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2012年4月19日 (木)

WJFプロジェクトは、日本海呼称問題に関するアメリカ大統領への請願を支持しません

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愛国者のみなさんへ。アメリカが既に日本海の呼称の単独使用という立場を明確にしているにも関わらず、わざわざアメリカ大統領に請願を出すことが、本当に日本に必要なことであり日本のためになることだと信じていらっしゃる方がいるのならば、どうか冷静になり、よく注意して次の言葉に耳を傾けてください。そしてみなさんの時間とエネルギーを人権救済機関設置法案など、今向き合うべき大切な問題に振り向けていただきたいと思います。
1. "We the People"は、アメリカ人のために設置されたオンライン請願システムである。

請願(Petition)とは、そもそも国民が自分たちの政府や為政者に対して行うものです。歴史的には1628年にイギリス議会が国王に出した『権利の請願(Petition of Right)』に始まり、アメリカでは1791年の合衆国憲法修正第1条で「連邦議会は、国教の樹立に関し、自由な宗教活動を禁止し、言論または出版の自由、平和的に集会し、苦情の救済を求めて政府に請願する人民の権利を縮減する法律を制定してはならない。」として請願権をアメリカ国民の権利の一つに定めました。ホワイトハウスのホームページに設置されている"We the People"というオンライン請願システムも、この合衆国憲法修正第一条に基づきアメリカ国民のために設けられているものです。外国人である私たち日本国民が、「請願」というものが成立した歴史的な背景や本来の意味を無視して、一般的な署名のようにこのオンライン請願システムを濫用すべきではありません。

(We the Peopleのどこにも、外国人は投票してはならないと書いてないという指摘がありますが、当たり前だから書いていないのであり、外国人が25000件署名を集めたところで、アメリカ大統領がこれに答えるなんの法的義務もないことは、そのようなことを定めた合衆国憲法の条文も法律も存在しないことからして明らかです。例えば、北朝鮮人がこのシステムを使って25000件署名を集めて、「北朝鮮に対する経済制裁をやめなさい」などと請願したらアメリカ大統領はこれに答えなければならないのでしょうか。万一、アメリカ大統領が何の法的根拠もなく外国人の請願に耳を傾けるなどといった事実が本当にあるとするなら、それはアメリカの主権をゆるがす大問題であり、このようなおかしな話は絶対にあり得ないことは冷静に考えればすぐにわかることだと思います。ふだん外国人参政権に反対している私たちがどうして、外国人でありながら、アメリカ政府に請願できるなどと考えてしまうのでしょうか。

(日本国憲法の定める請願権に関しては「何人も」と書かれているため外国人の請願権も認められているそうです。これはこれで大きな問題ですね。合衆国憲法は「人民の権利」と明記していますから、この「人民"people"」という言葉は、当然アメリカ国民と限定して考えるべきでしょう。)

ちなみにホワイトハウスのホームページ内のこちらのページには、下のようにこのオンライン請願システムの利用対象は「すべてのアメリカ人」であると明記されています。)

Today, we launched We the People on WhiteHouse.gov– a new platform that gives all Americans a way to create and sign petitions on a range of issues affecting our nation. And if a petition gathers enough online signatures, it will be reviewed by policy experts and you’ll receive an official response.
2.独立国の国民が他国の元首に請願するなどは、属国意識のあらわれであり、恥ずべき行為である。

また仮にこのオンライン請願システムが日本からの投票を認めていたとしても、私たち日本国民はアメリカ大統領に請願などすべきでしょうか。事大主義の韓国がこのようなことをするのは理解できますが、どうして私たち日本人が彼らの事大主義をまねてアメリカ大統領に請願などしなければならないのでしょうか。私たちは独立国の国民であり、日本とアジアの自存をかけて戦った英霊たちの子孫です。アメリカ大統領は私たちの為政者ではないし、私たちはアメリカの属国ではありません。独立国の国民が他国の元首に請願するなどは、絶対にしてはならない忌むべき恥ずべき行為です。私たちの子孫に「昔日本人はアメリカ大統領に請願していた」などという恥辱の歴史を残してはいけないと思います。

3. 日本海呼称問題に関する日本人の「意志」を示す「署名」活動は、日本に不利な状況を将来招くことなる。

アメリカは既に、日本海という呼称の単独使用を支持する立場を明確にしています。これはアメリカが日本の肩を持っているからではなく、国際的な慣用やルールを尊重しようとする立場からです。しかし、日本人が韓国人と対称性のある行動をとり、彼らの行動をまねてアメリカ大統領に請願するようなことをするならば「国際的慣用VS一国のわがまま」という従来の対立の図式は崩れ、「日本の意志VS韓国の意志」という対立の図式へと変質してしまいます。これは、日本海と東海の呼称の併記への道を開いてしまうものです。日本海呼称問題が単に「日本の意志VS韓国の意志」の争いであるならば、世界の国々は、両者の立場を平等に聞き入れようという解決を取らざるを得なくなるからです。今回のアメリカ大統領に請願する行為は何の結果も生まないばかりか、このように却って日本の立場を危うくする可能性すらあります。韓国にとって日本が彼らと同じ土俵で争ってくれるほど好都合なことはありません。彼らの主張は「日本海という呼称は日本の意志によって付けられた名称である」というものなので、25000人の日本人の「意志」を署名で集めることで実は彼らの主張をなぞることになってしまうという落とし穴が潜んでいます。今回の請願文も、韓国が自分たちに有利な状況を作り出すためにしかけた罠であるという可能性はないでしょうか。私たちの主張はあくまで、日本海の呼称は「日本の意志」と無関係に成立したというものなので、私たちが提示しなくてはならないのは、日本海の呼称が生まれた過程に関する客観的な歴史的事実であり、25000件の署名によって「日本の意志」を示すことではありません。従って日本海呼称問題ほど「署名」という形式の抗議が不適切な問題はありません。「署名」とは私たちの「意志」を示すものだからです。

4. 異議申し立てをするなというのではなく、私たちはもっと緻密に戦略を立て、洗練されたやり方を考えなければならない

この請願を始めたのは韓国系アメリカ人たちですが、彼らはアメリカの市民権をもっており、アメリカ大統領に対してこのような請願を行う法的な資格があります。ただし、本来の趣旨を逸脱して、アメリカ市民ではない半島の韓国人による投票も少なからずあったようです。日系アメリカ人がこれに対抗して請願を出すならまだわかるのですが、アメリカの市民権を持たない私たち日本人が、韓国人がやったからといって同じような恥ずかしい行為を繰り返すべきでしょうか。日本海の呼称以上に失ってならないのは、独立国としての矜持です。フランス国民がアメリカ大統領に請願を出すでしょうか? イギリス国民はどうでしょうか。ロシア国民がアメリカ大統領に請願を出すでしょうか。独立国の国民でありながら、アメリカ大統領に請願を出しているのは、韓国人(ほとんどは韓国系アメリカ人)と日本人だけではないでしょうか。他国のオンライン請願システムの上でこのようなぶざまな争いを展開していること自体とても恥ずかしいことだと思います。これは私たち日本人が異議申し立てをするなと言うことではなく、韓国とは違う、もっと質の高い洗練されたやり方で、緻密に戦略的に情報戦を戦っていかなければならないということです。韓国と同じことを繰り返したり、他国の請願システムを乗っ取る以外にもっと効果的な方法はいくらでもあります。

5. 人権救済機関設置法案に注力せよ

今私たちがしなくてはならないことは、アメリカが既に立場を明確にしている問題についてわざわざアメリカ大統領に請願を出すといった無意味な行動に人々をあおり立てて時間とエネルギーを消耗することではなく、日本国の主権者として、日本国の政治家に、人権救済機関設置法案を阻止すべく請願を出すことです。請願の方法はこちらに書いてあります。今回のあまりに熱心で執拗なアメリカ大統領への請願への呼びかけは、人権救済機関設置法案に関する請願という今日本人がなすべき最も重要なアクションから、人々の関心をそらし、妨害するための煽動ではないかと危惧します。どうかもっと冷静になって、今私たちがなすべき大切な問題に向き合っていただきたいと思います。

以上の理由により、ホワイトハウスの請願に参加せよとの呼びかけをWJFプロジェクトのブログ上で行うことは、固くお断りさせていただき、そのようなコメントは削除させていただきます。ご理解ください。


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竹島問題・日本海呼称問題」カテゴリの記事

コメント

私も何も考えずに署名しましたが、さっき日本側の署名文の「韓国は北の影響下にある、南を守るためにたくさんの米兵の血が流れたのに韓国は今米軍を追い出そうとしている」というのを読んで、うーん、これはsea of Japan に関係のあることなのかなとちょっと疑問に思いました。基本的にはK@在米15年さんの「とにかく声をあげろ」に賛成ですし、署名を立ち上げた方も在米の日系米人の方だと思いますが(ですよね?)、文章にもうちょっとだけ戦略を練って頂きたかったかも。この問題を米人を装ってその立場から署名を促すとしたら、まず「米国の子供たちには”事実”を教えなければならない」ということで「日本海」の呼称の正しさを客観的に証明する事実を揚げ、次に、「米国が、韓国のナショナリズムに先導された地名改名運動に加担して、日本という重要な同盟国との関係を悪化させるのは馬鹿げている」というよう趣旨がよかったのでなないかと思います。アメリカ政府の署名サイトですから、あくまでもアメリカ人の立場からアメリカ人説得する姿勢を貫いて頂きたかったかもです。
あとWJFさんのお仕事はいつも心強く拝見しながら感謝しておりますし、お考えも理解できるのですが、今の世界は日本人が考えるよりももっと野蛮で力づくな場所であるような気がします。事実あれほどどこの国にも無礼千万なかの国に対して、世界は日本人が考えるほどには彼らを強く糾弾しません。世界自体が同じように野蛮で力づくなところがあるからじゃないでしょうか。

投稿: 通りすがりです | 2012年4月23日 (月) 11時49分

何度もスミマセン。(もうこれで最後にします)


>貴殿の言う所の率先したやり方で取り組んで頂きたいと思います。
を以下に訂正します。
「貴殿の言う所の洗練したやり方で率先して取り組んで頂きたい」です。
日本には誘導するリーダーさえいれば国民が参加しやすいと思います。
貴殿が率先して呼びかければ日本の大臣に声が届くのではないでしょうか?

その時は私も参加させて頂きます。是非よろしくお願いします。

(私自身、まだ永住権アリに日本国民です。市民権は持っておりません。)

投稿: K@在米15年 | 2012年4月22日 (日) 23時57分

早速のお返事有難うございます。

>当プロジェクトはこのような突発的、短絡的な行動によってではなく、>何年も韓国のプロパガンダにと地道に取り組んでいます。

そのようですね、ぜひ今後も頑張って頂きたいです。

そして、出来ましたら貴殿も今回の問題の焦点である『日本海表記』の件も貴殿の言う所の率先したやり方で取り組んで頂きたいと思います。その時は私も参加させて頂きます。

何度も言いますが、アメリカでは声を上げたモノ勝ちです。どんな内容でも声を上げ続けたものが勝ちます。本当ですよ。
頑張ってください。

投稿: K@在米15年 | 2012年4月22日 (日) 23時31分

K@在米15年 さん
>今回の嘆願は韓国のものとは違いますし、同じレベルに成り下がってもいません。

あの請願文は、先生にほかの生徒のことを言いつけている子どもが書いたような内容です。いくつかの誤りが含まれており、日本海という呼称が成立した歴史的過程については何も言及していないのも問題です。いずれにせよ、アメリカ市民権をもつ方がなさることには反対しません。ただしアメリカ政府に対する請願権を持たない不特定多数の日本国民を巻き込むべきではありません。

>人をジャッジする前に自分で行動して下さい。

当プロジェクトはこのような突発的、短絡的な行動によってではなく、何年も韓国のプロパガンダにと地道に取り組んでいます。

投稿: WJF | 2012年4月22日 (日) 23時17分

初めまして。私はアメリカに住んでもう15年目ですが署名しました。
こちらのブログ記事の話は納得はできるのですが、甘いです。
ルールに則ってアメリカ人意外嘆願してはいけないというのは解ります。だから違う形で訴えるということですが、今回の嘆願は韓国のものとは違いますし、同じレベルに成り下がってもいません。
「洗練されたやり方を考えなければならない」という事ですがこちらも同賛はします。それは貴殿が率先してしたらいい事で、ナリヒラ氏はナリヒラ氏でやれることをやっているのです。人をジャッジする前に自分で行動して下さい。アメリカに15年住んでる私の経験上アメリカ人たちは嘆願に何人が書いても重きを置きません。あるのは行動のみ。韓国人の行動力はある意味凄いです。洗練も何もないですこの世にサバイバルするには。日本人の「クール」は通用しません。という一意見でしたがコメント残させて頂きます。

投稿: K@在米15年 | 2012年4月22日 (日) 23時09分

なるほど・・・。それはそうかも・・・

でも「日本人が韓国人と対称性のある行動をとり~」になってるんでしょうか。あくまでこのいざこざは非対称の構図なのでは・・・。韓国側の“持論”に日本は対論を出しているのではなく、反駁しているだけなのでは。「日本の意志VS韓国の意志」ではなく「韓国の意志。それに対する日本の反意」とでも言うか。もちろん、この形を崩してはならないという意識を忘れてはいけませんが。

「過去、日本が恣意的に日本海という名称を付けた」という論説を用いて、“現在進行で、韓国は恣意的に東海という名称を力技で定着させようとしている”現状に対し、その野心を指摘し自省を促すために、日本は日本海関係国として「黙認は断じて、無い」を表しているのだと思います。

投稿: カジキ | 2012年4月21日 (土) 21時37分

今各所でこの嘆願の件が広く拡散されています。片山さつきさんもこの署名を推進しているようで、
twitterでつぶやいています。
2chの保守系の掲示板ではどの板でも拡散・賛成の意見ばかりで、
怪しいと言っていた人はざっと見た限り一人しかいませんでした。
冷静になるよう言ってみても
「今まで何も声を上げなかったから、あれもこれも韓国の主張が通っちゃったんでしょ。
手を拱いてみてるなんてよくない!!」
「日本海だと思う!じゃなく韓国が東海と言うのはおかしいと冷静に伝えるのは悪い事じゃないでしょ?
他にこの件でどうするべきかわからないしとりあえず署名したら1アクションにはなるじゃん」
と返される事も。
webで記入するだけという手軽さと、無関心が色んな自体を招いたと言う
危機感からここまで広がっているようですが…
WJF様のこの記事のリンクを張ったら逆にこのサイトに混乱を招く恐れがあるかも知れないので、
とにかく署名する前に一度考えてみるよう呼びかけてみます

投稿: ako | 2012年4月21日 (土) 10時52分

この署名、私も覗いてみました。そして内容を読んでがっかりしたのですが、そのがっかりした部分をWJFさんが説明されていると思いました。

指摘されたような、レベルを低くしてしまっている所(もしくはわざと思想を撒き散らしている?)を改善し、しっかりした別のレベルの高い抗議をしていければと思います。

投稿: 応援しています!! | 2012年4月20日 (金) 01時24分

この請願の件で、日本政府はアルバイトを雇ってるのではないか、っていう記事がありました。
こう言いたかったのでしょうか。。
http://news.livedoor.com/article/detail/6480324/
私はあまりよく考えずに請願しちゃいましたが。

ま、でも、登録時のcountryを選択させる欄があり
そこにJapanも入っていましたから日本人の請願であることはわかるはずです
(外国人からの意見も聞くだけ聞くということなんでしょうか)。
規模もそれほど大きくはなかったので、そう問題になることは無さそうです。

ただ、こういう妨害行為(?)は当初から想定されていましたし、
執拗に自分の主張を通そうとする人には、一歩ひいた目で見ないといけないんでしょうね。
そういう疑いの目を常にもちつつも、
WJF活動の分裂を招かないように各人が冷静な判断を行わなければいけませんね。

投稿: deepwater | 2012年4月20日 (金) 00時38分

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