TPP反対の声をあげることこそが、「戦後レジーム」からの脱却につながる
「四書五経」の一つ、『易経』の中の言葉です。
「情勢が行き詰まってどうにもならなくなると、変化が起きる。変化が起きれば、行き詰まりを打破する道が自ずと開かれる」という意味です。
今、日本は、文字通り行き詰まっています。
失政と迷走を重ねた民主党政権がようやく終わり、期待と喝采の中で生まれた安倍自民党政権。
暗黒の時代をくぐり抜けて、やっと私たちは光を手にしたはずでしたが、事もあろうか「愛国・保守」の権化として鳴り物入りで生まれたこの政権が、日本の歴史上のいかなる政権をも遥かに凌駕する売国政権であることが、日に日に国民の目に明らかになりつつあります。
さりとて、他にどんな現実的な選択肢も残されていないわけですから、これを行き詰まりと呼ばずして何と呼びましょう。
しかし、私は、まさにこの行き詰まりこそが、長かった「戦後レジーム」に終わりを来らせ、新しい時代の扉を開けるきっかけになるものだと思います。
戦後68年、(サンフランシスコ講和条約発効からは61年)。どうしてこんなにも長い間「戦後レジーム」は続いてきたのか。
それは、単純に言えば、居心地がよかったからです。
変化しなくても、どうにかやってこれたからです。
あるいは、ちょっと困ったことがあっても、カタログの中から他の商品を選ぶように、別の政党を選んでいれば済んでいたからです。
わざわざ「戦後レジーム」から脱却する必要がなければ、誰もそこから脱却しようとしないのは当然のことです。
もう一つの理由は「戦後レジーム」の中に、そこから抜け出すことを私たちにあきらめさせるような仕掛けがあらかじめ仕組まれていたことです。
その仕掛けを「冷戦構造」といいます。
周りを恐ろしい敵対的な勢力にとり囲まれ、またそのことが過剰に強調され、その恐ろしい敵から守ってもらうためには、「戦後レジーム」の中に留まらざるをえないのだ、「戦後レジーム」から抜け出すことは死を意味するのだ、と私たちは長く刷り込まれてきました。
しかし、今は違います。
「戦後レジーム」から抜け出すことが、死を意味するのではなく、「戦後レジーム」にこれ以上留まることが、死を意味するような状況に私たちは追い込まれています。
文字通り、私たちは「窮している」のです。
民主党を選んでもだめ。自民党を選んでもだめ。サヨクを選んでもだめ。ウヨクを選んでもだめ。
既成のどんなものを選んでも解決できない、本当の行き詰まりに私たちは直面しています。
しかし、そうであるからこそ、
ここから、本当に新しい道が開かれていくチャンスが、今、生まれつつあるのだと、私は思います。
その第一歩は、TPPに対して大きな反対の声を上げることです。
「おかしいことはおかしい」、「ならぬものはならぬ」と安倍政権に対して、はっきりと批判の声を上げる事です。
そして、冷戦的二極的思考から脱し、右でも左でもない、第三の新しい道しかもはや日本を救う事はできないという事実に多くの日本人が気づくという変化が起きたときに、「戦後レジームから」の脱却は自ずと果たされていくのだと思います。
よく、私に聞いてくる方がいます。
「自民党がだめなら、どの政党を選べばいいんだ。」
「安倍さんがだめなら、他に誰がいるんだ。」
この問いに対する答えは、カタログから選ぶように「この政党を選べば解決する」「この政治家を選べば解決する」というような政党や政治家は一つも存在しないということです。
どの政党や政治家を選んだとしても、それは解決にはなりません。
これが「窮している」ということの意味です。
本質的な変化が起きるためには、私たちは、徹底的に「窮する」必要があります。
徹底的に窮して初めて、新しい道が開けてくるはずです。
他に解決がないからといって、自民党や安倍政権をこのまま支持し続けることが許されないのは言うまでもありません。
自民党と安倍政権は、明らかに、TPPや道州制を通して、国家の死をもたらそうとしているからです。
「自民党しかないじゃないか」
「安倍さんしかいないじゃないか」
そのような「戦後レジーム」的なモラトリアムにぬくぬくとうずくまり続ける時間の余地は、もう私たちには残されてはいません。
窮しながら変じていくしか、もう他に道はないのです。
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コメント
まともに日本の国益を考えている政治家はいないのか・・・
田母神さんだけだ。
信じられるのは。
TPP、移民大反対!!!
投稿: よねこ | 2014年8月15日 (金) 22時02分
まさか右翼とよばないでさんがTPP反対の声を議員にメール、FAX等で届けようと呼びかけていましたが8月はそういう時かもと思い、やってみようと思います。
外国人参政権を反対していた自民党は地方議員にも働きかけて反対の意見をまとめましたが、TPPに参加したら移民が増えて外国人参政権も阻止できないでしょう。
他国民皆保険、年金等日本人の特権はなくなる方向になるのでは?
と思ったらTPP阻止しかない
全国議員名簿 http://gikai.fc2web.com/
投稿: 日本が心配 | 2013年7月30日 (火) 09時38分
TPPは米韓FTAが見本になるようです。
TPPがまだ締結もされていないのに日本でも郵政のアフラック参入、医療特区やら限定正社員制度、水道民営化など次から次へとTPP締結が既定路線であるかのような報道がされています。
TPPに入ると脱原発も不可能になるようですね。
国民の声が届かないままこのままTPPが締結されてしまうのでしょうか。
中国がTPPに参加すれば日本は溶けてなくなるのも時間の問題でしょうね。
国が壊れる危機感がだんだん現実のものになってきているように感じます。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm21466076
投稿: 日本が心配 | 2013年7月30日 (火) 07時26分
神州の泉ブログも弱気にならずTPPに反対の政党に入れることが真の愛国者だと言われています。
今回の参議院はキーワードはTPP反対の政党。まともな政党はないのはわかっているけどこの言葉で納得できました。
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/
投稿: 日本が心配 | 2013年7月 8日 (月) 03時45分
この記事を動画にして、ニコニコ動画に投稿しました。
TPP反対の声をあげることこそが、「戦後レジーム」からの脱却につながる
http://www.nicovideo.jp/watch/sm21283464
投稿: よしふる | 2013年7月 5日 (金) 23時05分
外と内から迫って来るTPPを撃退することに関しては左も右もないという点で私が最近注目しているのは右翼の論客として知られた鈴木邦男さんですの視座です。参考になると思います。
「鈴木邦男をぶっとばせ!」
http://kunyon.com/shucho/index.html
彼は憲法改正論者ですが、憲法96条改定には反対の立場です。
もちろん、TPPには大反対なのは言う迄もない。
比べるのも穢らわしいですが反共を隠れ蓑にしているカルト「国際勝共連合」などとは全くことなり、日本共産党にも「愛国」という点で一定の理解を示しており、
あまりに人間的な理由で共産党を離党した筆坂秀世さんとの共著もある。
http://www.amazon.co.jp/私たち、日本共産党の味方です-筆坂秀世×鈴木邦男/dp/4795847126/ref=pd_sim_sbs_b_6
鈴木邦男さんは生長の家を出発点にしている(おそらく今も信者でしょう)が、このような点は生長の家そのものではないようです。
日本共産党も憲法改正論者である小林節慶大教授が下痢三内閣の憲法96条改定の企みに怒り狂っていることに注目し始めているの興味深いです。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-04-26/2013042603_02_0.html
赤旗を購入して読んでみましたが、まだ相変わらず頭が固い。もっと柔軟にならねば。
抱き合わせを企んだ憲法96条改定の主張こそが国賊下痢便自民のアキレス腱です。
投稿: Tansar | 2013年5月 2日 (木) 02時56分