尖閣諸島問題

2012年12月22日 (土)

前進か、退却か

はらわた煮えくり返るニュース二つ目です。

安倍氏、中国に特使・高村氏 尖閣に公務員先送り

自民党の安倍晋三総裁は21日、高村正彦副総裁を来年1月にも中国に特使で派遣する方針を固めた。戴秉国国務委員らとの会談を調整している。これまで強い意欲を示してきた沖縄県・尖閣諸島への公務員常駐も当面は見送る考えだ。韓国にも大統領選で朴槿恵(パク・クンヘ)氏が当選したことを受けて特使で額賀福志郎元財務相を派遣。中韓両国との関係改善に動く。

自民党は尖閣諸島への公務員常駐を公約としていました。

総合政策集J-ファイル2012

132 尖閣諸島の実効支配強化と安定的な維持管理
わが国の領土でありながら無人島政策を続ける尖閣諸島について政策を見直し、実効支配を強化します。島を守るための公務員の常駐や周辺漁業環境の整備や支援策を検討し、島及び海域の安定的な維持管理に努めます。

公約違反二つ目。安倍新政権と自民党は、民意と公約をなんだと思っているんですか。

ここで安倍新政権をかばうのは全くのお門違いです。安倍氏がどこか神聖視されており、安倍政権を批判するのはタブーのような風潮がありますが、そのような考えには私は組しません。なぜならば私たちが守らなければならないのは、安倍政権そのものではなく、日本だからです。日本の領土であり、日本人の権利であり、日本の文化や伝統です。安倍政権は、日本を守るという私たちの最も大きな目的を実現するための一つの手段にすぎない。日本を守るために、日本人の権利や、日本の国土を守るために、私たちは、民主党政権を退けて、安倍新政権を選びました。その新政権が日本を守るための約束を守らないと宣言したときに、新政権への批判をためらうべきではありません。安倍政権を支持すればこそ、厳しく安倍晋三と自民党を糾弾し、約束を守らせなくてはならないと思います。なぜならば、

ほかにゆだねられる政権がないからです。

これを私たち国民が、なあなあのまま、許してしまい、認めてしまっては、日本に希望はないと思います。糾弾し、わずかの妥協もなく公約をまもらせる。これ以外に日本の未来は切り開かれません。なぜならば、

ほかに選択肢がないからです。

安倍氏は、前回首相だった当時も、就任前は首相就任後も参拝を続ける意向を示し、自民党大会で決定された運動方針でも「靖国参拝を受け継ぐ」ことを明記していたにも変わらず、首相就任後は周辺諸国に配慮して靖国参拝をとりやめてしまいました。この過ちが公約ひとつひとつにおいて繰り返されようとしているのでしょうか。「周辺諸国に配慮して」、国民との約束を破り、公約を実行しないというのが、この安倍新政権が「実行」しようとしていることなのでしょうか。「周辺諸国に配慮して日本政府が何もしない」。これが、売国民主党政権との戦いに明け暮れて民主党を打ち破った、この日本に訪れる新しい四年間なのですか? これが「戦後体制からの脱却」なのでしょうか。

WJFプロジェクトは、正しい歴史認識、国益重視の外交、核武装の実現に賛同します。

これで、有権者が何も言わなければ、自民党の公約破りは、今後ますます増加するだろう。

WJFプロジェクトはまさか、右翼と呼ばないで!に賛同します。

安倍さんを救いたいからと我慢している人、ここは山のような抗議を送ったほうが安倍さんを自民党内で救うと思うよ。ダメだよ これは通せない絶対に。もうこういうことは止めるんだ。

WJFプロジェクトはお電波べべこの覚醒記録に賛同します。

批判無き支持は盲信である、と誰が言ったのか。その通りです。(中略)批判無き支持は、国も政党も滅ぼします。

竹島問題も尖閣諸島問題も、日本のこれからにとって小さな問題ではありません。「戦後体制からの脱却」を目指して前に進むのか、後ろに退却するのか二つに一つです。前に進むべきなのであり、後ろに逆戻りすべきではありません。ここは大きな怒りの声を上げて自民党に抗議をし、公約を守らせ、一歩前に歴史を前進させるべきです。なぜならば、何度も言うように、

ほかにゆだねられる政権がないからです。

前進か、退却か。どうして自民党新政権は選挙後わずか一週間で後ろに後ずさりをはじめるのですか。どうして果敢に国民を先導して、前に進もうとしないのでしょうか。彼らが私たちを先導しない腰砕けならば、私たち国民が先導をして、彼らを引きずってでも、前に、前に、歴史を前進させる必要があります。

今変われないなら、自民党も日本も永遠に買われません。永遠に、「周辺諸国に配慮して」日本人の意志を何一つ実行できない、アメリカや支那や朝鮮の奴隷です。

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2012年11月 4日 (日)

未来のために種をまく

「尖閣諸島に関して領土問題は存在しない」

確かにそのとおりですが、この主張にあぐらをかいて日本政府が対外的な説明やアピールをこれまで何もしてこなかったことが、中国の一方的な主張が、中国人の間に、そして世界にはびこる原因となってはこなかったでしょうか。

5年前、10年前、20年前、30年前に、日本側からもっと有効な広報活動が行われていれば、昨今のような尖閣諸島をめぐる日中の大きな衝突というのは回避できていたのではないでしょうか。

過去40年間、問題を先送りにし、うやむやにし、あいまいにしてきたつけが、今の私たち、そして、これからの世代に負担として降り掛かろうとしているのではないでしょうか。

しかし、今、ようやく、中国の人々に日本の立場を伝える一つの動画が完成しました。

中国の一般の人たちにアピールできる形で、尖閣諸島に関する日本の主張が中国語で網羅的、体系的にまとめられたのは、これが初めてではないかと思います。(もしちがったからごめんなさい。)

しかし、いまだアクセスが1000しかありません。

"钓鱼岛, 釣魚台, 釣魚臺"などの検索リストの上位に動画がなかなかあがってこないなど、動画を見せまい(見まい)とする圧力は何かの形でかけられてきますので、いっそうこちらから「動画を見せよう」とする強い圧力を組織的にかけていく必要があります。

この動画によって全ての中国人の思い込みが取り除かれ、私たちの主張に同意するようになるわけではありませんが、大切なのは、中国人の間に議論が起きることであり、さまざまな異論が生まれていくことだと思います。一方的な情報だけ与えられていたために、一つに収斂していた中国人のものの見方が、多様に分岐していく、そのための触媒としての役割を果たすことができたら、この動画は大成功と言えます。

今、お一人お一人が、動画を広めてくださることは、必ず、5年後、10年後、20年後、30年後の尖閣諸島を巡る問題に大きな変化をもたらすものだと思います。

どうかこの小さな種に水をやり、肥料を与え、大きな木に育ててください。

下は香港のYahoo。小さな芽が育ちつつあります。

「你覺得呢?這個YouTube網站 (どう思う?このYouTubeサイト)
/watch?v=_d-SG94P0zI」
http://hk.news.yahoo.com/日方指再有中國海監船駛入日本領海-112800625.html

「この動画、どう思う?」

そう互いに問いかけ合う中国人が増えていくことが大切なことだと思います。



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2012年10月27日 (土)

『尖閣諸島が中国領でない5つの理由』中国語(簡体字)版

尖閣諸島(钓鱼岛)不是中国領土的五个理由

以上を完成版とさせていただきます。今回の中国語版のリリースは非常にうれしい成果です。ご協力いただいた皆様、そして支援者の皆様、ありがとうございました。



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2012年10月21日 (日)

尖閣動画中国語版、今週アップします

いろいろお待たせしています。慰安婦動画も進めていますが、翻訳作業が完了している各国語版も並行して順次出していきます。優先度が高いため、まずは尖閣動画の中国語版を今週アップします。

以下の動画の翻訳作業が完了しています。

『尖閣諸島が中国領でない5つの理由』中国語
『Japan Expoにおける偽サムライと偽剣道 』イタリア語
『危機に瀕する日本: 第一巻』ベトナム語、インドネシア語、ドイツ語、イタリア語、スウェーデン語
『危機に瀕する日本: 第二巻』アラビア語

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『尖閣諸島が中国領土ではない5つの理由』海外の反応

『尖閣諸島が中国領土ではない5つの理由』(英語版)

こちらのサイト(http://watch-japan.sblo.jp/article/58928404.html)で『尖閣諸島が中国領でない5つの理由』(英語版)のコメントを和訳して紹介してくださっています。

ベトナム
中国は不法に、ベトナムの西沙諸島(パラセル諸島)を占拠したままだ。

日本-1
(上記のコメントに対して)
日本人は常にベトナムと共にあります。
日本政府は明白にベトナムを支持すると表明すべきだ!

アメリカ合衆国
中国と中国人は世界の犯罪者です!

フィンランド/中国系
何故、国際司法裁判所で解決しようとしないのだ?

日本-2
(上記のコメントに対して)
それは中国政府が拒否しているからだ。

フィリピン
中国は領土の略奪者だ!

ベトナム
今朝の新聞を読んでみると、この尖閣諸島問題での中国人の反応には驚きました。日本の国旗は燃やすし、車は破壊するし、スーパーマーケットまで襲っています。
こんな事に何の意味があるのでしょうか?
世界にもっと中国を嫌って欲しいのでしょうか???
私は尖閣諸島が日本の領土であると確信しているので、このビデオを見る必要は感じていません。この事はもうすでに証明済みのものです。
何故、こんな事になるのか?
それは中国の言うことは常に嘘ばかりだからです。
君たち中国人は欲望を止めなければなりません。そうしなければ、世界は中国を全く信用しなくなり、それどころか、全世界が中国に対抗する事になります。

ベトナム
西沙諸島(パラセル諸島)がベトナムの領土であるのと同じように、尖閣諸島は日本の領土だ。これは明確な事実だ!

ベトナム
私は日本人ではないが、尖閣諸島は日本の領土であると確信している。

日本-3
(上記のコメントに対して)
私は日本人ですが、我々はベトナムを支持します。西沙諸島はベトナムの領土であると確信しています。

マレーシア
FUCK CHINA
マレーシアから。

ドイツ-1
本当に素晴らしい出来のビデオだ!
尖閣諸島は中国のものなんかではない!
尖閣諸島は日本の領土だ!

トルコ
中国は油断のならない国家です。中国はいずれ尖閣諸島を占領しようとするでしょう。現在の状況では戦争にならないと思いますが、将来においては可能性があります。もし、そういう時があれば、我々トルコとトルコ人は日本を支援します。中国はその兵力数において強大かも知れませんが、実力はたかが知れています。歴史がそれを証明しています。日本は過去何度も中国を破っていますが、我々トルコ系民族も過去何度も中国を破っています。

ドイツ-2
私は中国文化と中国の景色の大ファンです。しかし、尖閣諸島は明らかに日本の領土です。現在の中国での暴動は、中国国民にとって恥ずべき事柄です。

ベトナム
私は日本の人々を支持します。尖閣諸島は永遠に日本の領土です!

シンガポール
Fuck the chinese !!!
私は日本を支持する!!!
中国にこれ以上領土を拡大させてはならない!!!

カンボジア
Fuck China
カンボジアから。

イギリス/タイ系
日本を支持します。

オーストラリア
私も日本を支持します!

香港
日本はまだ中国と戦争をする準備が整っていません。中国にあなたの国に侵攻するチャンスを与えてはいけません。

アメリカ合衆国
馬鹿な中国人どもだ。暴動を起こしている連中は反日の洗脳教育を受けている。毛沢東は4900万から7800万の中国人を殺しいると言うのにだ!

ドイツ-3
尖閣諸島は明らかに日本の領土だ。
中国は侵略国家だ!

中国
尖閣諸島は日本の領土だ!でも日本は中国の一部なんだ!
我々はこんな事、本当はどうでもいいんだ~~~

オーストラリア/中国系
嘘だ、嘘だ、嘘だ!
これは単に日本の教科書にそう書いてあるという事に過ぎない!!

アメリカ合衆国
(上記のコメントに対して)
これは事実だ!
何故、これが嘘だと言えるんだ?
嘘だと言う理由を説明できるのかい?

日本/動画作者
(同じく上記のコメントに対して)
このビデオのどの部分が嘘だと言うのですか?
あなたは具体的にこのビデオを論破することが出来ますか?

アメリカ合衆国
合衆国はこの問題について、即座に対応させてもらった。中国で報道されているかどうかは知らないが、すでに我々の海軍は周辺に展開している。
ところで、中国の大漁船団はどこへ行ってしまったのだ?
ひょっとして、これも嘘なのか?

また、尖閣諸島問題について下のような有益な情報提供をいただき、尖閣諸島が無主地であったより強力な論拠を教えていただきました。貴重な情報提供ありがとうございました。

八重山日報8月3日〜7日「尖閣前史、無主地の一角に領有史料有り」
http://tinyurl.com/d24rk7x  

八重山日報10月6日「明国地図、尖閣は「国外」 中国公式見解を否定 石井准教授「具体的反論を」」
http://tinyurl.com/yaeyamasaga 

『尖閣諸島が中国領でない5つの理由』を、海外のツイッターに、こつこつとツイートを送って届けてくださっている方たちがいらゃっしゃいます。

ツイッターを使って一人一人の外国人に動画を届けるというのは、地味な作業ですが、これまでも大きな成果を上げています。(韓国人の新聞記者がツイッターで竹島動画を送りつけられ、切れて新聞記事にしたことがありました。)

こつこつと動画を拡散してくださっている皆様に改めてお礼申し上げます。



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2012年9月30日 (日)

尖閣動画中国語版

『尖閣諸島が中国領でない5つの理由』

非常にうれしいお知らせですが、かねてより念願だった尖閣動画の中国語版の翻訳作業が完了しました。

現在、下の動画の翻訳作業が完了していますが、各国語版は、慰安婦動画完成の後にリリースします。

『Japan Expoにおける偽サムライと偽剣道』イタリア語版
『危機に瀕する日本:第一巻』ベトナム語版・インドネシア語版・ドイツ語版・スェーデン語版
『危機に瀕する日本:第二巻』アラビア語版
『尖閣諸島が中国領でない5つの理由』中国語版



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2012年9月24日 (月)

尖閣動画フランス語版

『尖閣諸島が中国領でない5つの理由』英語版。

この動画をご覧になった日本に暮らすフランス人の方から、ぜひフランス語版を作ってほしいと提案があり、フランス語版を作ることになりました。ただし、作業は慰安婦動画完成後になります。早く慰安婦動画を完成させなくてはなりません。やることが山積しています。

下のようなありがたいメッセージもいただいています。

I think this is a really great work, but I agree with you. It would be better to create a playlist and include in it several shorter video, so that people can decide which one they want to focus on. Playing the playlist would be the same as playing the long video you created.

これは本当にすばらしい作品だと思います。しかし、あなたに同意します。プレイリストを作ってその中にいくつかの短い動画をいれるのもいいかもしれません。そうすれば人々はどの動画に注目するか決めることができます。プレイリストを再生すれば、あなたが作った長い動画を再生することと同じことになるでしょう。

I love Japan. As a foreigner, I know the strength and weakness of Japan, and I love the country as it is. I want to make sure that fairness prevails and Japan's right is protected and its merit recognized internationally. I think you will find many foreigners who love Japan like me and defend it on the forum online. I think this is a great indirect achievement of the Japan policy it has conducted for decades, focusing on quality, trust, innovation, refined arts and great history.

私は日本を愛しています。外国人として、私は日本の長所も欠点も知っています。そしてそのあるがままの姿でこの国を愛しています。公正さが勝利し、日本の権利が守られ、その美点が国際的に理解されるように
計っていきたいと思っています。あなたは私のように日本を愛しオンラインの掲示板で日本を弁護する多くの外国人を見つけるでしょう。これは、品質、信頼、革新、洗練された芸術、偉大な歴史に焦点を当てながら、日本が数十年間取り組んできた政策の間接的な達成であると思います。

この動画は、2010年の尖閣沖における漁船衝突事件後に、二ヶ月ほどかけて作ったものですが、あらためて作っておいてよかったと思っています。尖閣諸島がなぜ日本領なのか、英語で中国の主張に一つ一つ反論し論理的・網羅的に説明するこの動画が存在して、日本が現在の状況を迎えるのと、このような動画がなく、日本が現在の状況を迎えるのとでは、なにかしらの違いがあったのではなかったかと思います。(確認したわけではありませんが、政府が何もしていませんから、尖閣諸島の領有権に関して英語で日本の立場を説明した資料は、現在この動画しかないのではないでしょうか。)ただ急いで作ったので、改善の余地もいくつか見られます。これを機会にすっきりとより完結に見やすくなるように手を加え直したいと思っています。

中国人による動画の低評価も引き続き増えています。一層の拡散と、評価ボタンによる動画のご支援をあらためてよろしくお願いいたします。

『危機に瀕する日本』もベトナム語とインドネシア語の翻訳が完了しており、現在、ドイツ語、イタリア語に加えて、スウェーデン語が翻訳中であり、カバーする言語が増えつつあります。

慰安婦動画も、今後何年にもわたって、日本を弁護するしっかりしたものを仕上げるべく最後の奮闘をしていますので、どうぞいましばらくお待ち下さい。

慰安婦問題の全体像を、断片的にではなく、網羅的・論理的に、そしてかなりシンプルに説明する定式は見つけられたと思っています。



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2012年9月19日 (水)

国民国家

日本は、文明開化を通して、近代的な「国民国家」となった世界で最初の非白人国家でしたが、当時の日本にとって、「国民国家」となることは、西洋の植民地となることを避けるための唯一の道でした。そして「国民国家」となっていく過程で、1895年の尖閣諸島の編入や1905年の竹島の編入を通して、周辺諸国との国境を明確にしていく作業も、当時の日本にとっては、欠かすことのできないものでした。

第二次大戦が終わると、日本以外の世界のさまざまな有色人種の人々が西洋の植民地としての立場から脱却し、それぞれの「国民国家」を立ち上げるようになりました。

「国民国家」という国家のあり方はもともとは西洋で生まれたものであり、西洋人の専有物でしたが、現在では世界中のさまざまな人々の独立と自由を担保するものとなっています。アジアやアフリカの人々にとって、「国民国家」になったということは「独立を手に入れた」ということと同値です。逆に「国民国家」でないということは、植民地や属国であるということを意味しました。ほんの前までは、世界はほんの一握りの「国民国家」と、その他多くの植民地や属国から構成されていました。アジアやアフリカの人々がやっとのことで独立を、つまりは自分たち自身の「国民国家」を手に入れてまだ100年も経っていません。「国民国家」という枠組みは、世界の様々な人々にとってかけがえのない貴重なものだと思います。私たちの祖国日本は、その多大な犠牲を通して、「国民国家」を白人の専有物から解き放ち、世界の有色人種の人々が「国民国家」となる道を開き、自由と解放と独立をもたらすという世界史的、人類史的な貢献を行った偉大な国家であると思います。

しかし、日本の隣には、韓国や北朝鮮という「国民国家」として自立していく過程で紛糾し、日本にも多大の迷惑をかけてきた国や、中国のように現在に至るまで「国民国家」になりそびれた国があります。

竹島問題は、日本と韓国が「国民国家」となったタイムラグや「国民国家」としての成熟度の差が生み出した領土紛争であり、尖閣諸島問題は、「国民国家」としてすでに成熟しこれからも「国民国家」であり続けようとする日本と、「国民国家」となることを現在に至るまで拒絶し、手にした経済力と武力によって国民国家導入以前のアジア秩序へと時間を巻き戻そうとする中国との、正逆のベクトルがもたらすきしみであると考えることができると思います。

1895年の無主地の先占など認められないと76年も立ってから文句をいう中国の姿勢の背後にあるのは、アジアの一国である日本が「国民国家」となったプロセスそのものが受け入れられないということだと思います。東アジアに「国民国家」なるものが生まれる以前の東アジアこそ、本来あるべきアジアの姿であり、19世紀以降、列強によって浸食されてきた中国は、今こそその本来のアジアの秩序、大中華を復活させなくてはならないと考えています。彼らの「保釣運動」は大中華復活の企図の中に位置づけられるものであり、琉球や台湾の奪還を経て、究極的には、「国民国家」なるものを東アジアから駆逐し解体しおえて全アジアを平定することが中国の壮大な企図であると考えられます。

実は日本は本質的には同じ問題で中国と争ったことがあり、それは満州国をめぐる争いでした。近代化以降の日本の意図は一貫しており、日本と同じような非白人の自立した「国民国家」をアジアの各地に誕生させていく、そして非白人の「国民国家」の間に強靭な連帯関係を築くことが、当時の日本の悲願であったと思います。朝鮮の併合にしても、最初から保護国とすることを考えていたわけではなく、日本は日清戦争を通して朝鮮を独立させ、大韓帝国として、「国民国家」として立たせようしました。満州国の建設も同じ願いに裏打ちされた試みの一つでしたが、当時の国際社会(西洋諸国)からも、中国人からも理解されるどころか大きな反発を生んで日本は孤立していくようになります。西洋諸国にしてみれば、非白人の「国民国家」が増殖していくことは、植民地の喪失を意味しますし、中国にしてみれば、古代以来の中華帝国の分裂を意味しますので、受け入られないものでした。世界で最初の有色人種の「国民国家」として同じ仲間を拡げていきたいと願う日本が、中華体制と西洋の帝国主義という二つのものと対峙するようになるのは時間の問題でした。

中国が「国民国家」として脱却するチャンスは、1911年の辛亥革命、満州国建設、そして支那事変の間の汪兆銘政権の誕生と、いくつかあり、日本人はいずれの場合にも深くコミットをして、中国が「国民国家」になれるよう、つまり近代化できるように手助けしようとしましたが、日本人の悲願は、決してかなうことはありませんでした。「国民国家」を中国人や朝鮮人にプレゼントしようとした日本人の試みは、感謝されるどころか、「侵略」と呼ばれ、末代までの怒りと憎しみを買う種になりました。

これからますます経済力や軍事力をつけていく中国は、強引に時間を巻き戻し古いアジアの秩序を回復しようと、その力を行使していくでしょう。

また、「国民国家」の枠組みを消滅させようとする試みは、中国のみならず、TPPや道州制、グローバリズムの側からも仕掛けられています。

日本は、台湾は、韓国は、ベトナムは、フィリピンは、タイは、マレーシアや、シンガポールは、「国民国家」としてのあり方を、自由と独立を守ってくれるその枠組みをこれからも守り続けることができるでしょうか。

マレーシアの中国系の方からいただいたメッセージを最後に紹介させていただきます。

Just watched your video about the China declaring the Senkaku islands for themselves. My response here might sound a little personal and emotional, but I find this whole situation a really screwed up one.

Being a Malaysian Chinese myself, I am utmost embarrassed by this act of barbarianism from the China Chinese government and community. After knowing the islands are filled with resource-rich deposits, all of a sudden they decided to stir up things, past events and sensitive issues to bring up conflict, so that they can attempt to claim these islands.

From my personal experiences with many of these China/mainland Chinese, it is no secret to me of their greed and unethicalness, and the government's past history of them claiming territories around by force, like Taiwan, parts of India, Tibet, Mongolia just shows their greed... Sigh. This youtube video will hardly reach out to the China citizens, as their government does plenty of internet filtration to prevent their people from being internationalised, which according to them is a form of pollution.

Sorry, my message is possibly not anywhere as factual as the ones you may deliver, so just treat it as a message where I am frustrated with how greed drives people.

All the best to Japan. I will support Japan despite of my race.

尖閣諸島は自国のものだと主張する中国に関するあなたの動画を拝見しました。私の反応は、すこし個人的で感情的に聞こえるかもしれませんが、現在の状況は本当に困った状況であると私は考えています。

私自身はマレーシアの中国人ですが、中国や、中国政府、中国社会の野蛮な行為にすっかり当惑しています。島に豊富な資源が埋蔵されていることが分かった後で、これらの島の領有権を主張するため、突然彼らは、事態や過去の出来事や繊細な問題をひっかきまわして、紛争を発生させることを決めました。

これらの多くの中国や中国本土の中国人との個人的な経験から、私にとっては彼らの貪欲さや非道徳は驚くことではありません。また中国政府が過去に武力によって台湾や、インドの一部や、チベットやモンゴルなど周辺の領土を主張してきたことは、彼らの貪欲さを表しています。このYouTubeの動画は、国民の国際化を汚染の一形態と考える中国政府によるインターネットの制御により、中国の市民に届くことはないでしょう。

すみません。私のメッセージはあなたのように事実を伝えるものではありませんが、貪欲がどんなに人を狂わせるかについての私のフラストレーションの言葉として受け取ってください。

日本に幸いあれ。中国人ですが、私は日本を応援しています。

願わくば互いに血を流し合うことなく、中国がゆっくりと変わっていってくれたらと思います。

「国民国家」について宮脇淳子先生が分かりやすく教えてくださっています。

中国がいかに日本の経済的支援によって覇権を広げてきたかを説明したWJFプロジェクトの動画「7分で分かる中華人民共和国の歴史」

また中国による人口侵略への警鐘をならす「すべての日本人にささぐ」もご覧いただきたいと思います。

製作中の慰安婦動画。
説明があれこれ長くなるかと危惧しましたが、論点をかなりしぼりこむことができ、単純で分かりやすくすっきりとまとまりつつあります。

他言語版の制作の作業が滞っていますが『危機に瀕する日本』第一巻のベトナム語、インドネシア語、ドイツ語の翻訳が完了し、また新しくイタリア語への翻訳作業も始まっています。



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2012年9月17日 (月)

日本は中国の領土と考える中国人

『尖閣諸島が中国領でない5つの理由』英語版

驚くことではないのですが、「尖閣諸島だけじゃない。日本全体がもともと中国の領土じゃないか」と書いてくる中国人の多いこと。

チベットや満州やモンゴルや台湾が中国の一部であるように、日本は本来は中国の一部であると、中国人は考えています。

日本にとって、尖閣諸島の問題は尖閣諸島だけでは終わりません。これからますます拡大していく中国との対峙の始まりに過ぎません。ここでしっかりくいとめないと、中国はやがて日本全体を呑み込むことになります。

上の動画に付した新しい説明文。(independentjapan2009のチャンネルに以前掲げていたもの)

"Expanding China will be the biggest problem for the international society of the 21st century. Sinocentrism, an ancient imperialism deeply rooted in China's history, seems now trying to swallow everything under the name of China. Sinocentrism has made Chinese people say, Taiwan is a part of China, Tibet is a part of China, East Turkestan is a part of China, Manchuria is a part of China, Mongolia is a part of China, Goguryeo is a part of China, the Spratly & Parcel islands are a part of China, the Senkaku islands are a part of China. It will also make them say, Okinawa is a part of China, North Korea is a part of China, South Korea is a part of China, Japan is a part of China, the whole Asia is a part of China, the whole Earth is a part of China. However, they must just realize that China is a mere part of the world. Tibet must be Tibet. East Turkestan must be East Turkestan. Mongolia must be Mongolia. Manchuria must be Manchuria. Taiwan must be Taiwan. Each people must be allowed to decide their own future and what kind of tradition they will hand over to their children by their own. Sinocentrism is now blocking this basic human right. Democracy cannot coexist with Sinocentrism. The riverse is also true. Sinocentrism cannot coexist with Democracy. Either side must win and defeat the other. Which side will win? Sinocentrism or Democracy? Which side must win? Of course the latter. "

「中国の拡大は、21世紀の国際社会にとって最大の問題となるだろう。中国の歴史に深く根付く古代からの帝国主義、中華思想は全てのものを中国の名の下に呑み込もうとしているかに見える。中華思想は中国の人々に「台湾は中国の一部である」「チベットは中国の一部である」「東トルキスタンは中国の一部である」「満州は中国の一部である」「モンゴルは中国の一部である」「高句麗は中国の一部である」「南沙および西沙諸島は中国の一部である」「尖閣諸島は中国の一部である」と言わせてきた。中華思想はまた中国の人々に「沖縄は中国の一部である」「北朝鮮は中国の一部である」「韓国は中国の一部である」「日本は中国の一部である」「アジア全体は中国の一部である」「全世界は中国の一部である」と言わせるであろう。しかし、彼らは気づかなくてはならない。中国は世界の単なる一部にすぎないことを。チベットはチベットでなくてはならない。東トルキスタンは東トルキスタンでなくてはならない。モンゴルはモンゴルでなくてはならない。満州は満州でなくてはならない。台湾は台湾でなくてはならない。それぞれの人々は、自分たちの未来や、どんな伝統を彼らの子どもたちに引き継いでいくのかを自分自身で決めることが許されなくてはならない。中華思想は現在この基本的な人権を阻んでいる。民主主義は中華思想と共存することができない。逆もまた真である。中華思想は民主主義と共存することができない。いずれかの側が勝利し、いずれかの側を打ち破らなくてはならない。どちらの側が勝利するのであろう。中華思想か民主主義か。どちらの側が勝利しなければならないのだろう。もちろん後者である。」

おかげさまで動画の高評価が増えてきました。引き続き動画の支援と拡散をお願いいたします。



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2012年9月16日 (日)

尖閣動画(英語版)をご支援ください

『尖閣諸島が中国領でない5つの理由(英語版)』

低評価がかなり増えていますので、動画の評価ボタンやコメントの評価ボタンをクリックしてご支援いただければ幸いです。

ちなみに上の動画は現在コメント欄に承認制を採用しています。



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