あまりに教科書的な
頑張れ日本!全国行動委員会(チャンネル桜)から下のようなデモの告知がなされています。
このデモのタイトルは、教科書通りの、まさに絵に描いたような「ダブル・バインド」(二重拘束)のメッセージとなっています。
ダブル・バインドとは、どのようなものか、改めておさらいしておきたいと思います。
両親や教師や医師などの権威のある立場の人間から、互いに打ち消し合うような矛盾する二つの命令やメッセージが同時に与えられる。さらにその矛盾した状況に対して批判や論評を加えたり、そこから逃げ出したりすることが許されないような状況に置かれるのがダブル・バインドです。
この知識を前提に、あらためて、上のデモのタイトルを読んでみましょう。
B. TPP妥協反対!(二次命令: TPPに反対せよ)
C. 中国の日本侵略を許さない!(三次命令: 中国が侵略してきているから、AとBの矛盾から抜け出すことは許されない)
一次命令の「安倍政権を支持せよ」と、二次命令の「TPPに反対せよ」という命令は、相互に完全に食い違っています。安倍政権を支持すれば、TPP参加は実現してしまいますし、TPPに反対すれば、TPP参加を推進する安倍政権を支持する事はできないはずです。両方を同時に実現することは絶対にできない命令です。
この矛盾する二つの命令が、チャンネル桜という「保守」陣営の権威あるオピニオン・リーダーによって下され、かつ「批判は保守分断だ」と刷り込まれて批判を封じられ、さらに、「中国が侵略してきているから、安倍政権を支持しろ」と、この矛盾から抜け出せない状況下に置かれる。
このように、このデモのタイトルは、極めて典型的なダブル・バインドのメッセージになっていることがお解りになると思います。
まるで、ダブル・バインドが何かあらかじめ知っていて、その知識や理論に基づいて、デモのタイトルを作成したかのように見えるほどです。
前掲書には次のような記述も書かれています。
ダブル・バインドは、親子のように、権威のある立場の人物と、その権威に服する人物の間に発生しやすいものですが、逆にダブル・バインドによって、その状況に置かれる人に対して、神のような絶対的な権威を振りかざす関係を取り結ぶ事が可能になる、とこの本の著者は述べています。
それゆえにこそ、ダブルバインドは宗教の洗脳方法としてしばしば使われますし、禅の公案(禅問答)などでは、意図的にダブル・バインドのような矛盾したにっちもさっちもいかない状況を作り出して、そこから参禅者(修行者)を脱却させようとします。
ダブル・バインドは、「彼ら」の洗脳手法(1): ダブル・バインド(二重拘束)という記事で述べたように、チャンネル桜のみならず、安倍政権や、安倍政権を支持する論客に共通に見られる特徴ですが、これは単なる偶然なのでしょうか。
あるいは、彼らは、ダブル・バインドという洗脳手法を十分に知悉しながら、安倍政権の神格化、絶対化をねらって、意図的にダブル・バインド的なメッセージを発しているのでしょうか。
安倍政権を見ていて思うのは、何もかもが周到に準備され、計算されつくされていることです。安倍晋三の話し方一つにしても、舞台演出家の指示の下になされているかのようです。有能なシナリオライターが綿密なシナリオを書き、それに基づいて組織的に実行に移しているように見えます。
いい加減で行き当たりばったりだった民主党政権と異なり、ここには偶然の要素はほとんどありません。
彼らの想定外だったのは、洗脳を脱し、彼らの嘘を見破る「正直な子ども」が、彼らが予想するよりも早く着々と現れ始めていることではないでしょうか。
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この記事へのコメントは終了しました。







コメント
「1.安倍内閣を支持すること。(ただし安倍内閣は参院選後にTPPに必ず参加する)」
「2.TPPに反対すること。(TPPに日本が参加すると日本は滅ぶ)」
「3.中国の侵略を許さないこと。(中国が日本を侵略すると日本は滅ぶ)」
しかし「日本を守るためには、どれを絶対に選んではいけないか」という、この小学生でもわかる本当はものすごく簡単なクイズを、
「安倍内閣を支持しろ、安倍を除いて誰も適任者がいない」という、刷り込みがあるために、つまり1.を絶対視しているために、問題が解けなくなっているのです。
そのため安倍信者は、このように情報を身勝手な根拠の無い推測で歪めるわけです。
「1.安倍内閣を支持すること。これは絶対命題。→(安倍はTPPに参加しないはず。バスが出るのを待っているだけ。参加してもTPPを骨抜きにするだろう。いざとなれば自民党内TPP反対派が立ち上がるだろう)」
「2.TPPに反対すること。現実はTPPに参加すると日本は滅ぶ。→(TPPに参加しても実際はたいしたことが無いに違いない。TPPがそんなに危険なわけがない)」
「3.中国の侵略を許さないこと。(中国が日本を侵略すると日本は滅ぶ)」
3.に異議を唱える者はまずいません。
よって1と2は実際にはジレンマであるにもかかわらず、このどちらかもしくは両方の解釈を、根拠無き推測に基づいて歪めることで、
1.2.3.が同時に成立するかのように自分を偽っているのが、自称保守たちの現状なわけです。
これを先のように、1.は選ばなくても良い、むしろ絶対に選んではいけないと、理解させなければいけないわけです。
そのための、解釈を打ち砕くための、安倍自身による発言、「TPPは構造改革のための布石」だという山本幸三の発言など、証拠は現時点では既に揃っているわけです。
それでは皆様、日本人に仕掛けられた洗脳を解くために頑張りましょう。
投稿: だめだめわんこ | 2013年6月30日 (日) 14時01分
>日本を守れ、安倍壊国内閣(打倒)!TPP推進反対!中国の日本侵略をゆるさない!
そのとおりですね。コレなら成り立ちます。
「日本を守る」いう主命題があり、これに異議を唱える者は本物の日本人なら誰もいないと思います。
そして日本を守るために以下の3つの副命題があるとして、この3つは同時に成立せず(1と2はジレンマ)、
「1.安倍内閣を支持すること。(ただし安倍内閣は参院選後にTPPに必ず参加する)」
「2.TPPに反対すること。(TPPに日本が参加すると日本は滅ぶ)」
「3.中国の侵略を許さないこと。(中国が日本を侵略すると日本は滅ぶ)」
この3つの命題の内、どの2つを選び、どれを絶対に選んではいけないかは明白です。2と3だけならば成り立ちます。
投稿: だめだめわんこ | 2013年6月30日 (日) 13時43分
この記事を動画にして、ニコニコ動画に投稿しました。
「あまりに教科書的」
http://www.nicovideo.jp/watch/sm21239482
投稿: よしふる | 2013年6月30日 (日) 12時13分
「日本を守れ、安倍壊国内閣!TPP推進反対!中国の日本侵略をゆるさない!」
これなら筋が通りますかね。
私は「TPP妥協反対!」がたまらなくムカつきました。
そもそも、水島社長は、安倍がTPP交渉参加を発表する前からTPP交渉参加を仕方のないことだと「容認」していました。
しかもその結果は、安倍は妥協どころか嬉々として邁進していたわけですが、この一連のみっともない流れを踏まえたうえで、まだ「妥協反対!」などと言っているのです。
安倍がいやいやTPP交渉参加をしたと印象操作をしているのですね。
本当に小賢しい連中です。
投稿: ぼんたろー | 2013年5月 6日 (月) 20時25分
民主党時代はチャンネル桜のおかしさを見抜くことができませんでしたが、考えてみればTPP賛成と竹中を呼んで議会が開かれていた動画をみてなんで竹中を呼んでいるんだろうかと疑問に思ったのに安倍救国内閣を叫ぶ水島さんの言葉を信じてしまいました。
アベノミクス戦略特区は政府から満額回答を得たようです。吐き気がする話です。
これで道州制を敷けば日本を分割できます。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm20721878
投稿: たこ | 2013年5月 6日 (月) 12時33分