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2013年4月28日 (日)

【正直な子ども12】西尾幹二氏: 「米中握手の時代に入り、資本の論理が優先し、何者かが背後で日本の政治を操っているのではないか」

アンデルセンの童話『裸の王様』に登場する「正直な子ども」のように、「おかしいことはおかしい」とはっきり声をあげて、安倍政権の問題点を啓発してくださっている様々な方たちを、紹介しています。

西尾幹二氏も「正直な子ども」のお一人です。

西尾幹二のインターネット日録 2013年4月24日: 首相は何をこわがって靖国参拝をしないのか

安倍首相は春の靖国参拝をやはり実行しなかった。外交問題になっているからだと弁明している。夏の参議院選挙の成功を狙っているからだともいわれる。だとしたら外交問題が原因ではなく、国内の人気下降を心配しての措置であろう。

私が『WiLL』3月号巻頭に「安倍政権の世界史的使命」を書いたのは、高い水準の要望を掲げて、この線で政権運営をして欲しい、といわば釘を刺したつもりだった。

その中で私は、尖閣に公務員を常駐させたり港を作ったりするのは今はしばらく見合わせた方がいいかもしれないが、竹島の式典、靖国参拝、河野談話見直し等をためらう理由はないだろうとも書いた。今止めて、いつ始めればいいのか。参議院選挙の後でも今でも外交問題になることに変わりはないだろう。

安倍首相はまた再び第一次安倍内閣のときと同じ道を歩み始めているようにみえる。残念である。2007年4月27日に私がコラム「正論」に書いた拙文「慰安婦問題謝罪は安倍政権に致命傷」を今このタイミングに掲げ、反省を促したい。

ブログTEL QUEL JAPONに出た安倍、ブッシュ両首脳の記者会見を併せ見ていただきたい。こんなことではTPPでも日本の立場を守れるのかどうか心配である。

慰安婦問題謝罪はやがて国難を招く

私は冗談のつもりではなかった。けれども人は冗談と取った。話はこうである。

月刊誌『WiLL』編集部の人に二ヶ月ほど前、私は加藤紘一氏か山崎拓氏か、せめて福田康夫氏かが内閣総理大臣だったらよかったのに、と言ったら「先生冗談でしょ」と相手にされなかった。今までの私の考え方からすればあり得ない話と思われたからだが、私は本気だった。

安倍晋三氏は村山談話、河野談話を踏襲し、東京裁判での祖父の戦争責任を謝り、自らの靖国参拝をはぐらかし、核と拉致で米国にはしごをはずされたのにブッシュ大統領に抗議の声ひとつ上げられず、皇室問題も忘れたみたいで、中国とは事前密約ができていたような見えすいた大芝居が打たれている。これが加藤、山崎、福田三氏の誰かがやったのであれば、日本国内の保守の声は一つにまとまり、非難の大合唱となったであろう。

三氏のようなリベラル派が保守の感情を抑えにかかればかえって火がつく。国家主義者の仮面を被った人であったからこそ、ここ10年高まってきた日本のナショナリズムの感情を押し殺せた。安倍氏が総理の座についてからまぎれもなく歴史教科書(慰安婦・南京)、靖国、拉致の問題で集中した熱い感情は足踏みし、そらされている。安倍氏の登場が保守つぶしの巧妙な目くらましとなっているからである。

米中握手の時代に入り、資本の論理が優先し、何者かが背後で日本の政治を操っているのではないか。

首相になる前の靖国四月参拝も、なってからの河野談話の踏襲も、米中両国の顔色を見た計画的行動で、うかつでも失言でもない。しかるに保守言論界から明確な批判の声は上がらなかった。「保守の星」安倍氏であるがゆえに、期待が裏切られても「七月参院選が過ぎれば本格政権になる」「今は臥薪嘗胆(がしんしょうたん)だ」といい、米議会でのホンダ議員による慰安婦謝罪決議案が出て、安倍氏が迷走し、取り返しのつかない失態を演じているのに「次の人がいない」「官邸のスタッフが無能なせいだ」とかわいい坊やを守るようにひたすら庇(かば)うのも、ブレーンと称する保守言論界が政権べったりで、言論人として精神が独立していないからである。

考えてもみてほしい。首相の開口一番の河野談話踏襲は得意の計画発言だったが、国内はだませても、中国サイドはしっかり見えていて安倍くみしやすしと判断し、米議会利用のホンダ決議案へとつながった。安倍氏の誤算である。しかも米国マスコミに火がついての追撃は誤算を超えて、国難ですらある。

最初に首相のなすべきは「日本軍が20万人の女性に性奴隷を強要した事実はない」と明確に、後からつけ入られる余地のない言葉で宣言し、河野衆議院議長更迭へ動きだすことであった。

しかるに「狭義の強制と広義の強制の区別」というような、再び国内向けにしか通じない用語を用い、「米議会で決議がなされても謝罪しない」などと強がったかと思うと、翌日には「謝罪」の意を表明するなど、オドオド右顧左眄(うこさべん)する姿勢は国民としては見るに耐えられなかった。

そしてついに訪米前の4月21日に米誌『ニューズウィーク』のインタビューに答えて、首相は河野談話よりむしろはっきり軍の関与を含め日本に強制した責任があった、と後戻りできない謝罪発言まで公言した。

とりあえず頭を下げておけば何とかなるという日本的な事なかれ主義はもう国際社会で通らないことをこの「保守の星」が知らなかったというのだろうか。総理公認であるからには、今後、元慰安婦の賠償訴訟、過去のレイプ・センターの犯人訴追を求める狂気じみた国連のマクドゥーガル報告(1998年8月採択)に対しても反論できなくなっただけでなく、首相退陣後にもとてつもない災難がこの国に降りかかるであろう。

米国は核と拉致で手のひらを返した。六カ国協議は北朝鮮の勝利である。米中もまんざらではない。彼らの次の狙いは日本の永久非核化である。米国への一層の隷属である。経済、司法、教育の米国化は着々と進み、小泉政権以来、加速されている。安倍内閣は皇室を危うくした小泉内閣の直系である。自民党は真の保守政党ではすでにない。私は安倍政権で憲法改正をやってもらいたくない。不安だからである。保守の本当の声を結集できる胆力を持った首相の出現を待つ。
(2007、4月27日 コラム「正論」)

西尾幹二氏が言及している安倍晋三とブッシュ大統領による記者会見とは次の動画のことです。

西尾氏は、4月4日、日本外国特派員協会で、慰安婦問題について日本を弁護してくださいました。

日本が敗れたのは「戦後の戦争」である

いったい日本人はなぜあれほどの大空襲で非戦闘員を大量に殺傷されながら、戦後アメリカへの復讐心を再燃させなかったのだろう。なぜ彼らの戦争犯罪を弾劾する声を高めないできたのだろう。

なぜ日本人はアメリカがこんなに好きなのだろう。それなのになぜあれほど憎しみ合い、戦争したのだろう。というよりなぜあれほど祖国を破壊したアメリカとアメリカ人をやすやすと許し、憎悪を忘れ、その羈縻に従順に付し、恬として恥じないのであろう。

問題は日本が戦後、何度も述べているように、言葉において敗北してしまったことである。戦闘に敗れただけでなく、「戦後における戦争」に敗れたために、自分のかつての主張は全部嘘だった、米英の主張はことごとく真実だったと思い込まされてしまったことである。日本と米英とがこの点においてどこまでも「対等」でなければならないという、戦前まではすべての日本人の胸中にあった当然の感覚が失われてしまったことである。

(西尾幹二著『国民の歴史』より)


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コメント

2012/12/10(月)
http://www.youtube.com/watch?v=UsMWbuwU93w

「日本なんてどうなったっていいんだっ!」


内容
福島原発事故からおよそ3か月が過ぎた去年6月18日、テレビ東京『週刊ニュース新書』という報道番組が、
自民党きっての原発推進派・甘利明元経済産業大臣に原発事故問題についてインタビュー、
2006年に国会で津波による電源喪失の可能性があることを指摘されていたことに質問が及ぶと
甘利氏が一方的に取材を中断しました。
それをテレビ東京が正直に「取材は中断された」と報道したところ、甘利氏が名誉毀損だとして
1000万円もの損害賠償を求めて裁判を起こしました。

平成24年8月28日東京地裁103号法廷 裁判を傍聴した人のツイート

今日は、原発推進大臣自民党甘利先生の裁判を傍聴してきました。いや~、甘利先生は正直だ。
正直すぎる。自民党の原発政策に関するテレビ東京の記者の質問に、「私を陥れるために取材したろう!」
「私に責任を押し付けるのはダメだ!」「私に責任はない!」

甘利先生が「日本なんてどうなったっていいんだっ!」て記者を恫喝したって、恫喝された記者本人(被告)が
言ったのに、甘利先生の弁護士は、全く否定しなかった。ほんとなんだね。

甘利明氏がテレビ東京を名誉毀損で訴えた裁判の次回期日 2013年、1月29日、午後1時15分から東京地裁411号法廷。
判決 言い渡し日になります。


投稿: だめだめわんこ | 2013年4月30日 (火) 20時05分

甘利明さんのご先祖は確か武田信虎四天王で晴信(後の信玄)の家老となった甘利虎泰であるとか。主君である晴信を護る為に討ち死にした。

http://ja.wikipedia.org/wiki/甘利虎泰

だから明クンは武門の誇りにかけて日本を護る為に

国会で答弁中に知ってる事を全てバラすなり

権限はなくとも国際会議で「入りません」(We shall reject T・P・P ! ) と叫んで大騒ぎを起こして解任されるなり

して討ち死にするだけでも多くの国民を覚醒させることができて、毒でも盛られなければ、日本ではおそらく英雄扱いもされるでしょう。それで自民党でなくとも政治生命は繋がる。新聞の一面を飾って有名になれるし人気者にもなれる。

しかし明クンは政治家ではなくて政事屋です。国民を尻目にちょこっとだけ偉くなりたいのだろう。度胸がないんですね。勇敢なご先祖が泣いておられよう。くだらない男です。

投稿: Tansar | 2013年4月30日 (火) 19時40分

マイナンバー制度イヤなのにユダ米に請け負わせるつもりらしい怖い。

この成り行きに対し、森議員は、「外国にシステムを発注するつもりなのか」と甘利担当大臣に迫っていました。甘利はこれを全面否定せず、「状況によってはその可能性も有り得る」と驚くべき答弁をしています。
> 米国企業に発注するつもりのようで、これは国民の全情報を米国に売り渡す極め付きの売国行為です。もちろんその際には、「情報漏れがないように万全を期す」‥‥

★民主党は中韓さまの御用達にはヒヤヒヤ、安倍さんは、ユダ米の言いなり首相です?
マイナンバー記事はブログ陽光堂主人の読者日記の最近記事より

助けて~と叫びたい。匿名日本企業でも出来るだろうにマイナンバー、マイナンバー自体がユダ米が好きそうな制度です。

投稿: こんばんは | 2013年4月29日 (月) 00時58分

だんだんとこの日本が今現在もアメリカの植民地で、そして日本の政治を実はアメリカ(をも支配する国際金融資本)が動かしていることが直感的にも、多くの人間に知られるようになってきたのは、心強い。

日本の国内政治は日本国内のプレイヤーだけを見ていては絶対わからない。

右左対立?自由主義対社会主義(共産主義)?

そんな対立はただの見せ掛けだ。八百長だ。出来試合だ。両方とも裏で通じたグルなのだ。

統一教会?公明党(創価学会)?左翼マスコミ?在日朝鮮人?中国共産党?

日本の政治を裏から歪めているこれらの国内プレイヤーですら、小物であり、奴等の指令で動く、もしくは利用されている、手先でしかなかった。

普通の人間は国内の政治家の人間関係や人間性や政治傾向のみに注目する。だから彼らに政治の変革を期待するが、それは必ず裏切られることになる。なぜなら彼らは彼ら自身の意思で動いているわけではないからだ。一切の懇願や陳情は無駄である。

もう少し頭のいい人間は、上記の日本を裏で動かしている国内のプレイヤーに気づくが、

(嫌韓厨や安倍支持者などの2chねら~はこの段階。だからこそそれらの日本の敵を倒してくれるであろう安倍という幻想に期待する。実は安倍自身もそれらの日本の敵の仲間なのに。)

実はそれら(安倍を含む)ですらただの操り人形なのだ。

それらの国内プレイヤーを考慮に入れても、なお理解しがたい現象(たとえば政治家の奇妙な行動)が次々と起こることで、新たな認識の段階へと進む。

「本当の敵は、国外にいるのではないか?」

全てを操る敵が。間違いなく。この世界には存在する。

我々は全員騙されていたのだと。

そう人々が気づくときが必ず来る。

それまで日本が保てばいいが。

投稿: だめだめわんこ | 2013年4月28日 (日) 22時20分

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