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2013年7月27日 (土)

ジェームス・アワーと双頭の鷲作戦

ジェームス・アワーというアメリカ人が、産經新聞に寄せた記事が話題になっています。このアメリカ人は、慰安婦問題や靖国問題など、日本を苦しめている「歴史問題」について、日本の肩を持つ意見を述べてくれています。

ジェームス・E・アワー 日韓の間の「真実の話」をしよう

□ヴァンダービルト大学 日米研究協力センター所長

先月、朴槿惠大統領の強力な支持者である韓国政界の長老の招きで3日間、ソウルを訪れた。韓国の政治家、政府当局者、経済人たちと、頼んで面会し、北西沿岸にある韓国海軍基地の訪問にも招待された。残念なことに、会った韓国人のほとんどが日本について否定的な見方をしていた。

 ≪慰安婦は韓国だけにあらず≫

 1998年に日本の小渕恵三首相と韓国の金大中大統領(いずれも当時)が、過去の問題に終止符を打って前に進むという合意をして共同声明を発表したときとは、彼らの意見が明らかに様変わりしたのはなぜかと問うた。

 会った韓国人たちの大半が、自分たちの姿勢は98年から変わってはいないと主張し、そうではなくて、現在の自分たちの態度は、慰安婦問題や安倍政権の高官たちによる靖国神社参拝、そして竹島に対する日本の立場といった、歴史問題に対する日本人の無神経さのせいなのだ、と答えた。

 私は、今の日本、韓国または米国の指導者は誰も45年の戦争終結まで中国で行われた売春の慣行を許していないと述べた。

 正確な数字は手に入らないものの、貧農の親の意思によって身売りされたり、他の手段で募集されたりして、日本兵たちに性サービスを提供していた韓国の女性の数が、日本や中国、他の国々からのそうした女性の数よりも多かったということはあり得る。

だが、それは韓国人を対象に絞った計画ではなかったし、戦時中のこの事業で犠牲となったすべての国籍の女性が被った真の苦痛について、日本が心から悔いていることは疑う余地がない。

 この時代の日本では売春は合法であり、占領期の日本でも性サービスは米軍に提供されていた。起きたことは正しかったとする事実ではなく、当時の規範が現在のものとは遥(はる)かに異なっていたということを示す事実である。

 日本政府高官たちが靖国神社に参拝することに関しては、日本の指導者たちは、一部が神社にその名を列せられているA級戦犯をたたえるために行くのではなく、ましてや、日本として他の国々に謝罪した行為をたたえるために行くのではない、と私は言った。それよりも、中国政府がするような外国からの些細(ささい)な国内批判さえ忌み嫌う国が、国家に尽くして死んだ日本の兵士たちに敬意を表す神社に日本の政治家が参拝するのを批判することは大いなる矛盾のように思う、と私は話した。

 ≪靖国とアーリントンは同じ≫

 米バージニア州にあるアーリントン国立墓地は、米大統領や、日本や韓国を含む多くの外国の指導者たちが訪れる。埋葬されている兵士の中には南北戦争中、奴隷制を支持する南部のために戦った者がいるにもかかわらず、である。今日、先進的な世界の大方で奴隷制は容認されていないが、それを信奉した南軍の兵士たちは墓地から排除しなければならない、と要求する者は誰もいない。

韓国人と話し合って最も厄介な問題は竹島だった。私は、日本に有利な法的根拠ゆえ竹島に関する日本の見解は変わりそうにないとしつつ、日本が竹島から韓国兵を駆逐すべく自衛隊を派遣することは決してないと思えるのになぜ、韓国はこの問題について心配するのをやめないのかと聞いた。返ってきた唯一の答えが、竹島が間違いなく韓国に帰属することに日本人は同意すべきだと韓国人は考える、というものだった。

 日本への不満を何ら耳にすることがなかったグループが1つだけあった。韓国海軍基地を訪ねた折である。北朝鮮魚雷で撃沈されたコルベット艦(哨戒艦)「天安」を見た。そこで会った韓国海軍将校たちは、政治は話題にしなかったものの、危険で予測不能な北朝鮮の振る舞いに対して、日本の海上自衛隊そして米海軍と協力する必要を現実的に語った。

 ≪日清、日露の韓国への貢献≫

 韓国の姿勢を改善するために何ができるだろう。生まれたソウルに住んでいて、ヴァンダービルト大を卒業して以来20年以上、ソウルで働いている私の教え子の1人が、日本人は韓国人が劣等感を克服するまで忍耐しなければならないだろうと話した。残念ながら、それは当たっているのかもしれないが、朴大統領は安倍晋三首相と折り合いをつけることができるだろう、と私は期待する。

 これは日本人が決して口にしないことだが、日本が清国と戦って1895年に同国を打ち負かし、ロシアと戦争して1905年に同国を破ったのは同じ理由からだったということは、韓国人にとって一考に値するだろう、と私は思うのだ。日本は反韓国ではなかったが、韓国が清国に支配されることを、あるいはロシアに支配されることを恐れたのである。

 もし清国が最初の戦争に勝っていたら、韓国は現在、中国の植民地になっているかもしれないし、もしロシアが次の戦争に勝っていたら、韓国はロシアの植民地になっているかもしれない。日本の勝利はとどのつまり、韓国を自由市場経済の民主主義国という今日の地位へ導いたのである。(産經新聞2013年7月26日)

どうして、この時期に、このような記事をマスコミがあげてくるのか。「批判的に聞く」姿勢を持たないと、私たちは簡単に操られてしまいます。ジェームス・アワーという人物の背景について、わだつみさんがコメント欄で有益な情報をくださっています。

産経のジェームズ・アワーの記事について、あちこちで「まとめ記事」が乱立していますね。いつものB層を一喜一憂させて思考停止させておくやり方です。

アワーは記事にあるように、現在はヴァンダービルト大学教授ですが、以前はアメリカ国防総省国家安全保障局の日本担当でした。所謂ジャパン・ハンドラーです。この人の「マブダチ」が駆逐艦の名前にもなっているアーレイ・バークと阿川尚之(小物ですが)です。中田安彦氏著書「ジャパン・ハンドラーズ」から少し引用してみましょう。

(引用ここから)
阿川尚之という人は、アメリカ留学時代に「ソフト・パワー」でコロリとやられてしまったポチ保守言論人の典型である。彼の『アメリカが嫌いですか』(新潮社)によると、海軍士官だった父親の阿川弘之(作家)もロックフェラー財団の招きで渡米したら、すっかり親米派になってしまったという親子二代にわたるカウンターパーツだ。
(引用ここまで)

中田安彦氏のブログとツイッターは、彼の個人的意見は置いておいても、「人脈ネットワーク」の事実関係の情報のためにチェックしておいてもいいかもしれません。
http://blog.livedoor.jp/bilderberg54/
https://twitter.com/bilderberg54

これは典型的な「双頭の鷲作戦」と見るべきではないでしょうか。

「双頭の鷲作戦」とは下のようなものです。

これは、日本で言う「マッチポンプ」というものである。仲間を善者と悪者に分ける。悪者は徹底的に社会で悪さを働く。それに対して善者は悪者をやっつける振りをする。そうやって、社会に善者のいうことを信じさせる。しかし、善者も悪者も本当は仲間なのである。

この方法は、西洋社会では俗に「双頭の鷲」作戦と呼ばれる。倒したい相手に対して、善い方と悪い方の双方からアプローチし混乱させて相手を滅ぼすという、かなり古典的な方法であるようだ。欧米の白人が文化的に持っている悪徳な方法である。当然、人に対しても同じような演出をして、その人を自分たちの都合いいようにもてあそぶ。この方法によって欧米の白人男性などにもてあそばれる日本人女性は数知れない。

(井口和基の公式ブログ: http://quasimoto.exblog.jp/10770831/)

日本を「歴史問題」で苦しめているのは、中国や韓国のような「特亜」の国々だと誤解している人々が多いのですが、「歴史問題」の根源は東京裁判を司ったアメリカです。戦勝国アメリカが作り上げた都合のよい歴史観の上で騒いでいるのが中国や韓国のような国々であるというにすぎません。

ジェームス・アワー氏は、今回、日本の立場に理解を寄せる記事を書いてくれているわけですが、「野蛮なる極悪非道の日本を、正義の民主主義国家アメリカが打ち倒し、まともな国になるよう教育し改造してやったのだ」という、戦勝国アメリカが作り上げた歴史観が改訂されているわけではありません。

「歴史問題」で、中国・韓国に日本をさんざん叩かせておき、正義の味方のふりをして日本人の前にさっそうと現れて、アメリカへの傾斜を促し、さらに「構造改革」を押し進める。

「自虐史観と構造改革」「対日包囲網と冷戦脳」という記事でも述べましたが、GHQによる占領統治下でも、アメリカは「日本は前近代的な悪の国家だった」という洗脳を日本人に対して行った上で、日本の国家改造を行いました。

「歴史問題」と「構造改革」が、このように連動していることを、私たちは片時も忘れてはなりません。

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【批判的に聞く】シリーズ」カテゴリの記事

コメント

わだつみ様

wikiで調べたら、文鮮明って1935年の15歳の時から宗教活動をやってるんですね。さすがというか。

あと日本で1946年から1948年の間に世界日報が発行されたのですが、

実は韓国でも1946年から1948年の間に同名の世界日報が発行されていますね。

ピタリと日本での発行期間と一致します。

この韓国の方も現在の世界日報とは無関係とされていますが、

こんな偶然があるとは思えない。

投稿: だめだめわんこ | 2013年7月31日 (水) 08時05分

この記事のコメント欄を二者間対話で汚しついでと言ってはなんですが、最後にもう一つ。

中田安彦氏がTPPについて語っているネットラジオ番組です。ブログを眺めるよりは手軽に彼の「分析角度」を判断できるかと思います。
http://www.c-radio.net/20130321/tokuban_20130321_1.mp3

(ファイル名から分かるように多少情報が古い点はご了承下さい。)

投稿: わだつみ | 2013年7月29日 (月) 08時48分

Wikipediaの
>1946年東京で『世界日報』として創刊
が正しいなら(検索でヒットした国立国会図書館のデータベースからも正しいように思われます)、まだ焼け野原が広がる「1946年」に注目したいと思います。

世界戦略総合研究所の阿部正寿氏が在日米軍司令官と同席している写真です
http://sekai-soken.heteml.jp/?q=node/24

私は出版業界について詳しくはありませんが、他の分野を見ると、例えば国際基督教大学とGHQの関係は有名ですよね。こちらの開学は1953年ですが、新聞印刷なんかはもっと手軽に出来たんじゃないかと。GHQが出版において、検閲だけではなく、主導的に発行者となった例って何がありましたっけ?

投稿: わだつみ | 2013年7月28日 (日) 12時10分

以下は仮説です。

確かに1954年にできたばかりの宗教団体が、翌年にできた自民党に影響を与えるのは何か変です。

統一協会にはおそらく一般には隠されている前史がある。詐欺師は詐欺しかできないものです。戦後すぐに宗教団体を始めていたと考えるのが自然でしょう。そしてある程度の規模になったから統一協会に衣替えしたと。

後、統一協会は、自民党の「支持団体」などではなく、実は自民党結成当初からの「母体そのもの」なのではないかと私は疑っています。つまり外部にあった宗教団体が政党と結びついたのではなく、

まさに創価学会と公明党の関係と文字通り同じ物なのではないでしょうか。

投稿: だめだめわんこ | 2013年7月28日 (日) 06時03分

わだつみ様

なるほど。1946年なら文朝明は26歳。新聞を発行していてもおかしくないということですね。世の中を変えようって奴は先ず洗脳手段としての新聞に手を出すものです。

確かに8年後の1954年に34歳で統一協会を起こすまで、何をやっていたのか、不明なわけですから、それまでの間、何もしていないわけがなく、統一協会も突然できあがったわけではなく、何らかの前史、母体となる団体があってもおかしくはないですね。オウム真理教だってヨガ道場から始まったわけですし。

そして1975年にかつて29年前に発行していた新聞を機関紙として復活させたと。ふむふむ。なるほど。仮説としては面白いですね。

というか1954年から1975年まで21年間も機関紙がないというのも変ですね。例えば産経新聞が機関紙の代わりをしていたとか。

投稿: だめだめわんこ | 2013年7月28日 (日) 05時17分

だめだめわんこ氏

Wikipediaを「世界日報」で検索した結果です。
http://ja.wikipedia.org/wiki/世界日報
>現存する統一教会系の『世界日報』とは無関係だが、題字と地紋はほぼ同じ。

Wikipediaの「統一教会」の項目には、創立1954年5月1日とありますから、この日付を信じ「創立前に新聞を発行するわけがない」とするなら無関係になるでしょう。私は怪しいと思います。ちなみに、Wikipediaによると機関紙「世界日報」の方の創立は1975年1月1日ですから、30年後に刊行された無関係とする新聞紙が同じ題字と地紋を使っていることになります。

統一教会の成り立ちに詳しい、一般人でも手に入れられる資料がありましたら、お教え下さい。

投稿: わだつみ | 2013年7月28日 (日) 01時19分

>わだつみ様。

>>1951年(昭和26年)1月1日 - 『夕刊世界経済』(1946年東京で『世界日報』として創刊)を東京発行の『産業経済新聞』に合同。

産経新聞が統一協会とつながりがある下部組織なのは間違いありませんが、それはただの誤解ではないでしょうか?

というのも1946年にはまだ統一協会は結成されていないからです。
故に「統一協会の機関誌としての」世界日報も存在したとは思えません。

投稿: だめだめわんこ | 2013年7月27日 (土) 22時32分

「インチキな仕立屋」のやり口が思い浮かびました。

三橋貴明:
日本を持ち上げる著書の数々、TPP批判
 ⇒なぜか結論は安倍支持

チャンネル桜:
日本の国益・国柄を第一とする意見を主張
 ⇒なぜか結論は安倍支持

信用したら必ず痛い目に遭います。
奴らが外国(日本)へ配慮などするわけがない。

投稿: たかたろ | 2013年7月27日 (土) 17時24分

ジェームス・アワーのフレンドリー版がテキサス親父でしょうか。
この人、前々から怪しいなと思っています。
単なる日本びいきの一般人のおじさんの筈ですよね?
http://texas-daddy.com/
公式HPに日本事務局とは何なのでしょう。
今思えば、カズヤチャンネルと手口が似ていませんか。

一応日本の味方なので、表面的に「有難う」と言っておく分にはかまいませんが、本気で「親父は日本の味方」「こんなアメリカ人もいる!」「親父ありがとう!」では思う壺です。
http://nipponism.net/wordpress/?p=334
西村修平さんは分かった上での行動だと思いますが。
アメリカ人に韓国の悪口を言ってもらい、自信を取り戻す、スカッとするのは情けないです。

投稿: 朝顔 | 2013年7月27日 (土) 13時02分

私の年表にも書いてありますが、

ジェームス・アワーのマブダチのアーレイ・バークは、CSISの創設者の一人です。

CSISはCIAの下部組織なのか、それともCIAの上位組織なのか、もしくは並立する協力組織なのか、もしくは表に出れないCIAの代わりの表看板のひとつなのかはわかりませんが、どれかです。

投稿: だめだめわんこ | 2013年7月27日 (土) 10時31分

強引なコメントを記事にして頂き恐縮です。中田安彦氏については著書を一冊しか読んでおらず、ブログも丁寧に追っていなかったので、彼がどういう思想を持っているのか完全に把握しているわけではないので、とりあえず、事実関係の取得のみということにしといて下さい。

小ネタですが、世日クラブから絶賛DVD発売中の井尻千男氏が所属してた産經新聞のWikipediaの項目

http://ja.wikipedia.org/wiki/産経新聞
>1951年(昭和26年)1月1日 - 『夕刊世界経済』(1946年東京で『世界日報』として創刊)を東京発行の『産業経済新聞』に合同。

こんなに大っぴらになっていたとは、不覚にも知りませんでした。

投稿: わだつみ | 2013年7月27日 (土) 09時54分

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