「愛国者」の二つの意味
「愛国者」という言葉には二つの意味があると思います。
私たちは、次の二つの意味において「愛国者」でなくてはならないと思います。
一つは、「中華」の国々から向けられる「日本が嫌い」という反日的な憎悪やプロパガンダに対して、「日本が好き」という意味での「愛国」で対峙しなくてはなりません。
もう一つは、アメリカや、大企業や、国際金融資本から向けられる「『国家』という枠組みが邪魔」と考える勢力の策謀に対して、「『国家』という枠組みは大切だ」という意味での「愛国」で対峙していく必要があります。
安倍晋三氏や桜井よしこ氏や自民党の主流に見られる「親米保守」という立場の人々の弱点は、「中華」の脅威ばかり強調して、アメリカに迎合するあまり、「日本は好きだが、国家という枠組みはそれほど大切ではない」と(実質的には)考えてしまう点です。TPPに参加すべきだとか、道州制を導入すべきだという彼らの発言に、このことは、はっきりと現れています。
私たちは彼らが「日本が好き」と発言をする片側の面だけを見て、「愛国者」と誤解しがちですが、「『国家』という枠組みを守っていく」という意味の「愛国心」が欠けているという、もう一つの面を見落としがちです。これでは片手落ちの「愛国心」です。
アメリカと「中華」は、対立するどころか、今後ますます融和を深めていきます。そして、「日本が嫌い」という勢力と、「『国家』という枠組みは邪魔」と考える勢力は、混然と一つになって日本を包囲していきます。「国家」という枠組みを解体させていこうとする圧力は、これまで以上に強く加わっていきます。
その圧力に抗して、日本を守っていくには、私たちは上の二つの意味で確固たる「愛国者」でなくてはなりません。
従って、「中国が脅威だから、日米同盟を深めよう」という考えでは、これからの日本を守り続けていくことはできません。
アメリカにも「中華」にも傾斜しない、第三の道を進もうとする政党や政治家が今後立ちあがらなくてはなりません。第三の道とは、日本人が自らのもっている高いポテンシャルと日本文明の独自性に気づき、自分たちの高いポテンシャルを十分に発揮して自力で国を守り、国家として自立していく道です。そのためには、もっともっと多くの国民がそういう認識に変わっていかなくてはならないと思います。
現在、TPPや道州制の推進を賛成している政党がほとんどであることを見ても、また、日本人の多くが戦後教育の中で洗脳されてしまっていることを見ても、日本の生き残りをかけた、この「第三の道」の開拓は、険しいいばらの道となることを私たちは覚悟しなくてはなりません。それでも日本が生き残るためには、ここにしか活路はありません。
日本にとって今後ますます大切になるのは、米中よりも、大東亜戦争の日本の戦いの結果、独立をもたらされた東南アジアやインドのような国々とのつながりだと思います。彼らは、自分たちの「国家」をもつことのありがたさをよく知っているからです。彼らは、第二次大戦後、命がけで戦い独立を勝ち取りました。再び、西洋人にやすやすと主権をゆずるような愚かなまねは決してしないはずです。戦後の日本人がすっかり失ってしまった、自らの手で「国家」を守り抜く気概と覚悟を、彼らは今もしっかりと保持しています。
下はASEANの旗です。日の丸が描かれています。
この意味でも「自由と繁栄の弧」という構想はもっとも正しい、日本の進むべき道だと思います。
この構想のすばらしいのは、アメリカや中国をぬきにした構想であるということです。日本が米中に挟まれながらも、米中いずれの陣営に属することなく、第三の極として独立して立つための構想であるということです。
これに対して、日本、アメリカ、オーストラリア、インドで中国を包囲するなどという、安倍氏の「セキュリティー・ダイアモンド構想」は、冷戦の二極構造の焼き直しであり、これからの時代には全く通用しない構想です。冷戦時に米ソが対立したように、今後米中が対立することはありえないからです。この二大国は今後ますます接近し、融和し、日本を包囲するようになります。従って、日本の活路は、第三の道を切り開くことにしかありません。安倍政権は、これからの日本を救うことは決してありません。むしろ間違った方向に私たちを誘導していくでしょう。最悪の場合、日本が消滅します。私たちは、日本の奪還に向けた戦いの準備を始めなくてはなりません。
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コメント
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「愛国者」の二つの意味
http://www.nicovideo.jp/watch/sm21642219
投稿: よしふる | 2013年8月21日 (水) 02時45分
米中抜きってなんか新鮮でいいかも。ヨーロッパやアフリカとも仲良くしたい!
投稿: verdandi | 2013年7月 2日 (火) 14時41分
12月の時点で青木直人さんは安倍さんは必ずTPPに参加する。保守の分裂が始まるだろうと語っていた。
保守は同じ仲間と思っていた。保守には偽装保守で日本を壊すことを目的としている保守と本当に日本を守ろうとする保守があるということが痛い目にあってやっとわかった。しかも、ネットで愛国者をふりまく保守が鋭い牙を隠し持っていることもやっとわかった。
民主党を二度と立ち上がれないぐらいに叩きのめした組織の怖さを知った。
従軍慰安婦を作ったのは統一教会だ。その代表が日本の総理大臣である。
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=qjMFP2QFdIA
投稿: 保守の分裂 | 2013年3月13日 (水) 01時05分
ネトウヨの愚かさは自分たちが朝鮮人の為に働いている自覚が全くないことである
安倍総理誕生に多大なる貢献をしました。結果は日本をアメリカに売り渡すことだったようです。
騙されたつけは大きかったです。
http://www.youtube.com/watch?v=d9BEWEBYlkM
投稿: ネトウヨ | 2013年3月12日 (火) 22時55分
統一教会に見事に騙されて放心状態です。安倍さんがTPP賛成派であり、創生日本の会合に竹中を招いていたにも拘らずです。洗脳はすごい簡単なことなのかもしれませんね。TPPがなかったらいまだに洗脳され続けていました。
こちらの会に入りました。メール会員です。現在15位のブログをこちらで紹介するのも気がひけますが、自分を取り戻すためです。日本を取り戻すことばに騙されました。
http://endokentaro.shinhoshu.com/japan/post2782/
投稿: 日本を守る | 2013年3月11日 (月) 22時30分
倉山さんが安倍総理は自分を応援してくれた人をいかに切るかが大事だと言っている。
まじやばい内閣。http://dat.2aa.jp/news/1351162255.html
投稿: 日本を守る | 2013年3月11日 (月) 19時47分
太平洋同盟のチリとペルーは既にTPPの参加国であり、メキシコ、コロンビアもTPP参加に積極的なのだそうです。
http://www.kyoto-np.co.jp/economy/article/20120607000023
この点を考えても、「太平洋同盟」は決してTPPの代替となるものではなく、仮に「太平洋同盟」に参加したからといって、TPPへの参加が免除される、というものではないことが分かります。そもそも、TPPは経済規模からすれば、実質的に日米間の交渉の問題ですから、「太平洋同盟」に参加したからといって、アメリカからの執拗な圧力がなくなるわけではありません。
投稿: WJF | 2013年2月 2日 (土) 23時14分
TPP参加、絶対に阻止したいですね。これからもツイッターなどで拡散しようと思います。
ところで、南米の太平洋同盟のオブザーバーとして日本が承認されたそうです。
このブログによるとTPPがますます必要なくなる、安倍さんは偉い、と書かれていますが、本当にそうなってくれれば良いのですが・・。それなのにTPPを進めようとしているとすれば、今の政府は対米従属のTPPは避けられないとしてしまっているのでしょうか。
自由と繁栄の孤に、南米大陸が加われば素晴らしいですね。パラグアイは日系移民の方達のおかげで国の農業技術を飛躍的に発展したため、今でも大の親日国で、国連では常に日本に賛成票を入れてくれているそうです。
とりあえず情報まで・・。
http://ameblo.jp/free-and-obligation/entry-11461673505.html
投稿: 太平洋同盟 | 2013年2月 2日 (土) 01時10分
牧野弘幸さん、同じ認識を共有してくださり、心強く感じます。安倍政権の誕生は、日本に仕掛けられた大きな罠だと思っています。多くの人たちがだまされてしまっており、強い危機感を感じます。彼は明らかにTPP(あるいはそれに置き換わるもの)を進めようとしています。そのことに多くの人たちはまだ気づいていません。彼は、日米安保の改定を強行したおじいさんのまねでもしたいのでしょうか。
平気な顔でアベコベの矛盾したことを言っている安倍氏を見ていると、私は本当にはらわた煮えくり返ります。彼の言説の矛盾は注意して耳を傾けていれば誰でも気づくはずなのですが・・・
投稿: WJF | 2013年1月31日 (木) 23時42分
対特定アジア3国(中国・韓国・北朝鮮)だけが目的になっている自称「愛国者」、
こういう連中に限って、特定アジア4国(中国・韓国・北朝鮮・日本)が嫌いな売国奴じゃないかな(笑)。
それどころか、安倍晋三首相あたりだと「親米」以外に「親韓国」って言う要素まである。
道州制に関しては、愛国・売国以前の問題。
「本当にできるの?」「ここまで都道府県を合併して行政に支障を及ぼさない?」「地方分権する割に1つの行政区域が広すぎる」って、
道州制を主張する連中のうち、中国ブロック(鳥取県・島根県・岡山県・広島県・山口県)選出の奴等は、今後「中国人」と言いましょうか?
投稿: 牧野弘幸 | 2013年1月31日 (木) 22時28分