。

このパターンが世界のあちこちで執拗にアメリカによって繰り返されています。

日本にたいする絨毯爆撃や原爆投下は、明らかに、ヨーロッパ人のアメリカへの入植と同時に始まった、原住民に対する虐殺と支配の延長線上に位置するものです。インディアンの虐殺の規模をより大きくしたのが日本人の対する原爆投下であり、その目的と中身と性質は全く同一のものです。

日本人は虐殺をしたのではなく、虐殺された側の人間です。
支那事変の中で、仮に中国人に対して民間人が巻き込まれてるという事例や、ある部隊による残虐行為があったとしても、日本が国家として、市民の虐殺を命令したという歴史的事実は存在していません。

国家が主体となって、市民の大量虐殺を命じたのは、ナチスによるホロコーストと、アメリカによる絨毯爆撃と原爆投下の二つであり、この二つは、いわゆる日本の戦争犯罪とはまったく次元と性質の異なるものです。

アメリカ原住民もあまりにやさしいいい人々だったから、歴史の中からほとんど姿を消しました。ハワイ­も同じです。ハワイは独立国でありながら、未だにアメリカに併合されたままであり、純粋なハワイ民族は絶滅の危機に瀕しており、チベット問題と異なり、世界から何の注目も支持も受けていませんが、ハワイの原住民は­大変な危機感をもって独立運動に現在もいそしんでいます。

大東亜戦争は、アメリカ原住民の虐殺と支配に始まったアメリカによる侵略のフロンティアが、太平洋も越えて東に進んでいったときに、日本に対してしかけられた日本に対する侵略戦争です。

この侵略のフロンティアは、大東亜戦争の後も、東へ西­へとと拡大し、アメリカは場所を変えて現在に至るまで同じことを繰り返していま­す。ベトナムに、イラクに、アフガニスタンに、パキスタンに、ミ­ャンマーに、今度はシリアですか?

中国や韓国による日本に対する反日プロパガンダも結局はアメリカによるいいがかりと、歴史歪曲の土台の上にのっかっているものにすぎません。

敵は、決して中国や韓国だけではありません。その背後にあるのはやはりアメリカであり西洋国家です。

日本と支那と朝鮮の間には、西洋人が東アジアにやってくる以前に、全く反目がなかったとはいいませんが、もともと存在する反目に介入して、亀裂を深めさせ、その地域を支配していくというのは、西洋人が19世紀以来世界のいたるところで、繰り返してきた侵略と支配のパターンです。

たとえば、現在シリア状勢が緊迫していますが、その隣にあるレバノンは19世紀までオスマン・トルコの支配下にあり、伝統的には、マロン派と呼ばれるキリスト教の一派と、ドゥルーズ派と呼ばれるイスラム教の一派が共に暮らしており多少の反目が存在してました。しかし、この19世紀に、この二つのグループの反目に、フランスとイギリスが介入して両者を戦わせるということが起きました。その後レバノンはフランス領になり、独立運動を恐れたフランスは、領土を従来のものより広げ、スンナ派やシーア派のイスラム人が暮らす地域も、レバノン領に含めてしまったため、レバノンは複雑な宗教観の反目を内部に抱えることにより、その後も内戦を繰り返すという悲惨な歴史を歩んできました。現在その隣にあるシリアに、ざまざまな利権への関心から、アメリカやら、ヨーロッパやら、ロシアやら、中国のさまざまな思惑に基づいて現地の人々の反目を利用し、介入することで、状勢が悪化しています。

私たちが中国や韓国と問題と取り組むときに、その背後には同じからくりが存在しているということも決して忘れてはならないと思います。

また、日本人は、アメリカに対して「日本人は原爆という戦争犯罪によって虐殺された」という歴史的事実を、交渉のカードとしてちらさかせていくようなしたたかさも、もっともたなくてはならないと思います。アメリカ人の間には日本人に対する罪悪感も多少はありますから、そこに塩を塗込みつけこんでいくようなしたたかな外交意識がもっとあっていいと思います。

麻生元首相が描いた自由と繁栄の弧の枠組みの中で、これらの大きな勢力と日本人は戦っていなくてはならないと思います。
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民族の自存をかけた戦いは、未だに終わってはいません。




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