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2013年4月の49件の記事

2013年4月30日 (火)

これまでのまとめ

コメント欄でいただいた下の質問に対する答えを記事としても掲載しておきます。

こんにちは。初めて貴サイトにうかがい、ご認識の正しさと志に共感しています。 「サルでもわかるTPP」では勉強させていただき、昨年は内容を要約して少しアレンジしたものをコメントとして拡散しました。最新版はこれより内容が薄められているのではないかと少々危惧していましたが、これほどのご見識ですから大衆向けにということを考えての改作と推察します。

ネットの世論が一般世論に反映されるまでには3カ月かかると聞いたことがありますが、今は参院選に向けて非常に重要なタイミングではないかと思います。このたびは投稿のためではなく、おっしゃる意味での長期的な展望に立って私たちは何をどのように伝えていけばよいのかご相談する意味で、お考えをうかがいたくお便りします。

一. 投稿者も言及されている西部邁ゼミナール、またチャンネル桜などは現在とても重要な働きをしていますが、ご見識はまったく正鵠を得ており、これらに出演されている先生方に至らない点があるとも感じられます。切望されるのは諸賢の努力が分散したものにとどまらず、貴兄が示されるような統一的で説得力のある認識(なぜならばそれが真実であろうから)が広く普及することではないかと思います。
今日は私も目を覚まされたような思いですが、阿部氏の正体を見抜かれたのにはどのような事情や根拠があったのでしょうか?(そうすると、水島さんも西部先生もそのお弟子さんたちもこのままでは不十分でたいへんいけない状況ではないかと思います。けれども十分に正しい根拠を示すことさえできれば彼らは納得するはずだと思います!)

二. 上と同じ趣旨になるかもしれませんが、現在はTPPをめぐって各人各様の視点から批判が行われている段階です。今のところ本質をつかんでこれを強調されている人々としては東谷さん(例えばYouTube『[TPP交渉参加] ユダヤ・ウォール街による 連携と圧力の構図 (図解有り)』)、孫崎前イラン大使、関岡さんといった人達しか私は知りません。しかも残念ながら彼らは貴兄のような判断を下すまでには至っていません。国民の意志を正しい方向に統一していくためには、貴兄が見事に描いておられるような日本の現在の状況の理解がどうしても必要と思います。

一. ちなみに申し添えれば、私自身の理解の及ぶ範囲では、一連の出来事を統一的に理解する視点として、GHQがとった占領政策や日本改造計画を理解する必要とあわせ、現在アメリカという国がレーガン、サッチャー、中曽根以来の新自由主義政策により(また9.11以後の愛国者法をはじめとする警察国家化、企業ファシズム化により)経済的にも政治的にも無残な結末を迎えようとしている背景に何があるかを理解することが肝要ではないかと思っています。この理解を踏まえて、米国支配層が中国・南北朝鮮による圧力を利用しながら日本という国をまさに貴兄が描くかたちに変えることを最終的には目指していることが理解できるのではないかと予想します。そこまで理解できたならば、現在日本で起こっている様々な異常な事態もその全貌を統一的に理解する視点が得られたことになるのではないでしょうか。(ご存じのように現状ではTPPをめぐる論者たちの視線は概ね国内にしか向けられていません。)

一. 阿部氏に関する判断については私自身なお下しかねていましたが、貴兄のご見識に根拠があれば(私はあるのだろうと思います)、これはぜひとも西部邁さんやそのお弟子の中野剛志、西尾幹二などの諸氏も心得る必要がある、彼らの現在の影響力を考えるとそのように思われます。なぜならば、事態の本質をつかむことに失敗すれば、日本は阿部氏(父親は朝鮮人ともいわれる)に滅ぼされることになる恐れが非常に大きいからです。

一. なお蛇足になりますが、ご掲載の文章は、結局TPPも米国外交問題評議会やその姉妹機関である英国王立外交問題研究所などが要となって推進されている世界政府建設計画の一環である、との理解に立たれているものと受けとめました。基本的にはこの理解でよいでしょうか。陰謀説についてはいろいろと取りざたされていますが、占領当時から現在に至る要所要所での米国支配者の意図やそれらの全体としての筋の展開をどのように読み取るか、そのあたりについては詳しくはなかなかつかみにくいとは思うのですが...(CIAその他の諜報機関による謀略が、基本的には戦争商人=金融資本支配下にある東インド会社や大英帝国時代からの手法を継承したものとすれば、歴史的に「新大陸の発見」以来植民地開拓のために宗教や賄賂などを利用した狡猾な手法の数々をも受け継いでいることは想像しやすいと思います。フリーメーソンやイルミナティなどの悪魔教が存在することは事実でも、大学の先生や政治家などは大方信じないでしょうからそこまで説明する必要はないのでしょうけれども)。

以上、いつでもお暇な折で結構ですのでいつかご返信いただけるようでしたら幸いです。

投稿: Fukada Yuji | 2013年4月29日 (月) 15時39分

下が質問に対する回答です。

Fukada Yujiさん

おほめくださりありがとうございます。ただ、決して特別なことを書いてきたわけではなく、明らかになっている事実から出発して単純な推論を展開してきたにすぎません。判断の根拠については十分に過去の様々な記事で取り上げてきたと思いますので、過去の記事を一通りご覧いただければと思います。

安倍晋三に関しては、彼がこれまで掲げてきた価値観や政策から、彼が極端な新自由主義者であるという判断は簡単に下すことができます。新自由主義が、グローバルな勢力に利益を誘導するために、国家の機能や枠組みを弱めるものである以上、新自由主義者安倍晋三は「国賊」「売国奴」ということになります。彼がTPPに参加することは、彼が道州制を公約に掲げていたことや彼の過去の来歴から簡単に予測することができましたが、最も決定的だったのは、大規模な金融緩和を政策に掲げていたことです。これはドル安政策をとっていたオバマ政権の利害と対立するため、アメリカに対してよほど強い姿勢をもつか、逆にアメリカとの取引がなければなしえないことです。昨年末に「竹島の日」式典の政府主催をとりやめたことから、安倍政権の対米従属的な姿勢は明らかになりましたので、アメリカとのなんらかの取引があるという後者の判断につながり、今年1月1日に、皆さんに安倍政権はTPPに参加すると警告を発することに至ったわけです。

2013年
【国賊三部作1】国賊安倍晋三: 愛国者の仮面をかぶった新自由主義者

「新自由主義」は、グローバルな勢力の利益を最大化し、ローカルな国民の利益を最小化するため、人々の目を欺く目くらましが必要になることがわかりました。

安倍政権の本質: 保守主義と新自由主義の結合

この目くらましに加担し、黒い物をみても白だと言い張るおかしな言論を執拗に展開する人々が存在することに気づきました。

インチキな二人の仕立て屋の大いなる自己矛盾
「インチキな仕立て屋」を演じ続けるチャンネル桜
【国賊三部作2】国賊チャンネル桜: 本当に守るべきものは何か
水島総がやせられないように、日本は亡ぶしかないと言うのか
批判的に聞く(5) 分析編:「現場に立つ者」とは誰か
三橋貴明はいつ詰むか(11)
西田昌司氏は腹を切りなさい
三橋貴明は腹を切れ
「彼ら」の洗脳手法(1): ダブルバインド(二重拘束)
「彼ら」の洗脳手法: まとめ

一人や二人がそのような事をしているのではなく、多くの論客が申し合わせたかのように、組織的に、安倍晋三の新自由主義的な側面を意図的に隠蔽しようとしているのが明らかでしたので、次のように判断しました。

警告: 安倍政権の新自由主義的本質を隠蔽しようとする情報工作について

一体、いかなる種類の「保守」が、何を意図して、このような姑息な情報工作を展開しているのか。分析から明らかになるのは、国家破壊に加担するこの手のインチキな「保守」は、冷戦的な二極的パラダイムに固執しているという共通点でした。

インチキ「保守」の見分け方
架空の「保守」とリアルな保守
どうして冷戦的二極構造は日本に有効でないか
日本は自由主義国家か
「愛国者」の二つの意味
自虐史観と構造改革
韓国大統領の米議会での演説の意味
対日包囲網と冷戦脳

この手の冷戦的二元論に固執する人々は、二極的な対立を煽り、一方の陣営の中に日本を追い込み、また組み込み、その陣営のイデオロギーに基づいた国家改造を推進するため、次のように断じざるをえませんでした。

国を守るふりをして壊す人々

安倍政権の政策があまりに周到に計画されていることや、安倍政権の本質を隠蔽しようとする情報工作を組織的に展開する人々が存在していることから、背後に大きな力をもつ勢力が存在することを推し量ることは容易にできますが、では従来の「陰謀論」の論法や定式にたよって、警告を発する事は有効なのか。「陰謀論」の欠点は、一つの固定した結論から現象を説明しようとするため演繹的にならざるをえません。「陰謀論」が定式化するほど、演繹的となり、安易なレッテル貼りにも陥りやすく、言論の信憑性を失わせてしまうという弊害が生じます。このため、「陰謀論」に陥ることなく、「陰謀」の存在を人々に警告するという難しい離れ業をやってのけなくてはならないと下の記事で述べました。

陰謀論の難しさ

これからの日本の展望については、冷戦の時代に規定された社会主義や左翼に対するアンチテーゼとしての「保守」では、冷戦の終結によって「自由主義陣営VS社会主義陣営」という二極的な対立の時代が終わり、「一極(グローバリズム)VS多極(国家の枠組みや多用な文化の堅持)」という図式に移行して久しい現代の情勢の中で、もはや日本を守りきることはできないということです。反共を目的にアメリカの傀儡政党として立てられた自民党が日本に対して果たした積極的な役割は冷戦終結と共に終わっており、90年代以降は、アメリカによる日本の経済的な弱体化や、中国や、韓国、北朝鮮の「反日プロパガンダ」に協力し加担してきたのが自民党です。「自民党」=「保守政党」という思い込みの中にうずくまるモラトリアムは私たちにはもはや許されてはいません。新しい時代に向けて立ち上がるしかないのです。

自民党が壊れるか、日本が壊れるか
NINJA指令017号: 安倍政権を参院選で大敗させよ!!
反TPPの挙国一致内閣の早期樹立を
日本人は愚かではない

TPPや新自由主義との対峙を通して、冷戦時代に刷り込まれた二極的なパラダイムから日本人が脱することが必要になります。このとき初めて「戦後レジームからの脱却」や「日本を取り戻す」ことが可能になるのだと思います。

TPP反対の声をあげることこそが、「戦後レジーム」からの脱却につながる

以上です。

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2013年4月29日 (月)

利き政治家

水や酒の品質を判断する効き水や利き酒では、水や酒の銘柄を隠して、目や舌だけでジャッジをします。

政治家をチェックするときも同じでなくてはなりません。

「安倍さんだから」

「自民党だから」

こういうレッテルを一旦はずし、先入観をもたずに、実際に行っていることだけを見て判断すれば、政治家の判断は誤らないと思います。

安倍政権が実際に行っていることをみて、「たしかに安倍政権は真性の保守政党だ」と判断できる要素はどけだけあるのでしょうか。

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日本人も捨てたものじゃない。

在特会福岡支部長、沢村直樹氏は、男の中の男です。

現在、最も輝きを放っている保守ブログは、下のブログでしょう。ブログ主もさることながら、コメント欄の皆さんがすばらしい。覚醒する人が一人、また一人と増えてきています。

まさか、右翼と呼ばないで!

よしふるさんの動画にコメントを寄せられる皆さんもすばらしい。守るべきものが何か、しっかり見えている人たちです。よしふるさんの動画もニコニコで大きな影響力を持ち始めています。

『WiLL』3月号巻頭に「安倍政権の世界史的使命」という文章を寄せておられた西尾幹二先生も、とうとう、安倍晋三批判に転じられました。

西尾幹二のインターネット日録 2013年4月24日: 首相は何をこわがって靖国参拝をしないのか

参院選に向けて、ゆっくりと何かが動き出している。

じわじわと新しい流れが生まつつあることを感じます。

私たちは着実に前に進んでいます。

負けるな、日本人!!

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2013年4月28日 (日)

【正直な子ども12】西尾幹二氏: 「米中握手の時代に入り、資本の論理が優先し、何者かが背後で日本の政治を操っているのではないか」

アンデルセンの童話『裸の王様』に登場する「正直な子ども」のように、「おかしいことはおかしい」とはっきり声をあげて、安倍政権の問題点を啓発してくださっている様々な方たちを、紹介しています。

西尾幹二氏も「正直な子ども」のお一人です。

西尾幹二のインターネット日録 2013年4月24日: 首相は何をこわがって靖国参拝をしないのか

安倍首相は春の靖国参拝をやはり実行しなかった。外交問題になっているからだと弁明している。夏の参議院選挙の成功を狙っているからだともいわれる。だとしたら外交問題が原因ではなく、国内の人気下降を心配しての措置であろう。

私が『WiLL』3月号巻頭に「安倍政権の世界史的使命」を書いたのは、高い水準の要望を掲げて、この線で政権運営をして欲しい、といわば釘を刺したつもりだった。

その中で私は、尖閣に公務員を常駐させたり港を作ったりするのは今はしばらく見合わせた方がいいかもしれないが、竹島の式典、靖国参拝、河野談話見直し等をためらう理由はないだろうとも書いた。今止めて、いつ始めればいいのか。参議院選挙の後でも今でも外交問題になることに変わりはないだろう。

安倍首相はまた再び第一次安倍内閣のときと同じ道を歩み始めているようにみえる。残念である。2007年4月27日に私がコラム「正論」に書いた拙文「慰安婦問題謝罪は安倍政権に致命傷」を今このタイミングに掲げ、反省を促したい。

ブログTEL QUEL JAPONに出た安倍、ブッシュ両首脳の記者会見を併せ見ていただきたい。こんなことではTPPでも日本の立場を守れるのかどうか心配である。

慰安婦問題謝罪はやがて国難を招く

私は冗談のつもりではなかった。けれども人は冗談と取った。話はこうである。

月刊誌『WiLL』編集部の人に二ヶ月ほど前、私は加藤紘一氏か山崎拓氏か、せめて福田康夫氏かが内閣総理大臣だったらよかったのに、と言ったら「先生冗談でしょ」と相手にされなかった。今までの私の考え方からすればあり得ない話と思われたからだが、私は本気だった。

安倍晋三氏は村山談話、河野談話を踏襲し、東京裁判での祖父の戦争責任を謝り、自らの靖国参拝をはぐらかし、核と拉致で米国にはしごをはずされたのにブッシュ大統領に抗議の声ひとつ上げられず、皇室問題も忘れたみたいで、中国とは事前密約ができていたような見えすいた大芝居が打たれている。これが加藤、山崎、福田三氏の誰かがやったのであれば、日本国内の保守の声は一つにまとまり、非難の大合唱となったであろう。

三氏のようなリベラル派が保守の感情を抑えにかかればかえって火がつく。国家主義者の仮面を被った人であったからこそ、ここ10年高まってきた日本のナショナリズムの感情を押し殺せた。安倍氏が総理の座についてからまぎれもなく歴史教科書(慰安婦・南京)、靖国、拉致の問題で集中した熱い感情は足踏みし、そらされている。安倍氏の登場が保守つぶしの巧妙な目くらましとなっているからである。

米中握手の時代に入り、資本の論理が優先し、何者かが背後で日本の政治を操っているのではないか。

首相になる前の靖国四月参拝も、なってからの河野談話の踏襲も、米中両国の顔色を見た計画的行動で、うかつでも失言でもない。しかるに保守言論界から明確な批判の声は上がらなかった。「保守の星」安倍氏であるがゆえに、期待が裏切られても「七月参院選が過ぎれば本格政権になる」「今は臥薪嘗胆(がしんしょうたん)だ」といい、米議会でのホンダ議員による慰安婦謝罪決議案が出て、安倍氏が迷走し、取り返しのつかない失態を演じているのに「次の人がいない」「官邸のスタッフが無能なせいだ」とかわいい坊やを守るようにひたすら庇(かば)うのも、ブレーンと称する保守言論界が政権べったりで、言論人として精神が独立していないからである。

考えてもみてほしい。首相の開口一番の河野談話踏襲は得意の計画発言だったが、国内はだませても、中国サイドはしっかり見えていて安倍くみしやすしと判断し、米議会利用のホンダ決議案へとつながった。安倍氏の誤算である。しかも米国マスコミに火がついての追撃は誤算を超えて、国難ですらある。

最初に首相のなすべきは「日本軍が20万人の女性に性奴隷を強要した事実はない」と明確に、後からつけ入られる余地のない言葉で宣言し、河野衆議院議長更迭へ動きだすことであった。

しかるに「狭義の強制と広義の強制の区別」というような、再び国内向けにしか通じない用語を用い、「米議会で決議がなされても謝罪しない」などと強がったかと思うと、翌日には「謝罪」の意を表明するなど、オドオド右顧左眄(うこさべん)する姿勢は国民としては見るに耐えられなかった。

そしてついに訪米前の4月21日に米誌『ニューズウィーク』のインタビューに答えて、首相は河野談話よりむしろはっきり軍の関与を含め日本に強制した責任があった、と後戻りできない謝罪発言まで公言した。

とりあえず頭を下げておけば何とかなるという日本的な事なかれ主義はもう国際社会で通らないことをこの「保守の星」が知らなかったというのだろうか。総理公認であるからには、今後、元慰安婦の賠償訴訟、過去のレイプ・センターの犯人訴追を求める狂気じみた国連のマクドゥーガル報告(1998年8月採択)に対しても反論できなくなっただけでなく、首相退陣後にもとてつもない災難がこの国に降りかかるであろう。

米国は核と拉致で手のひらを返した。六カ国協議は北朝鮮の勝利である。米中もまんざらではない。彼らの次の狙いは日本の永久非核化である。米国への一層の隷属である。経済、司法、教育の米国化は着々と進み、小泉政権以来、加速されている。安倍内閣は皇室を危うくした小泉内閣の直系である。自民党は真の保守政党ではすでにない。私は安倍政権で憲法改正をやってもらいたくない。不安だからである。保守の本当の声を結集できる胆力を持った首相の出現を待つ。
(2007、4月27日 コラム「正論」)

西尾幹二氏が言及している安倍晋三とブッシュ大統領による記者会見とは次の動画のことです。

西尾氏は、4月4日、日本外国特派員協会で、慰安婦問題について日本を弁護してくださいました。

日本が敗れたのは「戦後の戦争」である

いったい日本人はなぜあれほどの大空襲で非戦闘員を大量に殺傷されながら、戦後アメリカへの復讐心を再燃させなかったのだろう。なぜ彼らの戦争犯罪を弾劾する声を高めないできたのだろう。

なぜ日本人はアメリカがこんなに好きなのだろう。それなのになぜあれほど憎しみ合い、戦争したのだろう。というよりなぜあれほど祖国を破壊したアメリカとアメリカ人をやすやすと許し、憎悪を忘れ、その羈縻に従順に付し、恬として恥じないのであろう。

問題は日本が戦後、何度も述べているように、言葉において敗北してしまったことである。戦闘に敗れただけでなく、「戦後における戦争」に敗れたために、自分のかつての主張は全部嘘だった、米英の主張はことごとく真実だったと思い込まされてしまったことである。日本と米英とがこの点においてどこまでも「対等」でなければならないという、戦前まではすべての日本人の胸中にあった当然の感覚が失われてしまったことである。

(西尾幹二著『国民の歴史』より)

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Divide and Rule: 分割し統治せよ

戦後、日本本土はドイツのように分割されることなく、アメリカを中心とする連合国による占領統治が行われましたが、戦争中には、連合国が日本本土を分割して占領する「日本の分割統治計画」が存在しました。

Divideandrule_plan_of_japan

アメリカにある国立公文書館に現存する計画書によると、

北海道・東北 - ソ連占領地域
関東・中部(福井県を除く)及び三重県付近 - アメリカ占領地域
四国 - 中華民国占領地域
中国・九州 - イギリス占領地
東京35区 - 米・中・ソ・英の共同管理
近畿(三重県を除く)及び福井県 - 中華民国とアメリカの共同管理

という計画であった。

(Wikipedia:「日本の分割統治計画」より)

ところで、上の地図は何かに似ていませんか。

そうです。道州制の地図にそっくりです。

Region_system9

どうして二つの地図は似ているのか。

答えは簡単です。どちらも、日本列島に暮らす日本人の現実の暮らしや歴史的経緯から出発して、日本人の便宜のために考えられた地域区分ではなく、外国勢力(連合国やグローバル勢力)がいかに効率よく日本を支配し関与するかという視点で考えられているので、二つの地図が似てくるのは当然なのです。

道州制によって得をするのはグローバル勢力であり、私たち日本人には何の利益もないどころか多くの害悪をもたらす危険な構造改革です。

道州制によって、日本の各州は外国勢力の影響下に置かれやすくなり、長期的には日本の分断につながっていきます。

安倍政権は、公約に道州制の導入を掲げています。

水道までもが民営化され、外国資本の影響下に置かれたら一体何が起きるのでしょうか。

たとえば中国資本がある州の水道事業を牛耳ったらどうなるのでしょう。

このようなことを推進する政権が、「保守」政権なはずがありません。

TPP参加と合わせて道州制の導入を絶対に阻止しなくてはなりません。

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「主権回復の日」が孕む自己矛盾

本日4月28日、安倍自民党政権は、1952年4月28日のサンフランシスコ講和条約の発効を記念するために、「主権回復の日」と銘打って、天皇陛下をお招きし、政府で式典を開催する予定です。

果たして、サンフランシスコ講和条約の発効日とは、本当に、天皇陛下をお招きし、国を挙げて祝うにふさわしい日なのでしょうか。

これまで当ブログでは、

「日本を取り戻す」と言いながら「日本を売り渡す」

「TPP絶対反対」と言いながら、TPPを積極的に推進する「安倍政権を絶対支持する」

などといった、安倍政権や、安倍政権を支持する人々の見せる自己矛盾した姿勢を、「ダブルバインド」という心理学の用語を使って批判してきました。

しかし、よく考えてみるならば、サンフランシスコ講和条約の発効を持って始まった「戦後レジーム」そのものが、その始まりから、まさに「ダブルバインド」そのものだったのかもしれません。

なぜならば、サンフランシスコ講和条約の発効によって、日本は、表向きは主権を回復し国際社会に受け入れられましたが、それと同時に、同日に発効した日米安保条約によって、主権回復後も外国の軍隊が日本の国内に駐留し続けることになったからです。

「主権が回復したのだ」と国際社会や国民に対して宣言すると同時に、主権が回復することと正逆に外国の軍隊が駐留することが定められたのですから、「戦後レジーム」そのものが「ダブルバインド」的な自己矛盾を孕んだものだったと言ってよいと思います。

また、単に「戦後レジーム」そのものが「ダブルバインド」的であるばかりではありません。

「戦後レジームからの脱却」というスローガンを掲げて選挙に勝利した政権が、わざわざ「戦後レジーム」の開始日を祝うという行為もまた、きわめて「ダブルバインド」的な自己矛盾した行為であると思います。

サンフランシスコ講和条約の発効日を日本政府が祝うという行為は、「戦後レジーム」からの脱却どころか、同条約の発効によって開始された「戦後レジーム」を賛美し、肯定し、正当化する行為にほかならないからです。

安倍政権や自民党が、サンフランシスコ講和条約の発効をもって、本当に日本の主権が回復したと考え、日本政府が祝うべき日であると考えるのならば、「戦後レジームからの脱却」などというスローガンを掲げて衆議院選挙を戦ったことは茶番にすぎなかったということになってしまいます。

しかし、安倍政権が「主権回復の日」を祝う行為が孕む自己矛盾はこれには留まりません。

TPP交渉に参加を表明し、日本の主権を嬉々として放棄しつつある政権が「主権回復」を祝うこともまた自己矛盾に満ちた「ダブルバインド」的な行為です。

まだあります。

欧米の不当な要求に対して日本の自主独立を堅持し、欧米の帝国主義からアジアを解放するという大義に命を捧げた英霊を祀る靖国神社に閣僚が参拝し「わが閣僚はどんな脅かしにも屈しない」と勇ましく擁護したその政権が、戦後7年間に及ぶGHQによる日本改造、「悪の軍国主義国家日本の民主化」が完了して「これでよし」としてアメリカからお墨付きをもらえた日にすぎないサンフランシスコ講和条約の発効を祝うことの持つ自己矛盾です。

サンフランシスコ講和条約の発効を祝うという行為の背後には、「アメリカに自由や民主主義という価値観を教えてもらったことを称える」という自虐的な歴史観が隠れています。この歴史観は、「靖国神社に参拝する」という行為が示す歴史観とは180度食い違うものです。

このように、安倍政権が「主権回復の日」と称してサンフランシスコ講和条約の発効を祝う行為の背後には、二重、三重、四重の「ダブルバインド」(自己矛盾)が隠されています。

私が不可解に思うのは、一体、誰が、このような奇怪なほどの自己矛盾に満ち満ちた構想を思いつき、推進したのかということです。

少なくとも国民の間から自然に生まれた構想ではありません。

構想した人物や集団の名前や議論のプロセスは、私たちには何も明かされないまま、「主権回復の日」は一つの既成事実として、本日、天皇陛下をお招きして日本政府によって祝われます。

(追記: 誰がこんなばかばかしい構想を推し進めたのかといぶかしく思っていましたが、チャンネル桜の次の動画に説明が書かれてありました。)

サンフランシスコ講和条約が発効し、占領状態から主権国家に復帰した4月28日を国民­の記念日に制定しようと、民間有志が15年に亘り続けてきた国民運動は、遂に超党派の­議連成立を実現させ、近く議員立法として国会に提出される見通しになった。

沖縄県民の反発をまねいておきながら、「国民運動」もへったくれもありません。

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【正直な子ども11】主権回復を目指す会代表 西村修平氏: 「主権回復式典」反対!安倍政権と自民党よ! 天皇陛下の政治利用は許されないぞ!

アンデルセンの童話『裸の王様』に登場する「正直な子ども」のように、「おかしいことはおかしい」とはっきり声をあげて、安倍政権の問題点を啓発してくださっている様々な方たちを、紹介しています。

主権回復を目指す会の西村修平氏も「正直な子ども」のお一人です。

要 請 文「まやかしの『主権回復式典』の中止を!」<安倍政権と自民党は天皇陛下の政治利用を止めよ>

内閣総理大臣 安倍晋三 殿
内閣官房長官 菅 義偉 殿
平成25年4月12日       
主権回復を目指す会        
東京都千代田区西神田2-3-18 
ダイヤモンドレジデンス307   

昭和27年4月28日、サンフランシスコ講和条約が発効すると同時に日米安保条約も発効した。同時発効、ここにこそ最大の矛盾とまやかしが存在する。本来、対外的条約(日米安保)は戦勝国との講和条約が発効され、わが国の主権が確立・安定した後に、つまり米国を含む全ての占領軍が日本全土から撤退した後に結ばれるべきはずであった。日米安保は軍事条約である。この条約が締結されたのは講和条約が発効される前、昭和26年9月8日である。日本が軍事占領下におかれ、わが国は占領軍によって何から何まで支配されていた。国家主権が存在しない中で締結されたのが日米安保条約である。主権が存在しない状況下で締結された条約は無効でしかあり得ない。同時発効はレトリックである。

昭和20年8月30日、占領軍の最高司令官・ダグラス・マッカーサーが海軍厚木基地に降りたってから70年、それ以降、日本全土が米軍に好き勝手に使用される状況を放置しておきながら、何をもって「主権回復式典」か。米国占領軍は未だ日本に占領軍として居座っている。「日米地位協定」に補完された不平等で、日本の軍事的主権は無いに等しい状況のままである。一都八県(東京都、栃木県、群馬県、埼玉県、神奈川県、新潟県、山梨県、長野県、静岡県)の巨大な空域が米軍・横田基地によって管轄されている。「横田ラプコン」ともいうが、首都圏とその周辺空域が米軍によって制圧されていながら、何をもって「主権回復式典」か。沖縄に至っては久米島を含めて本島上空全てが、米軍・嘉手納基地によって管制下におかれている。普天間飛行場の返還は宙に浮いたまま、県民はオスプレイの試験飛行の危険にさらされている。これら沖縄の惨状を放置しながら、何をもって「主権回復式典」か。

沖縄は地政学的見地から、全島が軍事基地として重要な対シナの戦略的要衝である。しかし、それは我が国土を守る自衛隊が指揮・管轄する軍事基地でなければならず、米国占領軍が指揮・管轄する軍事基地であってはならない。我が国土は我が国が守るものでなければならず、米軍基地を本土に移行させてことが済む問題ではない。沖縄では4月28日を切り捨てられた「屈辱の日」としているが、国家主権を奪われて屈辱を強いられているのは何も沖縄県民ばかりではない。日本国民全体が米国の為に「捨て石」にされている。

本土の基地負担という弥縫策で、国土防衛の喫緊性と主権喪失の現状をひとり沖縄のみに問題を矮小化させては、これも又米国占領軍の実態を隠蔽するまやかしと言える。米軍撤退後の基地には我が自衛隊が常駐し、国土防衛の任務に当たるのはいうまでもない。我々の主張はあくまで米国占領軍の撤退であり、その上での日米安保条約の全面見直しである。同時に、この条約を強固に補完している「日米地位協定」の破棄も当然ふくまれる。何にもまし自民党に課せられた最大使命は、憲法改正よりも「日米地位協定」の破棄にこそある。

来たる4月28日、安倍政権と自民党が計画する「主権回復式典」は米国占領軍の実態を隠蔽するまやかしである。この日は、「国恥」記念日または主権回復「祈念日」が相応しい。天皇陛下のご列席を仰ぐことで、「主権回復式典」を沖縄県民と日本国民に強要するなど許されない。国民世論の分断に天皇陛下を政治利用するな。


 まやかしの「主権回復式典」を中止せよ!
 安倍政権は天皇陛下の政治利用を止めろ!
 自民党は憲法改正よりも「日米地位協定」の破棄を!

「主権回復の日」の政府式典に関して、西村修平氏が語っておられることに賛同します。

西村修平氏からは、以前、次のような励ましのメッセージをいただいております。

WJF 御中

お目を通して頂きありがとうございます。お互いに少数派ですが、「事実を挙げて道理を説く」思想を世に訴えていきましょう。

主権回復を目指す会 西村修平

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2013年4月27日 (土)

【正直な子ども10】在特会福岡支部長 沢村直樹氏: 「自分の命と引き換えに国が守れないのなら国会議員をやめてください」

アンデルセンの童話『裸の王様』に登場する「正直な子ども」のように、「おかしいことはおかしい」とはっきり声をあげて、安倍政権の問題点を啓発してくださっている様々な方たちを、紹介しています。

在特会福岡支部長の沢村直樹氏も「正直な子ども」のお一人です。

「安倍総理の代わりはいないじゃないかと、だから安倍さんに頼るしかないんだという声がありますが、安倍さんの代わりはいくらでもいるんです。自民党の中にTPPに反対している議員が200人以上いるじゃないですか。とりあえずですね、TPPと、日中韓FTAと、移民受け入れ、そして日本の農業を守る、そして国民皆保険を守る、発送電分離を反対する。発送電分離なんかやったら孫正義がメシウマになるだけなんですよ。だからですね、最低でも、TPPと、日中韓FTAと、移民受け入れ、これだけ阻止してくれればですね、あとは巻き返す事ができるんですよ。日本が壊されずにすむんですよ。それだけやってくれるんだったらですね、自民党の中の、一年生議員でも、二年生議員でも、当選三回の議員でもいいですよ。若手議員でいいですよ。もう無名の引退直前のよれよれのじいさんの議員でもいいですよ。とりあえず、どんだけバカでも、それだけ守ってくれればですね、国は残るんですよ。そういうことやったらですね、中川昭一みたいになるから、やりたくないという政治家がいるかもしれません。そういう人はやめてください政治家を。国会議員になるということは、日本国民の生命と財産と安全を守るということなんですよ。自分の命と引き換えにしても守るということなんですよ。それができんのなら、国会議員やめてください。」

正論です。

TPP、日中韓FTA、RCEP、対中援助、水道民営化、発送電分離、英語公用化、消費税増税、ビザ免除国の拡大、移民受け入れ、道州制・・・

「おまかせ定食」どころか、売国と壊国の満漢全席の様相を示す安倍政権。

こういう事実を目にしてもなお、「安倍さん支持」だとか、「安倍さんを批判する人は左翼」と言っている人たちがいます。

日本を壊したくてたまらない人たち、日本人ではない人々が、安倍支持者の中に紛れ込んで煽ってはいないでしょうか。

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【正直な子ども9】青木直人氏: 「こりもせず、安倍政権はさらに中国向け環境援助に踏み出そうとしている」

アンデルセンの童話『裸の王様』に登場する「正直な子ども」のように、「おかしいことはおかしい」とはっきり声をあげて、安倍政権の問題点を啓発してくださっている様々な方たちを、紹介しています。

「安倍さんは参加を表明していない。マスゴミのデマだ」と言う類の書き込みを読むたびに、私は一種名状しがたい気持ちになります。真面目で、善意にあふれてはいるものの、メディアリテラシーの欠如した安倍総理のファンたちは、政治家の巧みなレトリックを見破ることができないでいるのです。
(青木直人BLOG 2013年2月26日: これが「おまかせ定食」のメニューです)

主に中国の問題に取り組んでいらっしゃるジャーナリストの青木直人氏も、早くから安倍政権の問題点を見抜き、「おかしいことはおかしい」と声をあげてこられた「正直な子ども」のお一人です。

「怒りを超えてもはやお笑い!日本の中国援助ODA―誰も知らない血税3兆円の行方」(祥伝社、2001年)
「中国ODA6兆円の闇―誰のための、何のための「援助」なのか!? 」(祥伝社、2003年)
「終わらない対中援助」(古森義久との共著、PHP研究所、2009年)

などの書名でも分かるように、日本政府による対中ODAの問題を批判してこられました。

青木直人BLOG 2013年4月25日: 環境援助と言う第2幕

●対中援助について書く。
現在、安倍内閣は水面下で政府内の多国間技術支援機構を通じて、中国側に環境技術の提供を打診している。
理由は中国指導部内に日本からの2か国間援助に警戒的かつ慎重な意見があるからだ。そのため、安倍政権は中国も被援助国となっている多国間向け技術援助を担当する政府内の某交流機関を通じて、迂回スタイルの援助を提案しているというわけなのである。これなら中国も乗りやすい。
安倍内閣の中国向け環境支援は政権内部に反対意見は存在していない。安倍総理も前向きである。すべては首脳会談実現のための環境整備が目的である。

●なんのことはない。これでは対中ODA削減の代償としてアジア開発銀行が利用されたあのパターンの再現ではないのか。日本国民の反対に直面した政府・財務省はODAと言う二か国間の援助ではなく、国民がほとんど知らないアジア開発銀行を通じて迂回融資を本格化させていたのである。

●これがいかに異様なことなのか。それはアジア開発銀行の融資の半分以上が外務省主導のODAでは禁止されたはずの「交通インフラ」部門に集中していることである。「交通インフラ」とは鉄道、道路、空港、港などを指し、それらはいずれも人民解放軍の絶対的影響下に置かれている。

●たとえば北京、上海などの国際空港も解放軍の都合しだいでいかようにも民間機のフライトは変更される。また鉄道省の歴代の最高首脳はいずれも解放軍の実力者やその系列下のテクノクラートが目立つ。具体的には鄧小平の右腕で、西南軍政委員会の高官職にあった元副首相の万里、あるいは朝鮮戦争時、中国義勇軍の兵站を受け持った元少将、さらには建国以前からの生粋の軍人で、張学良の秘書をしていた人物もいる。

●こういう解放軍の影響下にある鉄道部門に日本のODAとアジア開発銀行からの融資は継続的に続けられ、いつの間にかその額は世界1となっていったのである。また援助で建設された四川省とチベット・ラサを結ぶ高速道路はチベット有事の際、解放軍が鎮圧のために独占的に使用を許されている場所でもあるのだ。
だが、ことはこれだけではすまない。先ごろ逮捕された鉄道相の解任理由は「鉄道建設に絡む業者からの収賄」であった。
深刻なのは、賄賂に関する噂として、日本のODAを利用した鉄道建設に絡み、日本の鉄道メーカーが担当機関の鉄道省高官に賄賂を贈っていたとささやかれていることだ。

言うまでもないが、これほど膨大な援助を行ってきたのは民主党ではない。歴代の自民党政権である。こりもせず、安倍政権はさらに中国向け環境援助に踏み出そうとしているのである。すでに日本の環境援助額は1兆数千億円に達している。それでいて、反比例するかのように、中国の環境汚染は進むばかりである。成長最優先のつけである。
それならば、とまたまた日本政府が乗り出して、タダで世界一のレベルにある日本企業の環境技術を提供しようというのである。ここまでくれば、アホくさいとしか言いようのない話である。

●中国に強い安倍政権のもとで、なんの総括もないまま、さらに膨大な援助が尖閣を自国領だと居直る中国に対して始まるのである。

●今回もまた事態はTPPと同じである。
マスコミは援助やむなしのトーンで一貫しており、援助やるべしの翼賛報道に終始している。これでは国民の怒りが大きな渦になる可能性は期待できまい。

●まだある。今回も政治的な配慮から安倍崇拝者たちは沈黙するだろう。
安倍ちゃん大好きな「保守言論人」たちも同様である。
民主だろうが、自民だろうが中国向け援助の中身は日本国民の血税である。消費税も8%、10%とアップすることが決まってしまった。それでも中国援助はどんどんやりますとみんなの安倍ちゃんは言うのである。
だが、政治家に対する評価は是是非非でなくてはならない。そうでないと多くの共感を得ることは困難だろう。

●最後に。
アジア開発銀行と言えば先ごろ日銀総裁に就任した黒田東彦氏。当時、財務省にいた彼をアジア開発銀行の総裁に推薦したのは安倍晋三氏であったと当時の大手政治部記者は語っている。

「中国包囲網」などというスローガンを口実にTPPを推進しながら、同時にその裏では、対中援助に前向きであり、日中韓FTAや、実質的に中国が主導しているRCEP(東アジア地域包括的経済連携)にも積極的な姿勢を見せる安倍政権。

「特亜」の脅威に対峙していくために安倍政権を支持しなくてはならない。

「中国包囲網」のためにはTPP参加もやむを得ない。

そう考えている人たちは多いと思いますが、安倍政権が、日本人の血税や技術を中国にただでくれてやり、FTAを結んで「特亜」と関係を深化させようとしている現然たる事実を、一体どのように考えているのでしょうか。

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【批判的に読む1 】三橋貴明ブログ 2013年4月26日: 国家間に真の友人はいない

「批判的に聞く」というシリーズで、チャンネル桜の番組を素材に、人の話を批判的に聞く思考訓練を皆様とともに実践していますが、「批判的に読む」と題して、同じ事を様々な論客の執筆する文章に対しても行っていきたいと思います。

主に、取り上げるお題は、三橋貴明ブログです。

「三橋貴明はいつ詰むか」というシリーズで、彼の言説の矛盾点を分析し批判してきましたが、参院選に向けて今後もおかしな言論がまかり通ることのないように、皆様にも、ぜひこの言論の批判と監視の作業に参加していただきたいと思います。

三橋貴明ブログ 2013年4月26日: 国家間に真の友人はいない
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11518545851.html

上の記事を読んで、お気づきのことや、おかしいと思われることがありましたら、コメント欄にご意見をお寄せください。

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2013年4月26日 (金)

【正直な子ども8】ニコニコ動画・よしふるさん: 「4月中に流れの向きを変えねば」

アンデルセンの童話『裸の王様』に登場する「正直な子ども」のように、「おかしいことはおかしい」とはっきり声をあげて、安倍政権の問題点を啓発してくださっている様々な方たちを、紹介しています。

「正直な子ども」と言えば、TPPの問題について、文字通り、日々、骨身を削って奮闘してくださっている方がいらっしゃいます。このWJFプロジェクトのブログでも、時々紹介させていただいているよしふるさんという方です。

WJFプロジェクトとよしふるさんとの出会いは、「安倍劇場」という記事に寄せていただいた次のコメントからでした。

安倍劇場

最近、貴サイトを拝読し始めました。WJFの活動は依然から知っていましたので、国内外への動画による情報発信には大変感謝しています。

TPPの件ですが、私は参加せずに済むのではないかと思っているのですが、甘いでしょうか。TPPに関する知識はチャンネル桜やそのあたりに関連する有識者の解説を見ている程度です。

いくつか保守系ブログを参考にしていますが、内容がかぶっていたり似通っていることが多いです。その中、こちらの記事は一味違う感じがいたします。過去記事もなるべく読んでみようと思います。

投稿: よしふる | 2013年1月17日 (木) 04時12分

以来、WJFプロジェクトのTPP関連動画をニコニコに転載してくださったり、WJFプロジェクトのプログの記事を動画にして、ニコニコ動画にアップしてくださっています。

また、ご自分でも、独自の視点で動画を作成され、ニコニコ動画の中での注目度も日に日に増しています。

近頃いただいたのが、次のようなメッセージでした。

よしふる自作動画は疲れるのですが、もう一生に一度のやばい時なので、 疲れるからとは言っていられなくなりました。残り2週間で更に流れの向きを変えねばと。

日本を守る責任をしっかりと担おうとされている緊迫観が、よしふるさんの取り組みから感じられます。

しかし、次のようなメッセージもいただいています。

精神的には見ての通り平気なのですが、さすがバテ気味です。缶コーヒーの量がふえました。

長期戦になりますので、どうか無理をなさらず、休み休みがんばっていきましょう。

みなさんも、どうかニコニコ動画のよしふるさんの動画を応援してください。


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【正直な子ども7】ツイッター・ハバキリさん: 「日本よりも安倍晋三を大事にするって発想が全くわからない」

アンデルセンの童話『裸の王様』に登場する「正直な子ども」のように、「おかしいことはおかしい」とはっきり声をあげて、安倍政権の問題点を啓発してくださっている様々な方たちを、紹介しています。

某所に貼られていたツイートですが、絶妙なやりとりに、関心しました。

20130426_50937

誰がというのではなく、日本人全体が「自分の国は自分で守る」という意識を取り戻さない限り、アメリカ追従は終わりません。

その通りだと思います。

TPPの問題を通して、「戦後レジーム」からの脱却に向けて、日本が少しずつ動き出している気配を感じます。

TPP反対の声をあげることこそが、「戦後レジーム」からの脱却につながるのだと改めて思いました。


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田母神俊雄氏に見られるダブルバインド

下は田母神俊雄氏のブログの最新(4月23日)の記事です。

まずは虚心坦懐にお読みください。

安倍政権を支持する

第二次安倍政権が誕生したことは日本にとっての光明である。自民党政権に戻ったからいいと言っている訳ではない。安倍政権でなければ駄目である。

安倍首相は、東京裁判史観、即ち自虐史観に捕われていない数少ない政治家の一人であるからである。

もし自民党総裁選で石破茂氏が勝っていたら日本の復活はできないと思う。彼は靖国神社に一回も参拝したことがないし、これからも参拝しないと明言している自虐史観にどっぷり浸かった政治家である。私はあの第二次大戦をどのように認識をするかが、現在の我が国の国家政策に決定的な影響を及ぼしていると考える。戦前の我が国は悪の帝国で、中国大陸、朝鮮半島、東南アジアなどを侵略して多くの国に迷惑をかけたという歴史認識では、我が国を世界から尊敬される強い独立国にすることは出来ない。

これまでの歴代自民党総裁を見てみるとほとんどの人が、米国占領下で我が国に強制された自虐史観の持ち主である。我が国はかつて悪の帝国であり、戦後アメリカによって民主主義国に変えてもらったという歴史観を持っている。現在の自民党にもこの自虐史観を持つ政治家は多く、そのために我が国は、国を守る体制がいつまで経っても調わない。我が国は戦後アメリカによる占領体制から出発し、昭和27年に独立をした後も、日米安全保障条約によってアメリカに守ってもらうという体制が取られ、今なおその体制から抜け出すことが出来ないままである。外国に国を守ってもらえば、最終的には守ってくれる国の言う通りにせざるを得ない。国策の自由が奪われたままなのである。

自虐史観が、我が国の防衛力整備をどれほどいびつなものにしてきたか、私は自衛隊の現場でいやというほど味わってきた。日本以外の国では、軍は攻撃力と防御力のバランスが取られている。しかし自衛隊は世界でも稀な防御に偏重した軍なのである。自衛隊は攻撃力をあまり持たない。これは極東の米軍基地を守る存在として出発して、自衛隊創立後、半世紀以上も経っているのにいまだにあまり変わっていない。我が国が攻撃を受けたときはアメリカに反撃してもらうということになっている。自衛隊が自ら攻撃力を保有すると、間もなく侵略戦争を始めるからだというのだ。

我が国では、わが国が攻撃を受けたときアメリカが自動的に戦争に参加して日本を守ってくれると思っている国民が多いが、実は日米安全保障条約はアメリカの自動参戦を保障しているものではない。日本を守るか否か、それはアメリカの自由意志に任されている。だから日本が攻撃を受けたときにアメリカ大統領が日本を守ると決心をして米軍に命令を与えなければ米軍は日本を守るために行動できない。そして大統領が決心をしてくれても、大統領の決心の有効期間はわずか2ヶ月である。2ヶ月を経過すると、アメリカ議会の承認を得なければアメリカ大統領といえども米軍を行動させることは出来ない。しからば、アメリカ議会がいつでも日本を守ることを議決してくれるか。私は年がら年中、いわゆる反日法案と言われるような法案が成立するアメリカ議会に、それを期待することは無理だと思う。我が国を侵略しようとする周辺国は、第一撃を加えてアメリカ大統領による日米安保を発動させておいて2ヶ月待つであろう。その後、我が国を本格的に侵略すればアメリカ軍は動けない。アメリカ大統領や国務長官、国防長官などが、尖閣諸島は日米安保の適用対象であると言ったことで安心している場合ではないのである。

戦後の我が国は、東西の冷戦構造という戦後日本の復興にとって極めて恵まれた国際情勢があったことを認識しなければならない。冷戦間のアメリカの第一の戦略目標は、ソ連の封じ込めであった。そのためにアメリカは地政学的に日本列島を必要とした。世界地図をさかさまにしてみれば分かりやすいが、ソ連の太平洋進出を日本列島が完全に邪魔している。また日本の国民生活が安定しなければ、ソ連の盾にはなれないということで、冷戦間のアメリカは日本の戦後復興にも比較的協力的であった。戦後復興を成し遂げたのは歴代自民党政権の称賛されるべき功績であるが、そのような恵まれた環境が味方していたことも忘れてはならない。しかしどんどん経済発展する中で自民党政権が立党時の綱領に書き込んだ国家の完全独立を次第に忘れていった。「アメリカに守ってもらうのも悪くない」と思い始めたのである。

それでも冷戦終結までは、我が国が国を守るということを忘れた弊害が顕著に現れることはなかった。日米の国益は重なり合う部分が多かったからである。しかし冷戦終結に伴い、アメリカの戦略計画の変更があり、我が国が国を守ることを忘れた弊害が顕著に現れることになった。冷戦が終わって1991年、アメリカの第一の戦略目標は、ソ連の封じ込めから日本とドイツの経済力を抑えることに変更されたのである。アメリカは、もはや世界大戦争が生起する可能性はなくなり、これからは経済戦争の時代になると予測したのである。

経済戦争の時代には日米の国益が一致することはあり得ない。アメリカの言う通りにしていたら日本は損をすることが多い。しかし我が国は冷戦間の惰性から抜け切れずに、日米構造協議、年次改革要望書の交換などを通じて悉くアメリカの言う通りにしてきたのである。それが改革であり、グローバルスタンダードに合致させるということである。この二十年の改革で良くなったものがあるかと言えば一つもないのではないかと思う。改革の結果、みんな悪くなっている。日本国民が次第に安心して暮せないようになってきている。日本は、この二十年、自主的にアメリカの言う通りにしてきたのである。ロシアがある、中国がある、北朝鮮もあるということで、日米関係だけは損なわないようにしようとアメリカに譲歩せざるを得なかった結果でもある。アメリカが悪いと言っているわけではない。国家というものは徹底的に自国だけの国益を追求する存在なのである。アメリカもその例外ではないというだけである。

安倍総理が国防軍構想を打ち出した。政治的な防衛費の増額も戦後初めてのことである。これは自民党立党時の精神に戻るということである。独立国は自主防衛が基本である。自主防衛が出来なければ国策の自由を確保することは難しい。ましていまリーマンショック以降アメリカの力にかげりが見られるような状況があり、今後世界はどのように動くか不透明である。我が国は、今こそアメリカ依存から抜け出して、自分の国を自分で守る自主防衛の体制を強化しなければならない。国家があっての経済活動であることを今一度日本国民は想起すべきである。

私は安倍政権を支持する。安倍政権が崩壊するようであると、日本の再生はさらに困難になり、それこそ中華圏内で虐待を受けながら生活するような国に向かいまっしぐらということになりかねない。朝日新聞などマスコミではすでに安倍叩きが始まっているが、私たちは安倍政権を支えなければならない。彼ら左翼思想の持ち主は、強い日本が出来ては困るのだ。これまでどおり中国などにおもねる政権であってくれることが彼ら敗戦利得者にとっての利益なのである。保守派の国民の中でも一部安倍総理が韓国や中国に弱腰だとかの批判があるが、安倍総理は日本再生に向けて徐々にアクセルを踏み込もうとしている。ここは私たちもしっかりと安倍政権を支える心構えが必要だと思う。

私はこの方の書かれていることの8割は、その通りだと思います。

とくに下に引用する部分には、心からうなずかずにはおれません。

戦後の我が国は、東西の冷戦構造という戦後日本の復興にとって極めて恵まれた国際情勢があったことを認識しなければならない。冷戦間のアメリカの第一の戦略目標は、ソ連の封じ込めであった。そのためにアメリカは地政学的に日本列島を必要とした。世界地図をさかさまにしてみれば分かりやすいが、ソ連の太平洋進出を日本列島が完全に邪魔している。また日本の国民生活が安定しなければ、ソ連の盾にはなれないということで、冷戦間のアメリカは日本の戦後復興にも比較的協力的であった。戦後復興を成し遂げたのは歴代自民党政権の称賛されるべき功績であるが、そのような恵まれた環境が味方していたことも忘れてはならない。しかしどんどん経済発展する中で自民党政権が立党時の綱領に書き込んだ国家の完全独立を次第に忘れていった。「アメリカに守ってもらうのも悪くない」と思い始めたのである。

それでも冷戦終結までは、我が国が国を守るということを忘れた弊害が顕著に現れることはなかった。日米の国益は重なり合う部分が多かったからである。しかし冷戦終結に伴い、アメリカの戦略計画の変更があり、我が国が国を守ることを忘れた弊害が顕著に現れることになった。冷戦が終わって1991年、アメリカの第一の戦略目標は、ソ連の封じ込めから日本とドイツの経済力を抑えることに変更されたのである。アメリカは、もはや世界大戦争が生起する可能性はなくなり、これからは経済戦争の時代になると予測したのである。

経済戦争の時代には日米の国益が一致することはあり得ない。アメリカの言う通りにしていたら日本は損をすることが多い。しかし我が国は冷戦間の惰性から抜け切れずに、日米構造協議、年次改革要望書の交換などを通じて悉くアメリカの言う通りにしてきたのである。それが改革であり、グローバルスタンダードに合致させるということである。この二十年の改革で良くなったものがあるかと言えば一つもないのではないかと思う。改革の結果、みんな悪くなっている。日本国民が次第に安心して暮せないようになってきている。日本は、この二十年、自主的にアメリカの言う通りにしてきたのである。ロシアがある、中国がある、北朝鮮もあるということで、日米関係だけは損なわないようにしようとアメリカに譲歩せざるを得なかった結果でもある。アメリカが悪いと言っているわけではない。国家というものは徹底的に自国だけの国益を追求する存在なのである。アメリカもその例外ではないというだけである。

しかし、私にとって理解不能なのは、田母神氏が、ここまで戦後史の流れを正確に捉えていながら、

特に、冷戦終結後、アメリカの対日戦略が180度転換し、日本がこの20年間アメリカの言う通りにして改革を行った結果、「みんな悪くなっている」、ということが分かっていながら、

どうして、対米隷属を以前にもまして徹底させ、すべてにおいてアメリカに言いなりになり、アメリカに何もかも差し出そうとしている安倍政権に対して、

安倍政権でなければ駄目である。

だとか、

第二次安倍政権が誕生したことは日本にとっての光明である。

といった矛盾した言葉がでてくるかです。

田母神氏は、安倍晋三のことを

自虐史観に捕われていない数少ない政治家の一人

と述べておられますが、安倍晋三が本当に自虐史観に捕われていないのならば、どうして、彼は「戦後レジーム」の開始日であるサンフランシスコ講和条約の発効日を「主権回復の日」などと称して政府で祝おうとするのでしょうか。

サンフランシスコ講和条約の発効日を祝うということは、サンフランシスコ講和条約の遠因である日本の敗戦を祝うことであり、またサンフランシスコ講和条約の発効と、加えて、同日に発効した日米安保条約の発効をもって始まった「戦後レジーム」そのものを賛美し、肯定することにつながるものです。

サンフランシスコ講和条約の発効日を祝うという姿勢の背後には、田母神氏が批判される「我が国はかつて悪の帝国であり、戦後アメリカによって民主主義国に変えてもらったという歴史観」が見え隠れしているではありませんか。

また、

独立国は自主防衛が基本である。

我が国は、今こそアメリカ依存から抜け出して、自分の国を自分で守る自主防衛の体制を強化しなければならない。

というのも田母神氏の言われる通りなのですが、

何でもかんでもアメリカの言いなりである安倍政権に、「アメリカ依存から抜け出して、自分の国を自分で守る自主防衛の体制の強化」などできるのでしょうか。

そもそも田母神氏の記事に、「アメリカ依存」の問題や、「アメリカに強いられた改革」といった問題が述べられていながら、それらの問題が最も具体的な形で私たちの上に降り掛かっているTPPの問題が、まるで存在すらしていないかのように、一言も言及されていないというのは、どういうことなのでしょうか。

田母神氏が掲げられている歴史観や日本のあるべき姿からは、論理的には、

「安倍政権を支持しない」

という結論しか出てこないはずなのですが、

どうして、安倍政権を支持する論客の中から、必ず、このような矛盾した「ダブルバインド」的な言葉や姿勢が見られるのでしょうか。

この奇妙な共通点に、私は、戦慄すら覚えます。

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フランスで放送された慰安婦ドキュメンタリーの日本語訳

先日、フランスの民放テレビ局TF1で、慰安婦に関する短いドキュメンタリー番組が放送されていたことをお伝えしましたが、日本語訳を作成しました。

日本でも視聴可能な下のリンクを教えていただきました。
http://www.wat.tv/video/tresor-national-5y1f1_2flv7_.html

国宝

彼女たちは、韓国でもっとも有名なおばあさんたちである。いわば国宝である。韓国全体で63名しか生き残っていない。韓国は、彼女たちを、国の中心人物のように大切に扱っている。彼女たちが人々の前に姿を見せるだけでも、一大イベントとなる。国の休日である三一節では、四世代の人々が彼女たちの周りに集まる。

「ハルモニ、こちらにお座り下さい。」

人々は彼女たちのことを「ハルモニ」と呼ぶ。おばあさんを敬って呼ぶときに使う言葉である。

「ハルモニ、私たちは、あなたたちを愛しています。」

聴衆は、頭の上に掲げた手でハート形を作り、韓国で最も優秀な学生たちがプレゼントを手渡す。おばあさんたちに拍手が送られる。

長い間忘れ去られていた国家の殉難者たちである、この被害者たちに、贈り物がわたされる。彼女たちの皺の向こうに、1930年代にさかのぼる過去の記憶の悪夢が姿を現す。

彼女たちは、十代の少女だった時、日本軍によって拉致され、アジアの各地に存在した「慰安所」と呼ばれた小さな家屋へと移送された。ちょうどこのような小屋である。そこで、一日中、彼女たちは性奴隷として日本兵たちに奉仕した。日本兵たちは、彼女たちを「韓国のヴァギナ」と呼んだ。この構想全体は、天皇によって確立されたものだが、1945年8月の日本の降伏まで続いた。

20万人の女性がレイプされ虐待された。李さんはその一人である。87歳の彼女はいまだに過去の記憶に苦しんでいる。彼女が今日暮らしている老人ホームの部屋にはさまざまな写真が飾られているが、彼女は悲劇的な過去の記憶だけを思い出す。

「これが私です。解放されて、慰安所から出てきたときに撮ったものです。戦争が終わったとき、私は21歳でした。これは私がその頃に撮った唯一の写真です。」

悲劇は1940年の9月に始まった。日本兵によって中国に移送され、牛のようにトラックで輸送され、慰安所のある土地に着いたときに、彼女はショックを受けた。

「それは屠殺場でした。人間のためのね。たくさんの少女たちがひしめき合っていて、11才や、12才や、13才や、15才の子たちといった、幼い子たちもいました。どうしたらこのおそろしい残虐な場所を描写できるでしょうか。40人の兵士が同じ14才の女の子をレイプしているところを想像してください。それが彼らが私に対してしたことなんです。私たちには他にどうすることもできませんでした。これをするか、死ぬしかなかったんです。」

李さんの苦しみは、3年間続いた。1945年に解放されると、彼女は途方にくれた。韓国の農家の生まれだったこの女性は故郷にはもどらなかった。彼女は中国に残ってそこで結婚した。他の生存者と同じように彼女は、46年間自分の過去を隠し続けた。

タブーをやぶったのは、この女性だった。彼女もまた中国に移送された。彼女も慰安所での地獄のような日々を耐え忍んだ。1991年に金さんは世界にむけて自らの体験を語った。彼女の証言は国中に大きなショックを与えた。

この時、27才の学生だった尹美香はショックを受けた。彼女はプロジェクトを立ち上げ、生存者を捜し出すことに人生を捧げることにした。彼女は、無料でかけられる電話番号を設置した。何年もの間沈黙を保っていた数百人の年老いた元慰安婦たちが、彼女に電話をかけてきた。

「これらの女性たちは、基地での唯一の生存者であったため、自分のことをこの悲劇を生き延びた唯一の人間だと考えていました。このおかげで、彼女たちは新鮮な空気を吸うことができるようになったのです。私は、最初に電話をかけてきた人たちの名前と住所を控え、彼女たちに会いにいきました。そこで初めて、彼女たちは沈黙をやぶったのです。」

極限まで虐待を受けたせいで、これらの女性のほとんどは妊娠し子どもを作ることができず、また韓国には戻らなかった。それから50年後に、帰還運動がたちあげられた。これらの女性たちを受け入れる特別な老人ホームが設置され、李さんも現在そこに暮らしている。一人一人が自分の部屋をもっており、毎週土曜日には鍼治療が行われる。

「こんなふうに鍼をさしたら痛いですか? 」

「いいや、とても気持ちがいいよ。気持ちがいいからやってくれるんだからね。」

美容トリートメントを受ける権利をもつ女性もいる。

「ハルモニ、顔に何をつけているのですか?」

「きれいになるために、肌を白くしてるんだよ。」

毎月、彼女たちは国から、500ユーロを受け取っている。老人ホームの滞在費用は無料である。彼女たちは、過去に失った時間を取り戻そうとするかのように、ここでの日々を満喫している。

「ハルモニが先だよ。」

彼女たちが10年前にここにたどり着いたとき、ハルモニたちは、お互いを全く知らなかった。今日、彼女たちは、87才の姜さんのような強いリーダーをもつ小さな共同体の中で暮らしている。姜さんは部屋をきれいに飾って、自分がハルモニたちの女王であるように見せるのが好きだ。

「私は日本からも贈り物を受け取っているんだ。ここでこんな物を持っているのは私だけだよ。私は二つ持っているんだからね。これは悪い霊を追い払ってくれるのさ。他のハルモニたちは、こんなものを持ってはいないよ。他の人たちの部屋を見てきたらいい。彼女たちはこんなものもっちゃいないから。」

しかし、すぐに、姜さんの目は涙で曇る。彼女は中国に移送されたときには、16才だった。

「連中は、私を乱暴に捕まえて、何の説明もしないで、トラックに無理やり乗せたんだ。私が拉致されたときには、家に誰もいなかった。私は両親にさよならも言えなかったんだ。誰も何も見なかったさ。私は台所に隠れようとしていたんだ。でもすぐに彼らに捕まっちまった。」

「あなたは日本人のことを怒っていますか?」

「日本人なんか大嫌いさ。軽蔑するね。軽蔑するどころじゃないよ。死ぬほど憎いよ。無理やり両親や故郷の村から引き離されちまったんだからね。嫌いだよ。軽蔑するよ。」

これらのハルモニたちを最も傷つけているのは、日本がこれらの犯罪行為を決して認めないことである。日本の教科書さえ、そのことに触れてはいない。だからこそ、これらのハルモニたちは、最後の戦いを先導しているのである。許すための戦いを。

外の気温は、摂氏マイナス10度。しかし、ふだんの水曜日と同じように、吉さんはデモに出かける。20年前から、すべてのハルモニたちはソウルの中心部に位置する日本大使館の前で毎週集会を開いている。吉さんは、このデモに一度も欠席したことはない。ふだんの水曜日と同じように、数百人の学生が彼女に会いに集まっていた。

「わざわざ来てくれてありがとうね。」

この日、他のハルモニたちは、とても疲れていたため、この日、スピーチをしたのは、16才の時に満州に移送された吉さんだけだった。

「窓の向こう側にいる日本大使館の人たちは、ここで何が起きているのかを知っているはずです。毎週水曜日にデモが開かれていることを。私は、日本が謝罪するのをいまだに待ち続けています。日本が私たちに対して犯した犯罪を認めることを。私はみなさんが、この戦いを一緒に続けてくださることを願っています。どうも、ありがとう。」

ハルモニたちは、1000回以上デモを続けてきた。

「私たちのハルモニに謝れ。デモを行おう!」

過去67年間、日本は一度も謝罪していない。吉さんは、次の水曜日もここに来る予定である。

Ce sont les grands-mères les plus célèbres de Corée. Un trésor national. Il n’en reste que 63 dans le pays, et la Corée y tient, comme à la prunelle de ses yeux.
Chacune de leurs apparitions en publique est un petit événement. Ce premier Mars, pour la fête nationale, quatre générations sont réunies autour d’elles.
« Grand mère, asseyez vous la ».
Tout le monde les appelle les halmeoni, un terme respectueux et affectueux qui veut dire grand-mère.
« Halmeoni, on vous aime ! »
Les bras sur la tête pour former un cœur, des petits cadeaux offerts par les lycéens les plus brillants du pays. Elles sont applaudies, adulées.
L’hommage d’une nation à des femmes victimes, des martyrs de guerres longtemps oubliées. Derrières ces rides, l’enfer de souvenirs qui remontent aux années 30. Alors qu’elles étaient à peine adolescente, elles ont été kidnappées par l’armée japonaise et déportée dans toute l’Asie dans des maisons dites de réconfort, des baraquements comme celui-là, ou a longueur de journée, elles servent d’esclaves sexuels aux soldats japonais. Ils les appellent crûment, les vagins coréens. Un système instauré par l’empereur en personne qui durera jusqu'à la capitulation du Japon en aout 1945.
200000 femmes ont été ainsi violées et torturées. Parmi elles, Madame Yi. A 87 ans elle est toujours hanter par son passé. Dans la maison de retraite ou elle vit aujourd’hui, sa chambre douillette est tapissée de photos mais elle ne conserve qu’un seul souvenir de cette époque tragique.

« C’est moi, je l’ai prise à la libération. Quand je suis sortie de la station de réconfort. J’ai 21 ans, c’est après la fin de la guerre, c’est la seule que j’ai de cette époque »
La tragédie de Yi a commencé en septembre 1940. Déportée en Chine par les soldats japonais, transporté par camion comme du bétail, quand elle arrive à la station de réconfort c’est le choc.

« C’était un abattoir. Un abattoir à être humain, un abattoir. Il y avait plein de filles, même de toutes petites. De 11, 12, 13, 15 ans. Comment je peux vous décrire cet endroit atroce. Imaginez 40 soldats qui violent toute une journée une fille de 14 ans. C’est ce qu’ils m’ont fait. On n’avait pas le choix, c’était ça ou mourir »
Le calvaire de Yi va durer 3 ans. A sa libration en 1945, elle a honte. Cette petite paysanne du sud de la Corée n’ose pas rentrer chez elle. Elle reste alors en Chine et se marrie. Comme toute les autres survivantes, elle va taire son passé pendant 46 ans.
C’est cette femme qui va briser le tabou. Elle aussi a été déportée en chine, elle a aussi a connu l’enfer des stations de réconfort. En 1991, Kim Akson raconte publiquement son calvaire. Son témoignage crée un électrochoc national.
Une étudiante de 27 ans à l’époque, Mi yang yun, est alors bouleversée. Elle se lance dans un projet, retrouver les survivantes et en fait le combat de sa vie. Elle met en place un numéro vert, des centaines de femmes de réconfort, silencieuses depuis des années, appellent.

« Comme ses femmes étaient les seules survivantes de leurs camps, elles pensaient qu’elles étaient les seules à avoir survécu à ce drame. Et ça à donner une sorte de souffle d’impulsion. Et donc une, deux personnes se sont manifestées, et moi dans mon bureau, je répondais au téléphone, je prenais les noms, les coordonnées des grandes mères, j’allais les voir, et pour la première fois elles se confier.
Leur regret, à cause des tortures la plupart n’ont pas put avoir d’enfants, et elles ne sont jamais rentré en Corée. 50 ans après, des rapatriements sont alors organisés.
Des maisons de retraites sont spécialement créer pour les accueillir, comme celle ou vit madame Yi aujourd’hui. Chacune a sa chambre.
Tous les samedis, elles ont une séance d’acupuncture.
« Ça vous fait mal quand on vous piques comme ca ? »
« Ah non ca me fait du bien, c’est pour ca qu’on le fait »
Les plus coquettes ont même droit à des soins de beauté.
« Grand-mère, vous avez quoi la sur le visage. »
« C’est pour blanchir ma peau, pour être belle. »
Chaque mois elles reçoivent 500 euros de l’Etat. L’hébergement ici est gratuit. Elles sont dorlotées, comme si la Corée voulait rattraper le temps perdu.
« Laissez la place aux grands-mères d’abord. »
Quand elles sont arrivées ici il y a dix ans, ces halmeonis ne se connaissaient pas. Aujourd’hui elles vivent comme une petite communauté avec ces fortes têtes, comme Madame Kung, 85 ans.
Dans sa chambre qu’elle décore avec soin, elle aime montrer qu’elle est la plus populaire des halmoenis.
« J’ai même des cadeaux qui viennent du Japon. Y’a que moi qui ait ça ici. J’en ai deux. Ils mangent les mauvais esprits. Les autres halmoenis n’en ont pas. Vous pouvez regarder dans toutes les chambres, elles n’en ont pas. »

Mais rapidement les yeux de Kung se voilent. Elle avait 16 ans quand elle a été déportée en chine.
« On m’a attrapée brutalement et forcée à monter dans un camion sans rien m’expliquer. Quand j’ai été kidnappée, il n’y avait personne chez moi. Je n’ai même pas put dire au revoir à mes parents. Personne n’a rien vu. J’été dans la cuisine, j’ai essayé de me cacher, mais ils m’ont attrapé »
« Est ce que vous êtes en colère contre les japonais ? »
« Je les hais, je les déteste, encore plus que ca je les déteste à en crever »
« J’ai été obligé d’être séparer de mes parents, et aussi de mon village natal. Je les hais, je les détestent ».
Pour toutes ces grands-mères le plus humiliant, c’est que le Japon n’a jamais reconnu ses crimes, même les manuels scolaires nippons n’en parlent pas. Alors les halmoenis mènent un dernier combat, celui du pardon.
« A toute a l’heure »
Il fait -10 dégrée dehors, mais comme tout les mercredis, Gill, 84 ans va manifester.
Depuis 20 ans, les halmoenis se donnent rendez-vous toutes les semaines devant l’ambassade du Japon, en plein cœur de Seoul. Gill n’a jamais raté une seule fois cette manifestation.
Comme chaque mercredi une centaine de collégiens et lycéens sont venu pour l’encourager.
« Oh, merci de prendre du temps pour venir ici »
Aujourd’hui les autres halmoenis étaient trop fatiguer. Gill qui a été déporté à 16 ans en Manchourie, est la seule à donner de la voix.
« Il faut que les gens de l’ambassade du Japon, derrière leur fenêtre, disent ce qui se passe ici, qu’il y a une manifestation tous les mercredis. Moi j’attends que le Japon s’excuse, qu’il avoue les crimes qu’il a commis à notre égard. Je voudrais que vous continuiez à vous battre pour nous. Merci »
Ces grands-mères ont manifesté plus de 1000 fois dans cette rue devant les fenêtres de l’ambassade.
« Des excuses officielles ! Dites pardon à la grand-mère ! Manifestons ! »
Depuis 67 ans, le japon n’a pas bougé d’un cil. Gill, elle, sera encore la mercredi prochain.

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2013年4月25日 (木)

【正直な子ども6】中野剛志氏: 「こいつはくせえッー!ゲロ以下のにおいがプンプンするぜッーーーーッ!!」

アンデルセンの童話『裸の王様』に登場する「正直な子ども」のように、「おかしいことはおかしい」とはっきり声をあげて、安倍政権の問題点を啓発してくださっている様々な方たちを、紹介しています。

TPP反対の急先鋒、中野剛志氏。

「正直な子ども」と言ったら、この人の名前を挙げないわけにはいかないでしょう。同じTPP反対派の論客と言っても、「インチキな仕立て屋」を演じる三橋貴明とは正反対の方です。

「こいつはくせえッー!ゲロ以下のにおいがプンプンするぜッーーーーッ!!」

「麻生大臣、靖国に参拝したそうですが、いったい、どの面下げて英霊の前に行ったんだよ。行くなよ。」

中野剛志氏の安倍政権批判も、ますます情け容赦のないもの変わってきました。

【東田剛】麻生大臣の「衝撃」発言 FROM 東田剛

麻生太郎財務大臣が、4月19日にCSIS(米戦略国際問題研究所)で、耳を疑うようなショッキングな講演を行いました。これは、Ustreamで視聴することができますが、文字起こししたブログもありますので、まずは読んでみてください。

http://www.ustream.tv/recorded/31681043

http://daisukeblog.com/?p=2089

この講演のどこが酷いか、分かりましたか?

TPPをマンセーしている?そんなの、今さら驚くことではないでしょう。

消費税?確かに、消費税についての発言は、ちょっと意外でした。

「今後、税制抜本改革法に基づき、経済環境を整備し、予定通り消費税率を引き上げる決意です。」

もちろん、税制抜本改革法には景気弾力条項(附則18条)があり、「今後、税制抜本改革法に基づき、経済環境を整備し」と述べているので、経済環境が整備されなければ、消費税は上げないと読むこともできます。でも、「経済環境の整備に失敗しましたので、予定通りにできませんでした」なんて、普通は言えません。おそらく、年内に補正予算でも打って誤魔化しつつ、あとは何とでも理由をつけて、消費税を上げるつもりなのでしょう。

ま、附則18条も「聖域なき関税撤廃を前提とする限り」と同じようなもので、「また、その手ですか」というだけの話ですな。

もっと驚いたのは、Ustreamの48分あたりからの発言。麻生大臣は、水道を民営化するとか発言しています。同席しているジャパン・ハンドラー君も、ちょっとびっくりしてます。

でも、こんな話は、正直、どうでもいいんです。

どうしても許せないのは、この発言。これは、最悪です。

「日銀の黒田東彦新総裁は、実に大規模で迅速に、まさに「衝撃と畏怖(shock and awe)」を実行しました。」

まだ、分かりませんか?「衝撃と畏怖」というのは、2003年のイラク攻撃の作戦名なのですよ。

アメリカは、イラクが大量破壊兵器をもっていると因縁をつけ、国連安保理の決議を経ずに武力攻撃を行いました。無辜の民が多数犠牲になりましたが、結局、イラクからは大量破壊兵器が見つからず、中東を大混乱に陥れただけに終わり、オバマ政権はイラクから撤退しました。

当時の日本は、このイラク攻撃を支持しました。しかし、イラク攻撃は、国連安保理の決議を経ていない武力行使ですから、国際法違反の「侵略」です。最近、集団的自衛権だの、憲法改正だのといった議論がありますが、日本は、十年前に、現行憲法はもちろん、憲法改正しても認めないであろう「侵略」にあっさり賛成していたのです。このときも、日米関係が理由でした。

日本というのは、日米関係のためなら、侵略への加担もOKだという国なのです。ならば、TPPごとき、日米同盟のためなら安いもんだということです。

私が、TPPにむかつくのは、それが国益を損なうからだけではありません。TPP推進論の背景にある国家観が、このように腐りきっているからです。その腐臭(これは「ふしゅう」でOK)が、麻生大臣の「衝撃と畏怖」発言から漂ってくる。「こいつはくせえッー!ゲロ以下のにおいがプンプンするぜッーーーーッ!!」

しかも、この発言は、麻生大臣が後生大事にしている日米関係をも傷つけるものです。

なぜなら、イラク攻撃は、アメリカにとっても、触れてもらいたくない汚点だからです。
「衝撃と畏怖」は禁句なのです。

それなのに、麻生大臣は、ボストンの爆破事件でテロの記憶がよみがえっているアメリカで、何という配慮のない発言を・・・。

外交とは国家と国家のつきあい。ですから、国家観が腐っていると、外交にも失敗するのです。

この講演で麻生大臣は、正しいことも言ってはいますが、そんなことは、もうどうだっていい。国家観が腐っていることが分かってしまった以上、何の慰めにもなりません。もっとも、株価の上昇に浮かれる日本人たちは、そんなこと気にもしないんでしょうけど。

麻生大臣、靖国に参拝したそうですが、いったい、どの面下げて英霊の前に行ったんだよ。行くなよ。

「おかしいことはおかしい」

「ならぬことはならぬ」

中野剛志氏のように、「正直な子ども」として声を上げることは、未来の日本人に対して私たちが果たさなくてはならない責任です。

過去の日本人も、未来の日本人も、今の状況に対して声を上げる事はできません。

今声を上げて、国が消え去ろうとするこの流れを変えることができるのは、この時代に生を受けている私たちしかいないのです。

その責任をしっかり果たそうではありませんか。

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「キミらを終わらせるのは造作もないこと」

在日の大学教授がエジプト人のタレント、フィフィさんを脅迫したという話題が持ち上がっていますが・・・

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それに便乗したのか、フィフィさんにツイッターで絡んでいる在日と思われるこの人物。

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「フィフィ」さんと、「リチャード・コシミズ」と「天河内破邪」という人物と「WJFプロジェクト」を並べていますが、一体、この四者は、この人物の頭の中で、どうつながっているのでしょうか。

●フィフィさん・・・生活保護の件で在日を批判していた
●リチャードコシミズ・・・陰謀論者
●天河内破邪・・・調べたらネトウヨを叩いている人物
●WJFプロジェクト・・・中国や韓国の反日プロパガンダに反証を行っているが、最近はTPPや安倍政権を批判している。

WJFプロジェクトは、ことさら在日叩きをした事はないのですが、安倍政権を叩いたら、在日が怒りだす理由がよくわかりません。

こちらには「上」がいるってことを、お忘れなく。

とのことですが、はて、「上」とは誰のことでしょうか。

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2013年4月24日 (水)

TPP反対の声をあげることこそが、「戦後レジーム」からの脱却につながる

窮すれば則ち変じ、変ずれば則ち通ず。(窮則變、變則通。)

「四書五経」の一つ、『易経』の中の言葉です。

「情勢が行き詰まってどうにもならなくなると、変化が起きる。変化が起きれば、行き詰まりを打破する道が自ずと開かれる」という意味です。

今、日本は、文字通り行き詰まっています。

失政と迷走を重ねた民主党政権がようやく終わり、期待と喝采の中で生まれた安倍自民党政権。

暗黒の時代をくぐり抜けて、やっと私たちは光を手にしたはずでしたが、事もあろうか「愛国・保守」の権化として鳴り物入りで生まれたこの政権が、日本の歴史上のいかなる政権をも遥かに凌駕する売国政権であることが、日に日に国民の目に明らかになりつつあります。

さりとて、他にどんな現実的な選択肢も残されていないわけですから、これを行き詰まりと呼ばずして何と呼びましょう。

しかし、私は、まさにこの行き詰まりこそが、長かった「戦後レジーム」に終わりを来らせ、新しい時代の扉を開けるきっかけになるものだと思います。

戦後68年、(サンフランシスコ講和条約発効からは61年)。どうしてこんなにも長い間「戦後レジーム」は続いてきたのか。

それは、単純に言えば、居心地がよかったからです。

変化しなくても、どうにかやってこれたからです。

あるいは、ちょっと困ったことがあっても、カタログの中から他の商品を選ぶように、別の政党を選んでいれば済んでいたからです。

わざわざ「戦後レジーム」から脱却する必要がなければ、誰もそこから脱却しようとしないのは当然のことです。

もう一つの理由は「戦後レジーム」の中に、そこから抜け出すことを私たちにあきらめさせるような仕掛けがあらかじめ仕組まれていたことです。

その仕掛けを「冷戦構造」といいます。

周りを恐ろしい敵対的な勢力にとり囲まれ、またそのことが過剰に強調され、その恐ろしい敵から守ってもらうためには、「戦後レジーム」の中に留まらざるをえないのだ、「戦後レジーム」から抜け出すことは死を意味するのだ、と私たちは長く刷り込まれてきました。

しかし、今は違います。

「戦後レジーム」から抜け出すことが、死を意味するのではなく、「戦後レジーム」にこれ以上留まることが、死を意味するような状況に私たちは追い込まれています。

文字通り、私たちは「窮している」のです。

民主党を選んでもだめ。自民党を選んでもだめ。サヨクを選んでもだめ。ウヨクを選んでもだめ。

既成のどんなものを選んでも解決できない、本当の行き詰まりに私たちは直面しています。

しかし、そうであるからこそ、

窮すれば則ち変じ、変ずれば則ち通ず。

ここから、本当に新しい道が開かれていくチャンスが、今、生まれつつあるのだと、私は思います。

その第一歩は、TPPに対して大きな反対の声を上げることです。

「おかしいことはおかしい」、「ならぬものはならぬ」と安倍政権に対して、はっきりと批判の声を上げる事です。

そして、冷戦的二極的思考から脱し、右でも左でもない、第三の新しい道しかもはや日本を救う事はできないという事実に多くの日本人が気づくという変化が起きたときに、「戦後レジームから」の脱却は自ずと果たされていくのだと思います。

よく、私に聞いてくる方がいます。

「自民党がだめなら、どの政党を選べばいいんだ。」

「安倍さんがだめなら、他に誰がいるんだ。」

この問いに対する答えは、カタログから選ぶように「この政党を選べば解決する」「この政治家を選べば解決する」というような政党や政治家は一つも存在しないということです。

どの政党や政治家を選んだとしても、それは解決にはなりません。

これが「窮している」ということの意味です。

本質的な変化が起きるためには、私たちは、徹底的に「窮する」必要があります。

徹底的に窮して初めて、新しい道が開けてくるはずです。

他に解決がないからといって、自民党や安倍政権をこのまま支持し続けることが許されないのは言うまでもありません。

自民党と安倍政権は、明らかに、TPPや道州制を通して、国家の死をもたらそうとしているからです。

「自民党しかないじゃないか」

「安倍さんしかいないじゃないか」

そのような「戦後レジーム」的なモラトリアムにぬくぬくとうずくまり続ける時間の余地は、もう私たちには残されてはいません。

窮しながら変じていくしか、もう他に道はないのです。

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【正直な子ども5】ブログ・日本の面影さん: 「安倍と自民党なんて、パッパラパー集団」

アンデルセンの童話『裸の王様』に登場する「正直な子ども」のように、「おかしいことはおかしい」とはっきり声をあげて、安倍政権の問題点を啓発してくださっている様々な方たちを、紹介しています。

フェミニズムを始めとする左翼思想を批判してこられたブログ「日本の面影」も、「おかしいことはおかしい」と安倍政権を批判する声をあげています。

フェミ政策全力推進! やっぱ、安倍ってパッパラパーだろ!~ 安倍と自民党なんて、パッパラパー集団だってことがよくわかった!


安倍首相がすべての上場企業へ女性役員の登用を求める (2013.4.20 読売新聞)

安倍首相がすべての上場企業に対して女性を役員とするように求めたことで、今後、産業界で登用の動きが加速するとみられる。ただ、製造業を中心に「役員適齢期」の女性社員がいない企業も多く、難しい対応を迫られそうだ・・・

◆     ◆     ◆     ◆     ◆     ◆    
安倍首相がすべての上場企業に女性役員の登用を要請。こんなこと企業にまかせてればいいことなのに、国が介入してやらせるようなことじゃないでしょうが。もう、自民党は共産党にでも名前を変えるべき。いい加減、目を醒ませよ、信者ども。今は民主党以上に恐ろしい極悪カルト革命政権だよ。そして奴らは女を使ってすべてを操ろうとしてる。女を武器にした圧力で。安倍なんて、ただのパッパラパー操り人形。死ね死ね団の幹部がどうして女ばかりだったのか、今になってよくわかってきた気がする。河内康範の先見の明の凄いこと。

(中略)

私はこれまで安倍さんに少しは期待してる部分があって政治的な内容は控えてたけど、今の自民党と安倍を支援してる勢力も、これでハッキリわかった。ネット上で騒いでる安倍マンセー隊なんて、完全にあっち側じゃん(左翼)。今の自民党なんて偽装保守集団もいいところ。

奴らは女を外で働かせ、女から家庭や子供・子育てを奪い、拝金主義の奴隷にしたいだけなんだね。日本の経済成長のため、女も赤ちゃん生んで3年経ったら仕事しろですか、主婦やってて子供が大きくなったら起業しろですか、ハイハイ。こんな発想してること自体、とても正気に思えないし、そうなるともちろん家族解体も加速、男の居場所も完全に圧迫されることになります。こんなので喜んでる女なんてパッパラパーだよ。こんなデタラメ、インチキ偽装保守政権を批判せずにはいられない。こんな奴らだから、バカげたダンスの必修化に反対するどころか、大いに進めようとするわけだ。民主党政権で景気が冷え込んだのは私もよくわかってるけど、だからといって未だにバカの一つ覚えで「(むやみやたらに)経済成長を!」なんて言ってる奴も、ほとんどバカ。

加えて名前からしてアホ丸出しの「クールジャパン戦略」・・・違法ダウンロード刑罰化の時から、金貸しオリックスの取立て代理人やってる稲田朋美なんて完全に某金融勢力筋の手先、役立たずパッパラパー弁護士だってわかってたけどね。しかも日本文化を商業化するなんて発想も輪をかけてパッパラパーの証し。大体、あっちのK-POPの方も韓国文化とは何の関係もないし、あんなもの引き合いに出してる時点で文化が何たるか何一つわかってないことがわかるし、加えてAKB 秋元康なんかをブレーンとして進めてるなんて・・・着物貶めオール日本人パッパラパー家畜化、日本文化破壊・金儲けプロジェクトとでも言いかえるべき。安倍さんの取り巻きが悪く、そのせいとも言えるんだろうけど、本人もパッパラパーでは致し方ない。

そもそも「女性が働きやすいように」「女性が起業しやすいように」・・・大体こんなスピリチュアル的な甘い言葉使って女性優遇で働かせたり起業させようとしてること自体、歪な思考回路の偏狭脳の持ち主だってバレバレ、莫大な利権と直結してることも。全部国のカネ、税金からですよ。これから男性の就職難はますますひどくなり、デタラメのインフレ政策で、その実態は経済成長どころか経済収縮から崩壊、これから日本はメチャクチャになっていくでしょう。家族崩壊も凄まじいものに。もちろん、そのあげく「移民を進めよう」なんてのも既定路線。イメージ的には、偏向した経済成長路線を狙ってフェミ旋風が吹き荒れ、現在、女性閣僚ばかり、経済・王室崩壊中のスペインがわかりやすい。

安倍政権は、「民主党以上に恐ろしい極悪カルト革命政権」。

「これから男性の就職難はますますひどくなり、デタラメのインフレ政策で、その実態は経済成長どころか経済収縮から崩壊、これから日本はメチャクチャになっていくでしょう。家族崩壊も凄まじいものに。もちろん、そのあげく『移民を進めよう』なんてのも既定路線。」

おっしゃる通りだと思います。

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2013年4月22日 (月)

三橋貴明、この救いがたき厚顔無恥

麻生太郎による「予定通り消費税増税を行う」という先日の発言を受けて、消費税増税についてはきちんとまとめようと記事を準備していましたが、下の三橋ブログの記事を読んで、現在、はらわたが煮えくり返っています。

三橋貴明ブログ: 2013年4月22日 麻生太郎財務大臣の寄稿
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11516019702.html

TPP交渉参加に向けた安倍政権の動きを報じる記事がでるたびに、さんざん「マスコミの飛ばしだ」、「安倍さんはバスが出るのを待っているだけだ」ととぼけて、読者を欺き続けてきた三橋貴明。

三橋貴明の言葉を素直に信じて、安倍晋三はTPP交渉参加を行わないだろうと、TPP交渉参加に反対する声をあげることを控えた人たちがどれだけ多くいたことでしょうか。

三橋貴明は、TPPに反対するそぶりを見せながら、「政府がTPP交渉参加に踏み切ることのないように、気を緩めることなく反対の声を挙げていきましょう」と人々に警告を発する代わりに、むしろTPPに反対する声が上がらないように、世論をミスリードしていたわけです。

この男は、3月15日に行われた安倍晋三によるTPP交渉参加表明の前々日の3月13日にすらも、下のようなとんちんかんな記事をあげて、安倍晋三が二日後にTPP交渉参加表明を行うと報じたマスコミの記事は、「飛ばしだ」と決めつけてとぼけていました。

●三橋貴明ブログ: 2013年3月13日 TPP交渉参加「表明」問題

(前略)3月15日に、新聞報道によると何度目になるか分からない「安倍首相、TPP交渉参加表明」があるとのことですが、一体、安倍総理は何回「交渉参加表明」とやらをやればいいんでしょうか。

散々に「交渉参加表明!」の見出しの記事を書いて、実は「政府関係者」と称する自民党推進派のミスリードだったり、経済産業省の飛ばしだったりを繰り返してきたわけですが、いい加減に日本の新聞やテレビも「学習」した方が良いのでは。

とはいえ、さすがに少しは学習したようで、今回の3月15日の件は、ちょっと見出しが面白い。(※例により、今回もソースは「政府関係者」)

『NHK 首相 15日TPP交渉参加表明を検討
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130313/k10013158911000.html 』
『産経新聞 交渉参加、15日に表明 首相調整
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130313/stt13031301400000-n1.htm 』
『朝日新聞 TPP交渉参加、15日に正式表明へ 首相が意向固める
http://www.asahi.com/politics/update/0313/TKY201303120555.html 』
『読売新聞 安倍首相、TPP交渉参加を15日に表明
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130312-OYT1T01637.htm 』

以前は全新聞が「交渉参加表明!」と断定的に書いていたのが、今回は「検討」だの「調整」だの、ワンクッション置くところが出てきています。朝日新聞の記事によると、今回の「表明」の元ネタは、「安倍晋三首相は15日に環太平洋経済連携協定(TPP)への交渉参加を表明する意向を固め、自民党幹部に伝えた。」とのことでございますので、例により参議院議員S氏である可能性が高いと思います。(「自民党幹部」が)

あのね、新聞記者さんね。いい加減に「政府関係者」「自民党幹部」に騙され続けるのはやめにして、安倍総理本人の発言を取ってきて、国民に伝えてくれませんか。それが新聞記者の仕事でしょうに・・・・。

しかし、実際には、マスコミの報道は「飛ばし」でも何でもなく、報道された通り、3月15日に安倍晋三によってTPP交渉参加表明が行われたことは、みなさんのご存知の通りです。

「学習」しなければならないのは、マスコミではなく、三橋貴明自身なのですが、三橋貴明は、TPPに関して「マスコミの飛ばしだ」とさんざん偽りの情報をばらまいてきた自分の誤ちを認めないまま、性懲りもなく、今度は、「予定通りに消費税増税を行う」という麻生太郎財務大臣の発言を報じた記事が「マスコミの飛ばしだ」というのです。

●三橋貴明ブログ: 2013年4月22日 麻生太郎財務大臣の寄稿

『Japan is fighting back at stagnation By Taro Aso
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/c9a2398a-a816-11e2-8e5d-00144feabdc0.html
(前略)
The second risk, of a “bad” rise in interest rates, could materialise if monetary easing is not accompanied by fiscal consolidation. That is not our plan. With public debt now more than 200 per cent of GDP, policy makers have a sense of urgency about this issue. There was bipartisan support last summer for an unpopular rise in the consumption tax. We stand by our international commitment to fiscal consolidation. Japan will halve its primary deficit by 2015 and resolve it by 2020. I intend to raise the consumption tax, as scheduled.
(後略)

(三橋の超訳)
二つ目のリスク、金利の「悪い形」の上昇は、金融緩和が財政再建を伴わない場合に顕在化する。それは我々の計画にはない。政府の公的負債が対GDP比200%以上、政策担当者は本問題について切迫感を持っている。

昨年夏、不人気な消費税増税について三党合意(超党派のサポート)があった。我々の財政再建に対する国際的なコミットメントは成立している。日本は2015年までに主要な財政赤字を半減し、2020年までに解決する。私は消費税を「予定通り」に上げるだろう。』

予想通り、「三党合意」を踏まえた「将来的な財政再建のために、予定通りに消費税をアップするだろう」という発言でございました。これまでの政府答弁と同じで、別に「踏み込んだ」わけではありません。

これは良い面と悪い面があると思いますが、現在の安倍政権は民主党政権とは違い、政府関係者(政治家のみならず、官僚も)の発言について非常にセンシティブになっています。何しろ、民主党政権下では政府関係者どころか、閣僚までそれぞれが勝手な発言をし、話を混乱させることを続けていました。

というわけで、現在は政府関係者に対し「発言に注意するように」という指示が出されているようです。麻生財務大臣とはいえ、消費税増税のような重要事項について、政府答弁とは異なる発言をすることはないと思います。安倍総理は、消費税については「4月-6月の景気動向を見て判断する」としか発言しません。法律がそうなっている以上、当たり前なのですが。

要するに、時事通信の記者が英語のニュアンスを活用し、勝手に、「こうした政府方針から一歩踏み込んだ形だ」と報道することで、財務省の犬として増税路線を既成事実化しようとしているわけです。この種のミスリードが、今後は続々となされることになるでしょう。

三橋は、"primary deficit"を「主要な財政赤字」と訳していますが、「プライマリーバランス(基礎的財政収支)の赤字」のことです。

三橋貴明は、デフレ下での増税や財政再建を批判してきたはずですが、2020年までのプライマリーバランスの黒字化にまで言及して「財政再建重視派」に転じたかに見える麻生太郎の発言を三橋は批判しません。

こちらのロイターの記事によれば、4月22日の経済財政諮問会議では、民間議員による2020年までのプライマリーバランスを黒字化すべきとの提言に対して、麻生太郎は、むしろ「GDPを伸ばすことが重要だ」と述べており、政府内の「財政再建重視派」を牽制して「黒字化目標先送り派」としての面目をかろうじて保っているかに見えます。しかし、安倍晋三自身は、参院選後に公表される『骨太の方針』に財政健全化の具体的な道筋を明記するように指示しています。TPPに参加し、財政健全化を目指し、消費税増税を敢行しながら行う「アベノミクス」は、もはや三橋の語ってきたものとは全く別物になってしまっています。つまり、当ブログが以前から述べてきたことですが、安倍政権にとって、「デフレ脱却」というスローガンは参院選に向けた釣り餌に過ぎず、本気でやる気は最初からなかったということです。

ちなみに、麻生太郎は、昨年の末には次のように「景気が悪い中では消費税率は上げない」と述べていました。

消費税「景気悪い中では上げない」 麻生財務相

麻生太郎財務相兼金融担当相は27日未明、財務省で記者会見し、2014年4月に予定している消費税率の8%への引き上げについて「景気が悪い中では上げない」と述べ、景気動向によっては増税の先送りもあり得るとの認識を示した。予定通り増税するかは、来年10月までに最終判断する方針を明らかにした。

麻生財務相は、消費税増税の条件である「経済状況の好転」を達成するため、大規模な2012年度補正予算案を編成する必要があると強調。「政権が変わり、経済対策、デフレ不況対策、雇用対策に前向きになったと思ってもらえる補正予算を組むのが(増税の)大前提だ」と述べた。

麻生氏は、補正予算を来年1月半ばに閣議決定する日程を示した上で「公共事業は全て悪だという発想は間違っている」とし、減災・防災対策を補正予算案の柱に据える考えを表明した。 (2012.12.27 08:38 産經新聞)

また、3月に、麻生太郎は、アベノミクスによる2%のインフレ・ターゲットの達成は「そんなに簡単にはいかず」数年かかる見通しだと語っていました。

財務相、物価目標2%「そんな簡単にはいかない」 参院財金委

麻生太郎副総理・財務・金融相は21日午後の参院財政金融委員会で、政府と日銀の共同声明に盛り込んだ物価安定目標2%について「デフレーションからインフレーションに戻して、いきなりそこまでいくというのはなかなか簡単な話ではない。20年続いた一般人の気持ちがいきなりインフレに変わるのは、そんなに簡単にはいかないという前提で考えている」との認識を示した。

日銀の岩田規久男副総裁は就任前、5日の衆院議院運営委員会の所信聴取で「2年で達成できる」と述べたが、麻生氏は「私自身は『やっぱり学者というのはこんなもんかいな、実体経済がわかっていない人はこういう発言をするんだな』と正直思った」との感想を述べた。

みんなの党の中西健治氏への答弁。(2013/3/21 14:00 日経新聞)

つまり、「景気が回復しない間は消費税を上げない(昨年末)」「景気が回復するのには数年かかる(3月)」と麻生太郎は述べてきたわけですから、この二つの発言を考え合わせれば、普通は「消費税増税は数年後」ということになるはずです。

しかし、麻生太郎は、今回「 I intend to raise the consumption tax, as scheduled. (私は予定通り消費税を増税するつもりである)」とフィナンシャル・タイムズに寄稿し、4月22日の参議院予算委員会での自民党の山東昭子氏の質問に対する答弁でも、

「基本としては(来年4月から)上げられる情勢にしたいと考えている」
(ロイター2013年4月22日)

と述べています。

「踏み込んでいる」と報じたマスコミの記事はミスリードでもなんでもなく、今回の報道に「飛ばし」の要素は微塵もありません。

そもそも「マスコミの飛ばしだ」という推論は、「TPPや消費税に安倍政権が消極的であり、その一方でアメリカや財界の圧力の下に置かれているマスコミが世論をあおっている」という前提がある場合に成り立つのですが、日米事前協議の合意内容が公開されることでこれまで以上に明らかとなった安倍政権の異様なまでの対米隷属的な姿勢、売国的な姿勢、TPPを始めとする構造改革に積極的にのめり込む姿勢を、三橋貴明自身も最近ようやく腫れ物にさわるかのようにやんわりと批判しはじめていたはずです。

それなのに、「マスコミの飛ばしだ」という常套手段をふりかざして、事実を偽りで覆い隠し、ふたたび安倍政権の擁護を計るというのは、自己矛盾も甚だしい。

ちなみに、「予定通り」というのは、来年の4月に8%、再来年の10月に10%に消費税増税を行うと定めた、昨年の8月に成立した消費税増税関連法に定められた予定の通りという意味です。

この消費税関連法には、消費税増税を行う前提条件を定めた、次のような「景気条項」と呼ばれる附則が付けられています。

社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律

附 則
(消費税率の引上げにあたっての措置)

第十八条 消費税率の引上げに当たっては、経済状況を好転させることを条件として実施するため、物価が持続的に下落する状況からの脱却及び経済の活性化に向けて、平成二十三年度(注・2011年年度)から平成三十二年度(2020年度)までの平均において名目の経済成長率で三パーセント程度かつ実質の経済成長率で二パーセント程度を目指した望ましい経済成長の在り方に早期に近づけるための総合的な施策の実施その他の必要な措置を講ずる。

2 この法律の公布後、消費税の引上げに当たっての経済状況の判断を行うとともに、経済財政状況の激変にも柔軟に対応する観点から、第二条及び第三条に規定する消費税率の引上げに係る改正規定のそれぞれの施行前に、経済状況の好転について、名目及び実質の経済成長率、物価動向等、種々の経済指標を確認し、前項の措置を踏まえつつ、経済状況等を総合的に勘案した上で、その施行の停止を含め所要の措置を講ずる。

しかし、これは、あくまで「努力目標」に過ぎないと、自民党、公明党、民主党による三党合意文書の一つ「税関係協議結果」(www.dpj.or.jp/download/7219.pdf)に明記されています。

また、そもそも「景気条項」が消費税増税の条件として定める「努力目標」の数値は、厳密には「インフレ率2%」ではなく、「経済成長率名目3%、実質2%」です。インフレ率2%の実現には、麻生氏の言う通り時間がかかりますが(あるいは実現できない)、名目の経済成長率は実は、政府の支出をふやして名目GDPの数値を増やせばいとも簡単に実現できてしまいます。

実は今年1月に、安倍政権は、「緊急経済対策」を閣議決定して、約10兆円の(つまり約500兆円の日本の名目GDPに対して2%に相当する額の)財政出動を決めており、機械的に、名目GDPで2%に相当する押し上げは、すでに行われることになっています。

安倍政権は、「景気条項」を満たすために、周到にGDPの2%に相当する「10兆円」の緊急経済対策を決定し、消費税増税への布石を敷いたと見なすことも可能です。

もちろんインフレ率2%の実現を目指す「アベノミクス」そのものも、「景気条項」の言う、「名目の経済成長率で三パーセント程度かつ実質の経済成長率で二パーセント程度を目指した望ましい経済成長の在り方に早期に近づけるための総合的な施策の実施」に相当するものとして計画されているはずです。

「聖域なき関税撤廃を前提とするかぎりTPP交渉には参加しない」という安倍政権の公約の周到さを合わせて見ても、このように、一つ一つのステップが、かなり早い段階から極めて緻密に計画されていることが伺えます。次のようなシナリオです。

三党合意→消費税増税関連法成立→衆議院解散→安倍政権成立→金融緩和と財政出動(アベノミクスの二本の矢)への期待→円安・株高→高い支持率→参院選勝利→TPP・道州制・規制緩和・構造改革(アベノミクスの三本目の矢)→財政再建主義への転換→消費税増税→憲法改正

つまり、安倍政権にとって来年の4月に「予定通り」消費税増税に踏み切る条件は、既に整っています。今回の麻生太郎の発言の通り、参院選が終われば、安倍政権は「予定通り」、来年の4月に8%、再来年の10月に10%へ消費税増税を行うことは確実です。少なくとも安倍政権が消費税増税をためらう理由は何もありません。むしろ、参院選の後、三年後に控える次の衆議院選挙が近づく前にとっととやってしまった方が、彼らには好都合です。

しかし、参院選前は、なるべく「予定通り」消費税増税に踏み切ることを国民に気づかれないようにしたほうが好都合です。三橋貴明は、今回の報道を「マスコミの飛ばし」と決めつけることによって明らかに国民を欺き「インチキな仕立て屋」の役割を演じています。

三橋貴明は読者をバカだと思って、平気で読者を欺くような矛盾したことを書いているのか。

あるいは三橋貴明ブログの読者は、本当に三橋貴明が書いていることのおかしさに気づかないような人たちばかりなのか。

どちらなのでしょうか。

私がもどかしく感じるのは、三橋貴明が表向きTPPに反対している言葉に欺かれて、彼が「本物のTPP反対派」だと錯覚してしまっている人たちが今もたくさんいることです。

今年の1月1日に、WJFは、安倍政権はTPP交渉参加に踏み切ると皆さんに警告を発し、その通りの展開になりましたが、再度みなさんに警告します。

安倍政権は、「予定通り」来年の4月に8%、再来年の10月に10%の消費税増税を行います。これはTPP参加と同じく既定路線です。これは、TPPについて皆さんに警告したときもそうなのですが、予言でも何でもなく誰でも分かる当たり前の簡単な事実です。だって財務大臣自身がそう国際社会に対して公約しているのですから。

つまり、「アベノミクス」による景気回復は、参院選に向けて有権者の目を欺く時限的なものであり、参院選が終われば、「デフレ脱却」どころか、ふたたび、増税による大変な景気減速に陥るのです。

アベノミクス(金融緩和と財政出動)が本当に功を奏しすぎて、日本の名目GDPが再びぐんぐんと成長してアメリカのGDPに肉薄するようなバブル期と同じようなことが起きては、彼らとしては、むしろ困るのでしょう。

三橋貴明個人にとっても、自分がさんざんもちあげてきた「アベノミクス」の実際の姿が、自分が語ってきたものとは全く違うものであることが、読者にばれてしまうため、消費税増税を予定通り行うという麻生太朗の国際公約は大変不都合なのだと思われます。

『アベノミクスで超大国日本が復活する! 』などというインチキな本も絶賛発売中です。

菅義偉官房長官が「アベノミクス」の第三の矢とはTPPのことだと発言しているので、三橋の誤りは、既に明らかになってはいるのですが。今後財政再建路線が明記された「骨太の方針」が出され、消費税増税が予定通り行われたときに、三橋貴明は言論人として何を語るのでしょうか。

TPPと同じく、消費税増税に関しても、三橋貴明のように、参院選にむけて事実をごまかそうとしたり目をそらさせようとする、さまざまな「インチキな仕立て屋」が現れるはずですから、彼らの言葉に騙されないようにしてください。

1997年に橋本龍太郎政権が消費税を3%から5%に増税して以来、日本は本格的なデフレに突入し、自殺者が急増。以来、昨年まで年間自殺者が3万人を下る年はありませんでした。

G01

参院選で自民党をこのまま勝利させれば、文字通り、大変な地獄が私たちを待ち受けています。

本当に、日本が壊れるか、自民党が壊れるか。

二つに一つしかない状況に私たちは追いつめられています。

いまだに「自民党しかない」「安倍さん以外にいない」と思い込んでいる人たちは、事実を直視して、早く目を覚ましてください。

(4月23日追記)

三橋ブログの4月23日の記事に、三橋貴明は次のように書いています。

三橋ブログ4月23日;「国家は破綻する」論文のウソ
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11516654424.html

彼らは単なる「詐欺師」である可能性が濃厚です。 それにしても、開いた口がふさがらないとはこのことです。

それはこちらの台詞です。本当に開いた口がふさがりません。

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【正直な子ども4】ポン吉のブログー反TPP宣言ー: 「夢から覚めて」

アンデルセンの童話『裸の王様』に登場する「正直な子ども」のように、「おかしいことはおかしい」とはっきり声をあげて、安倍政権の問題点を啓発してくださっている様々な方たちを、紹介しています。

当ブログにもときどきコメントをくださるポン吉さんもブログ「ポン吉のブログー反TPP宣言」を運営して、安倍政権の危険性を啓蒙してくださっています。

安倍政権のやっている(やろうとしている)こと

●産業競争力会議等の新自由主義者オールスターズによる構造改革

●TPP交渉参加と大幅譲歩

●TPPと平行しての日米構造協議

●道州制の推進

●アベノミクス特区

●旧太陽ではなく橋下徹(新自由主義)派への接近

もう十分じゃないですか?

安倍総理は過激な新自由主義者ですよ。

因みに新自由主義と愛国は彼らに言わせれば矛盾しないですよ。

日本社会をアメリカ流に構造改革することが日本の国益だと本気で考えていますから。

そろそろ目を覚ましましょうよ。

夢から覚めて、ポン吉さんのように、「おかしいことはおかしい」と声を挙げてくださる方が増えていきますように。

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【正直な子ども3】ブログ・まさか、右翼と呼ばないで!さん: 「安倍晋三よりマシな政治家しか居ない」

アンデルセンの童話『裸の王様』に登場する「正直な子ども」のように、「おかしいことはおかしい」とはっきり声をあげて、安倍政権の問題点を啓発してくださっている様々な方たちを、紹介しています。

まさか、右翼と呼ばないで!の八重垣姫さん。

舌鋒鋭く、安倍政権の問題点を日々批判してくださっています。

ブログランキング上位の保守の立場を標榜するブログで、安倍政権を批判するブログはとても数が限られていますので、貴重なブログです。

コメント欄も盛り上がっており、「正直な子ども」の勢力が日に日に増えている事を感じさせます。

その中で次のようなコメントを見つけました。

安部よりマシな政治家は居ないであろう!と言った質問に対して、どなたかが、安部が最もダメであり、安部よりマシな政治家しか居ないであろう!との様な反論をしておりましたが、適切な反論ですね、つくづく安部政権が、売国行為の激しい政権である事を認識できる政策が、また一つ・・・。

by: さんずい * 2013/04/21 17:44

「安部よりマシな政治家しか居ないであろう」

おっしゃる通りです。

安倍政権以上に、緻密に、狡猾に、巧妙に、計画的に、高速に、壮大に、広範囲に、大規模に、ありとあらゆる売国を行う政権は日本の歴史上いまだかつて存在していません。

まるで売国に命を捧げているかのように、駆り立てられるかのように国を売る、かくも狂気に彩られた邪悪で奇怪な政権が、「愛国・保守」の権化のごとく神格化され、多くの国民の支持や信奉を集めている現在の状況は、改めて異常な事態であると申し上げずにはおれません。

よく「民主党よりはまし」などといっている人がいますが、民主党のやっていた売国など、安倍政権の行っている売国に比べたら子どものお遊戯程度のものです。

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【正直な子ども2】ニコニコ動画・夜空☆*:.。さん: 「大橋巨泉も語る安倍晋三のいかがわしさ」

アンデルセンの童話『裸の王様』に登場する「正直な子ども」のように、「おかしいことはおかしい」とはっきり声をあげて、安倍政権の問題点を啓発してくださっている様々な方たちを、紹介しています。

ニコニコにも、安倍政権に対して疑いを抱く方が増えてきているようで、「夜空☆*:.。」という方が次のようなコメントともに大橋巨泉氏のあるラジオ番組の中での発言を動画にしてアップされています。

安倍晋三に夢中になり、安倍さんの行動、言動を全肯定してきた私ですが、さすがに、あやしいのではないかと思いはじめました。批判はあるでしょうけれど、みなさんも多少はおかしいと思っているのではないですか?

言っていることと、実際にやっていることとが違っている。これにつきます。

安倍さんが強い日本を取り戻してくれる。この夢から目覚める日は意外と近いですよ。集団的自衛権を認める法改正は北から韓国を守る為なのではないかとすら、考える今日この頃です。

大橋巨泉氏は次のように語っています。

・・・それと、TPPに積極的でしょ。自民党はTPPに反対だったんだけれど、今、とにかくやっぱりアメリカの言う事何でも聞く。それでいて、言っている事は、何言っているかと言ったら、日本人は昔から生まれたふるさとを大事にして、そして道徳心のある国だった。日本人としてのアイデンティティーを守るために教育基本法も変えるし、憲法も変えるしって言っているわけ。それとTPPに参加するってことは180度違うことでしょ。ふるさとを大事にして日本人のアイデンティティーを守るんであれば、TPPに入っちゃいけないんですよ。あれは、ふるさとも捨て、全部捨てて、弱肉強食のグローバル経済に入っていくというのがTPPだから。だからそう言うんなら、僕は安倍さんを信用する。だけどそうは言わないのよ。もう、必ず、ふるさとを大事にして、道徳心を大事にして、愛国心をもって、って言いながら、陰では、陰ではって言うか、TPPに参加するでしょ。だけどTPPに参加したら、日本人は、僕は、そのとき悔やんでも遅いと思う。なぜかというと、あれは、アメリカが中心だし、さっき言った、弱肉強食なんですよね。・・・(6:22)

大橋氏の言う通りであり、安倍晋三が、日本のグローバル化を推進することの正当性や必要性を国民に対して正々堂々と訴えた上で、選挙に勝ち、TPP交渉に参加したのなら、この男はまだ評価できたかもしれません。

しかし、安倍晋三という男のいかがわしさは、「戦後レジームからの脱却」だとか、「日本を取り戻す」だとか、「瑞穂の国の資本主義を守る」だとか、「聖域なき関税撤廃を前提とする以上、TPP交渉には参加しない」だとか、およそTPP交渉に参加する方向とは180度正反対の言葉を並べておきながら、はずかしげもなくTPP交渉参加を表明したという点にあります。

このように、安倍政権の発するメッセージや政策の中に、気持ちの悪いほどの自己矛盾(ダブルバインド)が見られる理由は、

(1)大橋巨泉氏が言うように安倍晋三という男が頭が悪いために自己矛盾に気づかないのか。
(2)シナリオを書いている集団が、洗脳手段として、意図的に矛盾したメッセージを盛り込んでいるのか。
(3)新自由主義が、新保守主義と本来的に結びつきやすいという性質によるものなのか。
(4)TPPの実態がひどすぎて、国民に本当のことを語れないのか。

皆さんは何が理由だと思いますか?

それにしても上の動画に寄せられているコメントはひどい。安倍政権が、

言っていることと、実際にやっていることとが違っている。

という大橋巨泉氏も、動画のアップ主である「夜空☆*:.。」さんも気づいている単純な事実に、彼らは、本当に気づいていないのでしょうか。

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2013年4月21日 (日)

【正直な子ども1】ブログ・神州の泉さん: 「日本をグローバル勢力から守ろうとしていた中川昭一氏」

アンデルセンの童話『裸の王様』に登場する「正直な子ども」のように、「おかしいことはおかしい」とはっきり声をあげて、安倍政権の問題点を啓発してくださっている様々な方たちを、紹介しています。

TPPや、新自由主義、グローバリズムの問題について有益な記事をあげてくださっているブログ「神州の泉」から引用させていただきます。

「神州の泉」を運営されている高橋博彦さんは、共著で出版されている著書、国家は「有罪(えんざい)」をこうして創るのamazonのページに掲載されているプロフィールによると、「1952年、秋田県生まれ。長年にわたり石油化学プラントや機械装置類の設計に携わる。ブログ『神州の泉』を主宰し、在野の言論人として『本来あるべき日本のかたち』を問いつづけ」ていらっしゃいます。

TPP推進派は国を売る奴(やっこ)、文字通り売国奴だ

良識ある国民は安倍総理とそれに従う大多数の自民党員たちを、売国奴ども、あるいは国賊どもと決めつけても全く構わない。そのように呼ぶ以外に適当な表現がないからだ。売国奴とは文字通り国を売ってしまう奴(やっこ)のことであり、下衆人間の代表格だ。国賊とは国家を害する奸賊(かんぞく)であり、売国奴と同義である。

安倍総理が2月22日に日米首脳会談に出席した直後の安倍首相の国内記者会見では、「交渉参加に際し、一方的にすべての関税を撤廃することをあらかじめ約束することを求められるものではない」が確認できたことを金科玉条のように取り上げた。昨年12月の総選挙で自民党が公約した「J-ファイル2012」中の「109自由貿易への取り組み」TPP関連6項目の一番目、『①政府が、「聖域なき関税撤廃」を前提にする限り、交渉参加に反対する。』は、安倍首相がオバマ大統領から確認したこととして「聖域なき関税撤廃」が前提でないことを確認できたと発表している。

日米の共同声明文では「日本がTPP交渉に参加する場合には、全ての物品が交渉の対象とされること、」という原則がはっきりと書かれていて、中段には「一方的に全ての関税を撤廃することをあらかじめ約束することを求められるものではないことを確認する」という実に不確定な表現が盛り込まれている。これは解釈次第ではあらかじめ(関税撤廃を)約束はしないが、後から撤廃へ突き進む可能性がしっかりと含まれている。

つまり、安倍首相が「聖域なき関税撤廃」が前提でないことを確認できたと、如何にも言質を取ったかのように説明しているのは、実は暫定的な措置であり、恒久的な効力はまったくない。アメリカにとっては痛くもかゆくもない有名無実の言い回しなのである。これに加え、帰国直後の国会では、「緑の風」の議員が、例のTPP判断基準の6項目で、②から⑥までの公約5項目は有効なのかと問い正したのに対し、安倍首相は、歯切れが悪く、それらの項目を“踏まえて”交渉に臨むと言った。

踏まえてという言い方は、それら5項目は顧みないと言っているのであり、安倍首相は結局、①から⑥までのすべてのTPP判断基準項目を反故にしている。民主党の公約違反を散々詰(なじ)っていた自民党が、今度は自ら公約違反したわけである。日米首脳会談で何の成果も得られなかった状況で、3月15日、安倍首相はTPPへの交渉参加を正式表明した。

しかし、時が経つにつれて、アメリカ側と日本側のパーセプション・ギャップ(意識のズレ)がどんどん鮮明に分かってきた。安倍首相は「聖域なき関税撤廃が前提でないことを確認できた」ことを唯一の突破口とし、それを参加の口実に用いたが、岩上安身氏が、シンガポールで開かれた交渉会合に、アメリカのNGO身分で見学してきたPARC(アジア太平洋資料センター)の内田聖子氏にインタビューしたところによれば、米国の貿易緊急会議では、「日本が例外なしの関税撤廃に合意するなら参加支持」となっている。

アメリカは聖域なぞ最初から認めていないのである。したがって、安倍首相や自民党賛成派が「強い交渉力で国益を守る」と反芻していることは、国民を欺いている大嘘だということになる。TPPは最初から日本の国富を完全収奪するために、アメリカに在籍するグローバル資本が、日本の市場構造を強制的に造り変えるための“罠”なのである。何度も言うが、TPPとは1989年の日米構造協議の最終進化形であり、グローバル資本が日本に食い込むために、日本市場を強制的にグローバルスタンダード仕様に変換するための罠なのである。 

実はこの話と、2009年2月に、麻生政権で財務・金融担当大臣だった中川昭一氏の死は大きな文脈で関わっている。中川氏はG7の中央銀行総裁会議出席後に薬を盛られ、酩酊記者会見という人物破壊工作に見舞われた。その挙句、最後には不遇の死を遂げた事実(謀殺死を疑わせる)は、中川昭一氏が日本版の「エクソン・フロリオ条項」の設置を強く構想していたからだと神州の泉は確信する。日本版エクソンフロリオ条項は、海外資本の暴力的な収奪から国家を守る最も有効な防衛手段なのである。

だからこそ、中川氏はアメリカ奥の院に政治生命と実際の命を奪われた。彼は憂国の念から日本防衛構想を抱いていた、最も頼りになる議員だった。TPPはこれとは正反対に、日本の防衛、防壁を最も効果的に突き崩す手段として発案された“罠”である。中川昭一氏が存命だったら、彼は安倍首相の暴走を食い止めていたと思われる。中川氏を守らなかった奴らが、今、日本を危機の瀬戸際に追い込んでいるのだ。

TPPはグローバル資本の罠である。この罠に誘い込む ために、アメリカは日本の交渉参加を狡賢く引き延ばし、もう間に合わないかと思わせておいて、ぎりぎりでセーフだったという小芝居を打った。TPPはアメリカが主導権を取った時点から、日本の国富をむしり取るための算段に利用されたのである。参加したら日本は滅ぶ。これを知りながら参加に舵を切っている連中は許し難い売国奴たちである。

中川昭一氏とエクソン・フロリオ条項については同じ「神州の泉」の次の記事も参照なさってください。

中川昭一さんの死去とエクソン・フロリオ条項

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2013年4月20日 (土)

「インチキ『保守』の見分け方」、「日本人よ、独自の文明を担う責任を自覚せよ」動画ヴァージョン

よしふるさんが、引き続きWJFプロジェクトのブログの記事を動画にしてニコニコで公開してくださいました。

インチキ「保守」の見分け方

日本人よ、独自の文明を担う責任を自覚せよ

よしふるさん、いつもありがとうございます。

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2013年4月19日 (金)

「TPP絶対反対、安倍政権絶対支持」はドメスティック・バイオレンスに似ている

「彼ら」の洗脳手法(1): ダブルバインド(二重拘束)という記事で、安倍政権や、安倍政権への支持を煽る「インチキな仕立て屋」たちが用いる特殊な話法について述べましたが、この記事に次のようなツイートを寄せてくださった方がいます。

20130419_183928

恋愛関係や夫婦関係において、やさしさと、暴力という矛盾する二つの態度が、同時にもしくは交互に向けられるとき、通常以上に、その関係の中にがんじがらめに縛られて逃げられなくなってしまうというのが、DV(ドメスティック・バイオレンス: 家庭内暴力)ですので、確かにダブルバインドの典型的な例であると思います。

安倍政権も、「国を売る・国を壊す政策」という「暴力」と、「愛国的なスローガン」という「やさしさ」を同時にかかげており、行っている事は、ドメスティック・バイオレンスそのものです。

また、チャンネル桜が掲げる「TPP絶対反対・安倍政権絶対支持」という矛盾したメッセージも、ドメスティック・バイオレンス的です。

チャンネル桜は、ダブルバインド的な矛盾したメッセージを執拗に視聴者に刷り込むことによって、

「あなたの暴力(売国)は嫌い、でもあなたから離れられない」

というがんじがらめの倒錯した関係を、安倍晋三と国民との間に、取り結ばせようとしてはいないでしょうか。

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「愛国者の二つの意味」動画ヴァージョン

ニコニコやポスティングで地道に活動をされているよしふるさんが、WJFプロジェクトの記事「愛国者」の二つの意味を動画にしてくださいました。

その他にもTPPの問題を啓発するための動画をアップしてくださっています。
よしふるさんのニコニコの動画を応援してください。

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「インチキな仕立て屋」を演じ続けるチャンネル桜

チャンネル桜は、相変わらず、TPPを批判しながら、TPPを推進する安倍政権を支持し、参院選に勝利させよという、ダブルバインド的な奇怪なメッセージを流し続けています。

上の動画で水島総は、TPPを批判し、別冊『正論』の中の政治アナリストの片桐勇治氏の記事を引用して、これから起きうることとして次のような点を挙げています。

・TPPで日本の主権が弱まる
・地方分権や道州制で日本が分割される
・相続税の強化で日本人の財産が召し上げられる
・労働者の権利が弱まり日本人が奴隷化される

・英語の公用化
・日本円の消滅、ドルとの統合
・日米防衛の一体化による日本の恒久的属国化
・国体の破壊
・日米大学教育の一体化

しかし、水島総は、これらのことを推進する安倍政権について何と述べているか。

「安倍さんはこのこと(TPPの問題)を自覚している。自覚をしているけれども、周りが公明党もいれば、親中派もいれば、竹中平蔵のようなグローバリストもいて、うじゃらうじゃらやってる、これが安倍内閣なんですよ。これを変えていかなきゃいけない。日本を主語にした政府に変えていくためにも、参議院選挙に勝たなきゃいけない。政権基盤作らなきゃいけないということですね。」(3:47)

チャンネル桜は相変わらず、一方ではTPPや対米隷属、新自由主義やグローバリズムに反対すると言いながら、それを推進する安倍晋三を支持し続けろと、私たちに呼びかけています。

TPP、対米隷属、新自由主義、グローバリズムを積極的に推進しているのは安倍晋三自身ですが、チャンネル桜も、三橋貴明氏も、西田昌司氏も、竹中平蔵のようなグローバリストなど、安倍政権の周辺の人々をスケープゴートとして批判することで、安倍晋三自身はあくまでTPPに反対しているかのような誤ったイメージを垂れ流してきました。

「王様が裸である」=「安倍晋三自身がTPPを推進している」=「安倍晋三自身が売国奴である」ことを隠そうと「インチキな仕立て屋」の役割を演じ続けてきました。

チャンネル桜の言う通りに、TPPを批判しながら、TPPを推進する安倍政権を支持し、安倍政権を参院選に勝利させたらどういう結果が待っているか。それは水島総が、片桐勇治氏の記事を引用した上のリストの通りです。

私たちは、引き続き、「正直な子ども」として、おかしいことはおかしいと声を挙げ続けていかなければなりません。

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2013年4月18日 (木)

正直な子ども: ノーマン・フィンケルスタイン

アメリカのユダヤ人政治学者、ノーマン・フィンケルスタインは、神話の中に人々を絡めとろうとする「インチキな仕立て屋」に対峙する「正直な子ども」の好例かもしれません。

ナチスのユダヤ人強制収容所からの生還者である両親を自ら持ちながら、ユダヤ人がホロコーストの犠牲者であるという立場を様々な形で悪用してきたことを「ホロコースト産業」と呼んで厳しく批判しています。

(誤解されやすいですが、ノーマン・フィンケルスタインはホロコーストの否定論者ではありません。)

下の動画は、アメリカの大学におけるノーマン・フィンケルスタインの講演の様子。

女子学生が感情的に取り乱している姿は印象的です。

韓国人がユダヤ人と慰安婦問題について協力し合おうとする動きがありますが、慰安婦問題にせよTPP問題ににせよ「神話」の中に閉じこもるのではなく、事実を直視し、おかしいことをおかしいとはっきり語ることの大切さを、ノーマン・フィンケルスタインの姿を通して再認識したいものです。

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三橋貴明はいつ詰むか (12)

毎日毎日、マンガのような善悪二元論を、これでもか、これでもかと繰り出して安倍政権への盲目的な支持を煽りつづけてきた三橋貴明氏。

TPPの熱心な反対論者でありながら、TPPに積極的な安倍政権を支持すると言う、彼が抱え込んでしまった巨大な矛盾は、いつ、どのような形で解消されていくのでしょうか。

という、問いかけで続けてきた本シリーズですが、三橋貴明ブログは、TPPの日米事前協議の合意が発表された翌日、4月13日の下の記事をもって「詰んだ」と見てもよいのかもしれません。

●今日の三橋貴明ブログ

交渉力
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11510382168.html

●今日の「見ざる・聞かざる・言わざる」

「詰む」という言葉を、本シリーズでは、「TPP反対」と言いながら、TPPを推進する安倍政権を批判しないという矛盾が解消されると言う意味で使っています。

つまり、三橋貴明氏は、ようやく、4月13日の記事で、次のような腫れ物に触るような言い回しではありますが、安倍政権をちょっぴりだけ「批判」するような記事を書いています。

アメリカとの事前協議で、日本の情けない「交渉力」を見せつけられた以上、国民側としては、「TPP交渉に参加して、合意を覆せず、国民との約束を守れないとわかった場合、交渉から離脱するのか、否か」について、安倍政権に説明を求めて構わないでしょう。

もちろん説明を求めて構いません。

政治家に説明責任を求めるのは当然のことですから、「説明を求めて構わないでしょう」などと言う必要すらありません。

説明を求めて構わないどころか、もっと声を大にして批判していただいて全く構いませんよ、三橋先生。

政府が明らかに国民の利益に反して行動しようとしているわけですから、腫れ物に触るようにおそるおそる批判する必要は全くないのであって、下の中野剛志氏の記事のように、大胆に何らの躊躇も斟酌もなく批判してまったく構わないのです。

【東田剛】エグ過ぎるTPP日米合意

FROM 東田剛

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●月刊三橋4月号のテーマは「TPP徹底解説」。

⇒ http://www.keieikagakupub.com/sp/CPK_38NEWS_C_1980/index.php

これほどの「不平等条約」を突きつけられても、
「TPP加入はマスト」と言えるのか。

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TPPの事前協議の日米合意について、USTR(米国通商代表部)による報告が凄まじいです。

<全文仮訳>
http://www.yamabiko2000.com/modules/wordpress/index.php?p=330

まず、米国の自動車関税の撤廃延期を巡る合意は、米韓FTA以上に米国に有利だとしています。
日本は、韓国よりも譲歩しちゃったんですね。

また、日本は簡単な審査で外国車の販売を認める台数を年間5000台に増やすことになりました。
「自動車の数値目標は受け入れない」という、安倍総理が守ると約束した自民党の6条件の一つが、もう破られました。

では、自動車で米国に譲歩した代わりに、日本は何を得たのでしょう。
農業の保護でしょうか。
違いますね。
日本が得たものは、TPP交渉参加です。つまり、本交渉でもっと米国に獲られるために、自動車で譲歩したというわけです。

農業などを守りたければ、本交渉で頑張るしかありません。
しかし、USTRは、日本側が、現在の交渉参加国がすでに交渉した基準を受け入れると言明したとも報告しています。
交渉の余地は、ほとんどないのです。

しかも、それだけでは許してもらえませんでした。
なんと、TPPとは別に、日米間で非関税障壁を協議する場が新たに設けられることとなったのです。
その非関税障壁とは、保険分野、投資のルール、知的財産権、政府調達、競争政策、宅配便、食品の安全基準、自動車の規制・諸基準やエコカー支援や流通などです。
仮に日本がTPP交渉不参加となった、あるいは交渉で日本の主張を通せたという奇跡が起きても、米国は、別途、タイマンで日本に圧力をかけることができるのです。

これはエグ過ぎますね。

以前、米国は日本に「イエス」しか期待していないという話をご紹介しましたが、事前協議でも、日本側は、「イエス!オーゥ、イエス!」と洋物AVみたいに絶叫し続けたんでしょう。
http://toyokeizai.net/articles/-/12903?page=5

もっと恥ずかしい話もあります。
麻生大臣は、かんぽ生命のがん保険など新規業務を当面、認可しないと表明しました。
しかし、この措置は、日本側が一方的に通告してきた話だとUSTRは報告しております。つまり、協議とは無関係という扱いなので、日本側に見返りとして得るものはありません。
ただで米国にサービスしたのです。

USTRは報告書で「米国政府が一連の協議を成功裏に完結した」と宣言し、日本のTPP参加は「競争力のあるアメリカで生産された製品とサービスに対する日本市場のさらなる開放を意味する。そのことは同時にアメリカ国内の雇用を支えるのだ」と凱歌をあげています。

三橋貴明さんは、4月13日のブログで、この交渉力の弱さについて、安倍総理は国民に何らかの「説明」をする必要があると述べました。
でも、安倍総理は、すでに説明済みです。

「TPP交渉参加に向けた米国との事前協議が本日、合意に至りました。厳しい交渉でしたが、日本の国益をしっかり守ることができたと思います。TPP交渉参加は国家百年の計。TPPは、経済的メリットに加えて、自由や民主主義、法の支配といった、普遍的価値を共有する国々とのルール作りは安全保障上も大きな意義があります。日本の国益を実現するための本当の勝負はこれから。最強の体制の下、一日も早くTPP交渉に参加し、TPP交渉を主導していきたいと思います。」(官邸Face Bookより)

TPP交渉を主導していきたいだと?
「猿(モンキー)が人間と交渉できるかーッ!おまえはこのUSTRにとってのモンキーなんだよシンゾォォォォーーッ!!」(USTR Face Bookより)

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日本は自由主義国家か

麻生太郎氏は、2月25日の衆議院予算委員会で、共産党の笠井亮氏の質疑に対して次のように発言しました。

「私ども共産国家じゃありませんので、自由主義国家ですから」(2:00)

「日本が共産主義国家ではない」

というのは、麻生氏の言うとおりだと思います。

しかし、日本が共産主義国家ではないからと言って、麻生氏が自明の理であるかのごとく述べたように、果たして、

「日本は自由主義国家である」

と断言することは可能なのでしょうか。

ここで、改めて立ち止まって、この点を考えてみたいと思います。

古事記の仁徳天皇のくだりに、次の有名な逸話が記されています。

この天皇が、ある時、高い山に登って四方の国を眺望して言うには、「見渡すかぎり、国の中にかまどの煙の立つのが見えない。これは国に住む者がすべて貧しいからであろう。これから三年の間は、人民の租税や賦役をすべて免除することにしよう。」このように命じた。その結果、宮殿はすっかり傷んでしまい、そこここから雨が漏れるようになったが、決して修繕を命じようとはせずに、樋を掛けて雨漏りを受け、自分は雨の漏ないところに、場所を避けた。このようにして三年後に、また、山に登って眺望したところ、国の中にかまどの煙が、一面に空に立ち上っていた。そこで、人民も富み豊かになったものと考え、もういいだろうというので、前のように租税や賦役を課した。こういうわけで万民は栄え、使役に苦しむ事もなかった。それゆえ、この天皇の御世を称えて、聖の御世と言う。

(古事記下巻六二、[仁徳]系図、福永武彦による現代語訳)

この逸話に関連して、仁徳天皇御製として新古今集に掲載されているのが次の有名な和歌です。

高き屋にのぼりて見れば煙立つ民のかまどは賑わいにけり

天皇が国民を「大御宝」(おおみたから)と呼んで尊ばれ、民のかまどを気づかってこられたのが、伝統的な私たちの国のあり方なのであり、1%の強欲な人間が99%の人間を奴隷のように搾取するような社会のあり方は、日本の本来の姿では決してありません。天皇と民が相互の信頼関係で結ばれていたからこそ、中国のような易姓革命による王朝の交代は日本では起きませんでした。

そして外国人の記述によれば、明治維新前後の日本人は次のようだったそうです。

「日本を旅すると、人々の持つある種の陽気さに慣れてくる。日本女性の目は、ほとんど常に愛想の良い快活さが宿っており、楽しそうにきらめいている。そしてこちらもつい微笑み返さずにはおれなくなる。彼女たちにとっての人生は、まるで遊びやピクニックであるかのように見える。 」(G. W. ギルモア, 1892)

「日本人は常にユーモアにあふれ快活である。私は親しくなった日本人たちが憂鬱な顔をしているのを一度も目にしなかった。彼らは活き活きとした会話や冗談が大好きで、仕事をするときには必ず歌を歌う。」(V. M. ゴロヴニン, 1819)

「下層の人民は例外なしに、豊かで満足しており、働きすぎてもいないようだった。貧しい様子も見られたが、物乞いをする人のいる形跡はなかった。・・・最下層の階級さえも、気持ちのよい服装をまとい、目の荒い木綿の衣服を着ていた。」(M. C. ペリー, 1856)

「私は日本が子供の天国であることをくりかえさざるを得ない。世界中で日本ほど、子供が親切に取り扱われ、そして子供のために深い注意が払われる国はない。ニコニコしているところから判断していると、子供たちは朝から晩まで幸福であるらしい」(エドワード・S・モース, 1917)

「私はこれほど自分の子どもに喜びをおぼえる人々を見たことがない。子どもを抱いたり背負ったり、歩くときは手をとり、子どもの遊戯を見つめたり、それに加わったり、たえず新しい玩具をくれてやり、野遊びや祭に連れて行き、子どもがいないと心から満足することができない。他人の子どもにもそれなりの愛情と注意を注ぐ。父も母も、自分の子に誇りをもっている。毎朝六時ごろ、十二名か十四名の男たちが低い塀に腰を下ろして、それぞれの腕に二歳にもならぬ子どもを抱いて、かわいがったり、一緒に遊んだり、自分の子どもの体格と知恵を見せびらかしているのを見ていると大変面白い。その様子から判断すると、この朝の集まりでは、子どもが主な話題となっているらしい」(イザベラ・バード, 1880)

では、世界に先んじて産業革命を成し遂げ、自由主義経済学を確立したアダム・スミスを輩出し、19世紀には既に自由主義国家となっていたイギリスはどうだったか。

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上の写真のように、強欲な資本家によって、立場の弱い子どもや女性までもが奴隷のように搾取されこき使われる社会がイギリスでは生まれていました。

このようなイギリスの姿と日本の姿を比較すれば、「日本は自由主義国家である」と単純に言うことができないことはお解りいただけると思います。

「社会主義(共産主義)」が必要とされたのは、あくまで、このような「自由主義」に陥っていた西洋の国々であり、もともと伝統的に「自由主義」の国ではない日本には、「社会主義(共産主義)」は必要性すらなく、そのような人工的なイデオロギーや革命の力を借りなくても、とっくの昔に、日本は、世界の他の国々に比べて、一般の民衆や子どもや女性が尊ばれる平等な社会を実現していました。

「自由主義」も「社会主義(共産主義)」も西洋で生まれた人工的なイデオロギーですから、いずれも日本の伝統的な社会のあり方には合致せず、いずれのイデオロギーを採用したとしても、日本の本来のあり方を歪めてしまったはずです。

しかし、「どうして冷戦的二極構造は日本に有効でないか」という記事で以前述べたことですが、戦後、冷戦的二極構造の狭間に立たされ、サンフランシスコ条約によって、アメリカを筆頭とする「自由主義」陣営に組み込まれ、同時に日米安保条約によってアメリカ軍の駐留が恒久化され、「自由主義」のイデオロギーに基づいて日本の伝統的な国柄や国家体制が変質させられていったのが、戦後の日本です。この「戦後レジーム」の最後の総仕上げが、今目前に迫るTPPと道州制による日本の国家解体です。

私たちは、

「日本は共産主義国家ではない」

と言うばかりでなく、

「しかし、同時に日本は自由主義国家でもない」

と言わなくてはなりません。

「自由主義」だの「社会主義(共産主義)」だのといった外国の思想に振り回される以前の、日本の本来の国柄の再認識が国民の間に広がっていかなくてはなりません。

何度も申し上げてきたことですが、「右」か「左」か、「自由主義」か「社会主義(共産主義)」か、「アメリカ」か「中国」かといった、単純な善悪二元論ほど日本の本来の国柄を損なうものはありません。

そして自民党こそが、冷戦的二極構造という単純な「善悪二元論」の中に日本を閉じ込め、がんじがらめに絡めとることで「自由主義」というイデオロギーの下で日本の国柄を壊してきた張本人です。

そして、彼らは、現在も、二極的二元的な構造の中に私たちを追い込むという同じ手法で、私たちを逃げられなくし、国家破壊を極限まで推し進めようとしています。

「右」でも「左」でもない、「自由主義」でも「社会主義(共産主義)」でもない、日本の本来の国柄を再認識してそれを守ろうとするような政権を、私たちは誕生させなくてはなりません。

「正しい歴史認識」とは、本来守るべき国柄に関する、「自由主義」にも「社会主義(共産主義)」にも絡めとられることのない、日本人による深い自己認識のことを言うのであり、単に政治家がこれ見よがしに「慰安婦は高給取りの売春婦である」と述べて、中国や韓国による反日プロパガンダを否定してみせることばかりが「正しい歴史認識」なのではありません。

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口を閉ざす卑怯者へ

「愛国者」を名乗りながら、国を壊す安倍政権を批判しないあなたのことを言っているのですよ。

あなたが今、口を閉ざすことが、どれだけ甚大な被害を後世の日本人にもたらそうとしているのかよく考えてください。

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フランスの民放テレビ局TF1で慰安婦のドキュメンタリー番組が放送される

フランスの民放テレビ局TF1で、慰安婦のドキュメンタリー番組が放送されていたそうです。

TF1のサイト上に番組が公開されていますが、残念ながら、日本からはアクセスできません。

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なんとか動画を入手して解析を進めたいと思います。

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2013年4月17日 (水)

あなたは、まだ、「安倍さんの交渉力を信じますか?」

TPPで過剰反応している人を見かけたら、「安倍さんの交渉力を信じますか?私は信じますけど、、、」と冷静に問いかけましょう。 わざと騒いでいる輩は工作員なので、3倍の力で叩き潰してください。 http://twitter.com/smith796000/status/305486034291007488

上念司のツイッターでの以前のつぶやきです。

さて、安倍晋三は、国民の信頼に値する立派な交渉力を発揮したのでしょうか。

結果はこの通りです。

にも関わらず、安倍晋三は何と答えたでしょうか。

平成25年4月12日TPPに関する主要閣僚会議

「今般、我が国のTPP交渉参加に関し、日米が合意いたしました。
今回の日米合意は、我が国の国益をしっかり守る合意であったと思います。
TPP交渉参加は国家百年の計です。
TPPは、日本経済やアジア太平洋地域の成長の取り込みといった経済的メリットに加え、同盟国の米国をはじめ、自由、民主主義、法の支配といった普遍的価値を共有する国々とのルール作りは、安全保障上の大きな意義があると思います。
我が国の国益を実現するための本当の勝負はこれからです。
最強の体制の下、一日も早くTPP交渉に参加し、TPP交渉を主導していきたいと思います。」
(首相官邸ホームページ)

あなたは、まだ、「安倍さんの交渉力を信じますか?」

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国賊どものカタログ

人気ブログランキングの「政治ブログランキング」

「政治ブログランキング」の上位に登場する「保守」ブログが、TPPや道州制の問題をほとんど取り上げないのはなぜでしょうか。

答えは簡単です。

彼らは、「国賊」だからです。


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【拡散推奨】嘘とごまかしの政府発表―TPP日米事前協議内容を検証する (by内田聖子氏)

嘘とごまかしの政府発表―TPP日米事前協議内容を検証する (by内田聖子氏)

2013年4月12日、日米両政府はTPPに関する「事前協議」に関する合意文書をそれぞれ発表した。3月15日の安倍首相のTPP交渉参加表明以降、加速化されてきたといわれるこの事前協議だが、何としてでもTPPに入りたい日本と、その日本の足元をみて「高い入場料を払わせる」と意気込む米国という構図はすでにはっきりとしていた。

 私自身は、事前合意の発表をするという予告を聞いた際、「まさか本当のことを発表するわけがない。なぜなら、もしすべてを発表してしまったら日本がとことん身ぐるみをはがされ、TPP交渉に参加する前に丸裸の状態になることが明るみにでるから」と考えていた。

 そして発表がなされた後、日本政府の発表内容、米国USTRのリリース(英文原文)、そして各種報道を読み比較をしてみたところ、驚くべき事実がわかった。日本政府の合意公開資料は、USTRがリリースしたプレスを都合よくつまみ食いしたものなのだ。しかも、ねつ造ともいえる内容が含まれている。

写真① USTRのプレスリリース本文
まずUSTRが発表したプレスリリースである。本文(※注1、写真①)と非関税措置に関する付属文書(※注2、写真②)からなる(これらの翻訳は近々公開しますので少しお待ちください)。

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写真② USTRのプレスリリース付属文書(非関税措置)

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 そして以下が日本政府が発表し、内閣官房のホームページにも掲載されている「日米合意の概要」である。新聞各紙にもこの内容が引用される形で報道されている(注3)。

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日米協議の 合意の概要

平成25年4月12日
内閣官房TPP政府対策本部

1 日本が他の交渉参加国とともに、「TPPの輪郭」において示された包括的で高い水準の協定を達成していくことを確認するともに、日米両国が経済成長促進、二国間貿易拡大、及び法の支配を更に強化するため、共に取り組んでいくこととなった。

2.この目的のため、日米間でTPP交渉と並行して非関税措置に取り組むことを決定。
対象分野:保険、透明性/貿易円滑化、投資、規格・基準、衛生植物検疫措置等

3.また米国が長期にわたり懸念を継続して表明してきた自動車分野の貿易に関し、
(1)TPP交渉と並行して自動車貿易に関する交渉を行なうことを決定。対象事項:透明性、流通、基準、環境対応車/新技術搭載車、財政上のインセンティブ等
(2)TPPの市場アクセス交渉を行なう中で、米国の自動車関税がTPP交渉における最も長い段階的な引き下げ期間によって撤廃され、かつ、最大限に後ろ倒しされること、及び、この扱いは米韓FTAにおける米国の自動車関税の取り扱いを実質的に上回るものとなることを確認。

4.日本には一定の農産物、米国には一定の工業製品といった二国間貿易上のセンシティビティが両国にあることを認識しつつ、TPPにおけるルール作り及び市場アクセス交渉において緊密に共に取り組むことで一致

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1.合意文書は米国からの一方的な「通達」

 上記2つの政府が出した文書を読み比べて、まず気づくのはその「トーン」の違いである。USTR側が出した文書は、明らかに米国から日本への「要求」という基調で書かれており、日本がそれにどこまで応じたか、ということに文書の主旨は尽きる。もちろん各政府は自らのプレゼンスを最大に行なうため若干のトーンの違いはあるだろうが、今回の2つの文書は、そのような「微妙な立場の違い」という説明ではすまされないほど強者と弱者の違いは明瞭だ。対等平等な合意文書というには程遠い、いわば「日本が宿題を米国に出し、それを添削してもらった」ようなものだ。

 一方日本政府の発表文書には、もちろんそのようなトーンは消されている。2月の日米共同声明でも同じだったが、あくまで「対等な日米」を演出しようとする意図が読みとれる。

2.項目が十分に反映されていない

 日米での事前協議の内容について、日本政府の発表した「概要」は、明らかに、意図的に国民からの批判を避け都合よく項目が取捨選択されている。

 USTR文書では、具体的な項目として「自動車」「保険」が立てられているのだが、日本政府の概要では、「自動車」の項目はあるが「保険」はない。USTR文書では約9行にもわたり記述されているにもかかわらず、その項目は削除され、保険については「その他の非関税障壁」という中の一つとしてふれられているだけである。

 また例えばさまざまな項目内で、USTR原文ではかなり詳細に記述されているにもかかわらず、意図的な省略が目につく。

3.意図的な項目の削除

 USTRがあげた日本に求める非関税措置の項目リストは以下のものだ。
 ・保険
 ・透明性
 ・投資
 ・知的財産権
 ・規格・基準
 ・政府調達
 ・競争政策
 ・急送便
 ・SPS(植物検疫)

 しかし日本政府の「概要」では、「知的財産権」「政府調達」「急送便」が抜け落ちている。
 知的財産権は、TPP交渉でももっとも妥結困難なヘビー・イシューであり、薬価や商標権、著作権など私たちの暮らしに大きくかかわる分野である。
 「政府調達」については、TPPに入れば例えば公共事業などの入札に外国企業も参入できることになり、これも地域経済や中小企業にとって大きな影響がある。さらに「急送便」は日本郵政の国際急送便事業と対等な競争条件を外国企業が確保できることが求められている。
 そもそも、非関税措置問題というのは、農産品などの関税品目とは異なり、幅広い分野・品目、サービス、規制が対象となる。TPPの怖さというのはむしろこの非関税措置がどれだけ「開放」させられるのか、という問題に尽きるといってもいい。私たちも事前協議において、牛肉や自動車、保険といったあらかじめ危険視されてきた品目以上に、どれだけ多くの非関税障壁が米国から「問題」とされるのか、強い関心をもって注視してきた。

 それだけ重要な内容であるのだから、1項目でも落とすことは、国民に対する嘘であり許されることではない。にもかかわらず、日本政府は先の3つの項目を意図的に削除したとしか考えられない。おそらくさらなる事前協議で妥協しなければいけない内容を少しでも少なく見積もりたかったのだろうが、USTRのリリースと比べれば一目瞭然である。姑息な手段というしかない。

 そしてUSTR文書の最後には、このような1行がある。

「両国の合意があれば、これら問題以外にも付け加えることができる」。

 もちろん、日米が対等に「合意」などできるわけがないので、これは米国側からの「脅し」である。「これだけで済むとは思うなよ」と、最後に念押しまでされているのだ。そして、当たり前だが日本政府発表では、このような「可能性」は一切ふれられていない。

4.「日本の農産物への配慮」など合意文書には一言もない

 最大の問題は、日本政府発表の「4.日本には一定の農産物、米国には一定の工業製品といった二国間貿易上のセンシティビティが両国にあることを認識しつつ、TPPにおけるルール作り及び市場アクセス交渉において緊密に共に取り組むことで一致」とある点だ。私はUSTR原文とこの概要をつきあわせ、大変に驚いた。原文には、このような内容が書かれた部分は1行たりとも存在しないからだ。

 むしろ、原文では、「高い基準を満たすための日本の準備」という項目のもと、「二国間協議を通じて、米国は、①日本がTPP交渉に参加するならば、現在の11ヶ国によって交渉されている高水準の協定を実現すべく準備すること、②これに対し日本は2月22日の共同声明においても、すべての物品を交渉の対象にすること、他の交渉参加国と共に、高水準で包括的な協定を実現することを日本は明確にした」と書かれている。要するに「TPP交渉はすべての物品が対象である」と断言されているのである。

 これらの下りもすべて、日本政府の概要からは丸ごと削除されており、その代わりに、「日本の農産物などのセンシティビティがあることを認識しつつ」などという真逆なことが書かれているのである。

 結論からいえば、こうした行為は文書の「ねつ造」という。

 しかしいろいろと周辺を調べると、こういう仕掛けであることがわかった。

 USTRのプレス文書の中に、補足資料として、駐米日本国大使・佐々江賢一郎氏とUSTRのマランティス代表代行の間で送り交わされた書簡が1通ずつ存在する(注4)。マランティスから佐々江宛てに返された書簡の最後のパラグラフに、このように記述されている。

「日本と米国は,日本には一定の農産品、米国には一定の工業製品というように、両国ともに二国間貿易上のセンシティビティが存在することを認識しつつ、TPPにおけるルール作り及び市場アクセス交渉において共に緊密に取り組んでいくことを楽しみにしています」。

 つまり、マランティスからのこの言葉を、「日米事前協議内容」に無理やりにつぎはぎし、日本国内で議論となっている「聖域」問題をごまかそうとしたのである。

 一般通念上、「合意文書」として正式にプレスリリースされた本文を適切に訳さず、付属の文書から都合よい部分だけを引用し、それを本文の「概要」とすることは、当たり前だが「改ざん」「ねつ造」である。一つ一つの文言はあっていたとしても、文脈は壊され、意図も不明瞭になる。そもそもマランティスの書いた最後の文面は、限りなく「リップサービス」に近いニュアンスであるし、仮にセンシティビティが存在することがわかっていても、本文において「すべてを関税ゼロにする」と明記されているのである。

 この部分をわざと削除し、代わりにマランティス発言をつぎはぎした日本政府の罪は重い。まさに急ごしらえの条件交渉を譲歩しまくった結果、あまりに多くの「敗退」の連続であり、何とかそのボロを隠ぺいすべくあわてて文書をつぎはぎしたに違いない。 

 さすがにこのことはマスメディアも問題視しており、4月13日付の朝日新聞でも、「米国の本音は米政府が12日に発表した合意文書にあらわれている。日本政府が発表した合意文書と大きく違う内容なのだ。自動車や保険などで日本が譲歩したことはくわしく書かれている。だが、日本の農産物に配慮することについては一切ふれられていない」と記載されている。さらに同紙では、マランティスやUSTR側の意向として「すべての品目で関税ゼロをめざす」というコメントも合わせて掲載しているのだ。

 まさにこれが、米国の本音であり、事前協議の本質である。

 それを知っておきながら、国民を欺こうとする、ここまで愚かな政府を持ったことに、怒りを通り越してあきれ果てるが、しかし、徹底的にこの「嘘とまやかし」を糾弾していかなければならない。

 私は、政府に対して、ここに記述した内容について公開質問状などを提出したいと思っている。多くの方々の参加を求めるようなしかけも工夫したいと思うので、その際にはぜひご協力をお願いしたいと思います。

★注1:
http://www.ustr.gov/sites/default/files/04132013%20Japan%20OVERVIEW%20factsheet%20FINAL_1.pdf
★注2:
http://www.ustr.gov/sites/default/files/04132013%20Japan%20NON-TARIFF%20MEASURES%20factsheet%20FINAL.pdf
★注3:http://www.cas.go.jp/jp/tpp/pdf/2013/130412_gouibunsyo.pdf
★注4:http://www.cas.go.jp/jp/tpp/pdf/2013/130412_syokan.pdf

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おかしいことをおかしいと感じなくなったら終わりだ

「戦後レジームからの脱却」とスローガンを掲げて衆院選に勝利しておきながら、「戦後レジーム」の開始日を政府で祝って、「戦後レジーム」を肯定し、賞賛しようとする安倍晋三。

「主権回復の日」を祝いながら、TPP参加によって日本国の主権を放棄しようとしている安倍晋三。

「日本を取り戻す」と言いながら、日本を売り渡そうとしている安倍晋三。

「聖域なき関税撤廃を前提とする以上、TPP交渉には参加しない」と欺瞞的な公約を掲げながら、国民を欺きTPP交渉に参加表明をした安倍晋三。

人間離れした厚顔無恥な感覚を持ち合わせる人間だけが、このような脳みそが壊れているのかと疑うぐらい矛盾したことを平然と成し遂げることができるのですが、こういう邪悪で奇怪な政権に立ち向かうには、国民として「おかしいと感じる事をおかしいとはっきりと言葉にすること」です。

おかしなことに馴らされて、おかしいことをおかしいと感じなくなったとき、おかしいことをおかしいと口にする人がいなくなったときこそこの国は終わりです。

私たちはアンデルセン童話の「裸の王様」の「正直な子ども」のように、「インチキな仕立て屋」に騙される事なく、おかしいことは、おかしいと、ひとつひとつ、はっきり言葉に言い表していきましょう。

74%もの国民が、マスコミやチャンネル桜や「保守」論客などの「インチキな仕立て屋」に欺かれています。

内閣支持率74%、0増5減「今国会で」65%

読売新聞社は12~14日に全国世論調査(電話方式)を実施した。

安倍内閣の支持率は74%で、前回(3月15~17日)の72%からやや上昇した。昨年12月の内閣発足直後から毎月上がっており、4回連続の上昇は、毎月調査を始めた1978年以降で初めて。「アベノミクス」で株価上昇と円安が持続し、経済指標が改善するなどの具体的な成果が出始めているためとみられる。不支持率は17%(前回20%)だった。

安倍内閣が日本銀行との連携を強化して、成長を重視した経済政策を進めていることを評価する人は67%に上った。日銀が決めた大規模な金融緩和策を「評価する」は54%で、「評価しない」の30%より多かった。安倍内閣が景気回復を「実現できる」との回答は57%で、内閣発足直後の48%から9ポイント上昇した。

衆院選の「1票の格差」を是正するため、政府が衆院に提出した衆院小選挙区定数の「0増5減」を実現する区割り法案(公職選挙法改正案)について聞くと、今国会で成立させるべきだとの回答が65%に上った。衆院の選挙制度の抜本改革案を有識者などによる第三者機関で検討すべきだとする人は75%に達した。

(2013年4月16日01時47分 読売新聞)

しかし、それでも、「正直な子ども」の声は着実に広がりつつあります。

高支持率に浮かれ調子づく安倍晋三は次のように発言したと報じられています。

「私はニューエコノミー重視」安倍首相、三木谷氏ら日米IT経営者に表明

安倍晋三首相は15日、官邸を表敬訪問した新経済連盟の三木谷浩史代表理事(楽天会長兼社長)ら世界の情報通信(IT)関連企業のトップと会談し、「私はどちらかというとオールドエコノミーに親しみを感じていると誤解されているが、日本が経済を復活させ力強く世界の中で成長していくにはニューエコノミーのみなさんの活躍がポイントだ」と述べ、IT関連企業の力に期待感を示した。

安倍首相は「みなさんが世界で一番活動しやすい国にしたい」とも語り、IT関連の規制緩和や投資環境の整備に意欲を表明。あわせて「ぜひ日本に投資をしていただきたい」と呼びかけ、海外企業による対日投資促進や雇用創出機会の増大に期待感を示した。

同日の訪問は新経連が16日に都内のホテルで世界のIT関連企業トップによる新経済サミット(NES)を開くのを機に実現。会談には三木谷氏のほか来日したスクエアのゼンストームCEO(最高経営責任者)ら日米のトップ18人が同席した。安倍首相は同日夕のNESの前夜祭にも出席する。

三木谷氏は会談終了後、記者団に「安倍さんは歴代首相のなかで最も情報産業、ネット産業に対する理解が深い。新しい経済を創るという意気込みを感じた」と語った。(SankeiBiz)

「私はどちらかというとオールドエコノミーに親しみを感じていると誤解されているが」と安倍晋三は述べていますが、ここで質問です。

安倍晋三がオールドエコノミーに親しみを感じていると誤解を与えてきた人物はだれなのでしょうか。

答えは安倍晋三氏の本、『新しい国へ 美しい国へ 完全版』の中の次の文章を読めばわかります。

「瑞穂の国の資本主義」

(前略)

私は長期的には、東京一極集中を解消して道州制を導入すべきだろうと考えています。日本を十ぐらいのブロックに分けて、そこに中央政府から人を移して、州政府のようなものをつくり、その下に基礎自治体が有るイメージです。そうすることで、いちいち中央を通さなくても、各州が独自の判断でスピーディに動くことができる。東京だけでなく、日本全体が活力を取り戻さない限り、日本の再生はありえないと私は考えています。

日本という国は古来、朝早く起きて、汗を流して田畑を耕し、水を分かち合いながら、秋になれば天皇家を中心に五穀豊穣を祈ってきた、「瑞穂の国」であります。

自立自助を基本とし、不幸にして誰かが病に倒れれば、村の人たちみんなでこれを助ける。これが日本古来の社会保障であり、日本人のDNAに組み込まれているものです。

私は瑞穂の国には、瑞穂の国にふさわしい資本主義があるのだろうと思っています。自由な競争と開かれた経済を重視しつつ、しかし、ウォール街から世間を席巻した、強欲を原動力とするような資本主義ではなく、道義を重んじ、真の豊かさを知る、瑞穂の国には、瑞穂の国にふさわしい市場主義の形があります。

安倍家のルーツは長門市、かつての油谷町です。そこには棚田があります。日本海に面していて、水を張っているときは、ひとつひとつの棚田に月が映り、遠くの漁火が映り、それは息をのむほど美しい。

棚田は労働生産性も低く、経済合理性からすればナンセンスかもしれません。しかしこの美しい棚田があってこそ、私の故郷なのです。そして、その田園風景があってこそ、麗しい日本ではないかと思います。

市場主義の中で、伝統、文化、地域が重んじられる、瑞穂の国にふさわしい経済の有り方を考えていきたいと思います。

「日本という国は古来、朝早く起きて、汗を流して田畑を耕し、水を分かち合いながら、秋になれば天皇家を中心に五穀豊穣を祈ってきた、『瑞穂の国』であります。」

「ウォール街から世間を席巻した、強欲を原動力とするような資本主義ではなく、道義を重んじ、真の豊かさを知る、瑞穂の国には、瑞穂の国にふさわしい市場主義の形があります。」

「市場主義の中で、伝統、文化、地域が重んじられる、瑞穂の国にふさわしい経済の有り方を考えていきたいと思います。」

などと美辞麗句を並べて国民を欺き誤解をまき散らしてきた当の本人が、「私はどちらかというとオールドエコノミーに親しみを感じていると誤解されているが」などとしれっと述べる。

これが、安倍晋三という人間です。

こういう、精神病かと疑うぐらい人間離れした厚顔無恥な嘘つきが、今、日本国の総理大臣の座についています。

繰り返しますが、このような邪悪な政権に立ち向かうには、「当たり前な暮らし」を生きる国民として「当たり前な感覚」に基づく「当たり前な言葉」を束ねていくしかありません。

「王様は裸だ」「安倍晋三は糞売国奴だ」と本当のことを口にする正直な子どもがこの国から消滅しない限り、「インチキな仕立て屋」のつく嘘はいつか必ず暴かれます。

私たちが「当たり前な感覚」に基づいて「おかしい」と勇気をだして語った言葉は、必ずこの国を「当たり前な」姿にもどす力があります。

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2013年4月16日 (火)

化けの皮が剥がれたチャンネル桜

以前、IWJ (Independent Web Journal)の岩上安身氏と、WJFプロジェクトを、単にアルファベットの頭文字が似ているからというくだらない理由で混同して、WJFのことをサヨクの反原発ジャーナリストなどと根拠のない妄言を番組の中で垂れ流したチャンネル桜の水島総ですが、安倍政権の「主権回復の日」式典の政府主催について安倍政権を一言も批判しないというのはどういうことなのでしょうか。

チャンネル桜は、対米従属的な「戦後保守」をかねがね批判し、「戦後レジームからの脱却」の必要性を強く訴えてきたはずです。

サンフランシスコ条約と同時に日米安保条約の発効日である4月28日を、「主権回復の日」と称して、わざわざ政府開催で式典を開催することは、「戦後レジーム」からの脱却どころか、日本政府による「戦後レジーム」の絶対的肯定と、賞賛と、正当化以外の何ものでもありません。

「戦後レジームからの脱却」をスローガンに掲げて衆院選に勝利しておきながら、「戦後レジーム」をわざわざ天皇陛下までお招きして、政府を上げて賞賛し肯定するというのは、天皇陛下や国民を愚弄するにもほどがあります。

対米隷属の開始日を祝うという感覚そのものが、露骨なまでに勝共連合的であり、統一教会的なのですが、このような奇怪な行動をとる安倍政権を全く批判しないチャンネル桜こそ「化けの皮が剥がれた」と申し上げずにはおれません。

あるいは批判する人々が増えていけば、チャンネル桜もしぶしぶ次のように言い始めるのでしょうか。

「主権回復の日」の式典絶対反対、安倍政権絶対支持

安倍晋三にせよ、安倍晋三を「保守・愛国」の権化であるかのように神格化してきたチャンネル桜や他のさまざまな「保守」論客にせよ、安倍政権を全く批判せず、TPPを取り上げず、韓国ネタばかり取り上げてお茶を濁している「保守」ブログにせよ、日本人を愚弄するのをいい加減にやめにされてはいかがでしょうか。

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2013年4月15日 (月)

週刊女性の今週号(4月23日号)をご購入ください

TPPについて10ページに渡る特集記事が組まれています。かなり生活に密着して、TPPの危険性が書かれていますので、周りの人たちにTPPの危険性を説明するのに役に立つと思います。

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(画像は、週刊女性のホームページから)

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国民を愚弄する「主権回復の日」式典

安倍政権は、サンフランシスコ講和条約の発効日であり、同時に日米安保条約の発効日である、日本にとっては「戦後レジーム」のまさに始まりの日であり、沖縄にとっては日本本土から切り離されてアメリカの施政化に置かれた「屈辱の日」である4月28日を、「主権回復の日」などと称して、天皇陛下をお招きして、政府主催の式典を開こうとしています。

沖縄の人々の神経をさかなでるような、この政府の奇怪な決定に対し、沖縄からは大きな疑問と反発の声が上がっています。

安倍政権は、「韓国のパク・クネ次期大統領の就任式とあまりにも日程が近いこともあって、式典は開催しない。韓国に最大限に配慮したもので、日韓関係が悪化するのを避けるのは当然だ」と述べて、選挙公約を破り「竹島の日」式典の政府主催を見送った経緯がありますが、沖縄の人々の気持ちに配慮する意図はまったく持ち合わせていないようです。

よりによって、国民が一つになって心から祝うことのできないような日、また沖縄の人々にとってのみならず、すべての日本人にとっても「屈辱の日」であるはずのこの日を、どうして天皇陛下まで巻き込んで、政府主催でわざわざ祝う必要があるのでしょうか。

理解に苦しみます。

1952年4月28日が、本当に日本にとって「主権が回復された日」であったならば、安倍政権は、「戦後レジームからの脱却」などというスローガンを掲げる必要性は最初からなかったはずです。

「戦後レジームからの脱却」などとスローガンを掲げながら、その一方で「戦後レジーム」のまさに始まりの日を祝うという、天皇陛下も国民も愚弄するような、安倍自民党政権の自己矛盾に満ちたダブルバインド的な行動には、心底から怒りが込み上げてきます。

また、「主権回復の日」なるものを祝いながら、同時に、TPP参加によって日本の主権を放棄するというダブルバインド的なあべこべな行動に対しても、激しい怒りを感じます。

「日本人をバカにするのもいいかげんにしろ」と怒鳴りつけたい気持ちです。

対米隷属の開始日を祝おうなどという感覚そのものが、露骨なまでに、勝共連合的であり、統一教会的なわけですが、チャンネル桜は、もちろん、このような安倍政権の邪悪なまでにナンセンスで奇怪な行動を批判すらしません。

批判するわけがありません。

しかし、まともな感覚をもつ日本人は、「主権回復の日」の式典を開こうとする安倍政権の国民を侮辱する行為に対し激しい怒りの声をあげるべきです。

元外交官の天木直人氏は次のように書かれています。

天皇陛下を苦しめることになる「主権回復の日」の式典を安倍首相は強行できるのか

その後「主権回復の日」の式典について何の報道もされなくなったが、本当にそんな式典ができるのだろうか。私はそう繰り返し言ってきた。そんな私の考えを知って書いたと思わせるように、3月30日の日刊ゲンダイの「永田町の裏を読む」で、ジャーナリストの高野孟氏がまったく同じ事を書いていた。すなわち4月28日は沖縄にとっての屈辱の日であるだけでなく、米国に従属してしまった日本国民全体にとっての屈辱の日でもあると。その通りである。しかし、私はこの高野孟氏の記事でもっと重要な事に気づいた。彼は言う。沖縄の反対は強く、このままでは沖縄は「主権回復の日」の式典を欠席することになるだろう。しかし「主権回復の日」の式典は天皇・皇后両陛下も出席される一大行事だ。右翼が騒ぎ出す。「両陛下もご臨席になる独立記念の式典を拒むのか」と。そうすると沖縄は言うだろう。「そこまで言われるなら、沖縄は本気で独立の道を進みましょう」と。
この高野氏の文章は、実はとんでもない深刻な意味を持っているのだ。沖縄が昭和天皇によって日本から切り離され米軍の占領下に置かれた事は、もはや周知の事実だ。そしてそんな沖縄に最も心を痛めてこられたのが今上天皇・皇后両陛下である。そんな天皇・皇后両陛下が、沖縄がボイコットするような式典に嬉しい気持ちで出席されるはずがない。そうなのだ。賢明な読者ならもうお分かりだろう。安倍首相の「主権回復の日」式典強行は、天皇・皇后両陛下を苦しめ、悲しませることになる。右翼がこれに反発しなければ嘘だ。それでも安倍首相は「主権回復の日」の式典を強行するというのか。とんでもない事になる(了)

道州制の導入と合わせて、安倍政権は、実は沖縄の人々を挑発することで、日本からの分離独立を狙っているのではないかという点は、以前の記事でWJFも述べたことです。

「主権回復を目指す会」の西村修平氏も次のように書かれています。

中止要 請 文
「まやかしの『主権回復式典』の中止を!」
<安倍政権と自民党は天皇陛下の政治利用を止めよ>
内閣総理大臣 安倍晋三 殿
内閣官房長官 菅 義偉 殿

平成25年4月12日       
主権回復を目指す会        
東京都千代田区西神田2-3-18 
ダイヤモンドレジデンス307   

昭和27年4月28日、サンフランシスコ講和条約が発効すると同時に日米安保条約も発効した。同時発効、ここにこそ最大の矛盾とまやかしが存在する。本来、対外的条約(日米安保)は戦勝国との講和条約が発効され、わが国の主権が確立・安定した後に、つまり米国を含む全ての占領軍が日本全土から撤退した後に結ばれるべきはずであった。日米安保は軍事条約である。この条約が締結されたのは講和条約が発効される前、昭和26年9月8日である。日本が軍事占領下におかれ、わが国は占領軍によって何から何まで支配されていた。国家主権が存在しない中で締結されたのが日米安保条約である。主権が存在しない状況下で締結された条約は無効でしかあり得ない。同時発効はレトリックである。

昭和20年8月30日、占領軍の最高司令官・ダグラス・マッカーサーが海軍厚木基地に降りたってから70年、それ以降、日本全土が米軍に好き勝手に使用される状況を放置しておきながら、何をもって「主権回復式典」か。米国占領軍は未だ日本に占領軍として居座っている。「日米地位協定」に補完された不平等で、日本の軍事的主権は無いに等しい状況のままである。一都八県(東京都、栃木県、群馬県、埼玉県、神奈川県、新潟県、山梨県、長野県、静岡県)の巨大な空域が米軍・横田基地によって管轄されている。「横田ラプコン」ともいうが、首都圏とその周辺空域が米軍によって制圧されていながら、何をもって「主権回復式典」か。沖縄に至っては久米島を含めて本島上空全てが、米軍・嘉手納基地によって管制下におかれている。普天間飛行場の返還は宙に浮いたまま、県民はオスプレイの試験飛行の危険にさらされている。これら沖縄の惨状を放置しながら、何をもって「主権回復式典」か。

沖縄は地政学的見地から、全島が軍事基地として重要な対シナの戦略的要衝である。しかし、それは我が国土を守る自衛隊が指揮・管轄する軍事基地でなければならず、米国占領軍が指揮・管轄する軍事基地であってはならない。我が国土は我が国が守るものでなければならず、米軍基地を本土に移行させてことが済む問題ではない。沖縄では4月28日を切り捨てられた「屈辱の日」としているが、国家主権を奪われて屈辱を強いられているのは何も沖縄県民ばかりではない。日本国民全体が米国の為に「捨て石」にされている。

本土の基地負担という弥縫策で、国土防衛の喫緊性と主権喪失の現状をひとり沖縄のみに問題を矮小化させては、これも又米国占領軍の実態を隠蔽するまやかしと言える。米軍撤退後の基地には我が自衛隊が常駐し、国土防衛の任務に当たるのはいうまでもない。我々の主張はあくまで米国占領軍の撤退であり、その上での日米安保条約の全面見直しである。同時に、この条約を強固に補完している「日米地位協定」の破棄も当然ふくまれる。何にもまし自民党に課せられた最大使命は、憲法改正よりも「日米地位協定」の破棄にこそある。

来たる4月28日、安倍政権と自民党が計画する「主権回復式典」は米国占領軍の実態を隠蔽するまやかしである。この日は、「国恥」記念日または主権回復「祈念日」が相応しい。天皇陛下のご列席を仰ぐことで、「主権回復式典」を沖縄県民と日本国民に強要するなど許されない。国民世論の分断に天皇陛下を政治利用するな。

まやかしの「主権回復式典」を中止せよ!
安倍政権は天皇陛下の政治利用を止めろ!
自民党は憲法改正よりも「日米地位協定」の破棄を!


「主権回復の日」について、天木直人氏、西村修平氏、両氏のおっしゃることに、心から同意します。

「主権回復の日」なる式典を開こうとする感覚そのものがおかしいのであって、この政府の行為の背後に隠された安倍政権の邪悪な本性に、もっと多くの国民が気づかなくてはなりません。

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2013年4月14日 (日)

【国賊三部作3】国賊安倍信者: 国家破壊に加担する「愛国者」たち

【国賊三部作1】国賊安倍晋三: 愛国者の仮面をかぶった新自由主義者
【国賊三部作2】国賊チャンネル桜: 本当に守るべきものは何か

に続く【国賊三部作】の完結編です。

【国賊三部作】のこのシリーズにおいて、これまで、安倍晋三は「国賊」であること、また、チャンネル桜が「国賊」であることを、事実と論理的推論に基づいて述べてきました。

これまで述べてきたように、安倍晋三は、小泉純一郎や橋下徹と同じく、新保守主義と新自由主義が結合した政治家の典型的な例なのですが、安倍晋三の新自由主義的な側面を完全に隠蔽し、保守的な側面ばかりを強調して、安倍が新自由主義やグローバリズムに反対する純粋な愛国・保守政治家であるかのようなイメージを刷り込むためのプロパガンダが巧妙かつ大規模に展開されてきました。

ですから、このプロパガンダに欺かれて、多くの人たちが安倍晋三を単純な愛国・保守の政治家であると錯覚しても仕方のないことでした。

しかし、安倍晋三が、「聖域なき関税撤廃が前提である限り、TPP交渉には参加しない」という欺瞞的な選挙公約によって、国民を欺き裏切る形でTPP交渉参加を表明し、安倍政権の売国的本質が明らかになったあとも、なおも、事実をあるがままに直視せずに、安倍晋三を盲目的に支持し続けている人々がいます。

私はこのような盲目的安倍支持者のことを次のように申し上げずにはおれません。

3. 安倍信者は「国賊」である。

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(上の画像は、朝日新聞のこちらの記事から引用しています。)

4月12日、日米両政府は、日本のTPP交渉参加に向けた事前協議で合意に達しました。合意文書では、日本が「聖域」を主張する農産品については「敏感な問題がある」との表現にとどまり確約はなされなかった一方で、自動車の関税や保険に関しては、アメリカに大きく譲歩する形になりました。

米に配慮、かんぽ新商品認可せず TPP日米協議合意

米国側が懸念していた保険分野では、日本郵政傘下のかんぽ生命保険ががん保険など新商品を申請しても日本政府は当面認可しないことを決めた。(朝日新聞)

自民党のTPPに関する6条件には、「政府調達及び、かんぽ、郵貯、共済等の金融サービス等のあり方については我が国の特性を踏まえること」と書かれてあったはずですが、簡保に関して「我が国の特性」は守られないのでしょうか。

これを受けて、安倍晋三は下のように4月12日、「TPPに関する主要閣僚会議」において次のように語りました。

平成25年4月12日TPPに関する主要閣僚会議

「今般、我が国のTPP交渉参加に関し、日米が合意いたしました。
今回の日米合意は、我が国の国益をしっかり守る合意であったと思います。
TPP交渉参加は国家百年の計です。
TPPは、日本経済やアジア太平洋地域の成長の取り込みといった経済的メリットに加え、同盟国の米国をはじめ、自由、民主主義、法の支配といった普遍的価値を共有する国々とのルール作りは、安全保障上の大きな意義があると思います。
我が国の国益を実現するための本当の勝負はこれからです。
最強の体制の下、一日も早くTPP交渉に参加し、TPP交渉を主導していきたいと思います。」
(首相官邸ホームページ)

今回の日米合意は、アメリカに日本が一方的に譲歩するばかりであり、自民党が掲げていた6条件の厳守はどこにも明記されていないにも関わらず、安倍晋三は、「我が国の国益をしっかり守る合意であったと思います」と言い切ると同時に「TPP交渉参加は国家百年の計です」と述べて、あらためてTPP交渉参加に積極的な姿勢を示しました。

また、「自由、民主主義、法の支配といった普遍的価値を共有する国々とのルール作りは、安全保障上の大きな意義があると思います」と述べてTPPが「対中包囲網」であることを仄めかしていますが、TPPが本当に「対中包囲網」の形成を目指すものであるならば、安倍政権は、どうして、TPPと並行して、日中韓FTAや、実質的には中国が推進しているRCEP(東アジア地域包括的経済連携)への参加も推進しているのでしょうか。矛盾しています。

このことから見ても、「対中包囲網」という安倍政権が掲げるスローガンは見せかけにすぎず、その真意は、グローバル秩序の利益の最大化を狙うために、TPP、日韓FTA、RCEP(東アジア地域包括的経済連携)、道州制、その他諸々の新自由主義的な構造改革を断行することにあることは、明らかではないでしょうか。

長い歴史の積み重ねと先人たちの努力の結果、さまざまな「強み」を国内に抱える日本にとって、TPPをはじめとする、新自由主義の考えに基づくさまざまな構造改革は、日本の「強み」が国外に流出していく結果しかもたらさず、99%の国民は不利益しか被りません。

新自由主義的な諸政策が断行されて、日本の「強み」が国外に流出し、産業が空洞化し、農業が壊滅し、日本の国家解体と弱体化が進行していけば、もはや「中国包囲網」どころではなくなります。日本は、ますます自分の足で立つことはできず、アメリカや、グローバル秩序のように、日本以外のものに依存し組み込まれた状態を維持しなければ、生きていけないようになるでしょう。

それにも関わらず、いまだに、この国家解体をもくろむ売国政権を「愛国保守」の権化であるかのように言い張る人々がいます。

チャンネル桜の言葉を借りるならば「亡国最終兵器」であるTPP交渉参加を表明し、売国的な本質が既に多くの人々の目に明らかになっている現在においても、安倍政権を支持し続けている人々がいるというのは、どういうことなのでしょうか。

彼らは、安倍政権が、どのような地平に日本を導こうとしているのかしっかり理解した上で、安倍政権を支持しているのか。それとも、政治について何も分からずに、ただ雰囲気に流されて、安倍政権を支持し続けているのか。

一体、どちらなのでしょうか。

世界の国々が栄枯盛衰を繰り返してきた中で、日本という国は、先人のたゆまぬ努力と多くの犠牲によって、建国以来途絶える事なく、何千年の時を超えて、現代を生きる私たちに引き継がれてきた国家です。

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(画像はこちらのブログよりお借りしました。)

この大切な国を、未来の日本人に健全な形で引き継ぐ責任を、現代を生きる私たち日本人は担っているはずですが、安倍政権を盲目的に支持する人々は、この責任を果たそうとせず、私たちの先祖を裏切り、また私たちの子孫に対して大きな害をなそうとしています。

子孫に害をなすどころか、彼らは、自分たちの首を自分でしめていることにすら気づきません。

このような一部の特殊な志向をもつ人々の愚かさによって、私たちの大切な国が解体され歴史から消滅することは決してあってはなりません。

このようなもはや日本人である責任を放棄してしまった人々、論理的に思考することをやめてしまった人々、日本という国以上に大切な守るべきものを持ってしまった狂信者たちを尻目に、私たち日本国民は、先祖と子孫に対する重大で当たり前の努めを粛々と果たしていかなくてはなりません。

特定の政治家や立場やイデオロギーではなく、もっと大切な守るべきものを持つ私たちは、それを損なおうとするどんな人々の、どんな企てに対しても、反旗を翻さなくてはなりません。

「大切な守るべきもの」とは、ある人にとっては、子かもしれない、妻かもしれない、親かもしれない、孫かもしれない、兄弟かもしれない、親類縁者かもしれない、友人かもしれない、恋人もかもしれない、仕事かもしれない、将来の夢かもしれない・・・

それがどんなものであれ、「大切な守るべき」この素朴で具体的な一つ一つのものの結集した塊こそが、私たちが「日本」と呼ぶものの実体であり、中身です。

暮らしと、家族と、故郷と、国を守ることが切実な形で一つに重なっている「現場に立たされている」私たち国民にとっては、自民党安倍政権が、TPPだの道州制だのを公約において明確に取り下げない限りは、「TPP絶対反対、安倍晋三絶対支持」などという論理的な矛盾した無責任きわまりない妄言を受け入れることは、絶対にできません。

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批判的に聞く(8): 【直言極言】オバマ・ショック?北朝鮮のミサイルが生み出すもの[桜H25/4/12]

「批判的に聞く」のシリーズです。

水島総氏の話を批判的に注意深く聞き、お気づきのことがありましたら、コメント欄に意見をお寄せください。

引き続き、冷静に客観的に彼の言葉を分析していきたいと思います。

(「批判」という言葉を「悪口」や「あらさがし」という意味と誤解される方もいらっしゃるかもしれませんが、ここでは、「物事の可否に検討を加え,評価・判定すること。(大辞林)」という意味で使っています。)

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2013年4月10日 (水)

多くの戦友に支えられながら

捲まず撓まず、WJFプロジェクトの動画を始め、TPPや安倍政権関連の動画をニコニコに転載し、ちらしを配り、WJFのブログを宣伝し、記事を整理し、自らも動画を作り、TPP参加阻止のために毎日、たゆまず戦い続けているよしふるさん。

当ブログにコメントをくださるたくさんの皆さま。

ツイッターや、掲示板や、さまざまなブログのコメント欄で、WJFブロジェクトを地道に宣伝してくださっている皆さま。

ちらしを配ってくださる皆さま。

WJFプロジェクトに変わらぬご支援をくださっている皆さま。

あらためまして、未来の日本人に対する責任を果たそうとして共に戦ってくださっている戦友の皆さまに、心からお礼を申し上げます。

日本はこれから大変な時代を迎えます。

TPPや道州制などの構造改革による国家の解体と疲弊だけではない、東日本大震災に匹敵するような大きな災害も近い将来わたしたちを待ち受けていることでしょう。今度は都市部や、日本の工業生産の中心地や、輸送の動脈の役割を担う地域が被災地となるはずです。

望みのないような暗闇の中を手探りで進んでいかなくてはなりません。

このような国難の時代にこそ、歪んだ「保守」思想や、偏向した「愛国心」に絡めとられるのではなく、歴史に深く鑑み、常に日本人としての精神の根源に立ち返り、あるべき本来の日本の姿をくっきりと心に思い描きながら、松明を高く掲げ、自暴自棄にならず、互いに励まし合いながら、皆さまと共に進んでいきたいと思います。

日本という国家が、水や空気のように当たり前に存在していた時代は今や終わりを迎えようとしています。

これからは、一人一人がレジスタンスとして、己の心の中に日本という国の姿をくっきりと描かなければなりません。

健全で、根源的で、かつ実践的な、日本の社会思想、日本の政治思想が、今こそ紡ぎだされなくてはなりません。

国家というものをかき消そうとする流れにあらがって、心の中に描かれていく国の姿を通して、強い意志をもって、ゼロから国を立ち上げていかなくてはならない。

戦いに疲れ、新しい変化に馴らされて、戦列から離れていく人々も現れるかもしれません。

私たちがあきらめて、心の中に掲げる松明の火を消す時、日本の火は消えます。

ときには口笛を吹きながら、時には一休みしながら、ときには這いつくばりながら、それでも松明を消す事なく、進んでいきたいものです。

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ダブルバインドを利用するうさんくさい人々

以前、安倍政権や、チャンネル桜や、安倍晋三を支持する論客が、心理学でダブルバインドと呼ばれる、ある洗脳手法を使っていることを「彼ら」の洗脳手法(1): ダブルバインド(二重拘束)という記事で指摘しましたが、下のように、実際にビジネス用途でこの手法を紹介しているうさんくさいブログもあります。

生命保険営業 ~催眠営業術~

こんにちは、営業の教室へようこそ!

さて、早速はじめていきましょう。

今日は、ダブルバインドです。

何それ?

ですよね。

『ダブルバインド』

ダブルバインドは相手に気づかれないように、相手の心理を誘導するテクニックの一つです。

ナンパの達人の方や、合コンでなぜかカップルになって帰ってく女の子が自然と身につけている、

とっても便利な暗示術です。

まだまだ、催眠術ではありませんよ。

ちょっとだけ、あなたに暗示をかけさせてくださいね。

あっ、心配しなくて大丈夫。

催眠ではないので、かかっても解く作業はいりません。

もちろん催眠も気持ちいいものであり、怖がる必要はないのですが・・・・

それでは、あなたに伺います。

私はこのブログでたくさんの催眠営業テクニックを無料で公開してきました。

ぜひ、あなたにもそのテクニックを身につけてもらいたいとおもっています。

ただ、その力が身についてと実感してもらうためにも、はじめは無料でコーチングを受けてもらいたいと

思っています。

そこで、もしあなたが営業コーチングを受けるとしたら、まずはご相談からはじめたほうが安心ですよね?

メールフォームへのお名前の記載は、仮名でも本名でも、どちらでも構いません。

あなたの好きなほうを入力してくださいね。

さて、ダブルバインド、わかってきた方もいらっしゃいますかね?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

催眠で営業というと、気が引けますか?

営業コーチングを受けた女性がこんなことを言いました。

「私は正々堂々と営業がしたい」

「私はウソがつけないタイプなんです」

わかります、その気持ち。

私もほんとうにそう思います。

ただ、あなたは催眠術を誤解していませんか?

催眠術は心理学であり、学問です。そして、

学ぶには一度、頭の中を空っぽにする必要があることをあなたにお伝えしておきます。

ダブルバインドを身につけて商談の場を簡単に設定できる力を身につけてみませんか?

(http://eigyou-kyoushitu.com/blog-entry-21.html)

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2013年4月 9日 (火)

「サルでも分かるTPPがヤバい9つの理由」のちらし、引き続きポスティングにご協力ください

ニコニコを中心にこつこつと活動を続けてくださっているよしふるさんが、「サルでも分かるTPPがヤバい9つの理由」ちらしヴァージョンを紹介する動画を作ってくださいました。

たくさんの方からちらしをこつこつとポスティングしてくださっているという連絡をいただいています。

参院選に向けて、力を合わせて、一日、一日、こつこつとたゆまず種をまいていきましょう。参院選はTPP反対の国民の意思を安倍政権に届けることのできる最後のチャンスです。

安全で豊かな暮らし、家族の未来、住み慣れた故郷、日本の文化や伝統、日本の国を、一番シンプルで具体的な形で守っていくために、TPP参加を阻止する必要があります。

「サルでもわかるTPPがヤバい9つの理由」のチラシ
(TPPに賛成する政党に投票しないように呼びかけています。落選運動は「選挙運動」とみなされないため、選挙期間中も自由に配布できます。画像をクリックするとチラシのデータが開きます。)

格安の印刷サービスもご活用ください。

●印刷通販JBF http://print-jbf.jp/
●激安印刷太朗 https://www.print-taro.jp

動画の拡散も引き続きよろしくお願いいたします。

★サルでも分かるTPPがヤバい9つの理由 (2013年版)

YouTube版

ニコニコ版

★TPP: 日本を呑み込むもう一つの大津波 (2013年版)

YouTube版

ニコニコ版

★TPP&道州制: 安倍政権下で私たちは何を失おうとしているのか

YouTube版

ニコニコ版

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2013年4月 7日 (日)

当たり前に生きたい、ささやかでいいから・・・

さだまさしの「生々流転」という曲の歌詞です。
(こちらに全篇の歌詞があります。)

下の動画は、同じさだまさしによる「防人の詩」にはまってしまった、今日本を訪れている友人のために、数年前に翻訳して作ったものですが、友人はこの二曲を日本語で上手に歌ってみせて、私を驚かせました。

さて、「生々流転」を上手に歌ってくれたこの中東の友人にちなみ、

当たり前に生きたい、ささやかでいいから・・・

という歌詞について、若干、思うことを述べてみたいと思います。

少し哲学じみたお話になりますが、おつきあいください。

人間は、肩書きや立場を表す言葉によって、自らを規定していくのが好きな生き物だ、とかねがね考えます。

「自分は○○の社員である」とか、「自分の職業は○○である」とか、「自分は保守である」とか、「自分は日本人である」とかそういった自己規定の言葉を人間は必要とします。

社会生活を送るためにも、これらの自己規定の言葉というものは確かに不可欠です。

しかし、これらの自己規定のための言葉には、常に「二元性」がつきまといます。

「自分は保守である」と言うとき、「彼らは保守ではない」という二元性と表裏一体です。

「自分は日本人である」というとき、「彼らは日本人ではない」という二元性と表裏一体です。

「自分はAである」、と述べて自己を規定するとき、「非A(Aではない人々)」との間に区別するための壁が生まれ、その壁によって自分を囲いこみ、その中に自分を閉じ込めることで自分を特殊化させる、ということが心の中で起こります。

自己規定の言葉は社会生活を営む上で必要なものですが、一方、自己規定を求めるこの心理があまりに強くなると、人間を自然な姿から遠く引き離してしまうことがあります。

例えば、この傾向は、カルト的な宗教におちいる人々にもっとも顕著に見られるものですが、カルト信者は、「自分は○○教徒である」として自分たちの集団を特殊化させ、強く規定することによって、「○○教徒ではない人々」との間に壁を作り出し、自分たちの宗教の外側にある人々を、敵視や蔑視や攻撃や宗教的勧誘の対象と見なすようになります。

この自己規定の傾向が強くなるに従い、人に迷惑をかけるばかりでなく、なによりも本人が一番生きづらさを感じるようになります。

このようになったとき、一旦、自己規定の言葉を取り払って、普通の「ただの人」としての生き方を取り戻す「根源化」を行う必要が生まれてきます。

当たり前に生きたい、ささやかでいいから・・・

「当たり前に生きたい」というこの歌詞には、自己規定のための言葉から一旦離れ、なんでもない普通の人間に戻り、人間としての自然な願いや感情に裏付けながら、すべての人々とつながって生きたいという、根源への回帰の願いが表現されていると思います。

実際、さだまさしの歌詞では、

鳥は空で生まれて、魚は海に生まれたのなら、時間と呼ばれる長い、長い河の中で、きっとわたしは生まれた

とあるように、「自分は人間である」という自己規定や自己限定すら取れて、「わたし」という存在は、鳥や魚の命にすらつながるのだという「根源」への回帰が歌われるのと同時に、

喜びと悲しみと憎しみと愛と死を、つまづきながらでいいから、慈しむ人になりたい

と、万人が抱くであろう人間としての素朴で普遍的な感情をいとおしむ思いが歌われています。

このように当たり前な「日常性」の中に「根源性」を見いだそうとする姿勢は、日本文化の顕著な特徴です。

キリスト教が「日常性」を多かれ少なかれ汚れたものと見なして「根源性」を「日常性」から聖別された時間や場所に見いだそうとし、マルチン・ルターが「二王国論」において国家と教会の間に明確な境界を引き、イマヌエル・カントが認識界と叡智界を峻別して両者の争いを調停し、セーレン・キルケゴールが「根源性」の探求の結果コペンハーゲンの街を狂人のようにさまよい、ルドルフ・オットーが『聖なるもの (Das Heilige)』において「根源性」を「ヌミノーゼ(戦慄すべきもの)」と定義したのとは対照的に、日本文化は、万葉集に「志貴島の日本(やまと)の國は事靈の佑(さき)はふ國ぞ福(さき)くありとぞ」と歌われて以来、言霊=事霊の文化であり、「言=事」という具体的な「日常性」と、「霊」という「根源性」を、常に表裏一体のものとして扱ってきました。

本居宣長による

敷島の大和心を人問はば朝日に匂ふ山桜花

という有名な和歌も、「山桜花」という日常の中に埋め込まれた具体的な「言=事」の中に、「大和心」という「根源性」を見いだそうとする、<言霊=事霊>文化の典型的な例と言えます。

西洋思想が、ポストモダンと呼ばれる深刻な自己批判を経てもなお、いまだに果たせずにいる「日常性」と「根源性」の融和を、日本文化が万葉の古より、やすやすと果たしていたという事実は瞠目に値すると思います。

さて、日常性=根源性への回帰によって、「自分は保守である」とか、「自分は日本人である」とかといった自己規定の言葉を離れるとき、果たして、自分の国のことはどうでもよくなるのか、家族のことはどうでもよくなるのか、仕事のことはどうでもよくなるのか、世界市民的な透明人間になるのかというと全く逆であり、「保守」だとか、「日本人」だとかといった皮相な看板を捨て去ったときにこそ、逆に、故郷や国といった自分の守るべき大切なものが、観念やイデオロギーとしてではなく、素朴な自らの深い願いとして、鮮明に心に浮かび上がってくるのだと思います。

「防人の詩」を引用すれば、

海は死にますか、山は死にますか、春は死にますか、秋は死にますか、心は死にますか、愛は死にますか

と根源的な問いかけが重ねられていった果てに、

私の大切な故郷もみんな逝ってしまいますか

という卑近な存在についての願いや問いかけが、最も切実な形で、自然に浮上してくるわけです。

TPPやグローバリズムは、「当たり前に生きたい」という人間としてのささやかな願いを踏みにじるものです。一部の人間の強欲を満たすために、人間が奴隷化される世界では、「日常」はその「根源性」から切断され、人としての素朴な喜怒哀楽が生まれる豊穣な場所であることをやめてしまうことでしょう。「私の大切なふるさともみんな」、根底から破壊されてしまいます。

だからこそ、TPPのような策謀の推進のためには、「保守」などのような特殊な看板にしがみついて日常の根源性から引き離された人々、日常の根源性の中でこそ見いだされるであろう「大切なもの」を見失った人々、「保守」という囲いの外側の人々に向けて敵意を向けるほどまでに偏狭な自己規定の意識を強めた人々の集団を作り出す必要が生まれてきます。

なぜなら、「保守」だとか「愛国」だとかといった特殊な看板を捨て去って、当たり前な日常に回帰したときには、人間は、自分の守るべき本当に大切なものをはっきりと自覚することになり、TPPのように「私の大切なふるさともみんな」破壊してしまう策謀に対しては、心の深層からわき起こる激しい怒りの声を上げるようになるはずだからです。

私がチャンネル桜や安倍政権を支持する論客を批判するのも、まさにこの点においてです。

彼らは「当たり前に生きたい」という願いに裏打ちされた日常の「根源化」の方向に人々を導くのではなく、「保守」だの「愛国」だのといった偏狭な自己規定の言葉を掲げて自他の対立を煽り、狭い立場の中に人々を囲い込み、閉じ込めていこうとする。そこからはずれようとする人々を「保守分断」だの「工作員」だの「サヨク」だのといったレッテルを貼る。そして同じ日本人を、彼らが「保守」と呼ぶ集団と、「非保守」という、きわめて皮相なレベルで分断してしまっています。

そして、彼らは、単に皮相なだけではない。論理的一貫性や客観的な批判力を欠いた反知性と、偏見と、憎悪と、盲信の塊そのものになりさがっています。

日常の根源性から離れて「保守」だの、「愛国」だのといった言葉を振りかざすようになった人々以上に、国に害をなすものはありません。

日常からの乖離は、日本の文化や伝統からの乖離といっても決して過言ではありません。日常の中に根源性を見いだそうとする姿勢こそが日本人の伝統的な姿勢だからです。

敷島の大和心を人問はば朝日に匂ふ山桜花

「大和心」とは、「保守」などといった特定の観念や立場やイデオロギーの中ではなく、敷島の土地に花開く「朝日に匂ふ山桜花」の中に見いだされるべきものです。

昨日も述べたことですが、今の日本に必要なのは「保守」という立場の中に囲い込まれて固定した考えに縛られて身動きができなくされてしまった人々ではなく、このような自己規定の言葉を取り払って、日常の根源性に立ち返り、事実を直視し、「当たり前」に生き、感じ、考えることを取り戻した人々です。

特定の限定された立場からのディタッチメント(離脱)を通して、本当に守るべき日常へのアタッチメント(愛着)を回復した人々です。

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ちなみに、上の考えは、独自の哲学を打ち立てた哲学者として世界に名高い西田幾多郎と同郷であり、親交の深かった鈴木大拙という禅を海外に紹介し文化勲章も受賞した思想家が「即非の論理」と名付けて深めた考えに通底するものがあります。「即非の論理」とは「AはAではない、故にAはAである」という論理であり、西田幾多郎による「絶対矛盾的自己同一」という思想にもつながっています。「即非の論理」とは、「花」ならざる花が見えたときにこそ、人は花の「花」たるゆえんを知るという意味です。

(私個人は、禅寺で座禅を組んだ経験もなく、特段、禅仏教徒というわけではないのですが、日本の文化を成り立たせてきた重要な思潮の一つとして、禅にも深く関心を寄せた時期があります。)

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西田幾多郎が思索を深めるために毎日歩いたと言われる「哲学の道」は、今満開の桜です。

中国や韓国や北朝鮮やアメリカがどうしたという話も大切ですが、日本や日本人のあり方を、日本の文化や思想の根底から捉え直す作業も大切なものだと思います。

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批判的に聞く(7): 【直言極言】戦後レジームの脱却は厳しい現実認識から[桜H25/4/5]

「批判的に聞く」のシリーズです。

水島総氏の話を批判的に注意深く聞き、お気づきのことがありましたら、コメント欄に意見をお寄せください。

引き続き、冷静に客観的に彼の言葉を分析していきたいと思います。

(「批判」という言葉を「悪口」や「あらさがし」という意味と誤解される方もいらっしゃるかもしれませんが、ここでは、「物事の可否に検討を加え,評価・判定すること。(大辞林)」という意味で使っています。)

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WJFプロジェクトは「保守」ではありません

2013年元旦に、安倍政権によるTPP交渉参加を皆様に警告してから、休むことなく書き連ねてきた当ブログですが、四年間WJFの活動を支えてきてくれた海外の友人が日本を訪れており、少しお休みをいただいて、お花見をしたり、語らう時間を持たせていただきました。

十分英気を養わせていただきましたので、ふたたび戦列に戻り、参院選に向けた後半戦の戦いを皆様と共に、しっかり戦っていきたいと思います。

さて、チャンネル桜の水島総氏に「WJFプロジェクトは反原発のジャーナリスト」とあらぬレッテルを貼られて以来、様々な「保守」の方たちが、WJFプロジェクトは「似非保守だ」「擬装保守だ」と騒いでくださっています。

20130407_02356

この方たちに申し上げますが、チャンネル桜の言う言葉を盲信したり、安倍政権がどんなに日本に害をなす売国行為を働こうと「保守政権だ」と言いはることを「保守」と呼ぶならば、WJFプロジェクトは、明らかに「保守」ではありませんので、擬装「保守」だとか、似非「保守」だとか、「保守」なりすましだとか、余計な形容詞は付けていただかなくて結構です。

WJFプロジェクトは「保守」ではない。

そうはっきり言い切っていただいてかまいません。

WJFプロジェクトが、卑屈にも、安倍晋三を支持する「ふり」をしたり、チャンネル桜を信じる「ふり」をしていれば、「擬装だ」とか「なりすましだ」という言葉は当てはまるかもしれませんが、安倍政権など支持しない、チャンネル桜など信じないと首尾一貫、包み隠さずはっきり申し上げているのですから、これらの形容詞はまったくWJFプロジェクトには該当しません。

このように、WJFプロジェクトは「保守」ではありませんが、日本を壊そうとする輩に対しては、はっきりと「この糞売国奴め」と罵倒し、売国奴を愛国者として神格化しようとする嘘つきどもに対しては「このインチキ仕立て屋め」と一喝してその欺瞞を暴き、日本を貶めたくてたまらない連中に対しては、彼らが消したくてたまらなくなるような動画を、これからも、がんばって作っていきたいと思いますので、どうか、「保守」ではないが、自分たちの生きるこの国を守りたいと願う日本人の皆さんは、どうぞ、WJFプロジェクトを引き続きご支援くださいますように、お願い申し上げます。

亡国の危機に直面する現在の日本が必要としているのは、明らかに「保守」の人々ではありません。

現在この国が必要としているのは、WJFとIWJの区別もつかない人間の垂れ流す妄言を鵜呑みにする特殊な人々ではなく、普通の思考力と、普通の感覚と、普通の家族愛や郷土愛を備えた、普通の日本人です。

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2013年4月 2日 (火)

「旭日旗は禁止されなくてはならないか」(英語版)を再掲しました

至らない箇所がある動画ですが、YouTubeに削除されてしまった「旭日旗は禁止されなくてはならないか」(英語版)をそのまま再掲することにしました。

動画に付しています、下の説明文もどうぞ活用してください。

The Japanese Rising Sun Flag is widely accepted and regarded as another national flag of Japan. Actually it is used as the maritime flag of the Japanese Self-Defense Force still now.

日本の旭日旗は世界に広く受け入れられ、日本国のもう一つの国旗としてみなされています。実際、この旗は日本の自衛隊の艦旗として現在も使用されています。

http://www.youtube.com/watch?v=574nW_YG3qs

However South Korea is now insisting that the flag be banned from any international sport game since the flag was used by the Imperial Japanese military forces during the wartime. They claim that the Japanese committed war crimes under the flag during WWII and thus must be treated as equivalent to Hakenkreuz, the flag of Nazis.

しかしながら、韓国は現在、この旗は戦時中日本軍に使用されたゆえに、スポーツの国際試合から排除されなくてはならないと主張しています。韓国人は、この旗の下で第二次世界大戦中に日本人は戦争犯罪を犯したため、ナチスのハーゲンクロイツと同等のものとして扱われなくてはならないと主張しています。

However, the fact is that Hakenkreuz was merely a flag of some political party and never represented Germany or German people in toto originally. On the other hand, the design of the Rising Sun Flag had been used by the Japanese in their daily life since much earlier times and the flag is still being used by Japan as a nation officially. The flag represents the Japanese people as a whole even if their history contains both light and shadow. Won't a denial of a flag of a nation lead to a denial of the whole nation including its entire history and people? Isn't this the exact reason why national flags of any country must be treated with the highest respect always? Don't the Japanese have the due right to demand the same respect to one of their national flags and confront any form of trials to disgrace it?

しかし、実際にはハーゲンクロイツはもともと、ある政党の党旗に過ぎず、ドイツという国家やドイツ国民全体を表すものではありませんでした。一方で、旭日旗の意匠は、日本が国家として公式にこの旗を使用し始めるはるか以前から、日本人の日常生活の中で使われてきたものです。仮にその歴史が光と闇の両方を含んでいるとしても、この旗は日本国民全体を表すものです。ある国家の旗の否定は、その歴史と国民を含むその国家全体の否定につながらないでしょうか。これこそが、まさに、すべての国の旗は、常に、最大限の尊敬の念をもって取り扱われなくてはならない理由ではないでしょうか。日本国民には、日本国の旗の一つに対して同様の尊敬を求め、その旗を汚そうとするいかなる試みに対しても対決する権利はないでしょうか。

(Sometimes, hatred is directed also at the national flags of other countries, especially the flag of the United States, in South Korea. )

http://img.chinasmack.com/www/wp-content/uploads/2011/11/angry-koreans-protests-demonstrations-09.jpg

(時に、韓国では、特にアメリカ合衆国国旗などの他の国の国旗に対しても憎悪が向けられています。)

As for war crimes, which country is totally innocent? For example, South Korea has a dark history that they massacred 1.2 millions of civilians in the Bodo Leave Massacre during the Korean War.

http://www.youtube.com/watch?v=y8Rd0uQelTo

戦争犯罪に関しては、一体いかなる国が完全に無実であると言えるでしょうか。例えば韓国には、朝鮮戦争時代、120万人もの市民を保導連盟事件において虐殺した暗い歴史があります。

If North Korea accuses South Korea of the crime insisting that South Korean flag reminds them of the horrible incident, must the South Korean flag be banned from international sport games?

もし北朝鮮が、韓国国旗は彼らにこの残酷な出来事を思い出させるものであると主張し、韓国を非難したら、韓国国旗はスポーツの国際試合から排除されなくてはならないのでしょうか。

How about the Vietnam War? It is told that Koreans massacred and raped so many Vietnamese civilians during the war.

http://www.youtube.com/watch?v=1tQtgo4hKsM

ベトナム戦争ではどうでしょうか。韓国人は、多くのベトナム市民をこの戦争中に虐殺しレイプしたと言われています。

If the Vietnamese complain about the flag of South Korea saying that the flag reminds them of the horrifying experience, must it be banned from international sport games?

もしベトナム人たちが韓国国旗は彼らにその恐ろしい経験を思い出させると韓国国旗に関して不満を口にしたら、韓国国旗はスポーツの国際試合から禁止されなくてはならないでしょうか。

Nonsense!
ナンセンスです。

After all it seems to us that South Korea just wants to eliminate all things related to Japan from this planet. Must the rest of the world share the same hatred against Japan with South Korea just as they are wanting it to?

結局、韓国は日本に関するあらゆるものを、この地球上から消し去りたいと願っているように私たちの目には映ります。世界の残りの人々は、日本に対するこの同じ憎しみを、韓国人がそう望んでいるように、彼らと共有しなくてはならないのでしょうか。

The same attitude can be seen in their silly claim that "Sea of Japan," the internationally established place name of the body of water between Japan and South Korea must be replaced with their local name "East Sea."

同じ態度は、「日本海」という国際的に確立された日本と韓国の間の海の呼称を「東海」という韓国のローカルな名称に置き換えられなくてはならないとする彼らのおろかしい主張の中にも見られます。

"J.Crew, Tsunami, Sea of Japan, and Korean Ethnocentrism"
http://www.youtube.com/watch?v=pfX-_eaXxI8

When can the Japanese have mature neighbors and good friends on the other side of the Sea of Japan?

私たち日本人は、一体いつになったら、成熟した隣人と親友を、日本海の向こう側に持つことができるのでしょうか。

WJFプロジェクトは、海外の政治家や企業に大量のコピペメールを送るようなアクションの呼びかけには賛同しませんが、日本人各自が自分の思いを自分の言葉で、伝えることはあってもよいと思います。

その際に、これら韓国の主張を聞き入れてしまう企業に対して有効なのは「企業が特定の人々の憎悪や偏見に加担し、企業の中立性を損なってもよいのか」という論点であると思います。

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2013年4月 1日 (月)

我々は何を掲げ、何を語るのか

今、旭日旗の問題が話題になっています。

【旭日旗】「日本の戦犯旗をロゴに使った会社が謝罪」~イギリス留学の韓国人女子学生が話題に

■ 『旭日昇天旗』の寿司会社が修正を約束して“凱歌”

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イギリスの韓国人留学生が日本の戦犯旗をロゴとして使うある寿司会社から、是正の約束を受けた事情がインターネット空間で話題になっている。『グローバルwebマガジン』ニュースロー(www.newsroh.com )は30日、北アイルランドの首都ベルファストに交換学生として行っている韓国人女子学生が、寿司弁当会社を相手にした凱歌を紹介して注目を集めた。

ID『パワー布徳』を使用するこの女子学生は、最近町内の便宜店(以下、コンビニ)で日本の戦犯旗である旭日昇天(Rising Sun)の名前と象徴を使った寿司弁当を見つけた事が、行動に乗り出したきっかけとなったと紹介した.。彼女は、「こんな物がコンビニで堂々と売れているという事に火が出たり(頭に来たり)、こんな物を使って文化マーケティングする日本も本当に悪く、余り知らずに良いと使う外国人を考えると気に障った」と語った。

数日後には更に情けない事態が発生した。通学している学校の学生会館の売店がこの会社と契約を結び、売店の至る所で『Rising Sunの寿司入荷』という案内と、一方の冷蔵スペースに戦犯旗の弁当がたくさん積まれているのである。歴史を専攻したというこの女子学生は、すぐに家に帰って問題の弁当会社を検索、2011年に創業した会社という事を知った。Facebookのページに入ってメールを送った。

「私はクィーンズ大学に通う韓国人学生です。あなた会社の製品に付いた旭日昇天旗を見て驚きました。あなた会社のロゴは日本が第二次大戦の時に使用した旗で、ヨーロッパのナチ旗と全く同じで戦争犯罪を象徴しています。以下の資料を読んで名前とシンボルを変える事を考慮してください」

数日後に返事が来た。

「こんにちは、私の名前はジョナサン・ダンカンでRising Sun寿司の社長です。私たちのロゴに込められた文化的背景を知って本当に驚きました。添付された文章を読みながら、また、私たちのロゴが人々にどのような気持ちを持たせていたかを考えるととても恐ろしかった。私の無知に対して本当に申し訳ございません。最大限早期にロゴを変える事を約束します。このような事実を教えていただき本当にありがとうございます。これのせいでショックを受けたならお詫び致します」

彼は引き続きもう1通のメールを通じ、

「私たちはまだ始めてから1年を少し過ぎた新しい会社のため、(私たちのロゴが)非常に多くの人々を不快にしなかったらと思います。この敏感な問題を最大限早期に修正するようにします」

と更に約束した。翌日もドンコン社長は、後続措置に関する内容を知らせるなどの誠意を見せた。

「デザイナーに旭日昇天旗に関する背景事実に関して話しました。ロゴを再びデザインする事にしました。しかしwebサイトとラベル(パックに付けるシール)、自動車、看板など、直さなければならないものが多く、デザインをして注文して直すまで時間が少し掛かるということを了解して欲しいと思います」

この女子学生は、「率直に言うと大して期待はしていなかった。そのまま知らなかったら知らせてあげたかった。そしたら積極的に謝罪してすぐに変える事になったのでなんだか感動が押し寄せてきた」と語った。引き続き、「私によって1人(職員や他の人たちも知る事になったので更に多く !! )がこのマークの真実に対して知る事になり、我々の痛い歴史を知る事になって胸がいっぱいだ。今後ともこのような事実がもっと広がったら良いだろう」とインターネットに掲載した理由を説明した。

今日のユーモア( www.todayhumor.co.kr )に載せられたこの事は、現在、問い合わせ件数3万5000件を超えてネチズンたちの賞賛のコメントがあふれている。

「愛国されています。他国で苦労している時に国のために時間を作った事。この国の国民は本当に感謝しています」、「わー、勇気を出した事も凄いけど、社長がそのように応じるとは!。ロゴを変えるという事は会社のシンボルを変えるという事で、最初から会社を変えるのと同じような打撃なのに・・・。素敵ですね、熱くなりました(涙)」、「国家がすべき事を個人がするなんて!素晴らしい(笑)。作成者と同じくこの会社も概念を持ってカッコいいですね」、「うわーよくやりましたww誇らしい韓国人!それにむやみにに怒る事もなくすごく上手く言いました(笑)ところで韓国企業にこのような件を入れたら、すごく気に入らないというような回答がくるみたいだ(笑)」

ソース:NAVER/ニューヨーク=NEWSIS(韓国語)

旭日旗の問題の本質は、他の人々が何を掲げ、何を語るかではありません。

旭日旗の問題の本質は、日本人である我々が何を掲げ、何を語るかです。

私たちが旭日旗の意味を語るのは、外国の人々に旭日旗を愛好してもらったり、意匠として利用してもらうためではなく、私たち自身が、国家として、堂々と旭日旗を掲げ続けるためです。

とするならば、イギリスの弁当屋が旭日旗を掲げようと、韓国人の学生に言われてそれを取り下げようと、私たちには関係のない話であると言うこともできます。

我々の国、日本国が粛々と旭日旗を掲げ続け、我々日本人が旭日旗の意味を正しく語り続ければ、それで話は尽きる問題です。

その問題の本質を忘れて、外国人に旭日旗を利用してもらうために、奔走することのないようにしたいものです。

予想されるのは次のような予定調和です。

(1)「いつものパターン」で韓国人が騒ぐ
(2)「いつものパターン」で日本の「保守」がそれに応じる
(3)「いつものパターン」で、海外メディアの注目を浴びる

同じことは慰安婦問題など、他のあらゆる日韓の問題についても言うことができます。

他の人々が何を掲げ、何かを語るかは大きな問題ではありません。

我々が何を掲げ、何を語るかが、唯一のそして究極の問題です。

(本来であれば、日本の神聖な軍旗が、外国の弁当屋の意匠に身を落としている事実に、日本人の側から怒る声があがってもいいのかもしれません。韓国人が旭日旗を使わないようにと世界中で呼びかけていることよりも、私たちの軍旗が外国人によって軽々しく扱われていることの方がはるかに深刻な問題なのかもしれません。外国人が、日本の軍旗の意匠の日常の中で好んで使用している現在の事実は、果たして彼らが日本を征服し無力化させた歴史的事実と完全に無関係と言えるでしょうか。世界の軍旗の一覧の中で、意匠として一般の外国人に親しまれ使われているのは、日本の軍旗だけですが、このことの意味を今一度掘り下げて考えてみた方がよいと思います。外国人に自分たちの軍旗を軽々しく扱われても、そのことには気分を害することなく、むしろそれをやめろと呼びかけている韓国人に腹を立てている私たちの感覚は完全に倒錯している可能性すらあるのです。この点において、WJFプロジェクトの旭日旗の動画を、点検し直す必要を感じています。)

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