竹島問題・日本海呼称問題

2013年1月10日 (木)

国際司法裁判所単独提訴取りやめから窺い知れるもの

安倍政権が、野田政権が進めていた竹島問題の国際司法裁判所への単独提訴をとりやめることを決定しました。

<竹島・政府先送り 県、県議ら落胆の声も>

 政府が竹島の領有権問題を巡る国際司法裁判所(ICJ)への単独提訴を当面行わない方針を固めたことが判明した9日、県内の関係者からは「事実なら残念」と単独提訴を引き続き求める声が聞かれた。

 県の担当者は「国から正式な見解は聞いていない」と語り、「事実ならば非常に残念。従来もICJへの単独提訴を国に求めており、引き続き強く働きかけたい」と話した。竹島問題に関する国の方針も改めて確認するという。

 超党派の県議でつくる「竹島領土権確立県議会議員連盟」会長の原成充・県議会議長も「政府の方針は承知しておらず、単独提訴を引き続き国に求める立場に変わりはない」と話した。その上で、日韓両国での政権交代を踏まえ「日韓の情勢を考えれば、すぐ単独提訴できないことはやむを得ない」とし、「竹島問題を解決するため日韓首脳が話し合う環境を作ることに、我々も協力したい」と語った。

 県議会は昨年12月、竹島問題について、政府が速やかにICJへの単独提訴に踏み切るよう求める意見書を可決している。(矢沢慎一)

(2013年1月10日 読売新聞)

予想通りの展開であり、この件について、もうあまり腹が立たないのですが、私たちがしっかりと直視し、記憶に留めておかなくてはならない事実は、韓国の竹島実効支配を放置し、黙認してきたのは自民党政権であるということです。

1952年1月18日から始まった61年にも及ぶ韓国による竹島の不法占拠。自民党政府は、1954年と1962年の合計三回、国際司法裁判所への付託を提案しただけであり、今日に至るまで具体的な対処は何も取ってきませんでした。韓国の竹島の実効支配は、次のようなプロセスで着々と強化されてきましたが、その度に、自民党政府は何の処置もせず黙認してきました。

ヘリポート建設 1981 
接岸施設完工 1997
有人灯台 1998
一般観光客入島許可開始 2005
統一地方選挙の投票所の設置 2006

竹島.comより 

何の対処も取らないだけならまだよいのですが、さらにひどいのは、自民党が積極的に竹島問題の取り組みを妨害したり、韓国の実効支配をむしろ支援するようなことを行ってきた事実です。島根県「竹島問題研究会」座長であり、竹島問題研究の第一人者、拓殖大学の下條正男教授は、下のインタビューで次のように述べていました。

下條正男教授のインタビューから(動画は削除されています) http://www.nicovideo.jp/watch/sm18619027

1)2005年3月15日の島根県の竹島の日制定の際、政府(当時の自民党)から制定を止めるよう妨害があった(20:10ぐらい)

2)2011年8月1日 新藤義孝衆院議員、稲田朋美衆院議員、佐藤正久参院議員は独島記念館のある韓国の鬱陵島を視察するため訪韓したが、入国を拒否された事件で、平沢勝栄議員は予定が入ったとして参加していないが、不参加の本当の理由は韓国元国会議長から山崎卓に止めるように連絡があり、平沢がヘタレ た。石原伸晃も仲介に入って止めた。韓国側からも止めるように森喜朗元首相(日韓議員連盟の元会長)や渡部恒三に依頼があった。森喜朗は自民党に働きかけ、自民党として視察に行く予定が個人の旅行に変わってしまった。この件については拓殖大学の下條正男教授が同年7月31日に先発隊として韓国に入国しようとして拒否されていることから本当のことであろう。(22:25ぐらいから)

3)森喜朗は2006年4月 韓国が竹島の海底地名を付ける時、境港近くに停泊していた海上保安庁の船を撤去させた。(24:10ぐらいから)

今回の決定から分かることは、自民党は何も変わっておらず、従来のやり方を踏襲しようとしているということです。

竹島問題は、日韓双方のいい分にもっともな点があるというような紛争ではありません。アメリカ人のGerry Beversさんが主宰されているDokdo-or-Takeshima?の皆さんがさまざまな資料の緻密な渉猟を通して明らかにしたように、韓国の言い分は100%でたらめであり、その占拠は完全に不法なものです。昨年の李明博による竹島不法上陸以来、国際社会の関心が竹島問題に注がれるようになりましたが、ここで日本が振り上げた拳をおろすならば、それこそ、日本の主張には理がなく、日本政府が韓国の主張を認めたのだという誤解を国際社会に多かれ少なかれ与えることになるでしょう。

さまざまな領土問題を抱える日本にとって、この問題を国際司法裁判所に単独提訴し、国際法に基づいて解決しようという姿勢を国際社会に示すことが、日本の国益に反するはずがありません。「友好な日韓関係のため」に単独提訴を止めやめるということですが、真に友好な関係を樹立するためにこそ、相手の不法な行為をうやむやにするのではなく、きちんと言うべきことは言わなくてはならないし、まげてはならないことをまげるべきではありません。まして韓国は今度は対馬の領有権まで主張し始めています。

しかし、問題なのは、竹島問題それ自身ではありません。領土問題を放置しつづけるその姿勢から透けて見える自民党や安倍政権が抱えている国家観や外交姿勢のテンデンシー(傾向)こそが問題です。外国との「友好関係」を理由に、領土を譲り渡すことをためらわない政党や政権は、他の問題についても、同じような決定や行為を繰り返しますし、実際に自民党はそのような行為を繰り返してきました。「日韓友好」を理由に、韓国の圧力に屈して、国際社会に誤解を蔓延させ、日本の名誉に大きな汚点を残すことになった悪名高い河野談話を出したのは、そもそも自民党政府です。今回も、「竹島問題を国際司法裁判所に提訴するな」というアメリカの圧力があったことが分かっていますが、外国の圧力に屈し、国家としての主体性を放棄してしまっている点は問題です。外国との友好や、外国からの圧力を理由に、民意と国益を犠牲にする政治のことを、通常「売国政治」と呼びます。そういう長年の悪習を断つことこそ「戦後体制の脱却」という言葉が意味するところのものだったはずです。

島一つなら、失ってもいいのかもしれない。しかし、今回、竹島問題に関して安倍政権がみせた同じ姿勢が、「日米友好」や「自由貿易」を名目に、TPPや道州制という問題で反復されるとき、失うのは島一つではすみません。私たちは、主権を失い、未来を失い、歴史を失い、そして国を失います。

私たちが認めなければならない事実は、過去に一千万人移民計画を掲げたり、国籍法を改悪したり、現在も道州制を公約に公然と掲げるような自民党という政党を、単純に「愛国保守政党」などと呼ぶことはできないということです。私たちは、黒いものを見て、白だといいはるべきではありません。

しかし、自民党がいくらだめだからといって、TPPに関しては、他の政党を選ぶというわけにはいきません。他の政党もTPPを支持しているからです。幸い自民党の中にはTPPに反対する多くの議員たちがいます。彼らに強く、強く呼びかけていくことが、今後、一層求められていくと思います。

特定の政党を盲目的に、全否定したり、全肯定するのではなく、有権者として政治家としたたかに向き合い、彼らを馬のように鞭打ち、上手に乗りこなしていく必要があると思います。そうしなければ、政治家は、あまりに容易く、私たち日本国民以外の国や勢力に乗りこなされてしまいます。

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2012年12月21日 (金)

「竹島の日」政府主催見送りか

アベノミクスの効果で円が下がり株価が上がり喜んでいた矢先、はらわた煮えくり返るニュースです。朝日、日経、時事通信が伝えていますが、本当でしょうか。麻生氏が、竹島上陸後、韓国を訪問して李前大統領と会談を行った時からおかしいと言われていましたが。単独過半数とっているのに公明党と連立を続ける意味も分かりません。

竹島の日、政府式典見送り 安倍氏方針

自民党の安倍晋三総裁は、竹島を日本に編入した日にあたる来年2月22日に政府主催の式典を開くのは見送る方針を固めた。 自民党の衆院選の政策集では政府主催の式典実施を明記していたが、竹島問題で悪化した日韓関係の修復を重視し、 首相就任早々に開催する必要はないと判断した。

安倍氏はまた、韓国大統領選での朴槿恵(パククネ)氏の当選を受け、日韓議員連盟幹事長の額賀福志郎元財務相を 総裁の特使として21日にも韓国に派遣する。額賀氏は朴氏に、「両国は戦略的利益を共有する」として早期の首脳会談を呼びかける安倍氏の親書を渡す予定。

2月22日は島根県が「竹島の日」として毎年式典を開催。朴氏側は日本政府主催となるのを懸念し、 実施されれば同月25日の大統領就任式への首相招待は困難との見方が強かった。

自民党の総合政策集J-ファイル2012

328 「建国記念の日」、「主権回復の日」、 「竹島の日」を祝う式典の開催 政 府 主 催 で 、 2 月 1 1 日 の 建 国 記 念 の 日 、そ し て 2 月 2 2 日 を 「 竹 島 の 日 」、 4 月 2 8 日 を 「 主 権 回 復 の 日 」 と し て 祝 う 式 典 を開催します。

と明記されていました。

安倍氏の靖国参拝に対する態度も選挙後変化しており、危惧しています。彼は前回も首相就任前と就任後では靖国に対する態度を変えています。

選挙が終わったとたんに公約をやぶる。これは国民への裏切りであり、愚弄です。今年の夏に私たち日本人はどんだけ悔しい思いをしたか。その悔しい思いを胸に、どれだけの国民が自民党に期待をして票を投じたか。「竹島の日」の政府主催こそは、毅然とした新しい日本の象徴になったはずです。また自民党が長く続けてきた竹島問題の放置と、韓国の実効支配強化の黙認がはじまるのでしょうか。このニュースが本当ならば、国際司法裁判所への単独提訴も立ち消えでしょう。

自民党がこれまで韓国による竹島の不法占拠にどれだけ加担してきたか、竹島問題を詳しく研究されてきた竹島comの記事をよくお読みください。

特に、自民党時代には、
ヘリポート建設 1981 
接岸施設完工 1997
有人灯台 1998
一般観光客入島許可開始 2005
統一地方選挙の投票所の設置 2006
など、現実に韓国の行政権行使をやめさせなかった大罪があるのです

日韓友好の美名のもと「対称性の構造」で日韓が仲良く横に並び、日本が一方的に奪われても、それを日本がこれまた一方的にがまんしていく関係がこれからも維持されていくのでしょうか? いつまで私たちはがまんしなくてはならないのでしょうか。

日韓のこれまでの異常でいびつな関係を正常化し、成熟した二国として平和な関係を結ぶためにこそ、韓国の新政権に配慮して、領土問題について譲歩するなどということがあってはなりません。返してもらうべきものをきちんを返してもらわなければ、本来あるべき当たり前の二国間関係等いつまでも成立しません。奪ったり、奪われたりするための日韓関係ではなく、通常の二国間関係が日韓の間に成立するためにも、竹島問題に関して毅然たる態度をとることは絶対に必要なことだと思います。

民主党による反日政策以上に、今回のニュースには自民党に期待を寄せていただけに怒りを感じます。

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2012年12月19日 (水)

VANKのみなさんに悪いお知らせ

当ブログは、VANKの皆さんもこっそりご覧になっているのですが、(特に浅田選手に関する記事に関心があるようで最近、韓国からのアクセスが増えています)、今日はVANKの皆さんに特別なお知らせがあります。とても悪いお知らせです。

先日、海外の人々から寄せられるメッセージを紹介しましたが、その中の一人のアメリカ人から次のようなメッセージが届きました。竹島に関するものです。自分で調べて見つけたDokdo-or-Takeshima?のリンクを送ってきてくれました。(ちなみにこちらから竹島問題に関して何かを説明したということはありません。)

20121219_135516_3

独島博物館の館長が、朝鮮の地図に現れる于山島は、独島ではなく、鬱陵島のJukdo (죽도 (죽서도), 竹島 (竹嶼島))であることを認めている。

http://dokdo-or-takeshima.blogspot.com/2012/09/2007-mar-19-dokdo-museum-director.html


20121219_140408

韓国人は歴史的記録を燃やした
韓国が記録を燃やしたのは、朝鮮人がJukdoが朝鮮の国境であることを認めていたことを記録が示していたためであることは明らかだ。

"李氏朝鮮時代に、鬱陵島の調査官が鬱陵島に渡るための最適な風が吹くのを待つ間滞在していた古い建造物である「待風軒」(대풍헌)は、築158年である。この建造物は慶尚道の蔚珍郡箕城面龜山一里202番地にある。近頃、建物を解体中に、蔚珍郡は「在咸豊元年辛亥三月初二日巳時立柱戌時」と記された梁を見つけた。李氏朝鮮時代の鬱陵島調査官のいくつかの古い記録がその建物に現在保管されているが、2006年のKBSによる鬱陵島に関する特別番組の中で、その古い記録を管理している老人の一人が二三十年前に、役人がやってきて、理由は分からないが、そこにあった多くの記録を燃やしたと述べた。"

(それぞれの記事を注意深く読んでほしい。)
(ちなみに、韓国人はその番組の映像をすでに削除している)

http://dokdo-or-takeshima.blogspot.com/2009/03/ulleungdo-inspectors-wind-waiting-house.html

http://dokdo-or-takeshima.blogspot.com/2009/03/difficult-to-confirm-if-korea-burned.html

http://dokdo-or-takeshima.blogspot.com/2007/10/inspectors-map-of-ulleungdo-shows.html

(日本政府がこのことをまだ知らないならば、君が知らせてもいいだろう。)

アメリカに暮らす一般のアメリカ人から、このように于山島が独島ではないことや、竹島に関する資料を教えてもらう日が来るとは思いもよりませんでした。外国人が他国の領土問題に関心を寄せるのは稀なことですが、それでも、きちんとした情報を提示していれば、興味をもってくれる人は必ずいるし、真実を知るようになる人たちは必ず現れるのだということの何よりの証左ではないでしょうか。

VANKの皆さん、嘘は遅かれ早かれ必ず暴かれます。世界の人々がみなさんが嘘をついていることに気づくのは、時間の問題です。皆さんはあと十年は世界を騙せるかもしれない。あるいは皆さんがこの世を去るまでは、なんとかごまかしきれるかもしれない。しかし、皆さんの子や孫はどうなりますか? 嘘はいつか必ずばれます。そのとき、皆さんが積み重ねた嘘せいで、みなさんの子や孫たちは「嘘つき」という汚名を負って生きていかなくてはならなくなります。子や孫たちの名誉を守るために、その前に自分たちから進んで正々堂々と間違いを認めるべきではありませんか。

それにしても、Dokdo-or-Takeshima?を運営されてきたGerry Beversさんや、仲間の方達の功績は、本当に大きいと思います。感謝いたします。


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2012年8月20日 (月)

竹島問題と尖閣諸島問題に共通の問題構造

竹島問題と尖閣諸島問題。この二つの問題が連動して日本をゆさぶっていますが、とても似通った問題構造をもっていると思います。おおざっぱですが考えを整理してみたいと思います。

1. 19世紀までの東アジアに「無人島がどの国に属するか」といった問題意識そのものが存在しなかった。

そもそも19世紀以降に近代化(西洋化)の波に晒される以前の東アジアには「領海(Territorial Waters)」とか「海洋権益」とか「無人島がどの国に属するか」などという発想そのものが存在してはいなかったのではないかと思います。従って、それ以前の無人島は基本的には「無主地(Terra Nullius)」(いずれの国にも属さない土地)と考えるべきものであると思います。

そもそも西洋においては「領海」とは、海岸線から大砲の届く距離である3海里(5.6km)圏内の海のことであり、元来は大砲の使用を前提とした防衛圏内のことでした。ここに海底資源や漁業権や核実験という新しい要素が加わって各国が領海を拡大するようになったのは第二次大戦後以降のことであり、「海洋法に関する国際連合条約」によって領海の範囲が国際法的に統一されれたのが1982年のこと。(発効は1994年)。竹島問題や尖閣諸島問題が発生したのも、第二次大戦の終結から、「海洋法に関する国際連合条約」制定までの、各国が漁業権や海底資源のために領海の範囲を拡大しようとした時期に重なります。

このように「海洋権益」などという概念そのものが極めて最近のものであるために、19世紀以前の東アジアに「無人島がどの国に属するか」などという問題意識そのものが存在したはずもなく、無人島の帰属をめぐって紛争化するなどという前提条件自体が存在してはいませんでした。

この一点を考えるだけでも、無人島である独島が512年から韓国の領土だったなどとという韓国の主張や、無人島である尖閣諸島が14世紀より中国の領土だったなどという中国の主張がいかにナンセンスで牽強付会なものであるかがお解りいただけると思います。

日本にも、竹島には、江戸幕府が鬱陵島への渡航許可を発行した事実があり、これが江戸幕府による「主権の行使」であったとする主張がありますが、これも現代の国際法から解釈したものであり、江戸幕府に「竹島(当時の呼称は松島)を領有しよう」という意志がその当時あったとは思われません。不完全な形であれ「主権の行使」のごときものが江戸時代によって行われていたとしても、やはり竹島は基本的には1905年の日本による編入までは「無主地」であったと考えるべきではないでしょうか。

またこの点で気になったのが、しばらく前に産經新聞に「明の上奏文に『尖閣は琉球』と明記 中国主張の根拠崩れる 」というタイトルで掲載された記事でした。尖閣諸島のもっとも東側にある大正島(赤嶼)を、琉球王国の一部として中国の冊封使が記述していたと主張する記事でしたが、やはり明の時代に無人島の帰属を問う意識が中国人の間に存在していた考えること自体が不自然であり、19世紀以前に無人島がどの国に属していたのかなどといったナンセンスな主張合戦に日本は加わるべきではないというのが、その記事から受けた率直な印象でした。

2. 日本の近代化の歩みを日本の帝国主義として中華秩序の破壊原因として全否定する中国・韓国

明治維新以降、アジアの中で一番早く近代化(西洋化)を受け入れて、当時「万国公法」と呼ばれた国際法(西洋のルール)を学んだ日本政府が、西洋の作法に従って、尖閣諸島や竹島のような無人島を編入(無主地の先占)していくわけですが、韓国と中国は、次の共通した観点に基づいて、この日本による編入は無効であったと主張しています。

それは「日本の近代化=西洋の秩序への迎合=日本の帝国主義=中華秩序を破壊した根本原因=全否定されるべきもの」という観点です。また、「日本の西洋への迎合によって一度破壊された中華の秩序がもう一度復興されるべきである」とする意識です。

日本海呼称問題を通して執拗に「日本海」という西洋人によって確立された呼称を日本の帝国主義(日本の近代化)によって押し付けられたものと決めつけて全否定し、「東海」という彼らが2000年間使ったきたと主張する呼称を復活させようと画策している韓国の姿にも、日本の近代化を通して破壊された中華的上下秩序を再び復興したいという強い願望が隠れていることはお解りいただけると思います。

竹島問題と尖閣諸島問題の背後には、「日本の明治維新以降の近代化のあゆみをどう評価するのか」という歴史問題が隠れています。

3. 日本の近代化の歩みを全否定しなかった国際社会

そして「日本の近代化をどう評価するのか」という問題の答えは、戦後、連合国が竹島や尖閣諸島を日本領として扱ったことから分かるように、国際社会は日本の近代化のプロセス全体を否定するようなことは決してなかったということです。この点で、中国や韓国による「日本の近代化=日本の帝国主義=全否定されるべきもの」という観点は、国際社会の中で孤立しています。これらの領土をめぐる紛争は歴史観をめぐる紛争でもあり、中華の史観は、東京裁判史観と大きく重なる部分があるものの、国際社会の史観と幾分対立しており、この国際社会の感覚と、中国・韓国の感覚とのずれに、竹島問題や尖閣諸島問題は発生している一つの原因があると考えられます。ただし、今後、中華の史観と国際社会の史観に擦り合わせが行われ、ぴったりと重なる可能性もないわけではありません。そのときには再び日本が孤立することになります。同時に中華の秩序と国際秩序(西洋の秩序)が、対立ときしみを大きくして、いずれかが超克されていく可能性もないではありません。その際には、日本はそのいずれかに組み込まれていくことになります。

竹島問題も尖閣諸島問題も次の三点に集約することができると思います。

1. 近代化以前の東アジアに「無人島がどの国に帰属するか」などという発想そのもの存在せず、無人島は基本的には無主地であった。
2. アジア諸国に先駆けて近代化を受け入れた日本は、国際法に従って無人島を編入し「無主地の先占」を行ったが、この日本の近代化のプロセスを、中国・韓国は「日本の帝国主義」として「中華秩序を破壊した根本原因」として全否定する。
3. 戦後の国際社会は、中国・韓国と異なり、日本の近代化を全否定してはいない。

竹島問題や尖閣諸島問題をめぐる中国や韓国の主張の背後に隠れているのは、国際法に象徴されるような近代の秩序(西洋の秩序)よりも、中華秩序を是とする意識であり、中華秩序の破壊者としての日本を糾弾し、中華の秩序をなんとか復興しようとする意識です。日本や国際社会が直面しているのは、復興し台頭しつつある中華秩序とどう向き合うのかという問題であると思います。日本は地理的にも歴史的にも、現在、国際秩序と中華秩序の狭間に、対立の最前線に立たされています。単なる領土問題を超えて、日本は、国際秩序(西洋の秩序)と中華秩序の対立を調停し、止揚させるという歴史的課題に直面しています。



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2012年8月15日 (水)

「独島は本当に我が国の土地ですか?」

『韓国に竹島を描いた古地図は存在するか?: 日韓古地図の比較』の韓国語版。(日本語版はこちら)

今日も、上の動画に対する韓国人の反応を機械翻訳で紹介します。最近、韓国の質問サイトに挙げられた質問です。

http://kin.naver.com/qna/detail.nhn?d1id=11&dirId=111001&docId=156504997&qb=aHR0cDovL3d3dy55b3V0dWJlLmNvbS93YXRjaD92PVBfaFdMdUNVdndZ&enc=utf8§ion=kin&rank=1&search_sort=0&spq=0&pid=RuprvF5Y7vCssvqjuuRssc--480575&sid=UCpq8PFnKlAAAEOeCf8

20120815_01751

こんにちは私は韓国人の両親を置いて育った韓国人であることは明らかですが、 生まれたところは、海外であるため、普通の韓国人のように巨大な愛国心を持っていることはありません。 しかし、日本が韓国を植民地に杉起動ジョジルルン犯罪を再び見ると、本当に怒ってされます。 今は海外に住んでいますが、 しかし、韓国に対する愛情は十分にあり、韓国の市民権も持っています。 そうするうちに独島に関する日本人があげた映像を中立的な立場で見ました。 疑問がちょっとのんですよ。 独島はわれらの領土独島は私たちタンハジマン多くの人々は、単に"我が国の古地図に独島が描かれて引き継ぐ"と思いながら、独島がわれらの領土であるという考えを持つと思います。 立場を変えて日本人も考えると、歴史を歪曲しようがアンヘトドゥン独島が私たち(日本)の土地と教育を受けてギェネドゥルド"私たちの古地図に独島が描かれている、多くの証拠がある"という考えでこのように考えることはないでしょうか? 一応ユチュᆸエソ http://www.youtube.com/watch?v=P_hWLuCUvwY&feature=player_embedded# ! 上の動画を見ました。 最初から最後まで見て入るつもりは我が国の古地図には独島がないという考えしかアンドゥルオトました。 常識的に見た時は、八道総図に描かれた鬱陵島の隣にある島は地理的に見あった時ジュクドエドガカウンゴトませんか? そしてビデオ序盤に紹介してくれる日本の古地図を見れば、日本は地理的にも独島の位置が、誰もが見てもナクドゥプイガルマンハンゴトエ描かれており、二つの岩の島として描かれています。 それからキム·ジャンフンさんが開いた"独島の真実"というサイトに行って http://www.youtube.com/watch?v=auw0OwGn6po&feature=player_embedded#! この映像を見ました。 日本の告知度キョキドウイとんでもないミスをカミョンソ八道総図に描かれた于山島の位置は、間違いだと言ってており、 鬱陵島のすぐ隣に描かれた島は独島が右と言っています。 二つの映像を見て率直に言って説得がなるのは、日本人があげた映像がありました。 それ知りたいこと 1。我が国の古地図を描いた人は鬱陵島てから93kmも離れた独島をウェイロトゲナ近く描いておいたのでしょうか 2。回答者様は、日本人があげた映像に対してはどう思いますか? 3。多くの人々が独島は我らの領土だというのに。なぜ独島が我が国の地であることをきちんと教育を受けてそのように言うことはありますか? 他の方々が目の前に私が売国奴のように見えるかもしれませんが 韓国の歴史をよく知らないいずれかの外国人だと思っていただいて すっきりし況ウお願いいたしますあまりにも気になります。

以前も、独島は我らの領土だといくら叫んでも、無駄に等しいでしょう?という記事を紹介しましたが、上の動画を見て韓国の竹島に関する主張に疑問に思う韓国人が増えています。

動画の拡散を引き続きお願いいたします。内側から、外側から、崩していきましょう。下の動画の拡散も引き続きご協力ください。

Two Special Places for Koreans 2012



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2012年8月13日 (月)

「これを見ると、国際司法裁判所行くと本当に勝つことができないというのが実感できる。」

『韓国に竹島を描いた古地図は存在するか?: 日韓古地図の比較』の韓国語版。(日本語版はこちら)

最近の韓国の掲示板の記事を紹介します。

http://gall.dcinside.com/list.php?id=seafight&no=86284

20120813_232226_2

ある日本人が作った動画なのですが、これをみると国際司法裁判所に行くと本当に勝てないと云うことを実感する。 我々の祖先達は、もう少しまともな地図を描いて下さったら、良かったのに。 地図だけもう少しまともに描いて下されば、あいつ等のあんな主張を論破する事が出来るのに、 かえって、論破される羽目になるんだよ。

国際司法裁判所で勝てないからといって、韓国国民と国際社会に嘘を言って居座っていてはいかんでしょう。

韓国人に「国際司法裁判所で勝てない」と思わせている上の動画の拡散にご協力ください。



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『韓国人にとって特別な二つの場所 2012』

韓国のサッカーチームによるオリンピックでの独島アピールと、李明博による竹島の不法入国を追加したヴァージョンを作りました。

竹島問題に関する海外メディアの関心も高まっており、大きなチャンスが到来しています。特に英語版の爆発的な拡散にご協力ください。国際司法裁判所への提訴に応じない韓国の卑怯な姿勢を世界中に晒しましょう。



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2012年8月11日 (土)

たかじんNOマネーで『韓国人にとって特別な二つの場所』を再び紹介していただきました

昨年の10月22日に『韓国人にとって特別な二つの場所』をテレビ大阪「たかじんNOマネー」で紹介していただきましたが、本日、再び取り上げていただいたそうです。

下は他の方があげていらっしゃる動画です。(著作権の関係で削除されるかもしれません。)



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2012年8月10日 (金)

李明博殿、竹島は日本領です。

李明博殿

竹島は歴史的にも国際法的にも、日本領です。

竹島問題はきわめて単純です。

1. 1905年以前に大韓帝国・朝鮮が竹島を実効支配した歴史的事実は存在しません。(朝鮮の歴史資料や古地図にあらわれる「于山島」という島は竹島とは無関係な島であり、竹島について記述した朝鮮時代の歴史資料や地図は一つも存在しません。)

2. 1905年の日本による竹島編入は国際法の手続きに完全に合致しています。

3. 第二次大戦後、1951年サンフランシスコ講和条約において、連合国は竹島を日本領としてとどめる決定をしました。

4. この国際的な決定はラスク文書等の外交文書により、合衆国政府から韓国政府に告知されましたが、韓国はこの決定を無視して、1952年、サンフランシスコ講和条約が発効する直前に、李承晩ラインを一方的に引き、以来、竹島の 不法占拠を続けています。

竹島はなぜ日本領なのか: サンフランシスコ講和条約とラスク文書(日本語版)

Do you know the reason why Dokdo is NOT Korea Land? (英語版)

당신은 알고 계십니까? 다케시마가 한국영토가 아닌,그 이유를.(韓国語版)

韓国に竹島を描いた古地図は存在するか: 日韓古地図の比較 (日本語版)

韓国に竹島を描いた古地図は存在するか: 日韓古地図の比較(韓国語版)

韓国に竹島を描いた古地図は存在するか: 日韓古地図の比較(英語版)

韓国に竹島を描いた古地図は存在するか: 日韓古地図の比較(スペイン語版)

韓国人にとって特別な二つの場所(日本語版)

韓国人にとって特別な二つの場所(韓国語版)

韓国人にとって特別な二つの場所(英語版)



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2012年7月 9日 (月)

独島は我らの領土だといくら叫んでも、無駄に等しいでしょう?

以前、WJFプロジェクトの竹島動画を見て、「于山島は竹嶼島(鬱陵島の東2kmにある島)だ」「良心があったら于山島を独島だなとど言えない」「独島は韓国領ではない」「サンフランシスコ条約は竹島を日本領と確定した」と韓国の掲示板で堂々と論陣を張る韓国人が増えてきているという、韓国からのうれしい知らせをみなさんに報告しました。(掲示板の場所は、WJFプロジェクトのブログをチェックしているVANKの皆さんに荒らされるといけませんのでここには書きませんが、お知りになりたい方は、メールをくださればこっそりお教えします。)

今日は、韓国のポータルサイトNaverの質問掲示板から、さらにもう一つの例をご紹介したいと思います。

20120709_45043

http://kin.naver.com/qna/detail.nhn?d1id=11&dirId=111001&docId=145171185&qb=aHR0cDovL3d3dy55b3V0dWJlLmNvbS93YXRjaD92PV93N3dIZWtPUU04&enc=utf8§ion=kin&rank=1&search_sort=0&spq=0

機械翻訳(一部修正)でご紹介します。

独島は日本の領土ですか?

日本語の上手な方なら分かると思いますが、
http://www.youtube.com/watch?v=_w7wHekOQM8
この映像を少し見て下さい。あまりにも説得力あります。
やはり彼らの主張が正しいのですか?
同じ韓国人ですが、誰もまともな回答ができませんね。
独島は我らの領土だといくら叫んでも、無駄に等しいでしょう?

これに五人の回答者が、回答していますが、質問者の指摘のとおり、誰一人「まともな回答」ができていません。

韓国の大人たちは焦っており、次のような文章を以前に流していたことがあります。
http://www.coo2.net/bbs/zboard.php?id=con_4&page=1&sn1=on&divpage=4&sn=on&ss=off&sc=off&keyword=%C4%AB%BF%C0%BD%BA&select_arrange=headnum&desc=asc&no=27797

このごろ、いわゆる世界的によく知られているポータルサイであるユーチューブ(You Tube)と呼ばれるサイトに、 "独島(竹島)が日本の固有領土であることを主張するための動画"が流布されて我が国の純真な若者たちを当惑させ作っているようで、これの"論理的な反論根拠"を提供することで、私たちの青少年たちが日本の奸悪な駆け引きで救うことができる必要があると思われて簡略するけれど.....(中略)....とにかく、... 一応ここでは"すでに公開された日本動画の反論だけを紹介"するようにする。まず、日本が宣伝している日本のビデオを見てみよう、... "韓国は竹島を描いた古地図は存在するか?:日韓の古地図の比較"という日本の動画http://www.youtube.com/watch?v=P_hWLuCUvwY&feature=player_detailpage 1。

こんな大人たちの嘘にも関わらず、真実に気づく韓国の若者は増えています。

事実をきちんとまとめて分かりやすい動画にしてYouTubeに置いておく。それだけのことで、大きな変化を海外の世論の中に作り出すことができる。その一つのはっきりとした例であると思います。この変化は時間へ経るにつれて雪だるまのようにますます大きくなっていきます。時間を経れば経るほど動画を目にする人の数が増えていくからです。そして真実に気づいた人たちは、今度は自分の言葉でまわりの人々になんとか真実を伝えようとするようになります。

YouTubeは、従来のどんなメディアを使っても実現できなかったようなことを、従来のどんなメディアを使うよりも低コストで実現できてしまう、そんなすごい可能性を秘めた新しいメディアです。これを私たちが十全に活用しない手はありません。

WJFプロジェクトは、この新しいメディアを駆使して、上に紹介したような着実な変化を、竹島問題のみならず、日本をとりまく様々な問題に関して、世界のあちこちに起していきたいと思っています。

どうぞ、WJFプロジェクトの意義と可能性をご理解いただき、一人でも多くの皆様にご支援いただきますよう、改めてお願いいたします。



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