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2012年12月29日 (土)

TPPと自民党

他に政権を任せられる政党はないため、自民党に投票しながらも、新政権への期待と同時に不安を表明しているWJFですが、特に心配しているのはTPPへの参加です。自民党の中には、アメリカの圧力に屈して(というか迎合して)、TPPを推進しようとする大きな勢力があります。

自民党は、「聖域なき関税撤廃を前提にする限り反対」と公約に掲げていますが、これは逆にいえば「関税撤廃に、米などの特定の例外品目が認められるなら、TPPに参加してもよい」ということでもあります。しかし、この動画をご覧いただければお分かりいただけると思いますが、TPPの問題は関税だけではありません。日本の姿を根底から破壊してしまうものです。

安倍首相とも親交が深く、先日その発言を取り上げた、知日派のマイケル・グリーン戦略国際問題研究所(CSIS)上級副所長は、安倍政権のTPP参加への姿勢について次のように述べています。

-安倍氏の環太平洋連携協定(TPP)への姿勢はあいまいだ。

 「政治的には参加表明したいが、選挙前にははっきり言いたくなかったのだろう。安倍氏は時期を選んで参加表明を決断すると思うが、それが来夏の参院選の前か後か。それで間に合うのかという問題がある」
(西日本新聞)

しかし、心強いのは、TPPに反対してくださっている、たくさんの心ある自民党議員の先生方もいらっしゃることです。181名もの自民党の先生方が、「TPP参加の即時撤回を求める会」のメンバーなのだそうです。

TPP問題早くも自民党内でバトル開始

自民党の石破茂幹事長は28日、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への交渉参加問題について、来年夏の参院選前に党の方針を決める考えを表明した。TPP交渉参加11カ国は来年10月の基本合意を目指しているためで、年明けから議論を加速させることになる。ただ、TPPに反対する自民党の有志議員連盟も同日、会員を大幅に増やして総会を開き、安倍晋三政権に対し参加の「即時撤回」を求めた。TPP問題は政権発足直後から早くも党内で熾烈(しれつ)な戦いが始まった。(山本雄史)

「参院選までに党として何らかの対処方針は当然決めなければならない」

石破氏は、28日午前の記者会見でこう述べた。

さらに「『例外なき関税撤廃を前提とした場合は反対』という党の方針は変わっていない」と強調しながらも、「政権与党になったことで、さまざまな情報をよく掌握したうえで判断したい」とも語った。

安倍政権内では、茂木敏充経済産業相が27日、「経済連携推進は自公政権の基本的な方向性だ」と発言するなど、交渉参加に前向きな意見が出始めている。林芳正農林水産相も自由貿易推進論者だ。

これに対し、反対派も黙っていない。

石破氏の記者会見とほぼ同時刻に、党本部では「TPP参加の即時撤回を求める会」(森山裕会長)が政権復帰後初の総会を開催した。初当選組を中心に66人が新規加入するなどして、メンバーは党所属議員の半数近くに相当する181人にまで膨れ上がり、総会には80人ほどが出席した。

出席者からは「参加のメリットが全くない」「情報開示が不十分だ」などと交渉参加反対の大合唱。伊東良孝財務政務官も「地元ではみんなTPP反対といっているが、党幹部の話を聞いているとそうではない」と露骨に執行部を牽制(けんせい)した。

森山氏は記者団に「聖域なき関税撤廃では反対だ。これは国際的に表明している自民党の政策だ」と重ねて強調。「首相は理解してくれている」と、交渉参加阻止に自信をのぞかせた。

ただ、同会からは幹事長だった稲田朋美行革担当相や、幹事長代理だった江藤拓農林水産副大臣などの主要幹部が続々と政権入りした。正面から反対はしづらい状況で、同会としても戦略見直しを迫られそうだ。

自民党は決して一枚岩ではありません。私たちの声をきちんと届けることにより、自民党内部の売国勢力の増長を抑え、新政権が正しい選択を行うように促していく必要性を改めて感じます。

マスコミによる安倍政権への不当なバッシングと、それに対する反発として当然生まれる「安倍政権を守ろう」とする保守の人々の態度。そこから、安倍政権への批判がタブー視される風潮が生まれてきているわけですが、それすらも、マスコミの背後にある勢力の「計算」であると見るのは、うがった見方に過ぎるでしょうか。

マスコミがバッシングするときに「なんのためにバッシングしているのか」その意図を読み取らなければならないと思います。彼らは無目的に行動するわけではありません。その裏には必ず何かの意図が隠されています。麻生政権末期には、民主党が台頭してきており、麻生政権へのバッシングは、民主党への投票行動に有権者を誘導するという目的と効果を持っていました。しかし、衆院選も終わり、自民党に対抗しうる勢力が完全に潰えた現在、不可解に思うのは、マスコミは何を目的として安倍政権のバッシングを行っているかです。安倍政権を叩いたところで、他の特定の党への投票行動へと誘導していくことはできない状況なのですが・・・

マスコミが、TPPを推進しようとするサイドにいることも忘れてはならないと思います。私が不安に思うのは小泉政権時のように、国民の政権への強い支持が、結局、グローバリズムを進展させたい勢力に利用されてしまうことです。小泉政権のときにはマスコミは小泉人気を煽る報道を行って世論を誘導していました。現在、グローバリズムを推進したい勢力は(経団連、マスコミ、アメリカ、その背後にある勢力は巨大な力をもっています)一見逆の方法を使って、安倍政権をわざと不当にバッシングし、「守らなければならない政党」というイメージを植え付けて、世論が政権を批判しないように誘導しようとしてはいないでしょうか。

へそ曲がりな私は、今のような時こそ、疑り深いまなざしで周りを眺め回しています。油断大敵。勝って兜の緒を締めよ。敗北が実は勝利であり、勝利が実は敗北となることも、歴史の中ではよくあることです。さまざまな勢力がさまざまな思惑をもって暗躍しており、情勢が混沌としている様子だけはひしひしと伝わって来ます。 WJFも彼らに負けじと思惑をもってがんばって暗躍したいと思います。皆様もどうか冷静な醒めた目をもってWJFを含めてすべてを疑って暗躍していただきたいと思います。守るべきものは一つしかありませんから。


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コメント

カラコさん、いつも的確で有益なご意見ありがとうございます。カラコさんのコメントを読むと、いつも安心できます。ただTPPには引き続き注意をはらっていたいと思います。

投稿: WJF | 2012年12月29日 (土) 23時27分

TTPの問題は、日米両国に推進派、抵抗派が存在し、ともに【重商主義の罠】にはまっていることだと思います。

これはアメリカの動きを見ればわかりやすい。

アメリカは:

1 農産物(砂糖など)や特定産業を保護する関税を無くす気は全くない。
2 (日本の)非関税障壁が問題だと、自国(実際は特定産業)に有利な非関税障壁を作ってくる。そもそも日本に非関税障壁などない。
3 自由貿易に反する数値目標を必ず入れてくる。

これは、自由貿易によってパイを大きくしようという考えではなく、80年代(70年代)からずっと続いている、
アメリカ式重商主義に他ならない。
そして、日米に関わらず、推進派、抵抗派に関わらず、【自分だけ上手く儲けてやろう】という重商主義者が
議論や交渉の主なプレイヤーである限り、市場によろしくない歪みを作り出すだけと言う事になる。

逆に言うと・・・1ドル=100~150円とかの円安になると、アメリカの製造業が【TTPやめろ!】の合唱をはじめるはずです。
まぁ、アメリカは【重商主義の罠】にはまってますから、1、2、3を指摘し続ければTTPはポシャると思いますが・・(笑

それから、【ポンドヤード法は非関税障壁!!】、これも効くと思います(笑
(これこそ本当の非関税障壁です。ギターの小さなネジでさえ日米欧で共有できません)

本来の意味でのTTPについては(ポシャる方向で)結構楽観していますが、【安全保障の観点から推進】とかいう、
【日米お友達教】の人達の暴走はありえるので、この点だけ要注意ですね。
同盟=お友達だと思ってる御バカはまだいますからね。


カラコでした♪

投稿: カラコ | 2012年12月29日 (土) 21時03分

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